NBAのミネソタ・ティンバーウルブズで「Ant-Man(アントマン)」の愛称で呼ばれるアントニー・エドワーズ。2020年のNBAドラフト全体1位指名から数年で、リーグを代表するスコアラーへと成長した彼の背景には、1日2部練習を軸とした徹底したトレーニング習慣がある。
NBA最高得点者を支えるトレーニング哲学
エドワーズが最も強調するのは「コンシステンシー(継続性)」だ。「完璧なプログラムを短期間やるより、良いプログラムを長期間続けることの方が遥かに大事だ」——これが彼のトレーニング哲学の核心にある言葉だ。
1日2部練習のルーティン
エドワーズのオフシーズントレーニングは朝9時30分に始まる。バスケットボールの実戦練習(シューティング・ドリル)とウエイトトレーニングを午前中に完了させ、一度帰宅して昼寝(リカバリー)を挟む。そして午後5時〜5時30分、再びジムに向かいボクシングトレーニングを行う。
腕の疲労具合によっては、ボクシング後にさらにバスケットボールのワークアウトを追加することもある。この「午前+午後」の2部制が、シーズンを通じて高強度のプレーを維持する基盤だ。
(参考)Anthony Edwards reveals his offseason regimen – TalkBasket
ボクシングでアジリティと格闘耐性を高める
エドワーズがトレーニングに取り入れているボクシングは、単なる趣味ではない。バスケットボールで求められるフットワーク・ハンドスピード・反応速度を、ボクシングで同時に鍛えられる点が大きなメリットだ。また、接触プレー(コンタクト)への耐性も向上し、ドライブでの得点力が増す。
爆発力を生む3つの種目
エドワーズのウエイトトレーニングで特に重要な位置を占めるのが、DB Split Snatch(ダンベルスプリットスナッチ)・Depth Drops(デプスドロップ)・Goblet Squats(ゴブレットスクワット)の3種目だ。
DB Split Snatch:爆発的な全身連動力
スプリットスナッチはオリンピックリフティングの派生種目で、股関節の爆発的な伸展から生み出されたパワーを上半身へと伝達する全身運動だ。バスケットボールでのジャンプ・ダッシュ・切り返しに必要な「床からのパワー伝達」を直接鍛えられる。エドワーズはダンベルを使ったより安全なバリエーションを採用し、週2〜3回のセッションに組み込んでいる。
Depth Drops:着地衝撃への適応力を高める
台から飛び降りる瞬間の「衝撃吸収」を反復するデプスドロップは、バスケットボールの着地動作における膝・足首への負担を軽減する神経筋適応を促す種目だ。怪我を繰り返してきたエドワーズがウエイトルームを活用して故障を克服できた背景には、こうした予防的トレーニングへの投資がある。
Goblet Squats:フォームを固める基礎強化
ゴブレットスクワットはダンベルを胸の前で抱えて行うスクワットの変形で、自然と直立した姿勢を作れる種目だ。バスケットボールのディフェンス姿勢(低重心のアスレチックスタンス)を維持する大腿四頭筋・殿筋を強化しながら、フォームの安定性も同時に鍛えられる。
(参考)Anthony Edwards Full Body Workout – Medium
ウエイトトレーニングで怪我を克服した経緯
エドワーズは若い頃、慢性的な故障悩まされていた時期があった。転機となったのは、ウエイトルームへの本格的な取り組みだ。「ウエイトトレーニングが自分を健康にしてくれた」と語る彼の言葉は、筋力強化が単なるパフォーマンス向上だけでなく、予防医学的な効果ももたらすことを示している。
継続性が生む長期的な成果
コーチ陣が理解しているのは「一貫して十分なトレーニングを継続することが、最適だが変化し続けるプログラムより常に勝る」という原則だ。エドワーズもこの哲学に共鳴し、毎日のルーティンをほぼ崩さずに積み上げてきた。この継続性こそが、NBA屈指のスコアラーへと成長した最大の要因だ。
アスリートの継続的なリカバリーと強化については、ウェンバニャマのリカバリー術も参照してほしい。
アントマン式トレーニングを日常に
エドワーズのトレーニングエッセンスは、一般のバスケットボールプレーヤーやスポーツ愛好家にも応用できる。
週3日の爆発力強化プログラム
月・水・金の週3日:ゴブレットスクワット4×8→ルーマニアンデッドリフト3×8→ボックスジャンプ3×8→デプスドロップ3×5→ベンチプレスまたはプッシュアップ3×10→懸垂3×最大。有酸素(シャドーボクシング15分)をセッション後に追加すると、エドワーズ式の「午後ボクシング」に近い効果が得られる。
まとめ:エドワーズのトレーニングから学ぶ3原則
- 継続性こそ最強の武器:完璧なプログラムより、良いプログラムを毎日続けることがNBAレベルの体を作る。
- 2部制でトレーニング密度を上げる:午前バスケ+ウエイト、午後ボクシングの2部構成で、1日に多角的な能力を同時に鍛える。
- 爆発力トレーニングが競技力の差を生む:スナッチ・デプスドロップ・ジャンプ系種目を取り入れることで、瞬発力と着地安全性を同時に向上できる。
よくある質問(FAQ)
アントニー・エドワーズはNBAのどのチームに所属していますか?
ミネソタ・ティンバーウルブズに所属し、チームのエーススコアラーとして活躍しています。2020年のNBAドラフト全体1位指名選手です。
エドワーズが重視するトレーニング種目は?
DB Split Snatch(爆発力)・Depth Drops(着地耐性)・Goblet Squats(下半身基礎)の3種目を中心に、ボクシングとシューティングドリルを組み合わせた総合的なプログラムを実践しています。
ボクシングをトレーニングに取り入れる効果は?
フットワーク・ハンドスピード・反応速度の向上と、接触プレーへの耐性強化が主な効果です。バスケットボールのドライブ得点力やディフェンス能力にも直結します。
エドワーズはなぜウエイトトレーニングを重視するようになったのですか?
慢性的な故障から「ウエイトルームが自分を健康にしてくれた」という経験から。筋力強化が怪我予防の根本的な解決策になると気づいたことが転機です。
一般プレーヤーが取り入れやすいエドワーズのトレーニング要素は?
ゴブレットスクワット・ボックスジャンプ・シャドーボクシングは特別な設備不要で取り入れられます。週3回のトレーニングで継続性を最優先することがエドワーズ流の本質です。
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