スポーツ業界の新卒採用|初任給と人数の相場・人事の設計

スポーツ業界の新卒採用|10社の初任給と人事の設計 スポーツビジネス

スポーツ業界の新卒採用を調べると、「どの会社が毎年採っているのか」「初任給はいくらか」「いつ動けば間に合うのか」が、会社ごとの採用ページに散らばっていて見比べにくいんですよね。自社の募集要項を作る側に立つと、同業の水準が分からないまま金額と日程を決めることになります。

公式の採用ページで新卒採用を確認できた10社・団体を並べると、スポーツ業界の新卒の初任給は大卒で月206,000円〜330,000円、採用人数の実績を公表しているのは3社で、ミズノは2025年に53名でした(2026年10月14日時点)。日程は「広報3月・選考6月・内定10月」という政府の要請が原則で、2027年卒も2028年卒も同じです。この記事では、10社・団体の一覧、業態ごとの違い、日程、既卒や競技経験者の受け方を順に整理します。

スポーツ業界で新卒採用を行う10社・団体の初任給と人数

スポーツ業界で新卒採用のページを公開しているのは、用品メーカー5社、小売とフィットネス3社、リーグと球団2団体の計10社・団体です。選んだ条件は「2026年10月14日時点で、公式サイトに新卒採用のページがあり、対象の年次か募集要項を読み取れること」の1点にしました。

企業・団体 業態 対象の年次(ページの表記) 初任給(大卒・月額) 採用人数の実績
アシックス 用品メーカー 28卒・27卒 330,000円(2026年度) 公表なし
ミズノ 用品メーカー 2028年度新卒採用 270,000円 2023年45名・2024年52名・2025年53名(四大・院卒)
デサント 用品メーカー 総合職は28卒 285,000円(総合職・2026年4月改定) 総合職 2023年度9名・2024年度18名・2025年度18名
ゴールドウイン 用品メーカー 表記なし 公表なし 26年度 新卒入社 社内28名・店舗16名
ヨネックス 用品メーカー 2027年度新卒採用 公表なし 公表なし
アルペン 小売 2028年3月卒業見込み 260,000円(総合職グローバル社員) 公表なし
ゼビオグループ 小売 表記なし 230,000円(総合職・経営幹部候補) 公表なし
セントラルスポーツ フィットネス 27卒・28卒 206,000円(総合職群ビジネスコース) 公表なし
楽天野球団 プロ野球球団 2027年新卒採用(募集終了) 305,400円(固定残業代40時間分を含む) 公表なし
Jリーグ リーグ 2028年度新卒採用 公表なし 公表なし(従業員数173名)

各社・団体の公式採用ページ(2026年10月14日確認)をもとにHuman Soarが作成。「公表なし」は新卒採用ページ・募集要項のページで確認できなかった項目です。

10社・団体のうち、大卒の初任給を採用ページに載せているのは7社、採用人数の実績を載せているのは3社でした(本記事の集計)。年次の書き方は「28卒」「2028年度新卒採用」「2028年3月卒業見込み」と会社ごとに違いますが、いずれも2028年4月に入社する学年を指しています。

一方で、B.LEAGUEの採用情報ページには営業や人事、法務などの職種が並び、同じ日の時点で新卒向けの募集は載っていませんでした。リーグやクラブを志望先・競合先として見るときは、新卒の枠があるかどうかを採用ページで先に確かめるのが近道です。

(参考)新卒採用 – 株式会社アシックス

(参考)応募要項・スケジュール(2028年度新卒採用) – ミズノ株式会社

(参考)新卒採用 募集要項 – 株式会社デサント

(参考)数字で見るゴールドウイン – 株式会社ゴールドウイン

(参考)募集要項(新卒採用) – ヨネックス株式会社

(参考)新卒採用 募集要項・選考プロセス – アルペングループ

(参考)新卒採用募集要項 – ゼビオグループ

(参考)新卒採用 – セントラルスポーツ株式会社

(参考)新卒採用募集要項 – 株式会社楽天野球団

(参考)新卒エントリー – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)

(参考)採用情報 – 公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ(B.LEAGUE)

Q. スポーツ業界で新卒採用をしている企業はどこですか?

公式の採用ページで確認できたのは、アシックス、ミズノ、デサント、ゴールドウイン、ヨネックス、アルペン、ゼビオグループ、セントラルスポーツ、楽天野球団、Jリーグの10社・団体です(2026年10月14日時点)。用品メーカーと小売、フィットネスが中心で、リーグや球団にも新卒の枠があります。募集の有無は年ごとに変わるため、各社の採用ページで対象の年次を確かめてください。

新卒採用の形は業態で分かれる|メーカー・小売・リーグの違い

スポーツ業界で新卒採用を行う10社・団体を用品メーカー、小売・フィットネス、リーグ・球団の3業態に分けた図

スポーツ業界の新卒採用は、用品メーカーは職種別、小売とフィットネスはコース別、リーグと球団は配属を入社後に決める形と、業態ごとに募集の区切り方が違います。背景にある市場は、スポーツ庁と経済産業省が2025年4月にまとめた資料で2021年に10.0兆円とされ、15兆円の目標は「遅くとも2030年まで」に置き直されました(スポーツ未来開拓会議のとりまとめ)。

産業全体の課題は日本のスポーツ業界が抱える課題で整理しています。ここでは採用ページの記載から、3つの業態の違いを見ていきます。

用品メーカーは職種別に募集して採用人数の実績も公表する

用品メーカーは、研究・開発、デザイン、事務系といった職種ごとに募集を分けています。アシックスは研究職、開発職、デジタル・IT職、デザイン職、経理・財務職、職種指定なしの6区分、ミズノは事務系総合職、研究・開発職、デザイン職の3区分で、ミズノは併願ができません。

採用人数の実績は、ミズノが四大・院卒で2023年45名、2024年52名、2025年53名、デサントの総合職が2023年度9名、2024年度18名、2025年度18名です。ゴールドウインは26年度の新卒入社が社内28名、店舗16名で、新卒社員の3年定着率を100%と公表しています。

初任給はアシックスが4年制大学卒で月330,000円(2026年度)、デサントの総合職が大学卒285,000円(2026年4月改定)、ミズノが大卒270,000円と、3社で60,000円の開きがあります(差は本記事の計算値)。

あわせて読みたいスポーツメーカーの業界研究ガイド|大手企業・就活・ビジネスモデルを徹底解説›

(参考)株式会社アシックス 募集要項 – 株式会社アシックス

(参考)応募要項・スケジュール(2028年度新卒採用) – ミズノ株式会社

(参考)新卒採用 募集要項 – 株式会社デサント

(参考)数字で見るゴールドウイン – 株式会社ゴールドウイン

小売とフィットネスはコース別に初任給を分ける

小売とフィットネスは、勤務地の範囲や役割でコースを分け、コースごとに初任給を変えています。アルペンの総合職は、グローバル社員が四大卒で月額260,000円(基本給230,000円と群手当30,000円)、エリア社員が237,000円です。

セントラルスポーツは新卒の職種をインストラクターとし、総合職群Aコース(ゼネラルコース)が大卒233,500円、ビジネスコースが206,000円です。公認会計士などの有資格者だけが対象のSコース(エグゼクティブコース)は300,000円で、同じ会社の中で約94,000円の幅があります(幅は本記事の計算値)。

ゼビオグループはゼビオ、ヴィクトリア、ゴルフパートナーの3社分をまとめて掲載しており、総合職(正社員/経営幹部候補)は大卒で月給230,000円です。

(参考)新卒採用 募集要項・選考プロセス – アルペングループ

(参考)新卒採用 – セントラルスポーツ株式会社

(参考)新卒採用募集要項 – ゼビオグループ

リーグと球団は配属を入社後に決める

リーグと球団は、職種を分けずに募集し、配属を入社後に決めています。Jリーグの新卒エントリーのページには「配属 入社後に決定」とあり、採用人数は公表されていません。従業員数は173名、平均年齢は44歳です。

楽天野球団は2027年新卒採用の募集を終えており、配属先の例として営業本部、事業開発本部、マーケティング本部、コーポレート本部、チーム統括本部を挙げています。給与は月305,400円で、うち73,451円は40時間分の固定残業代です。新卒・第二新卒とも、入社までにTOEIC800点の取得を求めています。

(参考)新卒エントリー – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)

(参考)数字で見るJリーグ – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)

(参考)新卒採用募集要項 – 株式会社楽天野球団

初任給は大卒で月206,000円〜330,000円|内訳をそろえて比べる

初任給を公表している7社の大卒の額は、月206,000円から330,000円まで124,000円の幅があります(幅は本記事の計算値)。ただし、固定残業代や手当を含む額と含まない額が混ざっているので、そのまま高い・低いを決めることはできません。

固定残業代と手当を含む額かを確かめる

同じ「月30万円前後」でも、中身は会社によって違います。楽天野球団の305,400円は月額給与231,949円に40時間分の固定残業代73,451円を足した額で、アルペンの260,000円は基本給230,000円に群手当30,000円を足した額です。

ゼビオグループの募集要項には、月給256,000円に「時間外調整手当25h含む」と添えた総合職(正社員)の区分もあります。自社の金額を同業と比べるときは、基本給、固定残業代の時間数、一律の手当の3つに分けて並べると、差の理由が見えてきます。

(参考)新卒採用募集要項 – 株式会社楽天野球団

(参考)新卒採用 募集要項・選考プロセス – アルペングループ

(参考)新卒採用募集要項 – ゼビオグループ

コースと勤務地で同じ会社でも額が変わる

初任給は会社ごとの1つの数字ではなく、コースと勤務地で決まります。デサントは総合職が大学卒285,000円なのに対し、販売職は東京・神奈川・千葉・埼玉で211,600円、その他のエリアで200,000円です。

アルペンもグローバル社員とエリア社員で23,000円の差を付けています(差は本記事の計算値)。業界全体の給与水準はスポーツ業界の年収の記事で扱っているので、初任給のあとの伸び方はそちらと合わせて見てください。

(参考)新卒採用 募集要項 – 株式会社デサント

(参考)新卒採用 募集要項・選考プロセス – アルペングループ

Q. スポーツ業界の新卒の初任給はいくらですか?

採用ページで公表している7社では、大卒で月206,000円〜330,000円です(2026年10月14日時点)。アシックスが330,000円、デサントの総合職が285,000円、ミズノが270,000円、アルペンの総合職グローバル社員が260,000円でした。固定残業代や手当を含む額もあるため、内訳をそろえて比べる必要があります。

新卒採用の日程は広報3月・選考6月・内定10月が原則

スポーツ業界を含む新卒採用の日程。広報活動は3月1日以降、採用選考活動は6月1日以降、正式な内定は10月1日以降という流れの図

新卒採用の日程は、広報活動が卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降、採用選考活動が卒業・修了年度の6月1日以降、正式な内定日が10月1日以降です。政府は2018年以降、毎年度の関係省庁連絡会議でこの日程を決め、内閣官房などが経済団体に守るよう要請しています(内閣官房の要請)。

2027年卒と2028年卒で日程のルールは同じ

政府の資料は「2026年度卒業・修了予定者」のように年度で書かれます。2026年度の卒業・修了予定者は2027年3月卒(27卒)、2027年度は2028年3月卒(28卒)にあたり、どちらも日程の原則は変わっていません。

西暦に直すと、28卒は広報が2027年3月1日以降、選考が2027年6月1日以降、正式な内定が2027年10月1日以降です(換算は本記事によるもの)。ミズノ、デサント、アルペン、Jリーグなど6社・団体は、2026年10月14日の時点で28卒向けのページやマイページをすでに開いていました(本記事の集計)。

(参考)2027(令和9)年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請 – 内閣官房

(参考)2026(令和8)年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請 – 内閣官房

インターンシップは原則として選考にしない

2028年卒向けの要請は、インターンシップなどについて「原則として、広報活動や採用選考活動そのものではない」としています。例外は2週間以上の専門活用型インターンシップで、春休み以降の実施分で高い専門性があると判断した学生に限り、6月より前に選考へ移れます。

同じ要請は、面接や試験を土日・祝日や平日の夕方以降にも設けること、採用選考やインターンシップの場でハラスメントを起こさないことも求めています。日程を決めるときに、面接の時間帯と面接官への周知まで一緒に決めておくと抜けがありません。

(参考)2027(令和9)年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請等について(令和8年3月24日) – 内閣官房

Q. スポーツ業界の新卒採用はいつから始まりますか?

政府の要請では、広報活動は卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降、採用選考活動は6月1日以降、正式な内定は10月1日以降です。2028年3月卒では、広報が2027年3月1日以降にあたります。ミズノやJリーグのように、それより前から採用ページやプレエントリーを開いている企業・団体もあります。

既卒3年以内と競技経験者は新卒の枠で受けられる

スポーツ業界の新卒採用で、卒業見込み・既卒3年以内・競技で実績のある人がどの枠で応募するかを分けた図

スポーツ業界の新卒採用では、卒業見込みの学生に加えて、既卒3年以内の人と競技で実績のある人を、新卒の枠の中で受け付ける会社があります。応募できる人の範囲を募集要項にどう書くかで、集まる母集団が変わります。

既卒3年以内を新卒の枠で受け付ける

政府の要請は、卒業・修了後少なくとも3年以内の既卒者が新卒の採用枠に応募できるようにすることを求めています。ミズノは卒業から3年以内で職務経験のない人、アルペンは大学卒業後3年以内で職歴のない人を、新卒の応募資格に入れています。

楽天野球団は新卒と同じ募集要項の中に第二新卒の区分を置き、大学・大学院の卒業から3年以内の人を対象にしています。職歴の有無をどう扱うかは会社によって違うので、応募資格の1行に「職歴の有無」まで書いておくと問い合わせが減ります。

(参考)2027(令和9)年度卒業・修了予定者等の就職・採用活動に関する要請等について(令和8年3月24日) – 内閣官房

(参考)応募要項・スケジュール(2028年度新卒採用) – ミズノ株式会社

(参考)新卒採用募集要項 – 株式会社楽天野球団

競技経験者向けのコースを分けて募集する

アルペンは総合職の中に、競技の実績を応募の条件にしたコースを2つ設けています。スポーツコースは、大学・高校の在学時に全国大会に準ずる競技成績がある人や、日本代表に準ずる選抜チームでの代表歴がある人が対象です。ゴルフコースは、ゴルフ部に在籍している人かゴルフの戦績がある人を対象にしています。

休暇制度には競技活動をサポートする休暇も載っています。競技を続けてきた学生を採りたい会社にとっては、枠を分けることと、入社後に競技を続けられる制度を示すことが1組になっている例です。アスリートの採用全般はスポーツ採用の企業メリットとリスクで整理しています。

(参考)新卒採用 募集要項・選考プロセス – アルペングループ

採用担当が自社の募集要項で見直す3つの項目

同業10社・団体の書き方を並べると、自社の募集要項で見直す項目は、初任給の内訳、対象の年次と既卒の扱い、採用人数の実績の3つに絞れます。大学(学部)卒業者の就職率は2026年4月1日現在で98.0%(厚生労働省と文部科学省の共同調査、2026年5月22日公表)と高い水準が続いており、学生は複数の会社の募集要項を見比べて応募先を決められる状況です。

①初任給は基本給・固定残業代・手当に分けて書く

初任給は合計の額だけでなく、内訳を書きます。楽天野球団は月額給与と固定残業代の額・時間数を、アルペンは基本給と群手当を分けて載せていました。内訳があると、応募する側は他社と同じ条件で比べられ、入社後の「聞いていた額と違う」を防げます。

②対象の年次と既卒の扱いを1行で書く

対象の年次は「2028年3月卒業見込み」のように卒業の時期で書き、既卒を受けるなら年数と職歴の条件を続けて書きます。10社・団体のうち年次の表記が読み取れなかったページが2つあり、応募できる学年かどうかがページだけでは判断できませんでした(本記事の集計)。

あわせて読みたいスポーツ人材紹介・採用支援10社比較|人事担当者向け›

③採用人数の実績を年度つきで載せる

採用人数の実績を載せていたのはミズノ、デサント、ゴールドウインの3社で、デサントは男女別の人数まで出しています。人数は、応募する側が「毎年採っている会社か」を判断する材料になります。入社後の進み方まで示すなら、スポーツ業界のキャリアパスのように職種別の道筋を合わせて載せると、数字の意味が伝わりやすくなります。

まとめ|スポーツ業界の新卒採用は一覧で比べてから決める

スポーツ業界の新卒採用は、会社ごとの採用ページを同じ項目で並べると、初任給・人数・日程の水準が見えてきます。要点は次のとおりです。

  • 新卒採用のページを確認できたのは10社・団体で、用品メーカー5社、小売とフィットネス3社、リーグと球団2団体
  • 大卒の初任給は月206,000円〜330,000円。固定残業代や手当を含む額があるので内訳で比べる
  • 採用人数を公表しているのは3社で、ミズノ53名(2025年)、デサント総合職18名(2025年度)、ゴールドウイン社内28名・店舗16名(26年度)
  • 日程は広報3月1日以降、選考6月1日以降、正式な内定10月1日以降が原則で、27卒・28卒とも同じ
  • 既卒3年以内や競技経験者を新卒の枠で受ける会社がある

まずは自社の募集要項を開き、初任給の内訳、対象の年次、採用人数の実績の3つが書かれているかを確かめてみてください。

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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