「スポーツエールカンパニー」という言葉を聞いたことはありますか?スポーツ庁が推進するこの認定制度は、従業員の運動習慣形成を支援する企業を対象としており、健康経営・ESG経営を推進したい企業にとって注目すべき取り組みです。この記事では、スポーツエールカンパニーの目的・概要・取得メリットをわかりやすく解説します。
スポーツエールカンパニーとは何か
スポーツエールカンパニーとは、スポーツ庁が運営する認定制度で、従業員のスポーツ実施率向上に向けた優れた取り組みを行っている企業を表彰・認定するものです。2017年度に創設され、2026年現在も毎年度の募集が行われています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 運営主体 | スポーツ庁(文部科学省外局) |
| 創設年度 | 2017年度 |
| 認定対象 | 従業員のスポーツ実施率向上に取り組む企業・団体 |
| 申請時期 | 毎年度(通常6〜8月ごろに募集) |
表:スポーツエールカンパニー制度の概要
制度が生まれた背景
日本のスポーツ実施率(週1回以上スポーツを行う成人の割合)は長年、欧米主要国と比べて低い水準にありました。スポーツ庁が公表している「スポーツの実施状況等に関する世論調査(令和5年度)」では、成人のスポーツ実施率は約52.3%にとどまっています。この状況を打開するため、企業を通じて運動習慣の定着を後押しする仕組みとして設計されたのがスポーツエールカンパニー制度です。
(参考)スポーツの実施状況等に関する世論調査(令和5年度) – スポーツ庁
認定の対象となる取り組みの例
スポーツエールカンパニーの認定を受けるには、業務時間内の運動推奨、社内スポーツイベントの開催、スポーツ施設の補助・利用促進、フィットネスアプリの導入など、多様な取り組みが対象になります。大企業だけでなく、中小企業や団体でも申請できるのが特徴です。
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スポーツエールカンパニー認定を取得するメリット5つ
「申請の手間があるなら、なぜ取得すべきなのか」と思う方もいるかもしれません。実は、認定取得には企業にとって具体的な5つのメリットがあります。
| メリット | 詳細 |
|---|---|
| ①ブランド認知の向上 | スポーツ庁のロゴ・認定証の活用で採用・営業に活用できる |
| ②従業員エンゲージメント向上 | スポーツ施策が「会社が自分の健康を気にかけている」実感につながる |
| ③健康経営との相乗効果 | 健康経営優良法人の認定基準の加点項目に含まれる |
| ④医療費・欠勤コスト削減 | 運動習慣のある社員は医療費・欠勤率が低下する傾向あり |
| ⑤ESG・SDGs対応 | 社会的責任・持続可能経営の実績として投資家・取引先にアピール可能 |
表:スポーツエールカンパニー認定取得の5つのメリット
①採用・ブランディングへの活用
スポーツ庁公認のロゴマークを採用ページや名刺・会社案内に使用できるため、「従業員の健康を大切にする会社」というメッセージを対外的に発信できます。特に若年層・健康意識の高い人材の採用において差別化につながるケースが増えています。
②従業員のエンゲージメント・離職防止
「会社が自分の健康投資を支援してくれている」という実感は、従業員の職場への帰属意識や満足度に直結します。社内スポーツイベントや運動補助金制度は、金銭的な福利厚生に並ぶコミュニケーション・チームビルディング効果もあり、離職率改善に寄与します。
③健康経営優良法人認定との相乗効果
経済産業省が運営する「健康経営優良法人」の認定基準にも、スポーツ推進施策は加点項目として含まれています。スポーツエールカンパニーと健康経営優良法人を組み合わせることで、二重の認定効果を得られ、投資家・取引先への信頼度も高まります。
④医療費・プレゼンティーズム改善による直接的なコスト削減
経産省の健康投資管理会計ガイドラインでも示されているように、運動習慣のある社員は医療費が低くなる傾向があります。また、軽微な疾患や慢性的な疲労感(プレゼンティーズム)による生産性の低下も、運動習慣により改善することが研究で示されており、企業全体のパフォーマンス向上につながります。
⑤ESG・SDGs対応と人的資本情報の開示
2023年から上場企業を対象に始まった人的資本情報の有価証券報告書開示では、従業員の健康・安全・エンゲージメントが主要な開示項目になっています。スポーツエールカンパニーへの取り組みは、人的資本経営の実践事例として定量的に開示しやすく、機関投資家へのアピールにも効果的です。
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(参考)これからの健康経営について(2025年4月) – 経済産業省
スポーツエールカンパニーの取り組み事例
実際にスポーツエールカンパニー認定を取得した企業はどのような施策を実施しているのでしょうか。代表的な取り組みを3つ紹介します。
朝のラジオ体操・始業前ストレッチの導入
最も導入のハードルが低いのが、朝の始業前に5〜10分のストレッチや体操を取り入れる取り組みです。工場・倉庫など現場作業員の多い企業を中心に広がっており、怪我の防止・集中力の向上・コミュニケーション活性化という複合効果が報告されています。特別な設備投資が不要で、中小企業でも今日から始められます。
社内スポーツクラブ・同好会への補助金制度
サッカー・テニス・ランニングなど社内の自主的なスポーツ活動に対して、用具費・施設費・大会参加費を補助する制度を設ける企業が増えています。会社公認の活動になることで参加のハードルが下がり、部署横断の交流が生まれる副次効果もあります。月数千円〜1万円程度の補助でも、社員にとっては大きなモチベーションになります。
健康アプリ・歩数計測ツールの全社導入
歩数や活動量を記録するスマートフォンアプリを全社員に導入し、部署・チーム対抗で歩数を競うウォーキングイベントを開催する企業も多いです。ゲーミフィケーション要素が継続率を高め、データが蓄積されることで健康経営の可視化にも役立ちます。
まとめ
スポーツエールカンパニーの目的・メリット・取り組み事例をまとめました。
- スポーツエールカンパニーは、従業員のスポーツ実施率向上に取り組む企業をスポーツ庁が認定する制度
- 採用ブランディング・エンゲージメント向上・健康経営加点・医療費削減・ESG対応の5つのメリットがある
- 朝のストレッチ・社内同好会補助・健康アプリ導入など費用対効果の高い取り組みから始められる
- 健康経営優良法人との組み合わせで認定の相乗効果を得られる
- 人的資本情報開示義務化を背景に、今後は取得企業がさらに増加する見込み
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