体づくりが強い選手に共通する3つの型

アスリート コンディショニング まとめ アスリート

「体づくり」と聞くと、筋トレやダイエットのような画一的なイメージを持つ人が多いかもしれません。しかし世界トップレベルのアスリートたちのコンディショニングを見ていくと、体格や競技特性に合わせて全く違うアプローチを取っていることがわかります。同じ「体を鍛える」でも、目的や手段は選手ごとに大きく異なります。

本記事では、バスケットボール・野球・サッカー・ゴルフなど競技の異なる8人のアスリートのコンディショニングを横断し、共通する型を整理しました。体の使い方は違っても、根底にある考え方には共通点があります。

コンディショニングに共通する3つのパターン

8人の事例を見比べると、「体を作り直して復活するタイプ」「体格のハンデを技術・工夫で埋めるタイプ」「長期間コンディションを保ち続けるタイプ」の3つに整理できます。

パターン 特徴
体を作り直して復活する 怪我や不調をきっかけに、それまでの体の使い方や管理方法を根本から見直す
体格のハンデを技術・工夫で埋める 恵まれた体格でなくても、独自のフォームや練習法で弱点を強みに変える
長期間コンディションを保ち続ける 短期的な結果ではなく、年単位で状態を管理し続けるための仕組みを持つ

表:アスリートのコンディショニングに共通する3つのパターン

体を作り直して復活するタイプ

怪我や不調、批判をきっかけに、それまでの体づくりのやり方を根本から見直し、再設計することで復活を遂げるタイプです。

体格のハンデを技術・工夫で埋めるタイプ

恵まれた体格でなくても、自分に合ったフォームや動きの工夫によって、体格差そのものを技術でカバーするタイプです。

長期間コンディションを保ち続けるタイプ

一時的な結果ではなく、年単位・キャリア単位で高い状態を維持し続けるための管理の仕組みを持つタイプです。

体を作り直して復活したタイプ

怪我や不調、外部からの評価をきっかけに、それまでの体づくりを見直して再設計したことで復活を遂げた選手たちです。

ルカ・ドンチッチ|体型批判を覆した体づくり

NBAキャリアを通じて体型への批判に晒され続けてきたルカ・ドンチッチ選手は、レイカーズでの2年目を前にしたオフシーズンの取り組みによって「体全体が見違えた」と本人が語るほどの変化を遂げました。

ペドリ|9度の負傷から4年かけて再設計する

バルセロナ加入後9回以上の負傷に見舞われ「怪我がちな選手」というレッテルを貼られていたペドリ選手は、2025年に「キャリアで最高のシーズン」と語るまでに復活しました。4年かけてコンディション管理を再設計したことが背景にあります。

松山英樹|”貯金”が尽きたところからの体の作り直し

2023年、飛距離低下と首の痛みに苦しんだ松山英樹選手は「当時の貯金が完全に尽きた」と振り返っています。プロ1年目から積み上げてきた体の資産が怪我によって失われたという反省から、体の作り直しに取り組み、30代での再起を果たしました。

体格のハンデを技術・工夫で埋めるタイプ

恵まれた体格でなくても、自分に合った体の使い方を見つけることで、体格差そのものを技術で埋めているタイプです。

宮城大弥|171cmの体格を独自の投球フォームで補う

171センチという小柄な体格でありながら150キロを超える速球を投げ込む宮城大弥選手。右肩をあえて下げる独自の投球フォームを採用し、体のバランスを取りながら開きを抑える、体格的なハンデを技術で埋める発想を貫いています。

山本有真|二部練習と科学的リカバリーで強さを作る

5000m日本選手権で自己ベストを更新し優勝した山本有真選手の強さの秘密は、朝5時30分に始まる二部練習と、科学的なリカバリーへの徹底したこだわりにあります。量をこなすだけでなく、回復の質を上げることで体への負担をコントロールしています。

長期間コンディションを保ち続けるタイプ

短期的な結果を追うのではなく、年単位・キャリア単位で高い状態を維持し続けるための仕組みを持っているタイプです。一度うまくいったやり方に固執せず、年齢や体の変化に応じて管理の中身を更新し続けている点が共通しています。

小平奈緒|「カラダを整えることは心を整えること」

37連勝という記録を打ち立てた小平奈緒選手は「カラダを整えることは心を整えること」という言葉を残しています。オランダ留学から帰国後の5カ月間で体が劇的に変わり、そのまま連勝街道を突き進んだ背景には、コンディショニングへの徹底したアプローチがありました。

上野由岐子|42歳でも進化し続ける管理法

25シーズン目を迎えた上野由岐子選手は「去年ぐらいから逆にコンディショニングが良くなってきた感覚があります」と語ります。2022年の手術による全休を経て、2024年には防御率0.53という数字で完全復活しました。年齢を重ねてもなお、管理の質そのものを更新し続けています。

伊東純也|食事・栄養管理でスプリント力を維持する

欧州トップリーグで活躍を続ける伊東純也選手の驚異的なスプリント能力を支えているのは、徹底した食事・栄養管理です。派手なトレーニングではなく、日々の食事という地道な積み重ねがパフォーマンスの土台になっています。

まとめ|体づくりは画一的な正解がない

8人のアスリートに共通していたのは、体づくりに万人共通の正解を求めず、自分の体格・年齢・怪我の経験に合わせて管理方法を設計し直していた点です。要点を振り返ります。

  • コンディショニングに画一的な正解はなく、体格や年齢に合わせて設計し直す必要がある
  • 「作り直して復活」「技術で埋める」「保ち続ける」の3タイプに整理できる
  • 作り直し型は怪我や批判を体づくり見直しのきっかけとして扱う
  • 技術型は体格差を独自のフォームや工夫でカバーする
  • 継続型は年単位で管理の仕組みそのものを更新し続ける

自分の体力や年齢に合わないやり方を無理に続けるのではなく、いま何を見直すべきかを考えるきっかけとして参考にしてみてください。

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業にてメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。
現在は独立し、About The New株式会社を設立。教育コンテンツの研究・開発を行い、スポーツの知見を活かした人材育成プログラムを提供している。

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