「健康経営の取り組みを対外的にアピールできる認定が欲しい」「スポーツエール企業って聞くけど、どうすれば認定されるの?」——人事や総務の担当者から、こんな声をよく聞きます。
従業員の運動を後押しする取り組みは、実は国の認定制度につながっています。それが、スポーツ庁の「スポーツエールカンパニー」、通称スポーツエール企業なんですよね。
この記事では、スポーツエールカンパニーとは何かを、認定要件・認定ランク・メリット・2026年度の申請スケジュールまで整理します。自社が認定を目指せるか判断する材料にしてもらえると思います。
スポーツエールカンパニーとは?制度の概要
スポーツエールカンパニーは、従業員の健康増進のためにスポーツ活動の促進に積極的に取り組む企業・団体を、スポーツ庁が認定する制度です。正式名称は「スポーツエールカンパニー」(英語名:Sports Yell Company)で、「スポーツエール企業」と呼ばれることもあります。
制度の目的と背景
働き盛りの20〜50代は、仕事や家事・育児によりスポーツを実施する時間がないと感じる人が多く、スポーツ庁の世論調査でも、この世代のスポーツ実施率は全体平均を下回る傾向が続いています。国は職場を通じて運動の機会を増やすことを狙いとして、2017年度に本制度を創設しました。
対象となる取り組みは、社内運動施設の補助やウォーキングイベント、社内部活動のほか、朝のストレッチ、階段利用の奨励、スタンディングミーティングなど、スポーツ競技に限らない幅広い健康活動を含みます。スポーツを通じた健康投資の効果については、スポーツ福利厚生の効果でも詳しくまとめています。
2026年度の認定状況と対象拡大
認定数は年々増加しており、2026年度は過去最多の1,635団体が認定されました(令和8年1月30日発表)。2024年度が1,246団体、2025年度が1,491団体と着実に拡大しており、スポーツ施策への取り組みが広がっていることがわかります。
また2026年度からは認定対象が企業だけでなく、大学(大阪大学・芝浦工業大学が初認定)と国の機関(スポーツ庁が国機関として初認定)にも拡大されました。スポーツ施策に活用できる支援制度についても把握しておくと、申請準備をよりスムーズに進められます。
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(参考)「スポーツエールカンパニー2026」過去最多の1,635団体を認定 – スポーツ庁
認定の5つの要件
認定を受けるには、スポーツ庁が示す5つの要件をすべて満たす必要があります。まず全体を表で確認してから、各要件の詳細を見ていきましょう。
| 要件 | 概要 |
|---|---|
| ① 組織全体を対象 | 特定の従業員だけでなく、組織全体を対象とした取り組みであること |
| ② 経営層の理解 | 経営層が取り組みを理解し、社内で明確に位置づけていること |
| ③ 社内周知と実施 | 取り組みが社内に周知され、実際に実施されていること |
| ④ 対外公開が可能 | 取り組みの内容を対外的に公開できること |
| ⑤ 反社会的勢力と無関係 | 暴力団等の反社会的勢力と関係がないこと |
スポーツ庁が定める認定要件5項目の概要
① 全従業員を対象とした組織的な取り組みであること
一部の部署や有志のみを対象とした取り組みではなく、全従業員が参加できる仕組みであることが求められます。「健康増進に関心がある人だけが参加するサークル」ではなく、組織として全員に機会を提供する形が前提です。「特定の人だけ」ではなく「会社全体で」運動を後押ししているかどうかがポイントです。
② 経営層の理解と社内での明確な位置づけ
代表取締役や役員レベルでの理解があり、単なる任意の福利厚生ではなく、会社の施策として位置づけられていることが必要です。経営方針や健康経営宣言などに明示されていると、申請の際に説得力が増します。
③ 取り組みの社内周知と実際の実施
施策を整えるだけでなく、実際に社内に告知・周知され、従業員が参加できる状態になっていることが重要です。「計画だけあって実施していない」「一部の人しか知らない」状態では要件を満たしません。取り組みの実施記録や参加者数のデータを残しておくと、申請書類の作成がスムーズです。
④ 取り組みの内容を対外的に公開できること
認定後、スポーツ庁が認定企業として公表します。そのため、自社の取り組み内容が公表されることへの同意と、実際に開示できる状態にあることが必要です。ホームページへの掲載や、ハローワークの求人票への認定PRロゴ表示にも活用できます。
⑤ 反社会的勢力との関係がないこと
暴力団など反社会的勢力との関係がないことが申請の前提条件です。他の認定制度でも標準的に設けられている要件ですが、申請書類上でも確認事項として記載が必要です。
認定ランクの種類(2026年度)
スポーツエールカンパニーの認定には、取り組みの継続年数や従業員のスポーツ実施率に応じた複数のランクがあります。認定を積み重ねることで、より高いランクの評価が得られる仕組みです。
| ランク | 条件 |
|---|---|
| 通常認定 | 5つの要件を満たしていること |
| +(プラス)認定 | 通常認定の要件を満たし、従業員のスポーツ実施率が70%以上 |
| ブロンズ認定 | 通算5回以上の認定を取得 |
| シルバー認定 | 通算7回以上の認定を取得 |
| シルバープラス認定 | 通算7回以上 かつ スポーツ実施率70%以上 |
スポーツエールカンパニーの認定ランク一覧(2026年度現在)
スポーツ実施率70%以上で「+(プラス)認定」
「+(プラス)認定」は、従業員のスポーツ実施率が70%以上であることを条件に付与される上位評価です。取り組みが実際に従業員の行動変容につながっているかを示す指標で、2026年度は+認定の団体数も過去最多を更新しました。実施率の計測・記録の仕組みを整えておくと、プラス認定を目指しやすくなります。
継続認定で「ブロンズ」「シルバー」ランクへ
5回以上の継続認定で「ブロンズ」、7回以上で「シルバー」が与えられます。2026年度はブロンズ・シルバー認定の合計が500団体を突破しており、長期継続によるスポーツ施策の定着が広がっています。毎年継続して申請することで、採用・PR面でも長期的なブランド価値の向上が期待できます。
(参考)「スポーツエールカンパニー2026」過去最多の1,635団体を認定 – スポーツ庁
認定で得られる3つのメリット
認定には、対外的なアピール以外にも複数のメリットがあります。主なものは次の3つです。
1. 採用ブランディングへの効果
認定マークは、求職者に「従業員を大切にする会社」という印象を与えます。健康やワークライフバランスを重視する若い世代にとって、企業選びのプラス材料になりますよね。認定企業へのアンケートでも「採用の志望者数が増えた」という声が寄せられています。ハローワーク(公共職業安定所)の求人票にも認定PRロゴを表示できるため、採用チャネルでの露出を高められます。
2. 従業員の健康増進と定着率向上
運動習慣の形成は、メンタルヘルスの改善や疾病リスクの低減につながります。スポーツエールカンパニー認定企業へのアンケートでは、「従業員が自分の身体を意識するようになった」「職場のコミュニケーションがよくなった」という回答が多数あり、「休職率が減った」という声も寄せられています。健康的な職場環境は、定着率の向上にも貢献します。
3. 社会的信頼とブランド価値向上
国の認定を受けているという事実は、取引先や地域社会からの信頼にもつながります。従業員を大切にする姿勢は、企業の評判やブランド価値を高める要素になりますよね。健康経営の取り組みの一環として、IR資料や会社案内への掲載など、対外的な発信材料としても活用できます。
申請の流れと2026年度スケジュール
実際に認定を目指す場合の流れと、2026年度の実績スケジュールを押さえておきましょう。
2026年度の申請スケジュール(実績)
スポーツエールカンパニー2026の申請・認定スケジュールは以下のとおりでした。例年ほぼ同時期に募集が行われており、次の申請に向けた準備の目安になります。
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2025年9月16日〜11月14日 | 2026年度 募集・申請期間 |
| 2026年1月30日〜12月31日 | 2026年度 認定期間 |
スポーツエールカンパニー2026 申請・認定スケジュール(スポーツ庁発表)
2027年度に向けた申請準備のポイント
例年9〜11月に募集が行われているため、2027年度への認定を目指す場合は、2026年夏ごろまでに社内の取り組みを整えておくのが理想です。準備としては、自社が行っている運動・スポーツ支援の取り組みを棚卸ししておくとスムーズです。ウォーキングイベント、運動施設の補助、社内部活動など、すでに実施しているものを整理しましょう。
まだ取り組みが少ない場合は、健康経営優良法人の認定とあわせてスポーツ施策を整備する方法も選択肢の一つです。
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(参考)「スポーツエールカンパニー2026」過去最多の1,635団体を認定 – スポーツ庁
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まとめ
スポーツエールカンパニーは、健康への取り組みを国が認める制度です。最後に要点を整理します。
- スポーツエールカンパニー(スポーツエール企業)は、従業員のスポーツ活動を後押しする企業・団体をスポーツ庁が認定する制度(2017年度創設)
- 2026年度は過去最多の1,635団体を認定。大学・国機関も新たに認定対象に追加
- 認定には5つの要件(組織全体での取り組み・経営層の理解・社内周知・対外公開・反社排除)が必要
- スポーツ実施率70%以上は「+認定」、継続5回以上はブロンズ、7回以上はシルバーのランク制度がある
- メリットは採用ブランディング・健康増進と定着・社会的信頼の向上の3つ
- 申請は例年9〜11月が募集期間。2027年度を目指すなら2026年夏ごろからの準備が目安
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