運動習慣が生産性を上げる研究データまとめ

運動習慣で生産性を高めるイメージとして走るビジネスパーソン ウェルビーイング

「運動が体にいいのは分かるけれど、仕事の生産性にも本当に効くの?」と疑問に思う人事担当者は多いと思います。社内で施策を提案するときに、根拠となるデータがほしいですよね。

この記事では、運動習慣が生産性を上げる理由を、研究や公的データの視点から整理します。効果のメカニズムから、企業施策への落とし込み方まで、導入の根拠として使える形でまとめました。

運動と生産性の関係|なぜ運動すると仕事がはかどるのか

運動と生産性は、一見すると別の話に見えますが、実は深くつながっています。体を動かすことは、脳の働きや気分、体調に影響し、それが日々のパフォーマンスに表れるからです。まずは大きな関係性から押さえておきましょう。

厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」でも、身体活動・運動が生活習慣病の予防だけでなく、心の健康や認知機能の維持に役立つことが整理されています。運動は「健康のため」だけでなく、「働くため」の投資でもあるわけですね。

(参考)身体活動・運動の推進(健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023) – 厚生労働省

運動が生産性に効く3つのメカニズム

運動が生産性を高める理由は、大きく3つのメカニズムで説明できます。「脳」「メンタル」「体調」という観点です。それぞれが日々の集中力や欠勤の少なさにつながっていきます。

① 脳機能・集中力への効果

1つ目は、脳への効果です。適度な運動は血流を促し、脳の働きを活性化させると考えられています。とくに有酸素運動の後は、集中力や判断力が高まりやすいと指摘されています。朝に軽く体を動かしてから仕事に入ると、午前中の効率が上がったと感じる人が多いのもこのためですね。会議や集中作業の前に短い運動を挟むだけでも、頭の切り替えに役立ちます。

② メンタル・ストレス耐性

2つ目は、メンタル面への効果です。運動には気分を前向きにし、ストレスをやわらげる働きがあるとされています。ストレスが減れば、イライラや不安で仕事が手につかない時間が減り、安定して働けるようになります。職場のメンタル不調は生産性に直結する課題なので、運動を予防策として位置づける企業も増えています。職場とスポーツの関係は職場のウェルビーイングにスポーツが効く理由でも解説しています。

③ 体調改善と欠勤の減少

3つ目は、体調そのものの改善です。運動習慣がある人は生活習慣病のリスクが下がり、体調を崩して休む日が減りやすくなります。欠勤が減れば、その分チーム全体の安定した稼働につながります。健康な状態で働ける日が増えることは、目立ちにくいですが確実な生産性の底上げになるんですね。

生産性を「損失」から見る|プレゼンティーズムの視点

生産性を考えるとき、出勤していても本来の力を発揮できていない状態にも目を向ける必要があります。これをプレゼンティーズムと呼びます。経済産業省は健康投資管理会計ガイドラインのなかで、プレゼンティーズムやアブセンティーズム(欠勤)を、健康投資の効果を測る指標として位置づけています。健康リスクが高い従業員ほど生産性の損失が大きくなる傾向があり、運動習慣の支援はその損失を抑える打ち手になり得ます。

(参考)「健康投資管理会計ガイドライン」について – 経済産業省

研究データを企業施策に落とし込むには

データを集めただけでは、現場は動きません。大切なのは、運動の効果を自社の指標と結びつけて語ることです。たとえば、運動施策の前後で欠勤日数やアンケートの体調スコアがどう変わったかを記録すると、効果を社内で示しやすくなります。スポーツを使った福利厚生の投資対効果はスポーツ福利厚生の効果|離職率と生産性で見る投資対効果で詳しく扱っています。小さく始めて数字で示す、という流れをつくっていきましょう。

まとめ

  • 運動習慣は健康だけでなく、脳・メンタル・体調を通じて生産性に影響する
  • 有酸素運動は集中力や判断力を高めやすく、仕事前の運動が効果的
  • 運動はストレスをやわらげ、メンタル不調による生産性低下を防ぎやすい
  • 経産省はプレゼンティーズムを健康投資の効果指標として位置づけている
  • 効果は自社の欠勤日数や体調スコアと結びつけて示すと社内で動かしやすい

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