「従業員にもっと運動してほしいけれど、どんな制度を用意すればいいんだろう?」と悩む人事の方は多いと思います。福利厚生として手当を出すべきか、ジムと提携すべきか、迷いますよね。
この記事では、従業員の運動習慣を支援する制度の種類と、設計の手順を整理します。補助金から施設提携、イベント型まで具体例を挙げながら、続く仕組みにするポイントもお伝えします。
なぜ今、従業員の運動習慣を支援するのか
運動習慣の支援は、単なる福利厚生ではなく、健康経営の中核になりつつあります。背景には、働く世代の運動不足と、それにともなう生産性低下への危機感があります。まずは公的データから現状を確認しておきましょう。
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人に対して、歩行など3メッツ以上の身体活動を1日約8000歩相当、息が弾み汗をかく程度の運動を週60分以上、さらに筋力トレーニングを週2〜3日行うことが推奨されています。個人の意思に任せるだけでは続きにくいからこそ、会社が仕組みで後押しする意味があるんですね。
(参考)身体活動・運動の推進(健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023) – 厚生労働省
運動習慣を支援する制度の3つの種類
支援制度は大きく3つのタイプに分けられます。「お金で支える」「場所で支える」「仕組みで支える」という観点です。自社の予算や働き方に合わせて、組み合わせて使うのがおすすめです。
① 補助金・手当型
もっとも分かりやすいのが、金銭的に支援するタイプです。ジムの月会費の一部補助、スポーツ用品の購入補助、大会参加費の補助などが当てはまります。従業員が自分の好きな運動を選べるのがメリットで、運動の種類を問わず幅広く使えます。一方で、もともと運動している人だけが使う形になりやすいので、初心者を巻き込む工夫とセットにすると効果が高まります。
② 施設提携・法人契約型
次が、ジムやフィットネス施設と法人契約を結ぶタイプです。従業員は割安または無料で施設を使えるようになります。個別に補助を申請する手間が省け、利用のハードルが下がるのが強みです。複数拠点を持つチェーンと契約すれば、勤務地や自宅近くで使えるため、全国に従業員がいる企業にも向いています。利用率を定期的に確認し、使われていなければプランを見直すことが大切です。
③ イベント・仕組み型
3つ目が、運動の「きっかけ」を会社がつくるタイプです。歩数を競うウォーキングイベント、始業前のラジオ体操、部署対抗のスポーツ大会などが代表例です。お金をあまりかけずに、運動が苦手な人や習慣のない人も巻き込めるのが魅力です。イベントをきっかけに運動が習慣化し、補助型や提携型の利用にもつながる、という流れをつくれると理想的ですね。
運動支援制度を設計する手順
制度づくりは、思いつきで始めるより手順を踏むほうがうまくいきます。まず従業員アンケートで現状とニーズを把握し、次に予算と目的を決めます。そのうえで前述の3タイプから施策を選び、小さく試してから本格展開する、という流れです。目的を「運動実施率を上げる」「離職を減らす」など具体的に決めておくと、あとで効果を測りやすくなります。人への投資という視点は人的資本投資とは?スポーツを活かした事例と効果を出す戦略が参考になります。
続く制度にするためのポイント
せっかく作った制度も、使われなければ意味がありません。続けてもらうには、申請手続きをできるだけ簡単にすること、上司や経営層が率先して参加すること、そして成果を社内で共有することが効きます。運動が職場の文化として根づくと、特別なイベントがなくても自然に体を動かす人が増えていきます。職場とウェルビーイングの関係はウェルビーイングとは?成果につながる実践方法でも整理しています。
まとめ
- 運動習慣の支援は福利厚生にとどまらず、健康経営の中核になりつつある
- 身体活動ガイド2023は、1日約8000歩相当の活動と週2〜3日の筋トレを推奨
- 支援制度は「補助・手当型」「施設提携型」「イベント・仕組み型」の3種類
- アンケートで現状を把握し、目的と予算を決めてから小さく試すのが基本
- 手続きの簡素化・経営層の参加・成果共有が、制度を続けるカギになる
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