プロスポーツスポンサーシップの効果測定|ROIの考え方

プロスポーツの試合会場でスポンサー企業の看板が並ぶスタジアムの様子 スポーツ

プロスポーツのスポンサーになると、注目度は高いものの「結局いくらの効果があったの?」と社内で問われて困る、という話をよく聞きます。広告のように単純なクリック数では測りにくいのが、スポンサーシップの難しいところなんですよね。

この記事では、プロスポーツのスポンサーシップ効果をどう測ればいいのか、ROIの考え方と指標の設計を整理しました。さらに、近年注目される健康経営とのつなぎ方まで解説します。「投資として説明できる形にしたい」という方の参考になればと思います。

スポンサーシップの効果が測りにくい理由

まず押さえたいのは、スポンサーシップの価値は「広告換算」だけでは捉えきれないということです。露出だけでなく、ブランドへの好意、関係構築、社内の一体感など、複数の効果が混ざって生まれるからなんですよね。

「露出」だけでは価値を取りこぼす

看板やユニフォームの露出をテレビ放映時間から広告費に換算する方法は昔からありますが、それだけだと本質を取りこぼします。ファンがそのクラブに抱く愛着とブランドが結びつく「情緒的価値」や、クラブを通じて自治体・他企業とつながる「関係的価値」は、露出換算では出てこないからです。だからこそ、目的を先に決めて、それに合った指標を複数用意することが効果測定の出発点になります。スポーツが成長産業として広がる中で、スポンサー市場も多様化しています。

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(参考)スポーツの成長産業化(第3期スポーツ基本計画) – スポーツ庁

ROIを測る3つの評価軸

スポンサーシップのROIは、目的別に3つの軸で測ると整理しやすくなります。認知・ブランド、関係・商談、社内・採用です。それぞれ見ていきますね。

1. 認知・ブランドの軸

もっとも基本的な軸です。スポンサー期間の前後で、ブランド認知率や好意度、第一想起の変化をアンケートで測ります。SNSでの言及数や自社サイトの指名検索数も補助指標になります。ポイントは、開始前に基準値(ベースライン)を取っておくこと。前後の差で語れるようにしておかないと、「なんとなく良かった気がする」で終わってしまうんですよね。クラブのファン層と自社ターゲットが重なっているかも、効果を左右する重要な前提です。

2. 関係・商談の軸

BtoB企業にとって見逃せないのが、スポンサー権益を使った商談機会です。VIP観戦やクラブ主催の交流会を通じて得た名刺交換数、そこから生まれた商談・受注の件数を追います。スポンサーシップを「接待・関係構築の場」として活用すると、広告換算では見えない投資回収が見えてきます。クラブを介して地域企業とのネットワークが広がる効果も、関係資産として記録しておくと後で説明しやすくなります。

3. 社内・採用の軸

自社が応援するクラブの存在は、社員の一体感や誇りを高めます。観戦招待やボランティア参加の満足度、エンゲージメント調査の変化を指標にできます。採用の場面でも、スポンサー活動は企業文化を語る具体的な材料になり、応募者への訴求につながります。社外向けのブランド効果と社内向けの活性化効果を分けて測ることで、投資の全体像が見えるようになります。

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健康経営とつなげて投資効果を高める

近年は、スポンサーシップを単独で終わらせず、自社の健康経営と結びつける動きが広がっています。経済産業省も健康経営を企業価値向上の取り組みとして推進しています。

応援を社員の運動機会・健康づくりへ広げる

たとえば、スポンサー先クラブの選手による運動教室を社内で開いたり、観戦イベントを社員の運動・交流の機会として設計したりすると、スポンサー投資が健康経営の施策も兼ねるようになります。こうすると、広報費・採用費・健康経営施策費という複数の予算の文脈で効果を語れるんですよね。投資の正当化がしやすくなり、社内の納得感も高まります。

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(参考)これからの健康経営について(2025年4月) – 経済産業省

具体例:観戦招待を商談と健康施策の両方に活かす

あるBtoB企業では、地元プロクラブのスポンサー権益で得たVIP観戦席を、取引先との商談機会と社員の福利厚生の両方に使い分けています。前半戦は重要顧客を招いて関係を深め、後半戦は社員とその家族を招待してエンゲージメントを高める、という設計です。観戦後アンケートで商談化件数と社員満足度の両方を記録しているので、「広報・採用・健康経営のどの観点でも効果があった」と経営会議で説明できるようになりました。一つの投資を複数の目的で回収する好例だと思います。

まとめ:目的を先に決めて指標をそろえる

スポンサーシップの効果測定は、目的を先に決めて指標を用意することがすべての出発点です。要点を整理します。

  • スポンサーシップの価値は露出換算だけでは取りこぼす。情緒的・関係的価値も含めて測る
  • ROIは「認知・ブランド」「関係・商談」「社内・採用」の3軸で設計する
  • 開始前にベースラインを取り、前後比較で語れるようにしておく
  • 健康経営とつなげると、複数予算の文脈で投資効果を説明でき社内の納得感が高まる

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