パリ五輪金メダリスト・北口榛花選手はJBpressのインタビューで、「私は他の選手とはちょっとバランスが違う」と語っている。やりを投げるのは週1回程度。残りの大半の時間は柔軟性と俊敏性の強化に費やす。この「常識外れ」な練習スタイルが、世界チャンピオンを生み出した。
「やり投げは週1回」という独自の練習設計
やり投げの選手がやりを投げる練習を週1回しかしない。一見奇妙に聞こえるが、北口選手にはその理由がある。
「他の選手とはちょっとバランスが違う」
JBpressのインタビューで、北口選手は自身の練習配分についてこう語っている。
「私は他の選手とはちょっとバランスが違う」
(北口榛花 / JBpressインタビュー)
投擲競技では、やりを投げる動作そのものよりも、その動作を支える身体能力である柔軟性・俊敏性・バランスの方が成績に直結することがある。北口選手はその考えのもと、多くの練習時間を投擲以外のトレーニングに充てている。
「筋力をやり投げにどう生かすかわからない」という正直な課題意識
北口選手の言葉が印象的なのは、世界チャンピオンでありながら自らの課題を率直に語る点だ。この正直さが、独自の練習設計につながっている。
筋力と投擲動作の「変換」が難しい
JBpressのインタビューで、北口選手はこう語っている。
「筋力トレーニングのパワーをやり投げにどう生かすかがいまいちわからない」
(北口榛花 / JBpressインタビュー)
筋力はあっても、それを投擲動作に変換する技術は別問題だという認識が、「週1回の投擲・残りは柔軟性優先」というバランスにつながっている。「わからない」と正直に認め、自分に合った解決策を探し続ける姿勢が、金メダルへの道を開いた。
高校時代から続く「助走」へのこだわり
北口選手が高校時代から取り組んできた課題が「助走」だ。投擲競技において助走は最終的な飛距離を左右する重要な要素で、地道な改善が積み重なってきた。
「投げられるギリギリのスピード」を探り続ける
JBpressのインタビューで、北口選手はこう述べている。
「投げられるギリギリのスピードを探る」
(北口榛花 / JBpressインタビュー)
速すぎれば制御を失い、遅すぎれば飛距離が出ない。そのギリギリのラインを探り続けることが助走改善の核心だ。高校時代から続くこの課題への向き合い方が、継続的な記録更新を支えている。
チェコ・ドマジュリツェを拠点にした鍛錬
北口選手はチェコのドマジュリツェを練習拠点の一つとし、海外でも徹底した鍛錬を重ねてきた。旭川出身で高校からやり投げを始めた北口選手が、水泳や羽球で培った柔軟性・俊敏性を活かし独自の練習スタイルを確立してきた背景がある。なお2024年8月のJBpress/新潮社フォーサイトのインタビューでは「金メダルが獲れたらいいな、くらいにしか思っていないです。獲りたいと思って獲れるものでもない」とも語っており、過度なプレッシャーをかけない精神的なアプローチも特徴的だ。
北口榛花のトレーニング術まとめ
JBpressなどのインタビューを通じて明らかになった北口選手の練習スタイルを整理する。
| 要素 | 内容 |
|---|---|
| 投擲の頻度 | 週1回程度。やりを投げる練習より柔軟性・俊敏性のトレーニングに時間を割く |
| 独自の練習設計 | 「他の選手とバランスが違う」。常識にとらわれない自分に合った練習配分 |
| 筋力より動作変換 | 「パワーをどう生かすかわからない」という課題に正直に向き合い、独自解を探す |
| 助走の精度 | 「投げられるギリギリのスピード」を高校時代から探り続けて飛距離を伸ばす |
| メンタルの余裕 | 「金メダルが獲れたらいいな」程度に構え、過度なプレッシャーをかけない |
出典:北口榛花インタビュー(JBpress / 新潮社フォーサイト)
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