スポーツ放映権とライセンス管理業界を担う企業3社

スポーツ放映権とライセンス管理業界を担う企業3社 スポーツビジネス

プロ野球やJリーグの試合がなぜ配信サービスで見られるのか、選手のユニフォームやグッズがなぜ球団以外の企業からも発売されているのか。その裏側には「放映権・ライセンス管理」という専門業界があります。この記事では、放映権や商品化権をビジネスとして扱う企業を、各社の公式サイトで確認できる事業内容とともに紹介します。

スポーツをビジネスに使うなら、どこから手をつけるべきか

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放映権・ライセンス管理業界とは|スポーツ界を支える権利ビジネス

放映権・ライセンス管理業界は、プロリーグやスポーツ団体が持つ映像・肖像・ロゴなどの知的財産を、テレビ局や配信事業者、メーカーなどに使用許諾する仲介・管理を担う業界です。リーグや球団が持つ権利をそのまま活用するだけでなく、専門会社が間に入ることで配信計画や商品化計画を一括で組み立てられるのが特徴です。

業務は大きく2つに分かれます。ひとつは試合映像を放送局や配信プラットフォームに提供する「放映権・配信権ビジネス」、もうひとつはロゴやマスコットを使った商品の企画・製造・販売を担う「マーチャンダイジング・ライセンスビジネス」です。同じ会社が両方を手がけるケースも、片方に特化するケースもあります。

市場規模と動向|広がるスポーツの権利ビジネス

スポーツ庁と経済産業省は、2025年までに国内スポーツ市場規模を5.5兆円から15兆円へ拡大する目標を掲げています。両省庁が2025年4月に公表した「スポーツ未来開拓会議とりまとめ」でも、プロスポーツの権利活用やスタジアム・アリーナ整備などが成長領域として位置づけられており、放映権やライセンスビジネスはその中核を担う分野のひとつです。

配信プラットフォームの多様化やファン層のデジタル化を背景に、リーグが自前で配信・グッズ事業を運営する動きと、専門会社に委託する動きの両方が進んでいます。どちらの形を取るかによって、業界内でのプレイヤーの役割も変わってきます。

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企業のスポーツマーケティング戦略|スポンサーから共創へ
スポーツマーケティングの基礎から共創型の最新トレンドまで解説。中小企業でも実践できる地域協賛・社内大会オープン化・アスリート採用など具体的な施策を紹介します。

(参考)スポーツ庁・経済産業省 スポーツ未来開拓会議とりまとめ(2025年4月)

放映権・ライセンス管理を担う企業3社|事業内容を比較する

実際にこの業界で活動する企業を3社取り上げます。同じ「放映権・ライセンス管理」という括りでも、権利の出どころも事業モデルも異なる3社を選び、公式サイトの情報をもとに整理しました。

企業名 事業内容 特徴
パシフィックリーグマーケティング株式会社 パ・リーグの配信権運営とMD・ライセンス 球団6社の共同出資会社
株式会社Dスポーツマーチャンダイジング スポーツ団体・大会関連商材の企画製造販売とライセンス事業 電通グループと三越伊勢丹HDの合弁会社
ファナティクス・ジャパン合同会社 公式ライセンスグッズの企画製造から販売まで一気通貫で運営 米国発Fanaticsのアジア拠点

①パシフィックリーグマーケティング株式会社|プロ野球6球団の権利を束ねる

パシフィックリーグマーケティング株式会社(PLM)は、パ・リーグ6球団の共同出資により2007年5月に設立された会社です。公式サイトによると、「パ・リーグ.com」や「パーソル パ・リーグTV」の運営を軸に、放映権・配信権事業、MD・ライセンス事業、セールス・コンサルティング事業などを手がけています。

MD・ライセンス事業では、6球団のロゴやマスコットをまとめて使用できるライセンスプログラムを企業向けに用意しており、球団単体では実現しにくいスケールでの商品展開を可能にしている点が特徴です。

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プロスポーツスポンサーシップの効果測定|ROIの考え方
プロスポーツのスポンサーシップ効果をどう測るか、ROIの考え方と指標設計を解説。認知・関係・社内活性化の評価軸や、健康経営とつなげる方法までまとめました。

(参考)パシフィックリーグマーケティング株式会社 公式サイト

②株式会社Dスポーツマーチャンダイジング|電通グループのライセンス事業会社

株式会社Dスポーツマーチャンダイジングは、電通と三越伊勢丹ホールディングスが2016年10月に設立した合弁会社です。電通の公式ニュースリリースによると、出資比率は電通85.1%、三越伊勢丹ホールディングス14.9%、資本金は4億円で、同年12月から営業を開始しています。

事業内容は各種スポーツ団体・競技大会関連商材の企画・製造・販売、およびこれらのライセンス事業、マーチャンダイズ事業です。各スポーツ団体との協議を通じてマークやマスコットを活用した商品を企画し、電通が持つマーケティング活動の知見と三越伊勢丹の商品企画・販売力を組み合わせている点が特徴です。

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スポーツ放映権ビジネスの仕組みと収益構造
スポーツ放映権ビジネスの仕組みと収益構造をやさしく解説。放映権料が高騰する理由、配信時代の変化、日本市場の展望を公的データとともにまとめました。

(参考)電通 ニュースリリース「株式会社Dスポーツマーチャンダイジング」設立について

③ファナティクス・ジャパン合同会社|世界最大級のライセンスグッズ企業

ファナティクス・ジャパン合同会社は、米国発のスポーツライセンスマーチャンダイズ企業Fanatics Inc.のアジア拠点として2017年12月に設立されました。公式サイトによると、NPBやJリーグ、Bリーグの複数クラブと10年単位の戦略的パートナーシップ契約を結び、ユニフォームやアパレル、グッズの企画・製造から販売までを自社で一気通貫で担う「v-Commerce」というビジネスモデルを採用しています。

横浜F・マリノスや鹿島アントラーズ、サンフレッチェ広島など複数クラブとの長期契約を公表しており、球場内外の実店舗運営とオンラインストア運営の両方を自社で担う点が、代理店型の企業との大きな違いです。

(参考)Fanatics Inc. Japan 公式サイト

業界の構造を図解で理解する|権利保有者から活用先まで

放映権・ライセンス管理業界がどのようにお金と権利を動かしているのか、権利の流れに沿って整理します。

権利保有者
リーグ・球団・クラブ
管理・仲介企業
PLM・Dスポーツマーチャンダイジング等
活用チャネル
放送局・配信・EC・店舗
ファン

権利保有者から出た放映権やライセンスは、管理・仲介企業を経由して放送局や配信サービス、EC、実店舗などのチャネルに渡り、最終的にファンのもとに届きます。この間に入る企業がどこまでの機能を持つかによって、リーグ側の負担や収益構造が変わります。

もう一つ整理しておきたいのが「放映権」と「ライセンス(マーチャンダイジング)」という2つの権利の対象の違いです。

放映権・配信権
対象:試合映像・音声
取引先:放送局・配信事業者
収益源:放送料・配信料
ライセンス(マーチャンダイジング)
対象:ロゴ・マスコット・肖像
取引先:メーカー・小売・EC
収益源:商品売上のロイヤリティ

放映権は映像そのものが商品になるのに対し、ライセンスはロゴや肖像を使った物販が収益源になります。同じ「権利ビジネス」でも取引先や収益の発生の仕方が異なるため、企業によって得意領域が分かれているのはこのためです。

3社のポジショニングを図解で整理する|出資元と事業モデルの違い

ここまで紹介した3社を、Human Soarが独自に「出資元」と「権利の出どころ」という2軸で整理してみます。単純な業務内容の比較だけでは見えにくい、各社の立ち位置の違いが分かります。

リーグ共同出資型
パシフィックリーグマーケティング
球団自身が出資し自リーグの権利のみを扱う
広告代理店合弁型
株式会社Dスポーツマーチャンダイジング
広告代理店と小売企業が組み複数団体の商材を扱う
グローバルメーカー型
ファナティクス・ジャパン
海外本社の資本力とノウハウで複数国のクラブと契約

権利の出どころで見ると、PLMは「自分たちの権利を自分たちで管理する」形、Dスポーツマーチャンダイジングは「広告・小売の専門知見を外部から取り入れる」形、ファナティクス・ジャパンは「海外の実績とインフラを日本市場に展開する」形と、成り立ちの異なる3つの型があることが分かります。

よくある質問

Q. 放映権とライセンス管理はどう違いますか

放映権は試合映像を放送局や配信事業者に使用させる権利で、ライセンス管理はロゴやマスコットなどを商品に使用させる権利です。対象も取引先も収益の発生の仕方も異なるため、別の専門知識が必要になります。

Q. これらの企業にはどんな職種がありますか

営業・マーケティング職に加え、権利交渉を担う法務・契約系の職種、商品企画・MD職、配信・映像制作に関わる技術職まで幅広い職種があります。各社の採用ページで具体的な募集職種を確認できます。

Q. 中小企業がこの業界と関わる方法はありますか

ライセンス商品の製造・小売パートナーとして参画したり、スタジアム内の物販・サービス提供で連携したりする形があります。多くの企業がパートナー企業の募集情報を公式サイトで公開しています。

まとめ

放映権・ライセンス管理業界は、リーグや球団が持つ映像やロゴといった知的財産を、専門企業が仲介・活用することで成り立っています。今回紹介したパシフィックリーグマーケティング、株式会社Dスポーツマーチャンダイジング、ファナティクス・ジャパンは、それぞれ出資元も事業モデルも異なり、業界の多様な担い手の一部です。スポーツ庁が掲げる市場拡大目標のもとで今後も存在感を増していく分野といえるでしょう。各社の詳しい事業内容は、記事内で紹介した公式サイトもあわせて確認してみてください。

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業にてメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。
現在は独立し、About The New株式会社を設立。教育コンテンツの研究・開発を行い、スポーツの知見を活かした人材育成プログラムを提供している。

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