アスリート採用で企業が得るメリット|JOCアスナビ事例

アスリート採用で企業が得るメリットをJOCアスナビの実績から示す画像 スポーツ採用

「アスリートを採用しても、競技に専念させるだけで本業への貢献は期待できないのでは」。採用担当者や経営層からこうした懸念を聞くことは少なくありません。しかし実際には、現役時代の広告価値だけでなく、引退後にコア人材として活躍する事例も生まれています。JOC(日本オリンピック委員会)が運営する就職支援事業「アスナビ」では、2026年7月23日時点で253社・団体が461名のアスリートを採用しており、その活用のされ方は年々広がっています。

この記事では、アスナビの実績データと、実際にアスリートを採用した企業の事例をもとに、経営層・採用担当者が押さえておくべきアスリート採用のメリットを、現役時代と引退後に分けて解説します。

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アスリート採用は「広告塔」から「コア人材」へ広がっている

アスナビの説明会で採用事例を紹介した新日本ウエックス株式会社では、トップアスリートを採用した経緯として、人材投資・セルフマネジメント力・巻き込む力という3つのポイントを重視したことが語られています。同社では、現役時代に会社のシンボル的存在として広告価値を発揮した選手が、引退後は人事部に残り、DX推進や採用業務でコア戦力として活躍している事例が紹介されました。「引退後こそ真の活動が始まる」という考え方は、アスリート採用を単発の広報施策ではなく、長期的な人材投資として捉える視点を示しています。

アスナビの実績に見るアスリート採用の広がり

JOCのアスナビは2010年から企業向けに説明会を継続しており、採用実績は年を追うごとに積み上がっています。直近の推移を見ると、採用企業数・採用人数ともに着実に増加しています。

時点 採用企業・団体数 採用アスリート数
2026年1月5日時点 248社・団体 451名
2026年7月10日時点 252社・団体 460名
2026年7月23日時点 253社・団体 461名

JOC公式ニュースの発表数値をもとにHuman Soarが時系列で整理

採用企業数が10年以上かけて緩やかに積み上がってきた理由

2010年の開始以来、アスナビの採用企業数は急拡大ではなく緩やかな積み上げで増えてきました。これは、アスリート採用が一過性の広報施策ではなく、企業側が実際の活用効果を確認しながら慎重に採用枠を広げてきたことを示しています。新規に検討する企業にとっては、先行企業の運用実績を参考にできる段階に入っているといえます。

採用人数の伸びが企業数の伸びを上回っている意味

直近半年の推移では、企業・団体数の増加(248→253、約2%増)に対して、採用人数の増加(451→461、約2.2%増)がわずかに上回っています。これは、新規に採用を始める企業だけでなく、既にアスリートを採用している企業が複数名目の採用に踏み切るケースが増えていることを示唆しています。1人目の採用効果を確認した企業が、採用を継続する傾向がうかがえます。

(参考)JOCの就職支援「アスナビ」:7月23日企業説明会を実施 – 日本オリンピック委員会

現役時代と引退後で異なる3つのメリット

新日本ウエックスの事例で語られた「人材投資・セルフマネジメント力・巻き込む力」という3つのポイントは、それぞれ現役時代と引退後で発揮される場面が異なります。

人材投資現役時代の活躍が企業ブランドの広告価値になる
セルフマネジメント力競技で培った自己管理能力が業務遂行にそのまま活きる
巻き込む力引退後、社内外の関係者を動かす推進力として発揮される

人材投資|現役時代の広告価値だけで終わらせない視点

アスリート採用というと現役時代の広告価値がまず注目されますが、新日本ウエックスの事例が示す通り、これは「投資」の入口に過ぎません。採用時点から、競技引退後にどのポジションで活躍してもらうかを見据えて人材投資として位置づけることが、広告価値だけで終わらせないための出発点になります。

セルフマネジメント力|競技で培った自己管理が業務に直結する

トップレベルで競技を続けてきたアスリートは、体調管理・スケジュール管理・目標設定を自分自身で行う経験を積んでいます。これは一般的な社会人基礎力にも通じる能力であり、業務における自己管理やタスク遂行にそのまま活かせる資質として評価されています。

あわせて読みたいスポーツ経験者の採用基準の作り方|面接で見抜く3軸

巻き込む力|引退後にコア戦力へ転換する原動力

新日本ウエックスの事例で紹介された増田氏のように、引退後に人事部でDX推進や採用業務のコア戦力として活躍する背景には、社内外の関係者を巻き込んで物事を前に進める力があります。現役時代にチームメイトやスタッフを巻き込んできた経験は、部門を横断したプロジェクト推進にも応用しやすい資質です。

導入時に注意したいポイント

メリットを最大化するには、採用時点から「引退後にどのポジションを想定するか」を本人と共有しておくことが重要です。現役時代の広告価値だけを期待して採用すると、引退のタイミングで役割が定まらず、本人のモチベーション低下や早期離職につながりかねません。新日本ウエックスの事例のように、現役時代から人事・広報・事業部門などキャリアパスの選択肢を提示しておくことが、長期的な活躍につながります。

よくある質問

アスリート採用はどのくらいの企業規模から検討できますか

アスナビの採用実績には中小企業も含まれており、必ずしも大企業に限った制度ではありません。広告価値だけでなく、セルフマネジメント力や巻き込む力を業務のどの部分で発揮してもらうかを具体的に描ければ、企業規模を問わず検討できます。

引退後のキャリアパスはいつから話し合うべきですか

採用時点から話し合うことが望ましいとされています。新日本ウエックスの事例のように、現役時代から引退後の配属先や役割を見据えておくことで、引退のタイミングでの役割の空白を防ぎ、スムーズにコア人材へ移行できます。

まとめ

  • JOCアスナビの採用実績は2026年7月23日時点で253社・団体461名まで積み上がっている
  • 採用企業数より採用人数の伸びが上回っており、複数名採用に踏み切る企業が増えている
  • アスリート採用のメリットは「人材投資・セルフマネジメント力・巻き込む力」の3つに整理できる
  • 現役時代の広告価値だけでなく、引退後にコア人材として活躍する事例が生まれている
  • 採用時点から引退後のキャリアパスを共有しておくことが、長期的な活躍の鍵になる

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業にてメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。
現在は独立し、About The New株式会社を設立。教育コンテンツの研究・開発を行い、スポーツの知見を活かした人材育成プログラムを提供している。

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