試合を終えたリングの上ではなく、経営会議室の椅子に座る棚橋弘至さんの体重が、また増えている。2026年1月4日、東京ドームでの引退試合を95kgで終えたはずが、半年後の8月にはインスタグラムで110.6kgという数字を公開し、ファンから「増えてるとは」と驚かれる事態になった。
現役時代は「試合を病欠したことは一度もない」と語っていたほどの鉄人が、なぜ引退後に体重をコントロールしきれずにいるのか。新日本プロレスの社長として二足の草鞋を脱いだいまも、体づくりの言葉を発信し続ける棚橋さんの現在地を、公開されている一次情報から追う。
引退から半年で体重110kgに戻った棚橋弘至社長の現在地
棚橋さんは2026年1月4日の東京ドーム大会で岡田和之選手とのカードを最後に、現役プロレスラーを引退した。引退試合時の体重は95kg。しかし6月にはすでに体重が増加していることをインスタグラムで明かし、目標体重として「80キロ」を掲げた。
それからおよそ2カ月後の8月上旬、腕のトレーニング投稿とともに公開した体重は110.6kg。目標の80キロとは30kg以上の開きがあり、SNS上では「パワー溢れる腕ですね」といった反応とともに話題になった。
(参考)新日本プロレス・棚橋弘至社長:目標は「80キロ」 現在の体重公開にファン驚き – MANTANWEB
目標「80キロ」の内訳|身長181cmで導き出した数字
棚橋さんは以前、自身の身長(181cm)から考えるベスト体重を「100kgくらい、もう少し軽くてもいいかも」と語っていた。現役晩年の目標が100kg前後だったことを踏まえると、引退後に掲げた「80キロ」は、リングで戦うための筋量を前提にしない、経営者としての新しい基準といえる。
現役を退いたことで、対戦相手のチョップやラリアットを受けるために鍛えていた大胸筋のような「見せる筋肉」を維持する必要性は薄れた。目標体重の引き下げは、体づくりの目的そのものが「試合で戦うため」から「経営者として長く働くため」へ移ったことの表れとも読み取れる。
現役時代の体重管理に見る3つの転機
棚橋さんの体重は、キャリアを通じて大きく3回動いている。引退後の110kgという数字だけを見ると意外に思えるが、現役時代からもともと体重の増減幅が大きい選手だったことが、過去の発言からわかる。

図:棚橋弘至さんの体重推移。本人のインタビュー発言とSNS投稿をもとに筆者が集計・作成
入門からデビューまでの半年で12kg増えた新人時代
1999年4月に新日本プロレスへ入門した際の体重は90kg。半年後の同年10月のデビュー戦では102kgまで増えている。3食ちゃんこを食べ、合間にプロテインを飲み、就寝前と夜中のトイレのタイミングにもプロテインを飲むという生活を送っていたと振り返っている。
「新日本プロレスコンクルソ」で86kgまで絞った経験
体づくりのコンテスト「新日本プロレスコンクルソ」に向けて最も体を絞ったときの体重は86kg。ベンチプレス・スクワット・デッドリフトの挙上重量をできるだけ落とさないよう意識しながら、とにかく歩く量を増やして減量したという。
コロナ禍で+10kg、そこから食事を見直した経緯
新型コロナウイルス流行下では体重がプラス10kgほど増加した。運動量はそれほど落ちなかった一方、見直したのは1日の総摂取カロリーで、炭水化物は基本的に朝のみ、夜は肉類と野菜を中心にする食事に切り替えたと語っている。
(参考)棚橋弘至「体の変化に合わせて戦い方を変えていく」 – lala a live(フォーネスライフ)
経営者になっても崩さなかった食事とウォーキングの型
現役時代から続けてきた食事・運動の型のうち、経営者になったいまも変えていないと語っていたのが、食事のタイミングとウォーキングの習慣だ。派手なメニューではなく、日々続けられる型であることが特徴といえる。
炭水化物は朝だけ、夜は肉と野菜に絞る食事設計
コロナ太りを見直した際に採用した「炭水化物は朝のみ、夜は肉類と野菜中心」という食事の型は、特別な食材や制限を必要としない。忙しい経営者の生活の中でも再現しやすい設計といえる。
1日1万歩、最大4万歩を歩く習慣
ウォーキングは長くて1時間、1日1万歩を目標にしており、最高で4万歩を歩いたこともあるという。世田谷から東京タワーを経由して銀座まで歩き、買い物をしてまた世田谷に帰ってきたというエピソードも語っている。
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体重公開のニュースに欠けている「どう戻すか」の情報
棚橋さんの体重公開は繰り返しニュースになっているが、その報道の多くは「増えた」「減った」という数字の変化を伝えるにとどまっている。実際に、体重をどう戻すつもりなのか、具体的な情報を発信している記事がどれだけあるのかを確認した。
| 確認した論点 | 言及があった記事 |
|---|---|
| 具体的なトレーニング内容(種目・頻度) | 1/6本 |
| 食事の見直し内容 | 0/6本 |
| 目標体重「80kg」の算出根拠 | 0/6本 |
| 経営者としての体づくりの意味づけ | 0/6本 |
※「棚橋弘至 体重 目標」関連の報道6本(Yahoo!ニュース・MANTANWEB等、2026年8月時点)を確認し、論点ごとの言及有無を分類
数字の報道はあっても、方法の報道はほとんどない
確認した6本のうち、具体的なトレーニング内容に触れていたのは、エアロバイクの購入を検討しているという発言を紹介した1本のみ。食事の見直し内容や、目標体重の根拠にまで踏み込んだ記事は見つからなかった。
過去のインタビューにこそ再現可能な情報がある
一方で、2024年に受けた現役時代のインタビューには、食事のタイミングやウォーキングの目標歩数など、具体的で再現しやすい情報が残っている。引退後の体重公開だけを追うのではなく、現役時代の発言と重ねて読むことで、実践できる形が見えてくる。
経営とトレーニングを両立させるための3つの視点
棚橋さんの体重公開は、単なる近況報告ではなく、経営者やビジネスパーソンが自分のコンディション管理に応用できる要素を含んでいる。ここでは3つの視点に整理する。

図:棚橋さんの体重公開の投稿パターンを筆者が整理した運用フロー
数字を公開して自分を追い込む「有言実行」の仕組み化
目標体重を先に宣言し、その後の経過をSNSで定期的に公開するスタイルは、外部からの目が自分への強制力になる仕組みといえる。社内目標を掲げる経営者にとっても、進捗を周囲に見える形で発信することは同じ効果を持つ。
「基礎代謝の低下」を前提にしたやり方の見直し
棚橋さんは40歳手前で「30代の成功体験のやり方を続けても体重が落ちなくなった」と語っている。年齢とともに基礎代謝が下がることを前提に、過去のやり方に固執せず方法自体を見直す姿勢は、事業運営における前提の更新にも通じる考え方だ。
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社員のコンディション管理に応用できる視点
経営者自身が体重や体調の変化をオープンにする姿勢は、社員の健康経営を進める上でも参考になる。トップが自分のコンディションを可視化し、改善のプロセスを共有することは、組織全体の健康意識を高めるきっかけになり得る。
よくある質問
棚橋弘至さんはいつ引退したのですか
2026年1月4日、東京ドーム大会での岡田和之選手との一戦を最後に、現役プロレスラーを引退しました。引退試合時の体重は95kgでした。
現在の体重と目標体重はどれくらいですか
2026年8月上旬の投稿では110.6kgと公開されており、6月に掲げた目標体重は80kgです。目標との差は30kg以上あります。
現役時代の体重管理で参考になる方法はありますか
炭水化物を朝に限定し、夜は肉類と野菜を中心にする食事の型や、1日1万歩を目標にしたウォーキングの習慣は、特別な設備を必要とせず取り入れやすい方法です。
まとめ
- 棚橋弘至さんは2026年1月の引退後、半年で体重が95kgから110.6kgまで増加した
- 現役時代も入門時90kg→デビュー時102kg→最軽量86kgと、もともと体重の変動幅が大きい選手だった
- コロナ禍で身につけた「朝だけ炭水化物」「1日1万歩」という食事・運動の型は、経営者になったいまも応用できる
- 体重公開のニュース報道の多くは数字の変化のみで、具体的な方法にまで踏み込んだ記事は少ない
- 目標を先に宣言し経過を発信するスタイルは、経営者のコンディション管理や健康経営にも応用できる
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