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クラブ経営は市場規模で決まらない|53クラブ決算分析

JリーグとBリーグは、加盟クラブの決算を毎年まとめて公表しています。クラブごとの数字が並んだ資料はあるものの、それを横断して集計し、比率でそろえて読んだものはほとんどありません。
本レポートは、Jリーグ「クラブ経営情報開示資料(クラブ決算一覧)」の2023〜2025年度3期分と、Bリーグ「クラブ決算概要発表資料(2024-25シーズン)」を1クラブずつ集計し直したものです。分母には総務省統計局「人口推計」の都道府県別人口を使っています。推計や独自スコアは使わず、公表された決算の実数だけを比率に直して並べました。
2025年度のJリーグは、開示された53クラブで営業収益1,785億円、1クラブあたり平均33.7億円でした。3年連続で12か月決算を開示した52クラブだけで比べても2年で26.8%伸びています。一方でチーム編成関連費(トップチーム人件費+移籍関連費用)が営業収益に占める比率は42%前後でほぼ動いていません。収入は増えても、チームに使う割合そのものは変わっていないという構造です。
収益の中身では、協賛の比率が46.6%から44.9%へ下がり、入場料の比率が15.7%から16.8%へ上がりました。観客から直接受け取るお金の比重が、少しずつ増えています。
都道府県別に見ると、営業収益の金額が大きい上位8県のうち5県は、人口でそろえると順位を下げます。1人あたりの上位は3,987円で、全国15〜18位の県が並びます。市場の大きさと、地域に根づいている度合いは別物だということが数字で確認できます。Jクラブがあるのは41都道府県で、残る6県には本拠地がありません。
チーム編成費比率と収入の伸びで52クラブを4区分に分けた図と、自分たちの数字に当てはめる5つの問いも収録しています。
本ページおよびレポートに掲載した数値・表は、出典を明記いただければ自由に引用・転載いただけます(事前のご連絡は不要です)。報道・研究・社内資料のいずれでもご利用いただけます。
出典表記の例
出典:Human Soar「Jリーグ・Bリーグ クラブ収益構造と人件費率レポート2026」(About The New株式会社)
https://www.human-soar.com/ebook/org/jleague-bleague-club-revenue-2026/
2025年度 Jリーグ53クラブの収益内訳
Jリーグが公表した2025年度の決算から、12か月決算を開示した53クラブ分を集計しました。営業収益の合計は1,785億円、1クラブあたり平均33.7億円です。収入の約45%をスポンサー収入が占めており、入場料収入のおよそ2.7倍にあたります。
| 項目 | 金額(百万円) | 構成比 |
|---|---|---|
| スポンサー収入 | 80,295 | 44.9% |
| 入場料収入 | 29,965 | 16.8% |
| 物販収入 | 16,664 | 9.3% |
| 移籍金収入 | 12,098 | 6.8% |
| Jリーグ配分金 | 10,549 | 5.9% |
| アカデミー関連収入 | 5,482 | 3.1% |
| 女子チーム関連収入 | 2,188 | 1.2% |
| その他収入 | 21,261 | 11.9% |
| 営業収益 合計 | 178,503 | 100.0% |
対象:2025年度に12か月決算を開示したJ1〜J3の53クラブ(変則決算の1クラブを除く)。Human Soarが1クラブずつ集計。構成比は四捨五入のため合計が100%にならない場合があります。
出典:Jリーグ「クラブ経営情報開示資料(クラブ決算一覧)」2025年度
Bリーグの営業収入は4シーズンで2.2倍、人件費率は6.2ポイント低下
同じ期間のBリーグを並べると、伸び方の違いがはっきりします。営業収入は4シーズンで299億円から651億円へ117.4%増え、トップチーム人件費が営業収入に占める比率は44.0%から37.8%へ下がりました。2023-24シーズンに営業利益が黒字へ転じています。
| シーズン | クラブ数 | 営業収入 | 入場料収入 | トップチーム人件費 | 人件費率 | 営業利益 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2021-22 | 36 | 29,962 | 4,620 | 13,170 | 44.0% | -1,584 |
| 2022-23 | 38 | 41,536 | 7,500 | 18,210 | 43.8% | -2,490 |
| 2023-24 | 38 | 55,240 | 10,862 | 21,547 | 39.0% | +1,395 |
| 2024-25 | 38 | 65,138 | 14,443 | 24,594 | 37.8% | +801 |
単位:百万円。人件費率=トップチーム人件費÷営業収入。Human Soarが集計。
出典:Bリーグ「クラブ決算概要発表資料」各シーズン
この資料でわかること
- Jリーグ53クラブ・営業収益1,785億円の収益内訳(協賛・入場料・物販ほか)
- 収入は2年で+26.8%伸びた一方、チーム編成費比率は42%前後で動いていないこと
- 協賛の比率は下がり、入場料の比率は上がったという3年間の変化
- 人口でそろえると、金額の上位8県のうち5県が順位を下げる都道府県別ランキング
- チーム編成費比率×収入の伸びで52クラブを分けた4区分と、当てはめの5つの問い
目次
- エグゼクティブサマリー
- この資料の使い方
- なぜ、この見方をするのか
- Jリーグは、全クラブの決算を毎年公表している
- 2025年度の営業収益は1,785億円
- 同じクラブで比べても、2年で+26.8%伸びている
- 協賛の比率は下がり、入場料の比率は上がった
- チームに使う比率は3年でほぼ動いていない
- カテゴリーが下がるほど、協賛への依存が強くなる
- 営業収益の上位は、102億円台から始まる
- 人口でそろえると、上位の顔ぶれが変わる
- 金額の上位8県のうち、5県は人口でそろえると順位を下げる
- Jクラブがあるのは41都道府県
- 営業赤字のクラブは3年で7クラブ減った
- チーム編成費比率と、収入の伸びで4つに分かれる
- 自分たちがどの区画にいるかで、見るべき数字が変わる
- Bリーグは入場料の比率がJリーグより5.4ポイント高い
- Bリーグの営業収入は4シーズンで117.4%増えた
- 自分たちの数字に当てはめる5つの問い
- 進め方(活用例)
- データの見方・出典
- 出典URL一覧
こんな方におすすめ
- Jクラブ・Bクラブの経営企画・管理部門のご担当者
- 地域スポーツクラブ・競技団体の運営に携わる方
- クラブと連携する自治体・企業のご担当者


