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労災の3割は転倒、身体づくりは14%|人事・総務の安全データ

労災の3割は転倒、身体づくりは14%|人事・総務の安全データの資料表紙

休業4日以上の労働災害は2025年に135,333人。そのうち27.5%が転倒、16.4%が腰痛などの「動作の反動・無理な動作」です。機械へのはさまれや墜落ではなく、歩いていて転ぶ、持ち上げて腰を痛めるといった災害が、いまの職場ではいちばん多くなっています。2018年からの7年で、転倒は16.8%、無理な動作は30.7%増えました。

転倒は年齢とともに増えます。労働時間あたりの発生率で比べると、60〜64歳は25〜29歳の8.5倍で、60〜64歳の女性は同じ年代の男性の3.0倍です。働く人に占める60歳以上の割合は19.6%ですが、労働災害の死傷者では31.3%を占めます。それに対して、企業の備えは設備に偏っています。設備・整理整頓の対策に取り組む事業所が77.7%あるのに対し、運動指導やスポーツの推進といった身体づくりに取り組む事業所は13.6%です。

本レポートは、厚生労働省の労働災害統計と労働安全衛生調査を読み、転倒と腰痛がどの年代・どの業種で起きているか、企業がどんな対策を取っているかを、人事・総務・安全衛生の担当者の目線で23ページにまとめたものです。自社の年齢構成に発生率を当てはめ、次の一手を決めるための手順も載せています。

引用について

本ページおよびレポートに掲載した数値・表は、出典を明記いただければ自由に引用・転載いただけます(事前のご連絡は不要です)。報道・研究・社内資料のいずれでもご利用いただけます。

出典表記の例

出典:Human Soar「職場の転倒・腰痛 年代別の発生率と企業の身体づくり対策」(About The New株式会社)
https://www.human-soar.com/ebook/health/workplace-falls-back-pain-fitness-measures-2026/

転倒と無理な動作は、7年で増え続けている

休業4日以上の死傷者数を、事故の型別に並べました。転倒は31,833人から37,195人へ、無理な動作は16,958人から22,166人へ増えています。割合は2025年の値で、転倒が27.5%、無理な動作が16.4%です。

年 転倒 動作の反動・無理な動作 2018年を100とした転倒 2018年を100とした無理な動作
2018年 31,833人 16,958人 100.0 100.0
2019年 29,986人 17,709人 94.2 104.4
2020年 30,929人 19,121人 97.2 112.8
2021年 33,672人 20,776人 105.8 122.5
2022年 35,295人 20,879人 110.9 123.1
2023年 36,058人 22,053人 113.3 130.0
2024年 36,378人 22,218人 114.3 131.0
2025年 37,195人 22,166人 116.8 130.7

対象:休業4日以上の労働災害(死亡を含む)。事業者が提出する労働者死傷病報告の集計で、新型コロナウイルス感染症へのり患によるものを除いた確定値です。人数は公表値、2018年を100とした値は当社の計算値です。出典:厚生労働省「労働災害発生状況」確定値(事故の型別)2018〜2025年(2026年10月5日 取得)。

Q. 職場の労働災害で、いちばん多いのは何ですか?

転倒です。2025年に休業4日以上となった労働災害135,333人のうち、転倒は37,195人で27.5パーセントを占めます。腰痛などの「動作の反動・無理な動作」が22,166人で続き、この2つで全体の4割を超えます。2018年と比べると、転倒は16.8パーセント、無理な動作は30.7パーセント増えています。

Q. 転倒による労働災害は、年齢でどれくらい違いますか?

労働時間あたりの発生率(度数率)で比べると、60〜64歳は25〜29歳の8.5倍です。60〜64歳の女性は同じ年代の男性の3.0倍になります。一方、腰痛などの無理な動作は年齢による差が1.8倍にとどまり、若い年代でも起きています。

設備の対策は8割近く、身体づくりは14%。規模で差が開く

転倒防止のために取り組んでいる対策を、事業所の規模別に並べました。設備の対策は規模による差が小さい一方、身体づくりは1,000人以上の53.1%に対し、10〜29人では10.9%です。高年齢の労働者向けの対策に取り組む事業所は18.1%で、そのうち体力チェックを行っているのは9.1%にとどまります。

事業所の規模 設備・整理整頓などの対策 骨密度・ロコモ度などのチェック 転びにくい身体づくり(運動指導など)
全体 77.7% 5.8% 13.6%
1,000人以上 93.7% 22.6% 53.1%
500〜999人 94.3% 21.6% 40.6%
300〜499人 88.1% 13.0% 27.7%
100〜299人 84.3% 12.2% 26.5%
50〜99人 87.7% 6.5% 18.2%
30〜49人 79.8% 4.8% 17.9%
10〜29人 75.3% 5.3% 10.9%

対象:常用労働者10人以上の民営事業所(令和6年)。それぞれの対策に「取り組んでいる」と答えた事業所の割合で、調査の公表値です。取り組みの中身や頻度は問われていません。出典:厚生労働省「令和6年 労働安全衛生調査(実態調査)」第6表(2026年10月5日 取得)。

Q. 転倒を防ぐために、運動や身体づくりに取り組んでいる会社はどれくらいありますか?

転びにくい身体づくり(専門家による運動指導、スポーツの推進など)に取り組む事業所は13.6パーセントです。手すりや床の整備といった設備の対策は77.7パーセントで、対策は設備の側に偏っています。事業所の規模による差が大きく、1,000人以上では53.1パーセント、10〜29人では10.9パーセントです。

この資料でわかること

  • 労働災害に占める転倒・腰痛の割合と、2018年からの推移
  • 年齢・男女別の転倒の発生率(労働時間あたり)
  • 業種別の割合と、業種×年齢の発生率
  • 転倒防止の対策の実施率(設備/チェック/身体づくり)と事業所規模による差
  • 自社の年齢構成に当てはめて、対策の順番を決める手順

目次

  1. 要点|転倒は年齢とともに増える。備えは設備に偏っている
  2. この資料の使い方
  3. 労働災害の27.5%は転倒。腰痛などの無理な動作が16.4%
  4. 転倒は7年で16.8%、無理な動作は30.7%増えた
  5. 転倒の発生率は、60代前半で20代後半の8.5倍になる
  6. 60代前半の女性の転倒は、同じ年代の男性の3.0倍
  7. 男女の差は50代前半から開き、60代後半で3.3倍になる
  8. 腰痛などの無理な動作は、年齢による差が1.8倍にとどまる
  9. 社会福祉施設では、転倒と無理な動作で労働災害の68.5%を占める
  10. 建設業・製造業は下がり、保健衛生業・商業は上がった
  11. 医療保健業は、60代前半の発生率が30代前半の5.2倍
  12. 働く人の2割が60歳以上。労働災害では3割を占める
  13. 設備の対策は77.7%。身体づくりに取り組む事業所は13.6%
  14. 身体づくりは1,000人以上で53.1%、10〜29人では10.9%
  15. 身体づくりに取り組む事業所は、1年前とほとんど変わっていない
  16. 高年齢者向けの対策は18.1%。体力チェックはその9.1%
  17. 起きている災害は「人」の側。打たれている対策は「床」の側
  18. 自社に当てはめる|数える・測る・動かすの順
  19. よくある誤解と、読むときの注意
  20. データの見方|用語と算出方法
  21. 出典一覧

こんな方におすすめ

  • 労働災害の防止を担う人事・総務・安全衛生の担当者
  • 高年齢者の雇用・健康経営を進める担当者
  • 対策の予算を判断する経営層・事業所長