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「半数が移行済み」は誤解|自治体担当者向け進捗データ

スポーツ庁・文化庁が2026年8月5日に公表した「部活動改革の取組状況に関する調査」をもとに、部活動の地域展開が全国でどこまで進んだのかを整理した資料です。令和8年度から「改革実行期間」に入った節目に、令和5年度から令和9年度までの推移を1本にまとめています。
この資料の中心にあるのは、同じ「地域展開」でも数え方によって結果が大きく変わるという点です。休日の地域展開に取り組む市区町村は令和7年度で967自治体(55.5%)に達しますが、実際に地域クラブ活動へ移った部活動は22,357部(17.5%)にとどまります。前者は市内のどこかで始まっていれば数えられる「着手率」であり、後者は現場の実感に近い数字です。両者には3.2倍の開きがあり、混ぜて議論すると進捗を実際より大きく見積もることになります。
平日についても同じ整理を行っています。平日の地域展開は自治体ベースで28.8%、部活動ベースでは4.7%と、休日より大きく遅れています。あわせて、合同部活動や部活動指導員の活用による「地域連携」が令和7年度をピークに減る見込みであることも、自治体数の推移から確認できます。
後半では、受け皿側の状況を「令和6年度 総合型地域スポーツクラブに関する実態調査」から押さえています。全国の総合型地域スポーツクラブは3,581で、この15年ほとんど増えていません。法人格を持つのは1,043クラブにとどまり、クラブ側の課題は後継者確保77.6%・指導者確保59.3%・財源確保58.9%と、いずれも前年より悪化しています。需要が増える一方で受け皿の体力が追いついていない構図を、数字で確認できる内容です。
令和8・9年度の数値は自治体が回答した「予定」であるため、本文でも実績と区別して掲載しています。庁内・社内の資料に引用しやすいよう、出典・調査時点・集計上の前提と除外項目は最終ページに一覧化しました。
本ページおよびレポートに掲載した数値・表は、出典を明記いただければ自由に引用・転載いただけます(事前のご連絡は不要です)。報道・研究・社内資料のいずれでもご利用いただけます。
出典表記の例
出典:Human Soar「部活動の地域展開 全国進捗レポート2026」(About The New株式会社)
https://www.human-soar.com/ebook/org/bukatsu-regional-transition-progress-2026/
同じ「地域展開」でも、自治体で数えるか部活動で数えるかで3.2倍ずれる
令和7年度の休日の地域展開は、自治体ベースで967自治体(55.5%)に達します。ところが実際に地域クラブ活動へ移った部活動は22,357部(17.5%)にとどまります。前者は市内のどこかで始まっていれば数えられる「着手率」であり、後者が現場の実感に近い数字です。両者には3.2倍の開きがあり、混ぜて議論すると進捗を実際より大きく見積もることになります。平日はさらに差が開きます。
| 数え方 | 休日(令和7年度) | 平日(令和7年度) |
|---|---|---|
| 自治体ベース(着手率) | 967自治体/55.5% | 502自治体/28.8% |
| 部活動ベース(実際に移行した部) | 22,357部/17.5% | 6,040部/4.7% |
| 両者の開き | 3.2倍 | 6.1倍 |
対象:全国1,741市区町村、公立中学校等の部活動約128,000部。「地域展開」は地域クラブ活動への移行を指し、合同部活動や部活動指導員の活用による「地域連携」は含みません。Human Soarが集計。
出典:スポーツ庁・文化庁「部活動改革の取組状況に関する調査」(2026年8月5日公表)
受け皿の総合型地域スポーツクラブは15年間ほぼ横ばい、課題は全項目で悪化
移行先となる総合型地域スポーツクラブは全国3,581クラブで、平成28年度の3,586からほとんど増えていません。法人格を持つのは1,043クラブにとどまります。クラブ側が挙げる課題は前年より全項目で悪化しており、需要が増える一方で受け皿の体力が追いついていない構図が数字で確認できます。
| クラブ側の課題 | 令和6年度 | 令和5年度 | 変化 |
|---|---|---|---|
| 運営を担う人材の世代交代・後継者確保 | 77.6% | 72.3% | +5.3pt |
| 指導者の確保(養成) | 59.3% | 56.2% | +3.1pt |
| 会費・参加費など受益者負担による財源確保 | 58.9% | 44.0% | +14.9pt |
| 会員の世代の拡大 | 44.6% | 36.2% | +8.4pt |
| 行政(スポーツ担当部局)との連携 | 41.3% | 29.2% | +12.1pt |
対象:令和6年度は1,502クラブ、令和5年度は1,884クラブの回答(複数回答)。総合型地域スポーツクラブ数は3,581(うち法人格あり1,043・指定管理者229)。Human Soarが集計。
※令和8・9年度の数値は自治体が回答した「予定」であり、実績とは区別しています。
出典:スポーツ庁「令和6年度 総合型地域スポーツクラブに関する実態調査」
この資料でわかること
- 休日の地域展開は自治体ベース55.5%・部活動ベース17.5%(令和7年度)。3.2倍の開きが生まれる理由
- 令和5年度から令和9年度までの推移を、自治体数と部活動数の両方で確認できる
- 平日の進捗は自治体ベース28.8%・部活動ベース4.7%。休日との差がどこにあるか
- 受け皿となる総合型地域スポーツクラブ3,581の体力(法人格1,043・課題の前年比)
- 令和8・9年度が「予定値」であることを含めた、数字を引用するときの注意点
目次
- エグゼクティブサマリー
- この資料の使い方
- 制度の現在地|令和8年度から「改革実行期間」に入った
- 同じ「地域展開」でも、数え方で結果が3倍変わる
- 休日|地域展開に取り組む市区町村は3年で2倍以上に
- 休日|実際に動いた部活動は、まだ6部に1部
- 「着手した自治体」と「動いた部活動」の開き
- 平日|地域展開した部活動は20部に1部にとどまる
- 休日と平日で、進み方はどれだけ違うか
- 地域連携は令和7年度をピークに減る見込み
- 実績と予定を混ぜない|令和8年度以降は自治体の予定値
- 受け皿側|総合型地域スポーツクラブの全体像
- 受け皿の数は、この15年ほとんど増えていない
- 法人格を持つクラブは増えているが、8割は取得の意向がない
- クラブの6割は、地域移行に「取り組んでいない」
- 運営を担う意向があるのは、休日で4割・平日で3割半
- クラブの課題は、前年よりすべて悪化している
- 指導者|有資格は半数、手当のない人が4割いる
- 需要と受け皿を、同じ表に並べてみる
- 立場によって、見るべき数字は変わる
- 自分の地域の状況を確かめる5つの質問
- データの見方・出典
こんな方におすすめ
- 部活動の地域展開を担当する自治体の教育委員会・スポーツ主管課の方
- 受け皿を検討している地域クラブ・スポーツ団体の運営者
- 学校・部活動の運営に関わる教職員の方
- 地域スポーツや従業員のスポーツ活動に関わる企業のご担当者


