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有給は制度より産業で決まる|人事の取得率データ

有給は制度より産業で決まる|人事の取得率データの資料表紙

有給休暇の取得を進めるとき、まず検討されるのが計画的付与制度の導入です。ところが厚生労働省「就労条件総合調査」の令和7年調査で、産業16区分について制度がある企業の割合と取得率を並べると、相関係数は−0.27。わずかに逆向きで、制度の有無から取得率の差を説明することはできませんでした。

本レポートは、公表されている2つの統計表(付与日数・取得日数・取得率/計画的付与制度の有無)を産業16区分・企業規模4区分で行をそろえて並べ直し、さらに使われずに消えている日数まで出した22ページの資料です。

引用について

本ページおよびレポートに掲載した数値・表は、出典を明記いただければ自由に引用・転載いただけます(事前のご連絡は不要です)。報道・研究・社内資料のいずれでもご利用いただけます。

出典表記の例

出典:Human Soar「年次有給休暇の取得率ベンチマーク 産業別・企業規模別と計画的付与制度」(About The New株式会社)
https://www.human-soar.com/ebook/health/paid-leave-rate-benchmark-2026/

6年で取得率は10.6ポイント上がったが、制度は2.4ポイント下がっている

同じ調査の時系列表で令和2年からの6年を追うと、全産業の取得率は56.3%から66.9%へ上がりました。一方、計画的付与制度を持つ企業の割合は43.2%から40.8%へ、むしろ下がっています。2つの開きは13.1ポイントから26.1ポイントへ広がりました。産業をまたいで見た相関係数−0.27と同じことが、時間の軸でも起きています。

指標 R2 R3 R4 R5 R6 R7
取得率 56.3% 56.6% 58.3% 62.1% 65.3% 66.9%
計画的付与制度がある企業 43.2% 46.2% 43.1% 43.9% 40.1% 40.8%
開き(取得率 − 制度) 13.1pt 10.4pt 15.2pt 18.2pt 25.2pt 26.1pt

対象:常用労働者30人以上の民営企業(全産業)。R2=令和2年〜R7=令和7年。調査対象の範囲は平成19年以前と平成26年以前に変更があるため、令和2年以降だけを並べています。この表は公表値をそのままで、当社の計算は入っていません。出典:厚生労働省「就労条件総合調査」時系列13表・14表(2026年9月7日取得)。

差を作っているのは企業規模ではなく産業

取得率は全産業で66.9%。付与された18.1日のうち12.1日が取得され、1人あたり6.0日が使われずに消えています。企業規模で見ると1,000人以上69.0%から30〜99人64.9%で、開きは4.1ポイントにとどまります。これに対し産業では電気・ガス・水道75.2%から宿泊・飲食50.7%まで24.5ポイント開き、規模による差の6.0倍です。「うちは中小だから取れない」という説明は、この数字では支えられません。

産業 付与日数 取得率 未消化日数 計画的付与制度がある企業
電気・ガス・熱供給・水道業 19.5日 75.2% 4.8日 23.1%
金融業,保険業 19.6日 72.8% 5.3日 44.1%
製造業 18.8日 72.8% 5.1日 49.5%
全産業 18.1日 66.9% 6.0日 40.8%
生活関連サービス業,娯楽業 17.7日 59.6% 7.1日 38.5%
複合サービス事業 19.7日 57.1% 8.5日 44.9%
宿泊業,飲食サービス業 15.9日 50.7% 7.9日 37.0%

対象:令和7年調査(常用労働者30人以上の民営企業)。付与日数・取得率・制度の割合は公表値。未消化日数=付与日数−取得日数で当社が算出。全16産業のうち上位3・下位3と全産業を抜粋。出典:厚生労働省「就労条件総合調査」令和7年 第8表/第11-1表(2026年9月7日取得)。

資料ではこのほか、男女差(女性のほうが8.0ポイント高い)、制度が最も少ない電気・ガス・水道が取得率では最上位という反例、100人の職場に置き換えると年600日ぶんの休暇が使われずに消えている計算になることを扱っています。出典は統計表名・取得日・除外項目まで全件記載しているため、社内提案や労使協議の資料としてそのまま引用できます。

この資料でわかること

  • 産業16区分・企業規模4区分の付与日数・取得日数・取得率(自社の位置を測る基準線)
  • 使われずに消えている日数(付与日数−取得日数)
  • 計画的付与制度の普及率と、取得率との相関係数
  • 令和2年から令和7年までの取得率と制度普及率の推移
  • 男女別の取得率と、100人の職場に置き換えたときの残り日数

目次

  1. 要点|制度の有無では、取得率の差を説明できない
  2. この資料の使い方
  3. 就労条件総合調査とは|毎年1月時点で企業に聞く
  4. 2つの公表値を並べて、使われずに消える日数を出す
  5. そもそも何日もらえるか|19.7日から15.9日
  6. 産業別|電気・ガス・水道と宿泊・飲食で24.5ポイント開く
  7. 使われずに消える日数|複合サービスは年8.5日
  8. 企業規模|大きいほど高いが、差は4.1ポイント
  9. 女性のほうが8.0ポイント高い
  10. 計画的付与制度を持つ企業は40.8%
  11. 制度の普及率と取得率の相関係数は-0.27
  12. 制度が最も少ない産業が、取得率では上位
  13. 6年で取得率は+10.6pt、制度は-2.4pt
  14. 産業別の一覧|自社の位置を測るための基準線
  15. 差が大きいのは規模ではなく産業
  16. 100人の職場なら、年600日が残っている
  17. 自社に当てはめる|5つの手順
  18. よくある誤解と、読むときの注意
  19. データの見方|用語と算出方法
  20. 出典一覧

こんな方におすすめ

  • 有給取得率の目標を持つ人事・労務の担当者の方
  • 働き方の施策を設計する経営企画の方
  • 労使協議の資料を作る担当の方