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辞めるのは中小ではなく中堅|人事の規模別データ

離職率を下げたいと考えるとき、まず必要なのは「自社の数字が高いのか低いのか」を判断する基準線です。ところが厚生労働省「雇用動向調査」で公表されている離職率は産業の大分類と企業規模までで、そこから先――年齢階級や離職理由と掛け合わせた数字は、自分で組み立てるしかありません。
本レポートは令和7年調査(2026年8月31日公表)をもとに、常用労働者5,134万人を母集団として離職率を産業16区分・企業規模5区分で並べ、さらに「なぜ辞めたのか」まで分解した22ページの資料です。自分で算出した離職率が公表値と全区分で一致することを確認したうえで、細かい区分に下ろしています。
本ページおよびレポートに掲載した数値・表は、出典を明記いただければ自由に引用・転載いただけます(事前のご連絡は不要です)。報道・研究・社内資料のいずれでもご利用いただけます。
出典表記の例
出典:Human Soar「産業別・企業規模別の離職率ベンチマーク」(About The New株式会社)
https://www.human-soar.com/ebook/hr/separation-rate-benchmark-2026/
「小さい会社ほど辞める」は、7年分のデータで成り立たない
令和7年の離職率は全産業で13.7%です。企業規模別に見ると最も高いのは100〜299人の17.9で、最も低いのは5〜29人の12.2、1,000人以上は12.5でした。規模がいちばん大きい層といちばん小さい層に挟まれて、中堅規模が突出している形です。
これが単年の振れではないことを、公表されている7年分の推移で確認できます。100〜299人は7年のうち6年で最上位でした。いちばん小さい5〜29人が最上位になった年は一度もなく、いちばん大きい1,000人以上が最も低かった年も3年だけです。
| 企業規模 | R元 | R2 | R3 | R4 | R5 | R6 | R7 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1,000人以上 | 15.1% | 14.0% | 12.9% | 13.7% | 14.2% | 13.2% | 12.5% |
| 300〜999人 | 14.8% | 13.3% | 15.5% | 15.9% | 16.1% | 14.7% | 15.3% |
| 100〜299人 | 21.1% | 17.4% | 19.8% | 15.5% | 19.0% | 16.6% | 17.9% |
| 30〜99人 | 16.6% | 14.7% | 13.9% | 16.6% | 16.0% | 13.6% | 14.0% |
| 5〜29人 | 14.9% | 13.6% | 11.4% | 15.7% | 15.6% | 16.0% | 12.2% |
対象:全国の主要産業の事業所(常用労働者5人以上)。太字はその年で最も離職率が高かった規模。令和元年(R元)〜令和7年(R7)。産業分類の改定をまたがないよう令和元年以降に限定。出典:厚生労働省「雇用動向調査」年次別推移 第3表(2026年9月7日取得)。
辞めた理由の45.3パーセントは、職場の設計で動く範囲にある
公表の区分では離職の74.3が「個人的理由」に分類され、そのうち72.0は「その他の個人的理由」という中身の見えない箱に入ります。これでは打ち手が決まりません。そこで、転職して入職した人に前の勤め先を辞めた理由を聞いた別表を重ねると、中身が開きます。
最も多いのは「労働条件が悪かった」、次いで「職場の人間関係が好ましくなかった」。仕事の内容・人間関係・労働条件・収入といった、職場の側で設計できる理由の合計は45.3パーセントでした。一方、結婚・出産育児・介護は合わせて2.9パーセントにとどまります。
| 前の勤め先を辞めた理由 | 転職入職者に占める割合 | 区分 |
|---|---|---|
| 労働条件が悪かった | 10.8% | 職場の設計で動く |
| 職場の人間関係が好ましくなかった | 10.3% | 職場の設計で動く |
| 収入が少なかった | 9.3% | 職場の設計で動く |
| 会社の将来が不安だった | 5.5% | 職場の設計で動く |
| 仕事の内容に興味を持てなかった | 4.9% | 職場の設計で動く |
| 能力・個性・資格を生かせなかった | 4.6% | 職場の設計で動く |
| 出産・育児 | 1.1% | ライフイベント |
| 結婚 | 1.0% | ライフイベント |
| 介護・看護 | 0.9% | ライフイベント |
対象:令和7年に転職して入職した448万人。上6項目の合計が45.3パーセント、ライフイベント3項目の合計が2.9パーセント。「職場の設計で動く」の区分は当社によるもので、調査の区分ではありません。出典:厚生労働省「雇用動向調査」令和7年 第12表(2026年9月7日取得)。
資料ではこのほか、産業ごとに離職の中身が違うことも扱っています。教育・学習支援業は離職率15.1と全産業より高いものの、その43.4は契約期間の満了で、定着施策では動きません。逆に宿泊業・飲食サービス業は離職の91.5が個人的理由で、働き方の設計が効く余地が大きい産業です。出典は統計表名・取得日・除外項目まで全件記載しているため、社内提案や稟議の根拠としてそのまま引用できます。
この資料でわかること
- 産業16区分・企業規模5区分の離職率と入職率(自社の位置を測る基準線)
- 企業規模別の離職率の7年推移(公表値)
- 公表区分では見えない「その他の個人的理由」72.0%の中身
- 前の勤め先を辞めた理由の順位と、職場の設計で動く45.3%の内訳
- 産業ごとの離職の中身(契約期間の満了か、個人的理由か)
目次
- 要点|離職率を見るだけでは、打つ手が決まらない
- この資料の使い方
- 雇用動向調査とは|年2回、事業所に聞く
- 公表の離職率と一致することを確かめてから、細かく下ろした
- 産業別|宿泊・飲食と金融・保険で3.6倍
- 離職率だけを見ると、人が増えているのか分からない
- 企業規模|最も高いのは100〜299人
- 企業規模別|出入りの激しさが規模で違う
- 7年見ても、いちばん高いのは中堅規模
- 離職者の31.8%は29歳以下
- 公表の区分では、離職の72.0%が中身の見えない箱に入る
- 辞めた理由の45.3%は、職場の設計で動く
- 最も多い理由は「労働条件が悪かった」
- 予算の要る理由が25.6%、設計で動く理由が19.7%
- 教育・学習支援は、離職の43.4%が契約期間の満了
- 産業別の一覧|自社の位置を測るための基準線
- 自社に当てはめる|5つの手順
- よくある誤解と、読むときの注意
- データの見方|用語と算出方法
- 出典一覧
こんな方におすすめ
- 離職率の目標を持つ人事・労務の担当者の方
- 定着施策の予算や打ち手を検討する経営企画の方
- 組織開発・研修の企画を担当されている方


