結論から書きます。ランニング中に足がつる原因の多くは、「汗で失われた水分と電解質」「ふくらはぎの筋疲労」「暑さや練習量への準備不足」の3つが重なったところにあります。
裏を返せば、この3つに手を打てば、つる頻度はかなり下げられます。特別なことをする必要はなく、走る前の水分、走った後のケア、寝る前の温めという順番で整えていくだけです。
たとえば、3か月後にフルマラソンを控えた30代のランナーが、8月の朝に20kmを走る。残り3kmでふくらはぎが石のように固まって立ち止まる。あるいは、練習の疲れが残ったまま眠り、夜中にトイレへ立った瞬間、ふくらはぎがつって声が出る。どちらもこの季節によく聞く話です。
この記事では、足がつるメカニズムを整理したうえで、走る前・走った後・寝る前にできる具体的な対策をまとめます。後半では、その対策に使えるアイテムも紹介します。
ランニング中に足がつる原因は主に3つ
「足がつる」は、医学的には筋けいれん(筋クランプ)と呼ばれます。自分の意思とは関係なく筋肉が強く収縮したまま戻らなくなる状態で、ランナーの場合はふくらはぎ(腓腹筋・ヒラメ筋)や足の裏、ハムストリングスに起きやすいと言われています。
原因は一つに絞れるものではありません。ただ、市民ランナーの現場でよく挙がるのは次の3つです。
①汗で失われる水分と電解質のアンバランス
汗には水分だけでなく、ナトリウムやカリウム、マグネシウムといった電解質(ミネラル)が含まれています。長時間走ると、これらが体から出ていきます。
電解質は筋肉の収縮と弛緩の信号をやりとりする役割を担っていると考えられており、バランスが崩れると筋肉が思うようにゆるまなくなる、というのが古くから知られている説明です。夏場や、汗をかきやすい体質の人でつりやすくなるのは、この線で説明されることが多い現象です。
ここで見落とされがちなのが、「水だけを大量に飲む」パターンです。汗で塩分も出ているのに水分だけを補うと、体内のナトリウム濃度がさらに薄まってしまいます。給水のたびに水をがぶ飲みしているのにつる、という人は、この可能性を疑ってみる価値があります。
②ふくらはぎの筋疲労と神経の誤作動
近年は、電解質だけでは説明しきれないという見方も強くなっています。疲労した筋肉では、筋肉の緊張をコントロールする神経の働きが乱れ、収縮を促す信号が過剰になる一方、ゆるめる信号が弱まる、という考え方です。
この説に立つと、「レース後半につる」「普段より速いペースで走った日につる」といった現象がうまく説明できます。実際、走行距離を急に増やした週や、初めてのレースペースを試した日に集中して起きる、という経験談は珍しくありません。
つまり、水分と塩分だけを完璧にしてもつる人はつります。ふくらはぎに蓄積した疲労そのものを減らす視点が必要になります。
③冷えと血流の低下(特に夜間のこむら返り)
走っている最中ではなく、寝ている間や明け方につるケースもあります。こちらは、就寝中の発汗による軽い脱水に加え、体が冷えて下腿の血流が落ちることが関係していると言われています。
夏でも、冷房の効いた部屋で薄着のまま寝ていると足元は冷えます。日中しっかり走った日に限って夜中につる、という人は、練習量と冷えの両方が乗っている状態かもしれません。
原因別に見る、足がつるときの対策一覧
3つの原因は、それぞれ打ち手が違います。自分がどのパターンに当てはまりそうかを、次の表で確認してみてください。
| 起きやすい場面 | 疑われる原因 | まず試したい対策 |
|---|---|---|
| 夏場・長距離の後半につる | 水分と電解質の不足 | 走る前後の塩分補給、給水の量と中身を見直す |
| 普段より速い・長い練習の日につる | ふくらはぎの筋疲労 | 練習量の増やし方を緩め、走った日にふくらはぎをゆるめる |
| 寝ている間や明け方につる | 冷えと血流の低下 | 就寝前に湯船で温める、足元を冷やさない |
| 季節や練習量に関係なく頻発する | 他の要因の可能性 | 自己判断で続けず、医療機関で相談する |
ランニング中に足がつったときの対処法
予防の前に、つってしまったときの動き方を押さえておきます。ここで無理をすると、肉離れに発展することがあります。
まず止まって、ふくらはぎをゆっくり伸ばす
つった直後は、走り続けようとせずに止まります。ふくらはぎであれば、つま先を手前に引き寄せて、アキレス腱を伸ばす形にするのが基本です。壁や電柱があれば、つま先を壁につけて体重を前にかける方法もとれます。
反動をつけて一気に伸ばすのは避けてください。痛みが強いうちは、ゆっくり、少しずつ角度を深くしていくほうが安全です。
水分と電解質を補い、その日は無理をしない
けいれんが落ち着いたら、水だけでなく塩分やミネラルを含むものを口に入れます。スポーツドリンクや経口補水液、塩分を含むタブレットなどが手軽です。
そして、その日の練習はそこで切り上げる判断も持っておきたいところです。一度つった筋肉は、同じ日に再びつりやすい状態にあります。
受診を考えたほうがよいサイン
運動や暑さと関係なく頻繁につる、片側だけに強く出る、しびれやむくみを伴う、といった場合は、別の原因が隠れていることがあります。血管や神経の問題、服用中の薬の影響、代謝の異常などが関わるケースも報告されています。
「よくあることだから」で片づけず、続くようであれば内科や整形外科で相談してください。
足がつるのを防ぐ4つの習慣
ここからは予防です。どれも今日から始められるものだけを挙げます。順番に読む必要はないので、自分に足りていないものから手をつけてください。
①走る前後の水分と塩分を「感覚」ではなく「量」で決める
喉が渇いてから飲む、では夏場は間に合いません。走る30分前にコップ1杯、走行中は20分おきに一口ずつ、といった形で、時間を目安にするほうが確実です。
もう一つの目安が体重です。走る前と後に体重を量り、減った分がその日に失った水分量にあたります。1kg減っていれば約1リットル失っている計算になるので、次回の給水量を決める材料になります。
そして、1時間を超える運動では水だけにしないこと。塩分やミネラルを含む飲み物やタブレットを組み合わせておくと、ナトリウムが薄まりすぎる状態を避けやすくなります。
②練習量を急に増やさない
レースが近づくと、距離もペースも一気に上げたくなります。ただ、ふくらはぎの疲労は自覚より遅れて出てくるので、先週より大幅に増やした週は、つるリスクも上がると考えておいたほうが無難です。
目安としてよく使われるのが「週あたりの走行距離の増加は10%まで」という考え方です。厳密な根拠がある数字ではありませんが、増やしすぎを防ぐブレーキとしては機能します。
③走った日の夜に、ふくらはぎをゆるめる時間をつくる
走ったあとのふくらはぎは、縮んだまま固まりがちです。ここを放置したまま翌日また走ると、疲労が積み上がっていきます。
ストレッチだけでなく、フォームローラーやストレッチ用ポールにふくらはぎを乗せて前後に転がす方法もあります。1本あれば背中や太ももにも使えるので、走った日のルーティンに組み込みやすい道具です。
④寝る前に温めて、足元を冷やさない
夜中につるタイプの人は、就寝前の過ごし方を変えるだけで変化を感じることがあります。シャワーで済ませず、ぬるめの湯船に15分ほど浸かって下腿を温めるのが基本形です。
冷房の設定温度や、寝るときの服装も見直してみてください。夏でも、足元が冷えていればふくらはぎの血流は落ちます。薄手の靴下やレッグウォーマーを一枚足すだけでも違います。
【PR】ランニング中の足のつり対策に使えるアイテム
ここからは、この記事で挙げてきた「ふくらはぎを支える」「ミネラルを補う」「疲れをその日のうちにゆるめる」という3つの軸に沿って、実際に手に入るアイテムを紹介します。筆者が普段から愛用しているものというより、記事のテーマに合わせて選んだ関連商品です。良い評価だけでなく、購入者が挙げている不満点もあわせて載せました。
着圧カーフスリーブ:走行中のふくらはぎのブレを抑える
シースリーフィット(C3fit)の「コンプレッション カーフスリーブ」は、着圧設計により関節や筋肉の余分なブレを抑えることを狙ったふくらはぎ用のスリーブです。ストレッチ性と耐久性に配慮したオリジナル素材を使い、無縫製のオーバーラップ接着でフラットに仕上げられています。
履き口は汗処理のしやすいメッシュゴムで、運動時のずり落ちを軽減する仕様。UVガード機能(UPF30-50+)付きで、夏場に脚を出して走る人にも使いやすい一枚です。サイズはふくらはぎの最大囲で選ぶため、購入前にメジャーで測っておくことをおすすめします。
購入者の声
ゴルフダイジェスト・オンラインのレビュー(8件・満足度4.4)には「ラウンド後の帰宅途中に足がよく吊りましたが今回本商品使用時は吊りませんでした」(71歳〜・男性)、「これがないとプレー中に足をつってしまうので、早速購入。適度な締め付け感がいいです」(63歳・男性)といった声が並びます。55歳の方は「ふくらはぎの締りもちょーど良い感じで、気分的なものもあるが、疲労も軽減」と書いています。
一方で、45歳の購入者は「ワンサイズ下を購入。履いた感じはきついけど、きつい方が疲労がたまらない」と、サイズ選びで体感が大きく変わることに触れています。50歳の方の「着圧感はとても強そうです」という第一印象もあり、締めつけが苦手な人は無理にサイズを下げないほうがよさそうです。評価3項目のうちコスト感が4.1と最も低く、参考価格4,400円という価格を気にする声もうかがえます。
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ミネラルタブレット:運動の前後にカルシウムとマグネシウムを補う
梅丹本舗の「2RUN(ツゥラン)」は、筋肉の収縮と弛緩に関わるカルシウム・マグネシウムに、酸素を運ぶ働きに関わる鉄を組み合わせたタブレットです。足のつりの一因とされるミネラル不足に着目してつくられており、マラソンや自転車の競技者に使われてきました。
1包2粒の個包装で、レース前夜やスタート前、給水所での摂取といった使い方がされています。荷物にならないので、ロング走の日にポケットへ1包入れておく、という運用もしやすいところです。
購入者の声
Yahoo!ショッピングのレビューでは、30km走に取り組むランナーが「20キロ過ぎで脚が怪しかったが、飲んだらペース落とすことなく走り切れた。汗かきなので、メニューによっては練習前に飲むことも」(★5)と書いています。夜間のこむら返りに悩む夫のために購入した方は「疲れてるのに寝たいのになんで足が吊るんだよと言っていたのに全く吊らずに眠れているみたい」(★5)と報告しています。
ただし、味には注意が必要です。ロードバイクのレースで常用している購入者は「苦しょっぱい、凄まじい味なので食べるときは他にドリンク必須」(★4)と書き残しています。同じ人が「レースで一度も足つりしたことがないので検証はできていません」と付け加えているように、効果を実感として切り分けにくい種類の商品でもあります。15包で2,795円と、1回あたり約186円かかる点も、続けるかどうかの判断材料になりそうです。
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カルシウム/マグネシウム:日常の食事で不足しがちなミネラルを補う
レース当日だけでなく、普段の食事から見直したい人向けの選択肢です。DHCの「カルシウム/マグ」は、カルシウムとマグネシウムが2対1に近いバランスで含まれる天然素材ドロマイトを使った栄養機能食品です。
マグネシウムは、多くの体内酵素の正常な働きとエネルギー産生を助けるとともに、血液循環を正常に保つのに必要な栄養素とされています。カルシウムとあわせて、骨や歯の形成に必要な栄養素でもあります。1日3粒目安の30日分で405円(税込)と、続けやすい価格帯です。
購入者の声
DHC公式のレビューには、46歳の女性が「夏場によく足がつっていたのですが、マグネシウムを摂ると良いとお医者さんに言われてから、こちらを飲むようになりました。それからは運動中でも足がつらなくなり、また不足しがちなカルシウムも摂れる」と投稿しています。アットコスメ(274件・4.3)でも「1日3粒で済むし、たくさん入っていて助かります。お値段的にも続けやすい」(46歳・★4)という声が見られます。
一方で、35歳の投稿者は「主にマグネシウム摂取目的で摂っていたが、カルシウムもマグネシウムも食品から摂取しやすいミネラルなので今は摂っていない」(★3)と、食事で足りるなら不要という立場をとっています。食事記録アプリを使う27歳の方は、飲み始めても「カルシウム量が適正になる日が半分、不足になる日が半分」と書いており、サプリメントだけで不足が埋まるわけではない点は押さえておきたいところです。
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ストレッチ用ポール:走った日のふくらはぎをその日のうちにゆるめる
ルネサンスの「リセットポール ベーシック RP-800」は、長さ約90cm・直径約14.5cmのストレッチ用ポールです。ポールに両足を乗せて前後に転がすと、ふくらはぎを圧迫しながらほぐす使い方ができます。
芯材にEVAを使い、体重を支える硬さと、乗っていても痛くない弾力を両立させる設計。カバー付きなので汗や汚れを拭き取りやすく、髪や衣類が引っかかりにくいのも日常使いでは効いてきます。総重量は約670gと軽めです。
購入者の声
Yahoo!ショッピングのレビューでは、ホットヨガ経験者が「ヨガで使っているポールよりも軽くて扱いやすく、カラーも豊富でお値段にも満足しています」(★5)と書いています。巻き肩と肩こりのために毎日使っている方は「長さ、太さ、硬さ共に大変気に入っています」(★5)と評価しています。
気になる点もあります。以前は空気式のポールを使っていた購入者は「口径が少し細くなり長くなったので、ストレッチ具合は以前のより少し劣る感じはあります」(★4)と、硬さを調整できない点を挙げています。腰痛対策で購入した方の「はじめて(乗った)時は腰が痛かったけど、慣れたら痛く無くなった」(★4)というコメントもあり、最初の数回は物足りなさや痛みを感じる可能性は見ておいたほうがよさそうです。
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重炭酸入浴剤:寝る前にふくらはぎを温める習慣をつくる
夜中につるタイプの人向けです。「薬用BARTH中性重炭酸入浴剤」は、有効成分の炭酸水素ナトリウムと炭酸ナトリウムを配合した医薬部外品の入浴剤で、疲労回復や冷え症、神経痛などへの効果効能が認められています。
使い方は、160リットルのお湯に3錠を溶かし、37〜40℃のぬるめの湯に15分以上ゆっくり浸かるというもの。無色無臭で浴槽が汚れにくいため、シャワーで済ませがちな人が湯船に入る習慣を戻すきっかけとしても使えます。
購入者の声
アットコスメには4,000件を超えるクチコミが集まっています。47歳の方は「入浴剤を使用するとよく痒くなるのですが、こちらは、全く痒くならず、きつい匂いもなかったので、安心して使用できます」(★5)と投稿。52歳の方は「お風呂に浸かってマッサージするとお風呂上がりは体が軽くなる感じです」(★6)と書いています。
ネックになるのは価格です。同じ52歳の方も「毎日使うのには少しお高いお値段設定ですので、今日は疲れたなー、っていう時に使ってます」と続けており、27歳の方も「お値段は少しはるので、疲れた時や時間がある時などに使用しています」(★5)と、使いどころを絞っている様子がうかがえます。1回に3錠使う設計なので、毎日の習慣にするならコストは事前に計算しておいたほうがよいでしょう。効果の感じ方にも個人差があり、「効果はまだ分かりません」(★3)という率直な感想も残っています。
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最後にひとつ。ここで挙げたアイテムは、あくまで習慣を補助する道具です。走行距離の増やし方や睡眠、暑い時間帯を避けるといった生活面の見直しが先にあって、その上で効いてくるものだと考えてください。頻繁につる状態が続くなら、道具を足す前に医療機関で相談することをおすすめします。
まとめ
ランニング中に足がつる背景には、汗による水分と電解質の喪失、ふくらはぎの筋疲労、そして冷えと血流の低下という3つの要素があります。どれか一つではなく、重なったときにつりやすくなると考えると、対策も組み立てやすくなります。
やることは多くありません。走る前後の水分と塩分を量で決めること、練習量を急に増やさないこと、走った日の夜にふくらはぎをゆるめること、そして寝る前に温めて足元を冷やさないこと。この4つです。
つった瞬間の対処も覚えておいてください。止まって、つま先を手前に引き、ゆっくり伸ばす。反動はつけない。その日はそこで切り上げる。この手順を知っているだけで、肉離れに発展するリスクは下げられます。
そして、運動や季節と関係なく頻発する場合は、別の原因が隠れている可能性があります。「よくあること」で片づけず、一度専門家に相談してみてください。
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