スポーツOTT配信企業3社|DAZN・ABEMAの事業を比較

スポーツOTT配信企業3社の比較|DAZN・スカパー・ABEMAの事業を解説 スポーツビジネス

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スポーツOTT配信・放送業界とは|地上波中継からストリーミングへ広がる仕組み

深夜、海外リーグの試合をスマートフォンで観戦しながら、SNSでリアルタイムに感想を共有する。そんな光景は、もはや特別なものではなくなりました。かつてスポーツ中継といえば地上波や衛星放送が主役でしたが、いまはインターネット回線を使った動画配信(OTT=Over The Top)サービスが、試合観戦の入り口として存在感を強めています。

OTT・放送配信業界は、放映権を保有するリーグ・団体と、それを視聴者に届ける配信事業者、そして配信を支えるインフラ企業が組み合わさって成立しています。近年は衛星放送を軸にした老舗事業者と、スポーツ専門ストリーミングサービス、広告収益で無料視聴を実現するプラットフォームが並び立ち、視聴者の選択肢は一気に広がりました。

総務省「令和7年版情報通信白書」によると、2024年の日本国内の動画配信市場は5,930億円(前年比3.3%増)に達しており、スポーツ中継を含む映像コンテンツの配信需要は年々拡大しています。この記事では、実際にスポーツ映像配信を担う代表的な企業を取り上げ、それぞれの事業内容と特徴を比較していきます。

あわせて読みたいスポーツ放映権ビジネスの仕組みと収益構造

(参考)令和7年版情報通信白書 動画配信・音楽配信・電子書籍 – 総務省

スポーツOTT・放送配信企業3社を比較する

スポーツ映像配信を担う企業にはいくつかのタイプがあります。ここでは、有料ストリーミングでスポーツ専門チャンネルを展開するDAZN、衛星放送から多チャンネル展開を続けるスカパー、広告モデルで無料視聴を実現するABEMAの3社を取り上げ、事業内容と特徴を整理しました。

企業名 事業内容 特徴
DAZN スポーツ専門の有料動画配信サービス。Jリーグ・プロ野球・F1等を配信 英国発、日本が海外初展開国。無料プラン「DAZN Freemium」も提供
スカパー(スカパー・エンターテイメント) 衛星基幹放送・衛星一般放送によるCS多チャンネル放送事業 スカパーJSATが100%出資する事業会社。衛星インフラを介した多チャンネル配信
ABEMA(株式会社AbemaTV) インターネットテレビ局「ABEMA」の企画・開発・運営 サイバーエージェントとテレビ朝日の合弁会社。広告収益中心の無料視聴モデルで2016年開局

各社公式サイトの公開情報をもとにHuman Soarが作成

DAZN|Jリーグ・プロ野球を軸にした有料スポーツ専門配信

DAZN(ダゾーン)は、イギリスに本社を置くDAZN Groupが展開するスポーツ専門の動画配信サービスです。公式サイトによると、日本はDAZNが英国外で最初にサービスを開始した市場で、明治安田Jリーグやプロ野球、F1、欧州サッカー主要リーグに加え、WEリーグやJLPGAなど女子スポーツコンテンツの配信も強化しています。

運営はDAZN Japan Investment合同会社が担っており、2024年2月時点でDAZN Japan最高経営責任者には笹本裕氏が就任しています。近年は無料プラン「DAZN Freemium」や野球特化の「DAZN BASEBALL」も展開し、有料会員だけに依存しない収益モデルへと広げているのが特徴です。

(参考)DAZN Japan最高経営責任者兼アジア事業開発 笹本 裕 就任のお知らせ – DAZN

スカパー(スカパー・エンターテイメント)|衛星放送で築くCS多チャンネルの基盤

スポーツ中継の老舗といえるのが、衛星放送を軸に多チャンネルサービスを展開するスカパーです。公式サイトによると、放送事業を担う株式会社スカパー・エンターテイメントは2000年9月19日設立、資本金1,000万円で、衛星基幹放送業務・衛星一般放送業務等を手がけています。

同社はスカパーJSAT株式会社が100%出資する事業会社で、衛星インフラを保有するグループの強みを生かし、プロ野球やモータースポーツなど幅広いジャンルのチャンネルを提供しています。ストリーミング全盛の時代においても、衛星回線を使った安定した多チャンネル配信という独自のポジションを保っています。

(参考)会社概要 – 株式会社スカパー・エンターテイメント

ABEMA(AbemaTV)|広告モデルで無料視聴を実現する総合インターネットテレビ

ABEMAは、サイバーエージェントとテレビ朝日の合弁会社である株式会社AbemaTVが運営するインターネットテレビ局です。公式サイトによると、ABEMAは2016年4月11日に本開局し、2026年4月には開局10周年を迎えました。

登録不要かつ基本無料で視聴できる点が最大の特徴で、格闘技のRIZINをはじめとするスポーツ中継や、ニュース・オリジナルドラマ・アニメなど幅広いジャンルのチャンネルを展開しています。広告収益を主な収益源とすることで視聴のハードルを下げ、時間や場所にとらわれず日常的に来訪されるコンテンツを目指している点が、有料配信のDAZNや衛星放送のスカパーとは異なるアプローチといえます。

(参考)株式会社AbemaTV 公式サイト

3社が示す配信モデルの違い|視聴コストと専門性から見る位置づけ

3社の事業内容を比較すると、「視聴コストの構造」と「コンテンツの専門性」という2つの軸で、それぞれ異なるポジションを取っていることが見えてきます。Human Soarでは、この3社の位置づけを次の3つの型として整理しました。

衛星放送・多チャンネル型(スカパー)月額課金+衛星インフラで幅広いジャンルを安定配信
有料ストリーミング専門型(DAZN)スポーツに特化した有料サブスクで専門性の高い中継を配信
広告フリーミアム型(ABEMA)無料視聴×広告収益で視聴のハードルを最小化した総合エンタメ

この3つの型を並べると、視聴者がスポーツに使えるお金と時間に応じて、入り口となる配信サービスが変わってくることが分かります。無料のABEMAで気軽に試合を見る習慣がついた視聴者が、より専門的な中継を求めてDAZNへ移行する、といった導線も今後は強まっていくと考えられます。

配信企業のビジネスから企業が学べること

スポーツOTT・放送配信の仕組みは、スポーツファン向けのサービスであると同時に、企業が自社のマーケティング戦略やスポンサーシップを考えるうえでもヒントになります。

配信企業と協業するスポーツマーケティング会社の役割

DAZNやABEMAのようなプラットフォームが試合を届ける一方で、スポンサー企業と配信枠・番組企画を結びつける役割を担うのがスポーツマーケティング会社です。放映権とスポンサー収入を組み合わせたビジネスモデルを理解することは、自社のスポーツ関連施策を検討するうえでも参考になります。

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リーグ運営企業との放映権契約が生むエコシステム

配信企業の収益の多くは、プロリーグやクラブとの放映権契約に基づいています。リーグ側にとっても、配信企業との契約は放映権料という主要な収入源であり、双方の関係がスポーツビジネス全体のエコシステムを支えています。

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スポーツ配信業界が抱える今後の課題

スポーツOTT・放送配信業界は成長を続けている一方で、いくつかの課題も抱えています。

1つは、放映権価格の上昇です。人気コンテンツを獲得しようとする配信事業者間の競争が激しくなるほど放映権料は高くなりやすく、事業者にとってはコンテンツ調達コストの増加という課題につながります。

もう1つは、視聴環境の多様化にどう対応するかという点です。衛星放送・有料ストリーミング・広告型無料配信という異なるモデルが併存する中、視聴者は複数のサービスを使い分けるようになっており、各社は自社サービスの独自性をどう打ち出すかが問われています。

よくある質問

スポーツOTT配信サービスと衛星放送の違いは何ですか

衛星放送は衛星インフラを使って番組を届ける放送形態で、専用チューナーやアンテナが必要になる場合があります。一方OTT配信はインターネット回線を通じて配信するため、スマートフォンやパソコンなど普段使っている端末でそのまま視聴できる点が異なります。

スポーツの試合を無料で見られる配信サービスはありますか

ABEMAのように広告収益を主な収益源とし、登録不要・基本無料で視聴できるサービスもあります。DAZNも一部コンテンツを無料プラン「DAZN Freemium」で提供しており、有料契約前に試し見できる選択肢が広がっています。

企業がスポーツ配信ビジネスへの理解を深めるメリットは何ですか

放映権やスポンサーシップの仕組みを理解することで、自社のスポーツ関連マーケティング施策やスポンサー契約の検討材料が増えます。配信企業・マーケティング会社・リーグ運営企業がどのように連携しているかを知ることは、スポーツビジネス全体を俯瞰する助けになります。

まとめ

  • DAZN・スカパー・ABEMAは、それぞれ異なる配信モデルでスポーツ映像を届けている
  • DAZNは有料スポーツ専門ストリーミング、スカパーは衛星放送による多チャンネル、ABEMAは広告型の無料視聴が軸
  • 2024年の日本の動画配信市場は5,930億円に達し、スポーツ中継を含む配信需要は拡大を続けている
  • 放映権契約やマーケティング会社との連携が、配信企業のビジネスを支えるエコシステムを形成している
  • 企業にとっても、配信業界の仕組みを理解することはスポンサーシップ戦略を考えるヒントになる

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

Human Soar では、スポーツビジネス/ウェルビーイング/研修/教育の4領域を中心に、公的統計や一次データにもとづく記事と調査レポートを執筆・監修しています(記事935本、資料7本/2026年8月時点)。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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