ゴルフ場業界の再編とは|主要10社と企業活用法

ゴルフ場・ゴルフ練習場業界の主要企業10社と企業の活用法 スポーツビジネス

ゴルフ業界では、プレー人口が減る一方で運営会社の統合が加速するという、一見矛盾した動きが同時に起きています。結論から言うと、平和グループによるアコーディア・ゴルフ買収で保有ゴルフ場数世界最大の企業が誕生する一方、参加人口はレジャー白書ベースで前年から1割近く減少しています。本記事では、主要10社の動向と、企業がこの市場と関わる視点を解説します。

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参加人口は減少、業界再編は加速するという2つの潮流

参加人口の減少|レジャー白書2025が示す数字

公益財団法人日本生産性本部「レジャー白書2025」によると、2024年のゴルフ(コース)参加人口は480万人で、前年の530万人から9.4%減少しました。ゴルフ練習場の参加人口も450万人で前年の510万人から11.8%減少しています。参加率もゴルフ場5.0%、練習場4.6%といずれも前年を下回りました。

業界再編の加速|M&Aによる規模拡大

一方で運営会社の再編は逆に加速しています。国内ゴルフ場保有数2位だった株式会社平和(パシフィックゴルフマネージメント〈PGM〉運営)は、2025年1月末に国内最大手アコーディア・ゴルフの親会社を5,100億円で買収する取引を完了し、両社を合わせた保有コース数は321、ホール数は6,822にのぼる、保有ゴルフ場数ベースで世界最大の運営会社が誕生しました。

Q. ゴルフ人口は減っているのに、なぜ業界再編が進んでいるのですか?

1施設あたりの収益を確保するには規模の経済が必要になるためです。参加人口の減少局面では、複数のゴルフ場を保有し予約・仕入れ・人員配置を一括管理できる大手グループほど収益効率を維持しやすく、M&Aによる規模拡大が進んでいます。

(参考)2025年企業グループ別ゴルフ場保有ランキング – 一季出版

ゴルフ場利用者と練習場利用者の重なりを可視化する

ゴルフ場と練習場は別の統計として集計されていますが、実際の利用者層は大きく重なっています。ここではレジャー白書のデータをもとに、その重なりをHuman Soarが図解しました。

ゴルフ場利用者と練習場利用者の重なりを示すベン図

ゴルフ場利用者は客単価が高く高齢層の比率が高い一方、練習場利用者は都市部の低価格・短時間サービスで初心者も参入しやすいという違いがあります。両者を完全に切り離さず、練習場で技術を磨いた利用者がコースデビューする導線を設計できるかどうかが、業界全体の参加人口を下支えする鍵になります。

(参考)24年ゴルフ人口480万人、練習場450万人、「レジャー白書2025」 – クオリティーゴルフ

国内主要10社の一覧比較|ゴルフ場・練習場業界の勢力図

コース保有大手からインドアゴルフスタジオまで、事業モデルの異なる10社を一覧にしました。そのあとで各社の特徴をH3で個別に解説します。

企業 事業領域 規模・特徴
平和(PGM) ゴルフ場運営 アコーディア買収完了で計321コース、世界最大
アコーディア・ゴルフ ゴルフ場運営 買収前国内最大の172〜173コースを保有
東急グループ ゴルフ場運営 19コース、鉄道・不動産事業とのシナジー
西武グループ ゴルフ場運営 19コース、リゾート・ホテル事業と一体運営
市川ゴルフ興業グループ ゴルフ場運営 30コース、独立系グループとして規模を維持
ゴルフダイジェスト・オンライン(GDO) 予約・EC・メディア 全国1,900コース以上の予約網を運営
ラウンドワン アミューズメント併設練習場 ボウリング等との複合施設でゴルフを提供
ゴルフパートナー 中古用品店併設練習場 用品販売と練習場を組み合わせた店舗展開
RIZAP GOLF インドアゴルフスタジオ 全国21店舗、マンツーマン指導型
chocozap(RIZAPグループ) 低価格インドアゴルフ 24時間ジムの一機能としてゴルフ練習を提供

各社公式発表・報道情報をもとにHuman Soarが作成(2026年9月時点)。

平和(PGM)・アコーディア・ゴルフ|合併で世界最大の保有企業に

株式会社平和が運営するパシフィックゴルフマネージメント(PGM)は、2025年1月末にアコーディア・ゴルフの親会社を5,100億円で買収する取引を完了し、両社合計で321コース・6,822ホールを保有する、保有ゴルフ場数ベースで世界最大の運営会社になりました。単独では規模の経済が働きにくかった各コースの仕入れ・予約システムを統合することで、収益効率の改善を狙っています。

東急グループ・西武グループ|他事業とのシナジーで運営するコース

東急グループ、西武グループはいずれも鉄道・不動産・ホテル事業を本業とし、その一部としてゴルフ場を運営しています。保有コース数はそれぞれ19と大手2社に比べ少ないものの、宿泊・交通と組み合わせたパッケージ商品で収益を確保する戦略を取っています。

市川ゴルフ興業グループ|独立系として規模を維持

市川ゴルフ興業グループは30コースを保有し、大手2社による寡占化が進むなかでも独立系グループとして一定の規模を維持しています。地域密着の会員サービスが強みです。

ゴルフダイジェスト・オンライン|予約プラットフォームとしての存在感

株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)は、全国1,900コース以上のゴルフ場予約サービスを軸に、中古・新品ゴルフ用品のEC、レッスン予約、メディア事業までを展開しています。自らコースを保有しない立場から、業界全体のプレー機会創出を担っています。

ラウンドワン・ゴルフパートナー|複合業態でゴルフ人口の裾野を広げる

ラウンドワン株式会社はボウリングやアミューズメントと組み合わせた複合施設でゴルフ練習場を提供し、ゴルフ以外の来店客を練習場利用へ誘導しています。株式会社ゴルフパートナーは中古用品店に練習場を併設し、用品購入と練習体験を同じ店舗で完結させる導線を作っています。

RIZAP GOLF・chocozap|インドアゴルフスタジオという新業態

RIZAP GOLFは全国21店舗でマンツーマン指導型のインドアゴルフスタジオを展開し、短期間での上達を訴求しています。同じRIZAPグループのchocozapは24時間ジムの一機能としてゴルフ練習を提供し、より低価格・低ハードルでゴルフに触れる層を開拓しています。参加人口が減少するなかで、こうした新業態が裾野拡大の役割を担っています。

Q. ゴルフ場の市場規模はどれくらいですか?

レジャー白書2024によると、2023年のゴルフ場の市場規模は9,390億円で前年比3.8%増、ゴルフ練習場は1,230億円で前年比0.8%減でした。参加人口が減るなかでも、単価の高い会員がコース市場を支えている構図がうかがえます。

(参考)23年ゴルフ人口530万人、ゴルフ場市場9390億円 – 一季出版

企業がゴルフ市場と関わる2つの視点|接待需要と福利厚生

Human Soarの読者である企業の経営者・営業責任者にとって、ゴルフは接待・関係構築の場であると同時に、福利厚生の切り口としても活用できます。

取引先との関係構築(コンペ・接待需要)としての活用

ゴルフ場利用は依然として取引先との関係構築の場として一定の需要があります。GDOのような予約プラットフォームを使えば、コンペの幹事業務や予約管理の負担を減らしながら接待需要に対応できます。

従業員の運動機会創出(インドアゴルフ)としての活用

RIZAP GOLFやchocozapのような低価格インドアゴルフスタジオは、コース利用に比べて時間・費用の負担が小さく、福利厚生として従業員に運動機会を提供する選択肢になります。ゴルフ未経験の若手社員でも始めやすい点が、コース中心だった従来のゴルフ福利厚生との違いです。

Q. 福利厚生でゴルフを導入するなら、コースとインドアどちらが良いですか?

未経験者が多い場合はインドアゴルフスタジオから始めるのがおすすめです。移動時間や費用の負担が小さく、マンツーマン指導で短期間に基礎を身につけやすいため、コースデビューへの心理的なハードルを下げられます。

あわせて読みたい日本スポーツ業界の8つの課題|15兆円市場とDX動向

まとめ|ゴルフ業界は再編と裾野拡大が同時に進む転換期

ゴルフ場・ゴルフ練習場業界は、参加人口の減少と運営会社の再編、そして新業態による裾野拡大が同時に進む転換期にあります。ポイントを振り返ります。

  • 2024年のゴルフ場参加人口は480万人、練習場は450万人といずれも前年から1割近く減少している
  • 平和グループはアコーディア・ゴルフを買収し、保有ゴルフ場数世界最大の企業になった
  • GDOのような予約プラットフォームが、コースを保有せずに業界のプレー機会創出を担っている
  • RIZAP GOLFやchocozapなどインドアゴルフスタジオが参加人口の裾野拡大を担っている
  • 企業は接待需要への対応と、福利厚生としてのインドアゴルフ活用の両面でこの市場と関われる

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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