岩手県の企業が使える助成金|国と県と支援機関の3層

岩手県の企業が使える助成金|国と県と支援機関の3層 スポーツ研修

岩手県の企業が研修や人材育成に使える制度は、国・県・支援機関の3層に分かれます。全業種が使えるのは国の3制度で、県の補助金は自動車・ものづくり分野に限定されています。加えて、いわて産業振興センターが研修そのものを提供しており、これに国の助成金を重ねられます。2026年9月20日時点の公式情報で、受付中のものと終了したものを分けて整理しました。

  1. 岩手県の企業が研修に使える支援は3層
    1. 国|全業種が対象で金額も大きい
    2. 岩手県|自動車・ものづくり分野に限定される
    3. 支援機関|研修そのものを提供している
  2. 国|人材開発支援助成金の7コース
    1. どのコースを選ぶか
    2. 電子申請ができるコース
  3. いくら戻るのか|人材育成支援コースの限度額
    1. 4つの訓練類型
    2. 定額制サービスとリスキリングの限度額
  4. 申請の流れは3ステップ
    1. Step1|計画提出は訓練開始日の6か月前から1か月前まで
    2. Step2|訓練の実施と経費の全額支払い
    3. Step3|支給申請は訓練終了日の翌日から2か月以内
  5. 令和8年度に変わった点
    1. 令和8年5月14日|疎明書の提出が必要になった
    2. 令和8年8月3日|eラーニングの報告様式が変わった
    3. 令和8年4月8日|3つのコースが改正された
    4. 「訓練経費は無料になりません」
  6. 国|キャリアアップ助成金の6コース
    1. 計画は取り組みの前日までに出す
    2. 短時間労働者労働時間延長支援コースは新設
  7. 国|業務改善助成金は岩手県では11月30日が期限
    1. 令和8年9月1日に受付が始まった
    2. 締切は「最低賃金の発効日の前日」か「11月30日」の早いほう
    3. 岩手県の最低賃金は12月1日に1,090円へ
    4. 特例事業者に当たれば上限が広がる
  8. 岩手県には産業別の最低賃金もある
  9. 岩手県|自動車関連産業向けの補助金
    1. 人材育成重点支援事業|1件100万円・補助率1/2
    2. 生産体制強化重点支援事業も並行して公募
    3. ものづくりAI活用人材育成事業は公募終了
  10. いわて産業振興センターの研修を使う
    1. 令和8年度の研修コース
  11. 県の研修に国の助成金を重ねる
    1. 中堅管理者講座なら受講料13,000円・賃金18,000円
    2. 雇用調整助成金の対象になる場合もある
  12. 終了した制度に注意する
    1. 盛岡市中小企業人材育成支援事業|令和8年3月31日で終了
    2. 岩手県AI人材育成連携推進事業費補助金|公募終了かつ対象が違う
  13. 窓口はどこに聞くか
    1. 無料で相談できる窓口がある
    2. 岩手働き方改革推進支援センター
    3. 業務改善助成金の岩手県の申請窓口
    4. 生産性向上の事例集も公開されている
  14. 目的別に、どの制度から当たるか
  15. よくある誤解
    1. 「助成金が出るから研修費はタダになる」
    2. 「申請は研修が終わってからでよい」
    3. 「代行業者に任せれば確実に通る」
  16. よくある質問
  17. まとめ

岩手県の企業が研修に使える支援は3層

岩手県の企業が研修に使える支援は3層

探すときに迷いやすいのは、国の制度と県の制度が別の窓口で動いていることです。先に全体像を押さえます。

国|全業種が対象で金額も大きい

厚生労働省の人材開発支援助成金、キャリアアップ助成金、業務改善助成金の3つが柱です。業種の限定がなく、窓口は岩手労働局になります。研修そのものにお金が出るのはこの層です。

岩手県|自動車・ものづくり分野に限定される

岩手県の人材育成向け補助金は、いわて自動車関連産業集積促進協議会が公募する自動車関連産業重点強化支援事業費補助金が中心です。県内の自動車部品などの供給網強化が目的のため、対象が絞られます。

支援機関|研修そのものを提供している

公益財団法人いわて産業振興センターが、県内中小企業の管理者と実務担当者を対象に研修を開催しています。こちらは助成金ではなく研修の提供ですが、受講に対して国の助成金を申請できる場合があります。

(参考)人材開発支援助成金 – 厚生労働省

(参考)いわて自動車関連産業集積促進協議会 – 岩手県

(参考)令和8年度人材育成研修事業 – いわて産業振興センター

国|人材開発支援助成金の7コース

研修費用に使う制度としては、これが中心になります。雇用する労働者に職務に関連した知識・技能を習得させる訓練を計画に沿って実施した場合に、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部が助成されます。コースは7つです。

コース 対象となる取り組み
人材育成支援コース 職務に関連した知識・技能の訓練、厚生労働大臣の認定を受けたOJT付き訓練、非正規雇用労働者の正社員化を目指す訓練
教育訓練休暇等付与コース 有給教育訓練等制度を導入し、労働者が休暇を取得して訓練を受けた場合
人への投資促進コース デジタル人材・高度人材の育成、労働者が自発的に行う訓練、定額制訓練(サブスクリプション型)
事業展開等リスキリング支援コース 新規事業の立ち上げなどに伴い、新たな分野で必要となる知識・技能の訓練
建設労働者認定訓練コース 建設関連の認定職業訓練・指導員訓練
建設労働者技能実習コース 建設労働者に有給で技能向上の実習を受講させた場合
障害者職業能力開発コース 令和6年4月から高齢・障害・求職者雇用支援機構の障害者雇用納付金制度に基づく助成金へ移管

出典:厚生労働省「人材開発支援助成金」(2026年9月20日時点)

どのコースを選ぶか

一般的な社員研修であれば人材育成支援コースです。令和8年4月8日の改正で中高年齢者実習型訓練が新設されました。デジタル分野の研修や、eラーニングの定額制サービスを導入する場合は人への投資促進コースが該当します。こちらは令和8年4月8日の改正で新規採用助成と職務代行助成が追加されました。

新規事業に伴う研修であれば事業展開等リスキリング支援コースで、同じ改正で設備投資加算が新設されています。人材育成の考え方そのものは人的資本投資とはで整理しています。

電子申請ができるコース

人材育成支援コース、教育訓練休暇等付与コース、人への投資促進コース、事業展開等リスキリング支援コースの4つは、雇用関係助成金ポータルから電子申請ができます。

(参考)人材開発支援助成金 – 厚生労働省

いくら戻るのか|人材育成支援コースの限度額

金額は訓練時間と企業規模で決まります。厚生労働省の令和8年度版リーフレットに、受講者1人1訓練あたりの経費助成限度額が示されています。

訓練時間 中小企業 大企業
10時間以上100時間未満 15万円 10万円
100時間以上200時間未満 30万円 20万円
200時間以上 50万円 30万円
1事業所1年度あたりの助成限度額 1,000万円

出典:厚生労働省「令和8年度版 人材育成支援コースのご案内(令和8年4月8日版)」

訓練が10時間に届かないと対象外です。逆に200時間を超える本格的な訓練なら、中小企業で1人あたり50万円まで経費助成が受けられます。

4つの訓練類型

人材育成支援コースの中は、さらに4つに分かれます。

  • 人材育成訓練:10時間以上のOFF-JTによる訓練
  • 認定実習併用職業訓練:新卒者等のために実施するOJTとOFF-JTを組み合わせた訓練
  • 有期実習型訓練:有期契約労働者等の正社員転換等を目的とするOJTとOFF-JTの組み合わせ
  • 中高年齢者実習型訓練:45歳以上の労働者を対象とするOJTとOFF-JTの組み合わせ(令和8年4月8日に新設)

賃金助成の限度は1人1訓練あたり1,200時間、専門実践教育訓練については1,600時間です。訓練の受講回数は労働者1人につき1年度で3回までで、有期実習型訓練は同一の事業主が同一の労働者に対して1回までとされています。

定額制サービスとリスキリングの限度額

eラーニングなどの定額制サービスによる訓練は、事業展開等リスキリング支援コースで経費助成の対象になり、限度額は受講者1人1月あたり2万円です。同コースの設備投資加算は、支給対象労働者1人につき15万円、10人以上の場合は労働者数にかかわらず150万円が限度です。1事業所が1年度に受給できる助成額は1億円とされています。

人への投資促進コースの職務代行助成は月16万円が上限です。なお各コースとも、賃金要件・資格等手当要件を満たした場合には助成率・助成額が上乗せされます。

(参考)令和8年度版 人材育成支援コースのご案内 – 厚生労働省

(参考)令和8年度版 事業展開等リスキリング支援コースのご案内 – 厚生労働省

(参考)令和8年度版 人への投資促進コースのご案内 – 厚生労働省

申請の流れは3ステップ

手続きで最も多い失敗が期限の取り違えです。人材育成支援コースの流れを日付で押さえます。

Step1|計画提出は訓練開始日の6か月前から1か月前まで

所定の様式で職業訓練実施計画を作成し、訓練開始日の6か月前から1か月前までの間に管轄労働局へ提出します。主な提出書類は職業訓練実施計画届(様式第1-1号)と対象労働者一覧(様式第3-1号)で、訓練内容を確認できるカリキュラムを添付します。

前提として、職業能力開発推進者の選任と、事業内職業能力開発計画の策定・労働者への周知が必要です。研修の日程を先に決めてしまうと、1か月前の期限に間に合わないことがあります。

Step2|訓練の実施と経費の全額支払い

職業訓練実施計画に基づいて訓練を実施します。支給申請までに、訓練にかかった経費を全額支払っておく必要があります。助成金は後払いなので、いったんは自社で立て替える前提で資金繰りを見ておきます。

Step3|支給申請は訓練終了日の翌日から2か月以内

訓練終了日の翌日から2か月以内に、必要書類を管轄労働局へ申請します。主な書類は支給申請書、賃金助成の内訳等を算定した書類、OFF-JT実施状況報告書(様式第8-1号)です。添付書類として、訓練期間中の労働条件がわかるもの、事業主が訓練費用を負担したことを確認できる振込通知書、出勤簿・タイムカード・賃金台帳の写しなどが求められます。

有期実習型訓練の場合は、支給申請日までに正社員転換が済んでいる必要があります。認定実習併用職業訓練では、訓練開始日の30日前までに実践型人材養成システム実施計画を提出し、厚生労働大臣の認定を受けます。

(参考)令和8年度版 人材育成支援コースのご案内 – 厚生労働省

令和8年度に変わった点

ここまでの手続きは、令和8年に入ってから何度か変わっています。解説記事は更新が追いつかないことが多く、古い手続きのまま書かれているものが残るため、申請に直接影響する変更を挙げます。

令和8年5月14日|疎明書の提出が必要になった

支給要領の改正により、訓練計画届の提出時期を問わず「受講料等の価格設定に関する疎明書(様式第28号)」の提出が必要になりました。対象は、令和8年5月14日時点で支給申請が行われていないもの、および支給申請済みでも支給決定または不支給決定がされていないものです。

すでに申請済みで対象になる場合は、管轄の労働局から追加提出の案内があるとされています。これから申請する場合は、最初から疎明書を添えて提出します。

令和8年8月3日|eラーニングの報告様式が変わった

令和7年4月1日以降に提出した計画届について、令和8年8月3日以降に支給申請を行う場合、様式第8-3号(eラーニング訓練実施結果報告書)は令和8年8月3日改正の様式を使う必要があります。eラーニングを使った研修では、ここを間違えると差し戻しになります。

令和8年4月8日|3つのコースが改正された

人材育成支援コースに中高年齢者実習型訓練が新設され、人への投資促進コースに新規採用助成と職務代行助成が追加され、事業展開等リスキリング支援コースに設備投資加算が新設されました。コース共通の変更もあります。

「訓練経費は無料になりません」

厚生労働省はページ上部でこの点を明示しています。助成金は費用の一部を補助する仕組みであり、全額が戻るものではありません。あわせて、不正受給した事業主は公表されることも明記されています。

なお、賃上げや資格手当等の支払いにより賃金を上昇させた事業所は、助成額が割増されます。

(参考)人材開発支援助成金 – 厚生労働省

国|キャリアアップ助成金の6コース

有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者のキャリアアップを促す制度です。正社員化支援と処遇改善支援に分かれます。

区分 コース 内容
正社員化支援 正社員化コース 有期雇用労働者等を正社員化
障害者正社員化コース 障害のある有期雇用労働者等を正規雇用労働者等に転換
処遇改善支援 賃金規定等改定コース 基本給の賃金規定等を改定し3%以上増額
賃金規定等共通化コース 有期雇用労働者等と正規雇用労働者に共通の賃金規定等を新たに規定・適用
賞与・退職金制度導入コース 賞与または退職金制度を導入し支給または積立て
短時間労働者労働時間延長支援コース 社会保険の適用にあわせ労働時間の延長等で収入を増加させる(新設)

出典:厚生労働省「キャリアアップ助成金」(2026年9月20日時点)

計画は取り組みの前日までに出す

見落としやすいのがここです。各コースの実施日の前日までに「キャリアアップ計画」を作成して提出する必要があります。この計画は労働組合等の意見を聴いて作成します。転換してから申請しようとしても間に合いません。

短時間労働者労働時間延長支援コースは新設

いわゆる「年収の壁」への対応として新設されたコースです。労働者を新たに被用者保険に適用させるとともに、収入増加の取り組みを行った事業主に助成されます。令和8年3月末時点の支給実績も公表されています。

(参考)キャリアアップ助成金 – 厚生労働省

国|業務改善助成金は岩手県では11月30日が期限

業務改善助成金の岩手県スケジュール

この制度は期限の決まり方が特殊で、都道府県ごとに締切が違います。岩手県の場合は令和8年11月30日です。理由を順に説明します。

令和8年9月1日に受付が始まった

令和8年度の業務改善助成金は、令和8年9月1日に受付が開始されました。交付要綱・要領は令和8年4月22日に公開され、コールセンターも同日に開設されています。

締切は「最低賃金の発効日の前日」か「11月30日」の早いほう

申請期間は、令和8年9月1日から、申請事業場の都道府県において適用される地域別最低賃金の発効日の前日、または同年11月30日のいずれか早い日までと定められています。

岩手県の最低賃金は12月1日に1,090円へ

岩手地方最低賃金審議会は令和8年8月31日、現行の時間額1,031円を59円引き上げ、1,090円とする答申を行いました。引上げ率は5.72%です。中央最低賃金審議会が示した岩手県の目安は56円引上げでしたが、地域の賃金水準等を勘案して59円となりました。

改正後の岩手県最低賃金は、異議申出の手続きと官報公示を経て、令和8年12月1日から発効される予定です。

したがって発効日の前日は11月30日となり、もう一方の期限と同じ日になります。岩手県の事業場の申請期限は令和8年11月30日です。

特例事業者に当たれば上限が広がる

賃金要件または物価高騰等要件のいずれかに該当する事業者は特例事業者とされ、助成上限額の拡大が受けられます。助成対象経費の拡大は物価高騰等要件のみが対象です。

(参考)業務改善助成金 – 厚生労働省

(参考)令和8年度岩手県最低賃金の改正答申について – 岩手労働局

岩手県には産業別の最低賃金もある

業務改善助成金は事業場内最低賃金を引き上げる制度なので、自社に適用される最低賃金がいくらかを先に確かめる必要があります。岩手県には地域別とは別に、特定(産業別)最低賃金が設定されています。

産業 時間額 発効日
鉄鋼業、金属線製品、その他の金属製品製造業 1,072円 令和8年1月15日
自動車小売業 1,068円 令和8年1月15日
光学機械器具・レンズ、時計・同部分品製造業 1,052円 令和8年2月1日
電子部品・デバイス・電子回路、電気機械器具、情報通信機械器具製造業 1,039円 令和8年1月15日
百貨店、総合スーパー 1,031円 改正なしのため岩手県最低賃金を適用
各種商品小売業 1,031円 改正なしのため岩手県最低賃金を適用

出典:岩手労働局労働基準部賃金室(2026年9月20日時点)

特定最低賃金が設定されている産業では、地域別最低賃金より高い金額が適用されます。製造業や自動車小売業の企業は、地域別の1,031円ではなく自社の産業の金額を基準に賃金設計を確認してください。百貨店・総合スーパーと各種商品小売業は改正がなく、地域別最低賃金がそのまま適用されます。

なお地域別最低賃金の1,031円は令和7年12月1日からの金額で、前述のとおり令和8年12月1日に1,090円へ改正される予定です。

(参考)岩手労働局労働基準部賃金室 – 厚生労働省

岩手県|自動車関連産業向けの補助金

県独自の人材育成補助は、いわて自動車関連産業集積促進協議会が公募しています。県内での自動車部品等の供給網の強化と、企業の競争力強化が目的です。

人材育成重点支援事業|1件100万円・補助率1/2

正式名称は令和8年度自動車関連産業重点強化支援事業費補助金(人材育成重点支援事業)です。生産工程の自動化・省力化を目的として、先進技術を有する企業へ社員を派遣する場合や、外部講師等を招へいする場合の人件費・旅費等が対象になります。

補助額は1企業あたり1件100万円を限度とし、補助率は2分の1です。公募期間は令和8年4月1日から令和8年12月25日までで、本記事の執筆時点では受付中です。

問い合わせ先は岩手県商工労働観光部ものづくり自動車産業振興室(電話019-629-5565)です。

生産体制強化重点支援事業も並行して公募

同じ補助金の枠内に、生産体制強化重点支援事業があります。こちらの公募期間は令和8年4月1日から令和8年10月30日までで、人材育成より2か月ほど早く締め切られます。

ものづくりAI活用人材育成事業は公募終了

令和8年度のものづくりAI活用人材育成事業は、基礎編・応用編とも令和8年4月1日から15日までの公募で、すでに終了しています。前年度は5月に再公募が行われた実績があるため、次年度を狙う場合は年度初めの動きを見ておく必要があります。

注意したいのは、これらがいずれも自動車・ものづくり分野を軸にした制度だという点です。県内企業であっても、対象事業に当てはまらなければ使えません。その場合は国の制度に戻ることになります。

(参考)いわて自動車関連産業集積促進協議会 – 岩手県

(参考)令和8年度人材育成に係る補助金(人材育成重点支援事業費補助金) – 岩手県中小企業団体中央会

いわて産業振興センターの研修を使う

助成金を探す前に、研修そのものを安く受けられる選択肢があります。公益財団法人いわて産業振興センターが、県内中小企業の管理者および実務担当者を対象に、意識改革や経営手法に関する研修を開催しています。

令和8年度の研修コース

講座 日程 受講料 定員
中堅管理者(後継者養成基礎)講座 第1講 令和8年6月23〜24日/第2講 7月28〜29日/第3講 8月26〜27日 賛助会員 55,000円/非賛助会員 60,000円 20名
管理会計講座 令和8年9月30日(盛岡市内ホテル) 無料(テキストは各自持参) 15名程度

出典:いわて産業振興センター「令和8年度人材育成研修事業」(2026年9月20日時点。いずれも募集は終了)

中堅管理者講座は原則として各社1名までの申し込みとされており、2名以上を希望する場合は相談が必要です。賛助会員企業は受講料の割引対象となるコースがあります。

研修会社を外部から選ぶ場合の考え方は人材育成会社の選び方にまとめています。

(参考)令和8年度人材育成研修事業 – いわて産業振興センター

県の研修に国の助成金を重ねる

ここが実務で効く部分です。センターの研修は、国の助成金の対象になる場合があります。センター自身が助成の見込み額を公開しています。

中堅管理者講座なら受講料13,000円・賃金18,000円

センターの案内によれば、中堅管理者(後継者養成基礎)講座では人材開発支援助成金による助成が見込まれ、その内訳は受講料13,000円、賃金18,000円とされています。受講料55,000円から13,000円が戻り、さらに訓練期間中の賃金に対して18,000円が助成される計算です。

金額そのものより、研修を選ぶ段階で助成の見込みが示されていることに意味があります。助成金ありきで研修を探すと選択肢が狭まりますが、研修側が先に示してくれていれば、内容で選んだうえで費用を下げられます。

雇用調整助成金の対象になる場合もある

センターは、研修が雇用調整助成金の教育訓練の対象となる場合があるとして、岩手労働局または最寄りのハローワークへの問い合わせを案内しています。人材開発支援助成金については、岩手労働局助成金相談コーナー(電話019-606-3285)が窓口として示されています。

(参考)令和8年度人材育成研修事業 – いわて産業振興センター

(参考)人材開発支援助成金 – 厚生労働省

終了した制度に注意する

検索で上位に出てくる解説記事には、すでに終わった制度が残っていることがあります。岩手県内で紹介されがちな2つを挙げます。

盛岡市中小企業人材育成支援事業|令和8年3月31日で終了

盛岡市が実施していた人材育成支援の制度は、令和8年3月31日をもって終了しています。市の助成を前提に研修計画を立てると、進めてから使えないことが分かります。

岩手県AI人材育成連携推進事業費補助金|公募終了かつ対象が違う

名称からは企業向けに見えますが、この補助金の対象は教育機関であり、一般企業の社員研修には使えません。令和8年度の公募もすでに終了しています。

制度を確認するときは、名称で判断せず、必ず公募期間と対象者の欄を見てください。

(参考)盛岡市中小企業人材育成支援事業 – 盛岡市

(参考)令和8年度 AI人材育成連携推進事業費補助金の公募について – 岩手県

窓口はどこに聞くか

制度ごとに窓口が違います。迷ったら次の表の順に当たってください。

制度 窓口
人材開発支援助成金 岩手労働局 助成金相談コーナー(電話019-606-3285)
キャリアアップ助成金 岩手労働局
業務改善助成金 岩手労働局 雇用環境・均等室(電話019-604-3010)/全国のコールセンターは0120-366-440(平日9時〜17時)
自動車関連産業重点強化支援事業費補助金 岩手県商工労働観光部ものづくり自動車産業振興室(電話019-629-5565)
センターの研修 いわて産業振興センター 産業支援部 産業人材育成担当(電話019-631-3828)
最低賃金 岩手労働局労働基準部賃金室(電話019-604-3008)

出典:各制度の公式サイトに記載の連絡先(2026年9月20日時点)

(参考)岩手労働局 – 厚生労働省

(参考)岩手労働局労働基準部賃金室 – 厚生労働省

無料で相談できる窓口がある

制度が多く、どれが自社に合うか判断しづらいときは、相談窓口を使うのが早道です。

岩手働き方改革推進支援センター

岩手労働局が案内している窓口で、労働関係助成金の活用のほか、就業規則の作成方法や賃金規定の見直しなどの相談が受けられます。助成金そのものの手続きだけでなく、その前提になる社内規程の整備まで含めて相談できるのが特徴です。

業務改善助成金の岩手県の申請窓口

岩手県内の事業場からの業務改善助成金の申請と問い合わせは、岩手労働局の雇用環境・均等室(電話019-604-3010)が受け付けています。岩手版のリーフレットも用意されています。

生産性向上の事例集も公開されている

厚生労働省は、業務改善助成金や業種別中小企業団体助成金の活用事例をもとに、業務の効率化や働き方の見直しで生産性向上を実現し賃金引上げを行った事例を公開しています。取り組みの中心になった人や、取り組み後の変化、助成活用のポイントがまとめられており、自社の計画を作るときの参考になります。

助成金で費用を下げたあと、研修の効果をどう測るかは別の設計が必要です。考え方は人的資本投資の観点から整理できます。

(参考)岩手労働局労働基準部賃金室 – 厚生労働省

(参考)岩手労働局 – 厚生労働省

目的別に、どの制度から当たるか

やりたいこと 当たる制度
一般的な社員研修をしたい 人材開発支援助成金(人材育成支援コース)
デジタル人材を育てたい/eラーニングを定額で入れたい 人材開発支援助成金(人への投資促進コース)
新規事業に向けて学び直させたい 人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)
非正規社員を正社員にしたい キャリアアップ助成金(正社員化コース)
設備投資とあわせて賃上げしたい 業務改善助成金(岩手県は11月30日まで)
生産工程を自動化・省力化したい 自動車関連産業重点強化支援事業費補助金(12月25日まで)
まず研修を安く受けたい いわて産業振興センターの人材育成研修事業

研修の中身をスポーツの知見で設計する方法もあります。

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よくある誤解

「助成金が出るから研修費はタダになる」

なりません。厚生労働省が明示しているとおり、助成されるのは経費や賃金の一部です。自己負担が残る前提で予算を組みます。

「申請は研修が終わってからでよい」

違います。人材開発支援助成金は訓練開始前に計画届を出す必要があり、キャリアアップ助成金は各コースの実施日の前日までにキャリアアップ計画を提出します。後から申請することはできません。

「代行業者に任せれば確実に通る」

厚生労働省は、同省から委託を受けたと装って助成金の活用を勧誘する事業者が存在するとして注意喚起しています。厚生労働省や労働局が特定の事業者に助成金の勧誘を委託することはありません。手数料や報酬を目的に、本来受けられない助成金の申請を提案している可能性があるとされています。不正受給は処罰対象で、公表される場合もあります。

(参考)業務改善助成金 – 厚生労働省

よくある質問

Q. 岩手県の企業が研修に使える助成金は何がありますか?

国の人材開発支援助成金が中心です。あわせてキャリアアップ助成金と業務改善助成金が使えます。県の補助金は自動車関連産業重点強化支援事業費補助金で、自動車・ものづくり分野に限定されます。

Q. 業務改善助成金はいつまでに申請すればよいですか?

岩手県の事業場は令和8年11月30日までです。申請期間は最低賃金の発効日の前日か11月30日の早いほうと定められており、岩手県の最低賃金は令和8年12月1日発効予定のため、前日の11月30日が期限になります。

Q. 岩手県の最低賃金はいくらになりますか?

令和8年8月31日の答申で、現行の時間額1,031円を59円引き上げ、1,090円とすることが決まりました。引上げ率は5.72%で、令和8年12月1日から発効される予定です。

Q. 自動車関連以外の企業は県の補助金を使えますか?

人材育成重点支援事業は生産工程の自動化・省力化が目的のため、対象事業に当てはまらない場合は使えません。その場合は業種を問わない国の3制度を検討してください。

Q. 研修費用は全額戻りますか?

戻りません。厚生労働省は「訓練経費は無料になりません」と明示しています。助成されるのは訓練経費や訓練期間中の賃金の一部です。

Q. 申請手続きで最も間違えやすい点はどこですか?

計画を先に出す必要がある点です。人材開発支援助成金は訓練開始前の計画届が必要で、キャリアアップ助成金は各コースの実施日の前日までにキャリアアップ計画の提出が求められます。

まとめ

岩手県で研修に助成金を使うときの要点です。

  • 国の3制度が土台:人材開発支援助成金(7コース)、キャリアアップ助成金(6コース)、業務改善助成金。業種を問わない
  • 業務改善助成金は11月30日が期限:岩手県の最低賃金が令和8年12月1日に1,090円へ改正されるため
  • 県の補助金は分野が限定される:自動車関連産業重点強化支援事業費補助金は上限100万円・補助率1/2で12月25日まで。ただし生産工程の自動化・省力化が目的
  • 研修は県の機関から探せる:いわて産業振興センターの講座には、国の助成見込み額(受講料13,000円・賃金18,000円)が示されているものがある
  • 計画は必ず先に出す:訓練開始前の計画届、実施日前日までのキャリアアップ計画

制度を押さえたうえで、研修の中身をどう決めるかは別の問題です。カテゴリー全体はスポーツ研修にまとめています。

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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