ヴィアティン三重のスポンサー|8競技で一覧が別、重なるのは16社だった

ヴィアティン三重のスポンサーを競技別に数える スポーツビジネス

「ヴィアティン三重 スポンサー」で検索する人の多くが、そのあとに「バレー」「サッカー」「バスケ」と入力しています。理由はページを開けば分かります。このクラブには競技ごとに別々のスポンサー一覧があるからです。

ヴィアティン三重は総合型スポーツクラブで、サッカー、バスケットボール、バレーボール、フットサル、ビーチサッカー、ハンドボールなどのチームを持っています。それぞれが独立したサイトと、独立したパートナー一覧を持っています。全部を数えたうえで、競技をまたいで支えている企業がどれだけいるのかまで調べました。

8つの競技で、パートナー一覧がそれぞれ別にある

2026年9月23日に各競技の公式サイトを開き、掲載されている枠をブラウザ上で1つずつ数えました。結果です。

ヴィアティン三重の競技別パートナー掲載(2026年9月23日時点)
競技・チーム 区分数 掲載枠
サッカー(男子・ヴィアティン三重) 38区分 547枠
バレーボール(男子・ヴィアティン四日市) 18区分 62枠
バスケットボール 4区分 57枠
バレーボール(女子) 15区分 56枠
サッカー(女子・レディース) 11区分 46枠
フットサル 4区分 11枠
ビーチサッカー 4区分 10枠
ハンドボール 2区分 1枠
合計 96区分 790枠

出典:ヴィアティン三重の各競技公式サイト(2026年9月23日取得)をブラウザ上で筆者集計。男子バレーの枠数からはリーグ・協会のロゴ6点を除いた

合計で96区分・790枠。この連載で1クラブあたりの区分数がここまで多いのは初めてでした。ただしこれは単一チームの階層ではなく、8つのチームがそれぞれ持っている区分の合計です。

規模の差もはっきりしています。サッカー(男子)の547枠に対し、ハンドボールは1枠。競技によってスポンサー活動の成熟度がまったく違うことが、数字にそのまま出ています。

Q. なぜ一覧が分かれているのですか。

クラブは理由を説明していません。ただし各競技が独立したドメインやディレクトリでサイトを運営していること、スポンサー募集の文面も競技ごとに書き分けられていることから、営業も競技単位で動いていると読むのが自然です。バスケットボール部門については、B.LEAGUEが部門単独の決算を開示しています(後述)。

(参考)オフィシャルパートナー – ヴィアティン三重(サッカー)

(参考)パートナー – ヴィアティン三重(バスケットボール)

サッカーだけで38区分。担架にもうちわにもパートナーがいる

ヴィアティン三重サッカーの区分別の掲載枠数

いちばん規模が大きいサッカー(男子)の中身を見ます。38の区分は、ユニフォームや看板といった定番から、かなり細かいものまで並んでいます。

枠数でいえばファミリエ法人会員が226枠で全体の41%。次いでネームプレートパートナー59枠、ホームタウンパートナー53枠、バックスタンド看板パートナー46枠、フィールド看板パートナー20枠、応援自販機パートナー17枠と続きます。

区分の名前を眺めていると、このクラブの考え方が見えてきます。担架パートナー、うちわパートナー、クリアファイルパートナー、ヴィアくんユニフォームパートナー、ダンスステージパートナー、YOUTUBE配信パートナー。試合の現場にあるもの、使うものに片端から協賛の枠を作っている形です。

アカデミー(育成年代)にも独立した区分が4つあります。アカデミーユニフォーム、アカデミースタッフのプラクティスシャツ、同ウォームアップジャージ、同ウィンドブレーカー。スタッフが着るウェアの種類ごとに別のパートナーがつくのは、この連載で初めて見ました。

Q. ファミリエ法人会員とは何ですか。

「ファミリエ」はオランダ語で「家族」を意味し、クラブのファンクラブの名称です。その法人版で、サッカーだけで226枠と最も数が多い区分です。ほかの競技のページにも「ファミリエ法人会員」の区分があり、バレーボールでは男子19枠・女子15枠が掲載されています。小口の入口として機能していると読めます。

(参考)オフィシャルパートナー – ヴィアティン三重(サッカー)

競技をまたいでいるのは、確認できた範囲で16社だけ

ヴィアティン三重の競技別パートナー規模の比較

ここが今回いちばん知りたかったところです。同じクラブなのだから、複数の競技をまとめて支えている企業が多いのではないか——そう考えて突き合わせました。

社名が取得できたサッカー(390社)と、バスケットボール・バレーボール男女(合わせて156社)を照合したところ、両方に名前があるのは16社でした。サッカーの掲載社数に対して4.1%です。

重なっていたのはコスモ石油、三十三銀行、ヤマモリ、住友電装、伊藤製作所、久志本組、桑名電気産業、大津屋、新日本工業、ミライリスホールディングス、美鹿山荘、セクト、伊井運輸、渡辺石油店、神馬の湯、マッシュルームでした。県内の主要企業と金融機関が中心です。

つまり大半の企業は、1つの競技だけを支えていることになります。総合型スポーツクラブという看板から想像するより、スポンサーの側は競技ごとに分かれていました。

ただしこの16社という数字には限界があります。女子サッカー、フットサル、ビーチサッカー、ハンドボールの各ページはロゴ画像に社名の代替テキストが入っておらず、社名を機械的に取り出せませんでした。照合できたのはサッカー・バスケ・バレー男女の4チームだけです。実際の重なりはこれより多いはずですが、どれだけ多いかは公表資料からは確かめられません。

Q. 複数競技をまとめて協賛するメニューはありますか。

公表資料には見当たりません。サッカーのパートナー募集ページには「総合型スポーツクラブの強み」という項目がありますが、内容はパートナーガイド(資料請求制)に載っているとされ、サイト上では読めません。まとめて協賛できるのかどうかは、問い合わせて確認することになります。

(参考)パートナー – ヴィアティン四日市バレーボール

(参考)パートナー – ヴィアティン三重女子バレーボール

バスケットボール部門だけ、決算が開示されている

ヴィアティン三重は競技ごとに所属リーグが違うため、財務の開示状況も違います。サッカーはJFLでJリーグの決算開示の対象外。一方バスケットボールはB3リーグに所属していて、B.LEAGUEが部門単独の決算を開示しています。

ヴィアティン三重(バスケットボール)の2024-25シーズン決算とB3平均
項目 ヴィアティン三重 B3平均
営業収入 1億48万円 3億6366万円
スポンサー収入 7601万円 2億2309万円
入場料収入 838万円 3711万円
物販収入 441万円 1950万円
ユース・スクール関連収入 55万円 2325万円
トップチーム人件費 2532万円 1億2162万円
営業利益 29万円 3176万円
当期純利益 9万円 3071万円

出典:B.LEAGUE「2024-25シーズン(2024年度)クラブ決算概要 B3クラブ」より筆者作成。千円単位の開示値を万円に換算した

営業収入1億48万円はB3平均の28%。リーグのなかでは小さいほうです。ただし黒字は確保していて、営業利益29万円、当期純利益9万円でした。

注目したいのは構成比です。営業収入の75.6%がスポンサー収入で、B3平均の61.3%を大きく上回ります。入場料は8.3%、物販は4.4%にとどまります。バスケットボール部門は、ほぼスポンサー収入で成り立っているクラブだということです。

Q. サッカーやバレーの収支は分かりますか。

分かりません。サッカーはJFL所属でJリーグの開示対象外、バレーボールも同様に部門単独の決算が公表されていません。運営会社である株式会社ヴィアティン三重ファミリークラブの決算も公開されていないため、クラブ全体の規模は外部からは把握できません。この記事で書ける財務の数字は、バスケットボール部門のものだけです。

(参考)B.LEAGUE 2024-25シーズン(2024年度)クラブ決算概要 B3クラブ(PDF) – 公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ

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バスケットボール部門の1社あたりは約136万円

本連載で調べたクラブのスポンサー1社あたり単純平均

バスケットボール部門のスポンサー収入7601万円を、同部門の掲載56社で割ると、単純平均で1社あたり約136万円です。

この連載で同じ計算をしてきたクラブのなかでは11番目にあたります。FC岐阜の約147万円とロアッソ熊本の約110万円のあいだで、J3・B3規模のクラブとしては標準的な水準といえます。

ただしこれはバスケットボール部門だけの数字です。サッカーの390社は別の財布で、その金額は分かりません。クラブ全体で1社あたりいくらなのかは計算できない、というのがこのクラブの特殊なところです。

Q. 協賛金は経費としてどう扱われますか。

国税庁は、不特定多数への宣伝的効果を意図した費用は広告宣伝費、特定の取引先などを接待・供応する費用は交際費等にあたるという区分を示しています。ユニフォームや看板への掲出は前者に近く、招待券を取引先に配る使い方は後者に近づきます。競技ごとに契約が分かれる場合でも判断の基準は同じです。実際の処理は顧問税理士に確認してください。

(参考)No.5260 交際費等と広告宣伝費との区分 – 国税庁

金額は公開されていない。「内容や関わり方によって異なります」

「ヴィアティン三重 スポンサー 料金」で調べる人のために書いておくと、どの競技も金額を公開していません。

サッカーのパートナー募集ページには、よくある質問としてこう書かれています。「Q. 費用はどれくらいかかりますか? A. 内容や関わり方によって異なります。ご希望に応じて最適なプランをご提案いたします」。ほかの競技も同様で、「どのようなレベル、内容の支援でもご相談させていただけます」(ビーチサッカー)といった表現にとどまります。

公表資料から分かること・分からないこと
項目 状況
競技ごとの区分と掲載企業 公開されている(96区分・790枠)
ユニフォームの掲出面積(ハンドボール) 公開されている(後述)
区分ごとの金額 公開されていない
区分ごとの特典内容 一部のみ(大半はパートナーガイドの資料請求制)
複数競技をまとめた協賛メニュー 記載が見当たらない
クラブ全体の決算 公開されていない(バスケ部門のみB.LEAGUEが開示)

出典:ヴィアティン三重の各競技公式サイト(2026年9月23日時点)を筆者が確認して作成

サッカーのパートナー募集ページは、金額のかわりに姿勢を前に出しています。「私たちは、スポンサーを求めているのではなく、事業成長とJリーグ昇格という2つの成果を共につくるパートナーを求めています」。クラブは2027年のJリーグ昇格を必達目標として掲げていて、募集ページもその一点に寄せた作りになっています。

Q. 途中からでも参加できますか。

できます。サッカーのよくある質問に「可能です。シーズン途中からのご参画や短期間での取り組みも対応しています」と明記されています。同ページには資料請求フォームと問い合わせフォームの2つが用意されていて、まず資料を取り寄せる流れになっています。

(参考)パートナー募集 – ヴィアティン三重(サッカー)

ハンドボールだけ、ユニフォームの掲出面積が書かれている

金額は出ていませんが、1か所だけ具体的な仕様が公開されている競技があります。ハンドボールです。

ヴィアティン三重ハンドボールクラブのユニフォームパートナー掲出規定
掲出位置 広告表示のサイズ
ユニフォーム前面 300平方センチメートル以下
ユニフォーム後面 200平方センチメートル以下
左袖 50平方センチメートルを超えないサイズ
ショーツ前面左 80平方センチメートルを超えないサイズ

出典:ヴィアティン三重ハンドボールクラブ「スポンサー」ページより筆者作成

公式戦の全試合(ホーム・アウェイとも)で着用するユニフォームに、この面積で企業ロゴを掲出するという内容です。金額の記載はないのに、面積だけは数字で出ているという珍しい形になっています。

面積が分かると、少なくとも「何がどれだけ載るか」は比べられます。金額を聞く前に条件をそろえるという意味では、実は使いやすい情報です。ほかの競技のページにはこの記載がありません。

Q. ハンドボールの掲載が1枠なのはなぜですか。

理由は書かれていません。ページの大半が「スポンサー募集」の案内で占められており、現時点で掲載されているロゴはユニフォームパートナー1枠だけでした。男子・女子・U-15・U-12のチームを持っているクラブなので、これから増やしていく段階だと読めます。

(参考)スポンサー – ヴィアティン三重ハンドボールクラブ

自治体は協賛ではなく、包括連携協定という形で入っている

バレーボールのパートナー一覧には「包括連携協定締結自治体」という区分があり、津市と四日市市が並んでいます。ほかのクラブのように「ゴールドパートナー」といった金額の階層に自治体が入るのではなく、協定という別枠になっているのが特徴です。

四日市市の公表資料によれば、令和元年11月8日に株式会社ヴィアティン三重ファミリークラブとホームタウン包括連携協定を締結。目的は「相互に連携及び協力してスポーツ振興を軸とした元気なまちづくりを推進すること」とされています。

津市とも協定がありますが、こちらは締結相手が特定非営利活動法人ヴィアティンスポーツクラブです。同じヴィアティンでも、市によって協定を結んだ法人が違います。この点は次の章につながります。

企業の立場から見ると、自治体が協賛ではなく協定で関わっているということは、自治体の予算がクラブに流れる形ではないということです。金銭ではなく、場や広報での協力が中心になります。

Q. 三重県は関わっていますか。

パートナー一覧に三重県の名前は見当たりませんでした。掲載されているのは津市と四日市市の2市と、三重県バレーボール協会です。連載で見てきたクラブのうち、鹿児島ユナイテッドFCは県と市を最上位区分に、FC岐阜は県と42市町村すべてをパートナーに入れていました。自治体との関わり方はクラブによってかなり違います。

(参考)ヴィアティン三重バレーボール「ホームタウン包括連携協定の締結式」について – 四日市市

運営は株式会社とNPO法人の二本立てになっている

最後に、この構造を理解するうえで欠かせない点を整理します。ヴィアティン三重は2つの法人で運営されています。

株式会社ヴィアティン三重ファミリークラブ

クラブ概要によれば、創業は2012年1月14日(設立は2013年7月3日)。本社は三重県桑名市和泉680で、四日市事業本部(コスモ石油体育館内)と津事業本部(津ドライビングスクール内)を置いています。代表取締役社長は後藤大介氏です。

役員には社外取締役が3名いて、萩野メタルワークス、三重平安閣の代表取締役と、桑名サッカー協会の副会長が名を連ねています。地元企業の経営者が経営に加わっている構成です。

特定非営利活動法人ヴィアティンスポーツクラブ

同じ住所にNPO法人があり、理事長も後藤大介氏です。目的は「子どもたちの体力の向上、居場所づくり、部活動との連携など、遊び・運動・スポーツ環境を充実させる」こと。貸借対照表がPDFで公開されています。

令和8年1月31日現在で資産合計513万1686円、負債合計351万7889円、正味財産合計161万3797円。当期の正味財産増減額は399万5529円のマイナスでした。NPO法人としては小さな規模で、地域スポーツ振興の受け皿という位置づけだと読めます。

2つの法人が別々に協定を結んでいる

前章のとおり、四日市市の協定相手は株式会社、津市の協定相手はNPO法人です。同じクラブでも、相手や目的によって契約主体が変わるということになります。

協賛を検討する企業にとっては、これは確認事項です。どの競技のどの枠に協賛するのか、契約の相手がどちらの法人になるのか。競技ごとに一覧が分かれているクラブなので、窓口と契約主体を最初に確かめておいたほうが話が早く進みます。

Q. 結局、どの競技に協賛すればよいですか。

目的によります。露出の母数でいえばサッカー(男子)が547枠と最も大きく、2027年のJリーグ昇格という分かりやすい目標もあります。一方でバスケットボールはB3に所属していて、部門単独の決算が開示されているため、支援先の財務状況を確認したうえで判断できます。ハンドボールのようにこれから増やす段階の競技なら、少ない枠のなかで目立つ可能性があります。競技ごとに一覧が別ということは、選べるということでもあります。

(参考)クラブ概要 – 総合型スポーツクラブ ヴィアティン三重

(参考)貸借対照表(令和8年1月31日現在・PDF) – 特定非営利活動法人ヴィアティンスポーツクラブ

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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