ファジアーノ岡山のスポンサー657社|法人会員は5万円から50万円の5階層

ファジアーノ岡山のスポンサー657社|法人会員は5万円から50万円の5階層 スポーツビジネス

ファジアーノ岡山のスポンサー一覧を開いて、数えるのに時間がかかりました。657社。この連載で16クラブを調べてきて、最多です。

そして金額も出ています。法人会員の5階層は年5万円から50万円まで明記され、特典の差も一覧表になっています。数字を順に見ていきます。

ファジアーノ岡山のスポンサーは657社、この連載で最多

ファジアーノ岡山の区分別の掲載枠数

クラブ公式サイトの「2026/27シーズン スポンサー一覧」を2026年9月23日にブラウザで開き、区分ごとに数えました。結果は延べ659枠です。

区分は8つ。オフィシャルスポンサー41枠、CSRスポンサー1枠、クラブスポンサー200枠、ダイヤモンドパートナー18枠、プラチナパートナー46枠、ゴールドパートナー95枠、シルバーパートナー139枠、ブロンズパートナー119枠。

重複は2件だけでした。成通企画がオフィシャルスポンサーとCSRスポンサーの両方に、菅公学生服がクラブスポンサーとブロンズパートナーの両方に載っています。これを除いて実数は657社です。

連載でこれまで最多だったのはロアッソ熊本の延べ455枠、次いでFC岐阜の386枠でした。ファジアーノ岡山はその1.4倍から1.7倍の数を集めていることになります。

Q. ロゴで載る区分と、名前だけの区分がありますか。

あります。オフィシャルスポンサー、CSRスポンサー、クラブスポンサーの242社はロゴで掲載されます。ダイヤモンドからブロンズまでの417社は企業名のテキストのみです。この違いはクラブの特典一覧にも明記されていて、後述します。

(参考)2026/27シーズン スポンサー一覧 – ファジアーノ岡山

法人会員は年5万円から50万円。金額が全部出ている

クラブの「各種ご協賛のご案内」に、協賛金額の表があります。

ファジアーノ岡山の協賛区分と金額
区分 協賛金額 現在の掲載枠
オフィシャルスポンサー 要問合せ(¥ask〜) 41枠
クラブスポンサー 要問合せ(¥ask〜) 200枠
ダイヤモンドパートナー 50万円 18枠
プラチナパートナー 30万円 46枠
ゴールドパートナー 20万円 95枠
シルバーパートナー 10万円 139枠
ブロンズパートナー 5万円 119枠

出典:ファジアーノ岡山「各種ご協賛のご案内」の特典一覧より筆者作成。掲載枠数は「2026/27シーズン スポンサー一覧」(2026年9月23日取得)を筆者集計。ダイヤモンド以下は「サポーティングパートナー(法人会員)」に分類されている

ダイヤモンドからブロンズまでの5階層が「サポーティングパートナー(法人会員)」です。いちばん下のブロンズが年5万円で、これは連載で見た階層制の協賛としては最安の部類に入ります。鹿児島ユナイテッドFCのブロンズが年6万6000円(税込)、千葉ジェッツのブーストカンパニーが年15万円(税別)でしたから、それより下です。

上のオフィシャルスポンサーとクラブスポンサーは「¥ask」、つまり要問合せです。下の5階層だけ金額を出し、上は個別見積もりにするという設計になっています。

Q. 5万円で何ができますか。

ブロンズパートナーの特典は、プロパティ(ロゴ・エンブレム・ファジ丸)の使用権、クラブ公式サイトのスポンサーページへの企業名掲載、スタジアムのスポンサーボードへの企業名掲載です。いずれもロゴではなく企業名のみ。応援フレーズ使用権はプラチナ以上、ホームゲームチケットは有料オプションで、そのオプションも現在は上限に達しています。

(参考)各種ご協賛のご案内 – ファジアーノ岡山

特典の差は、突き詰めると「ロゴか、企業名か」

特典一覧を読むと、階層の違いがどこにあるのかがはっきりします。

ファジアーノ岡山の主な特典と階層の対応
特典 オフィシャル クラブ ダイヤモンド〜ブロンズ
クラブ公式サイトのスポンサーページ 企業ロゴ 企業ロゴ 企業名のみ
スタジアムのスポンサーボード 企業ロゴ(大) 企業ロゴ(小・中) 企業名のみ
クラブ公式サイトのトップページ ○ — —
スタジアム大型映像への社名・ロゴ掲出 ○ ○ —
ホームゲームチケット(毎試合) 4席分 2席分 有料オプション(上限到達)
ロイヤルボックス席使用 ○ — —
応援フレーズ使用権 ○ ○ ダイヤモンド・プラチナのみ
スタジアムブース設置権 1試合 — —

出典:ファジアーノ岡山「スポンサー・パートナー 特典一覧」より筆者作成

ロゴで出るか、企業名のテキストだけか。この一線がオフィシャル・クラブスポンサーと、法人会員5階層の境目になっています。法人会員のなかでは、応援フレーズ使用権がダイヤモンドとプラチナだけという差はありますが、掲出の形は5階層とも「企業名のみ」で同じです。

つまり法人会員の5万円と50万円の差は、掲出の見え方ではなく、主に応援フレーズ使用権の有無とチケットオプションの枠にあることになります。

Q. 協賛金は経費としてどう扱われますか。

国税庁は、不特定多数への宣伝的効果を意図した費用は広告宣伝費、特定の取引先などを接待・供応する費用は交際費等にあたるという区分を示しています。スポンサーボードや公式サイトへの掲出は前者に近く、ロイヤルボックス席に取引先を招く使い方は後者に近づきます。ファジアーノ岡山の場合は特典が階層ごとに一覧化されているので、どちらに寄る内容なのかを契約前に確認しやすいはずです。実際の処理は顧問税理士に確認してください。

(参考)No.5260 交際費等と広告宣伝費との区分 – 国税庁

法人会員の募集状況は、申し込む前にクラブへ確かめる

申し込む前に確かめておきたい点があります。この記事を最初に公開した2026年9月の時点では、「各種ご協賛のご案内」のページに、2025法人会員(サポーティングパートナー)の新規募集を休止するという案内文を確認していました。

2026年10月7日に同じページを確認したところ、この案内文は表示されていませんでした。5階層の料金表は掲載されています。

一方で、募集の再開をはっきり伝える文も見当たりません。年5万円から50万円の5階層にいま申し込めるかどうかは、クラブに問い合わせて確かめる必要があります。

特典一覧には、枠に関する注記があります。ホームゲームチケットの有料オプションについて「※2 チケット特典(別途有料オプション)は上限に達しました」。枠が埋まっているという説明です。

事実として言えるのは、法人会員が417社に達していること、2025シーズンからJ1で戦っていること、そしてチケットの有料オプションが上限に達していることです。チケットについては、需要が供給を上回っている状態だと読めます。

これから協賛を検討する企業は、法人会員の受付状況と、チケット特典を付けられるかどうかを、最初に問い合わせて確かめてください。上位のオフィシャルスポンサーとクラブスポンサーは、金額が要問合せです。

Q. ほかに入口はありますか。

支援自動販売機があります。オリジナルデザインの自販機を設置し、飲料の売上の一部がクラブの活動資金になる仕組みです。条件は「人目に触れ、利用が見込める場所」「新設・増設を前提」「電気代はオーナー負担」。設置場所の一覧も公開されています。もうひとつ、1試合20枚以上のチケットを購入する団体観戦の案内もあります。

(参考)各種ご協賛のご案内 – ファジアーノ岡山

(参考)支援自動販売機一覧 – ファジアーノ岡山

公表価格で積み上げると、417社は金額の7%だった

法人会員の金額と社数が両方分かるので、積み上げができます。

法人会員5階層を公表価格で積み上げた場合の金額
区分 掲載枠 金額 小計
ダイヤモンドパートナー 18枠 50万円 900万円
プラチナパートナー 46枠 30万円 1380万円
ゴールドパートナー 95枠 20万円 1900万円
シルバーパートナー 139枠 10万円 1390万円
ブロンズパートナー 119枠 5万円 595万円
合計 417枠 — 6165万円

出典:ファジアーノ岡山の公表価格と掲載枠数から筆者が計算

法人会員417社の合計は6165万円。一方、Jリーグが開示した2025年度決算でファジアーノ岡山のスポンサー収入は8億8100万円でした。

つまり社数の63%を占める法人会員が、金額では7.0%にとどまります。残り8億1935万円を、ロゴで載るオフィシャル・CSR・クラブスポンサーの242社で割ると、1社あたり約339万円という計算になります。

ただし前提があります。決算は2025年6月期(2024年7月から2025年6月)で、掲載社数は2026/27シーズンのもの。期間がずれています。また「¥ask」の2区分には幅があるはずなので、242社が一律339万円ということではありません。全体の重心がどこにあるかを見るための概算として読んでください。

Q. 法人会員は、クラブにとって金額が小さいのですか。

公表価格で積み上げると6165万円です。417社を管理する手間とこの金額を並べると、1社あたりの運営コストは決して小さくないだろうとは推測できます。一方でクラブ理念は「子どもたちに夢を!」で、地域の企業が広く関わることそのものに意味を置いている可能性もあります。断定できる材料はありません。

(参考)2025年度 J1 クラブ決算一覧(PDF) – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ

決算は売上19億800万円。スポンサー収入はJ1で下から2番目

決算の主な項目をJ1平均と並べます。

ファジアーノ岡山の2025年6月期決算とJ1平均
項目 ファジアーノ岡山 J1平均
売上高 19億800万円 64億9200万円
スポンサー収入 8億8100万円 26億7900万円
入場料収入 3億5000万円 12億900万円
物販収入 2億8400万円 6億5000万円
Jリーグ配分金 1億1600万円 4億2600万円
その他収入 2億3200万円 8億2800万円
トップチーム人件費 5億1600万円 23億500万円
営業利益 1億5800万円 1億1200万円
当期純利益 9700万円 1500万円

出典:公益社団法人日本プロサッカーリーグ「2025年度 J1 クラブ決算一覧」より筆者作成。ファジアーノ岡山は6月決算のため、対象期間は2024年7月から2025年6月

売上高19億800万円はJ1平均の29.4%。スポンサー収入8億8100万円は同32.9%です。数値が開示された19クラブのなかで、スポンサー収入は18番目でした。

ただし決算期に注意が必要です。ファジアーノ岡山は6月決算なので、この数字は2024年7月から2025年6月まで、つまりJ2で戦った2024シーズンの後半とJ1に上がった2025シーズンの前半をまたいでいます。J1での通年の姿はまだ決算に出ていません。

その一方で、利益はJ1平均を上回っています。営業利益1億5800万円、当期純利益9700万円。トップチーム人件費5億1600万円はJ1平均の22.4%で、規模に見合った支出に抑えられています。

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Q. スポンサー収入が売上に占める割合は。

46.2%です。J1平均は41.3%ですから、規模は小さくても協賛に支えられている度合いはむしろ高いクラブだといえます。657社という数と合わせて読むと、地域の企業が広く少しずつ支える形が、そのまま収入構造になっていることが分かります。

(参考)2025年度 J1 クラブ決算一覧(PDF) – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ

スポンサー1社あたりは約134万円で、J1では最も低い

本連載で調べたクラブのスポンサー1社あたり単純平均

スポンサー収入8億8100万円を657社で割ると、単純平均で1社あたり約134万円です。

この連載で調べたJ1・B1のクラブのなかでは、断然いちばん低い数字になります。同じJ1のガンバ大阪が約1750万円、FC東京が約3621万円でしたから、13分の1から27分の1です。J3のロアッソ熊本(約110万円)や鹿児島ユナイテッドFC(約106万円)に近い水準にあります。

これは弱さを意味しません。1社あたりを大きくするのではなく、数を集めるという戦略の結果です。ガンバ大阪は131社で22億9200万円、ファジアーノ岡山は657社で8億8100万円。社数は5倍、金額は5分の2。同じJ1でも、集め方がまったく違います。

Q. どちらの集め方が良いのですか。

優劣の話ではありません。少数から大きく集める形は1社の判断で収入が動き、多数から少しずつ集める形は管理の手間がかかります。ファジアーノ岡山は後者の形です。協賛する企業の側から見れば、657社のなかの1社になるのか、131社のなかの1社になるのかで、見え方も関わり方も変わります。

(参考)2025年度 J1 クラブ決算一覧(PDF) – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ

JFEはグループ7社が協賛し、スタジアムの名前も持っている

本連載で確認した自治体のスタジアム・アリーナ命名権の年額

「ファジアーノ岡山 スポンサー JFE」で調べる人がいるのは、JFEがこのクラブに二重に関わっているからです。

ひとつは協賛です。一覧を拾うとJFEグループから7社が入っています。JFEプラントエンジ(オフィシャルスポンサー)、JFE物流、JFEミネラル、JFE条鋼、JFEケミカル、JFEメカフロント倉敷、JFE西日本ジーエスです。

もうひとつがスタジアムの名前です。ホームスタジアムの岡山県総合グラウンド陸上競技場は、2025年2月から「JFE晴れの国スタジアム」になりました。JFEスチールの発表によれば、岡山県との基本協定は2024年12月18日締結、契約期間は令和7年2月1日から令和12年7月31日まで。命名権料の金額は、この発表には書かれていません。

この連載で金額を確認してきた自治体の命名権には、新潟県のデンカビッグスワンスタジアム(年4730万円・税込)、福岡市のベスト電器スタジアム(年3600万円)などがあります。

企業の側から見ると、同じグループが協賛と命名権の両方で名前を出している形になります。連載では宇都宮ブレックスの栃木銀行(ユニフォーム胸+アリーナ命名権)が同じ構図でした。

Q. 岡山県や岡山市はスポンサーに入っていますか。

一覧に自治体の名前は見当たりませんでした。岡山県はスタジアムの所有者として命名権を売る側であり、クラブへの協賛という形では出ていません。連載ではFC岐阜が県と42市町村すべてをパートナーに入れ、鹿児島ユナイテッドFCが県と市を最上位区分に置いていました。自治体との関わり方はクラブによってかなり違います。

(参考)岡山県総合グラウンド陸上競技場のネーミングライツ取得〜愛称「JFE晴れの国スタジアム」〜 – JFEスチール株式会社

(参考)スタジアム・アリーナ改革ガイドブック(第3版) – スポーツ庁

657社を支えているのは、岡山の産業構造そのものだった

最後に、顔ぶれから見えるものを書いておきます。

県内の金融機関が3行そろっている

オフィシャルスポンサー41社のなかに、中国銀行、トマト銀行、おかやま信用金庫が並んでいます。岡山県を地盤とする金融機関がそろって最上位区分に入っている形です。連載では鹿児島ユナイテッドFCの鹿児島銀行、FC岐阜の十六銀行・大垣共立銀行など、地銀が上位に入る例は多いのですが、3行そろうのは珍しい部類です。

繊維・機械・食品の地場企業が上位に多い

同じくオフィシャルスポンサーには、倉敷紡績、萩原工業、ナカシマプロペラ、オージー技研、みのる産業、オハヨー乳業、トンボ、はるやま商事、ベネッセホールディングスなどが名を連ねます。岡山の主要産業がそのまま並んでいるような一覧です。

JRとJTB、明治安田も入っている

全国企業ではJR西日本岡山支社、JTB、明治安田生命、船井総研などが入っています。ただし数としては地場企業が圧倒的で、657社という規模は岡山県内の企業をどれだけ広く巻き込めたかの結果だと読めます。

協賛を検討する企業にとって、この一覧はある種の名簿でもあります。取引先や同業がどの区分に入っているかを見てから、自社の位置を決めるという使い方ができます。

Q. いま協賛を検討するなら、何から見ればよいですか。

法人会員5階層は、受付の状況をクラブに確かめてから検討します。ロゴを出したい場合の選択肢は、オフィシャルスポンサーかクラブスポンサーです。どちらも金額は要問合せですが、特典一覧は公開されているので、何が付いてくるかは事前に分かります。ロゴが出るのはこの2区分だけという点、スポンサーボードの大きさが2区分で違う点は、問い合わせる前に確認しておく価値があります。

(参考)2026/27シーズン スポンサー一覧 – ファジアーノ岡山

(参考)各種ご協賛のご案内 – ファジアーノ岡山

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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