スポーツ業界カオスマップ2026|9分類と主要企業の全体像

スポーツ業界カオスマップ2026|9分類と主要企業の全体像 スポーツビジネス

スポーツ業界は「プロクラブとメーカー」だけではありません。建設、通信、製薬、広告、商社まで、まったく違う業種の企業が同じ市場に関わっています。そのため業界地図を持たずに参入や取引先探しを始めると、見るべき相手を取り違えます。

この記事では、スポーツ業界を9つの分類に分け、各分類の主要な企業・団体を実名で並べた地図をつくりました。掲載は日本取引所グループの上場銘柄一覧と各社・各団体の公式サイトで実在と区分を確認したものだけです。

ロゴは使わず社名のテキストで構成しているため、表をそのままコピーして社内資料に貼れます。出典を明記いただければ引用も自由です。

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スポーツ業界の全体像|9分類で見る業界構造

結論から言うと、スポーツ業界は「する」を支える3分類・「みる」を支える3分類・全体を支える3分類の9つに整理すると、自社がどこに関われるかが見えます。

職種で切る分類(学生向けの就職案内でよく使われる形)ではなく、「発注先・連携先として誰がいるか」で切っているのがこの地図の特徴です。事業開発や購買の担当者が使うことを想定しています。

スポーツ業界の9分類を「する」「みる」「支える」の3グループに整理した構造図
グループ 含まれる分類 役割
「する」を支える ③用品メーカー・販売/⑤施設・施工/⑦指導・教育・フィットネス 人が体を動かす場と道具をつくる
「みる」を支える ①プロクラブ・チーム運営/②メディア・放送/④イベント・大会運営 試合や大会を興行として成立させる
全体を支える ⑥医療・ヘルスケア/⑧行政・競技団体/⑨ビジネス支援・テクノロジー 競技も興行も横断して関わる

Human Soarが整理した分類です。企業によっては複数の分類にまたがります(例:コナミグループはクラブ運営・イベント・フィットネスの3分類に関わります)。

Q. スポーツ業界にはどんな企業がありますか?

プロクラブの運営会社、テレビ局、用品メーカー、ゼネコン、フィットネス事業者、製薬・医療機器メーカー、競技団体、通信・IT企業など9つの分類に整理できます。建設や通信のように一見スポーツと関係のない業種が、スタジアム整備や配信基盤を通じて深く関わっているのがこの業界の特徴です。

「する」を支える3分類|スポーツ用品メーカー・施設・フィットネス企業

人が体を動かすための道具・場所・指導を提供する分類です。市場規模が大きく、上場企業も多いため情報を集めやすいのが特徴です。

分類 企業・団体 上場区分・注記
③用品 美津濃(ミズノ) 東証プライム 8022
③用品 アシックス 東証プライム 7936
③用品 ゴールドウイン 東証プライム 8111
③用品 ヨネックス 東証スタンダード 7906
③用品 ブリヂストン 東証プライム 5108
③用品 住友ゴム工業 東証プライム 5110
③用品 グローブライド 東証プライム 7990
③用品 アルペン 東証プライム 3028
③用品 ゼビオホールディングス 東証プライム 8281
③用品 ヒマラヤ 東証スタンダード 7514
⑤施設 大成建設 東証プライム 1801
⑤施設 鹿島建設 東証プライム 1812
⑤施設 清水建設 東証プライム 1803
⑤施設 大林組 東証プライム 1802
⑤施設 インフロニア・ホールディングス 東証プライム 5076
⑤施設 戸田建設 東証プライム 1860
⑤施設 安藤・間 東証プライム 1719
⑤施設 東急建設 東証プライム 1720
⑤施設 大和ハウス工業 東証プライム 1925
⑤施設 積水ハウス 東証プライム 1928
⑤施設 竹中工務店 非上場
⑦フィットネス ルネサンス 東証プライム 2378
⑦フィットネス セントラルスポーツ 東証プライム 4801
⑦フィットネス カーブスホールディングス 東証プライム 7085
⑦フィットネス 東祥 東証スタンダード 8920
⑦フィットネス コナミグループ 東証プライム 9766
⑦フィットネス RIZAPグループ 札証アンビシャス 2928
⑦フィットネス Fast Fitness Japan 上場銘柄一覧に未掲載
⑦フィットネス ティップネス 非上場(日本テレビHDグループ)
⑦フィットネス THINKフィットネス(ゴールドジム) 非上場
⑦フィットネス ウェルネスフロンティア(JOYFIT) 非上場

上場区分は日本取引所グループ「上場銘柄一覧」(2026年8月時点)で証券コードにより照合。非上場企業は公式サイトで実在と事業内容を確認しました。デサント(旧8114)・久光製薬(旧4530)は現在の一覧に掲載がないため除いています。

スタジアム整備でゼネコンがスポーツ業界の主要企業になる理由

意外に見えるかもしれませんが、スタジアム・アリーナの整備は国の政策目標そのものです。第3期スポーツ基本計画では選定拠点数が指標に入っており、2024年度時点で19拠点と目標20拠点に迫っています。建設各社にとっては継続的な案件が見込める領域です。

フィットネス業界で業績を開示している上場企業は4社だけ

フィットネス事業を主力として上場し業績を開示しているのはルネサンス・セントラルスポーツ・カーブスホールディングス・東祥の4社です。知名度の高いブランドほど非上場・親会社の一部門というケースが多く、業界全体の数字は公的統計から追う必要があります。

あわせて読みたいフィットネス業界の動向2026|市場規模・トレンド・今後の展望を解説

「みる」を支える3分類|プロクラブ・放送・イベント運営企業

試合や大会を興行として成立させる分類です。プロクラブの運営会社は、鉄道・小売・IT・食品と親会社の業種がばらけているのが日本の特徴です。

分類 企業・団体 上場区分・注記
①クラブ運営 ディー・エヌ・エー 東証プライム 2432
①クラブ運営 楽天グループ 東証プライム 4755
①クラブ運営 ソフトバンクグループ 東証プライム 9984
①クラブ運営 阪急阪神ホールディングス 東証プライム 9042
①クラブ運営 西武ホールディングス 東証プライム 9024
①クラブ運営 日本ハム 東証プライム 2282
①クラブ運営 ヤクルト本社 東証プライム 2267
①クラブ運営 オリックス 東証プライム 8591
①クラブ運営 サイバーエージェント 東証プライム 4751
①クラブ運営 コナミグループ 東証プライム 9766
②メディア 日本テレビホールディングス 東証プライム 9404
②メディア TBSホールディングス 東証プライム 9401
②メディア フジ・メディア・ホールディングス 東証プライム 4676
②メディア テレビ朝日ホールディングス 東証プライム 9409
②メディア テレビ東京ホールディングス 東証プライム 9413
②メディア スカパーJSAT 東証プライム 9412
②メディア WOWOW 東証プライム 4839
②メディア U-NEXT HOLDINGS 東証プライム 9418
②メディア 日本BS放送 東証スタンダード 9414
④イベント 電通グループ 東証プライム 4324
④イベント 博報堂DYホールディングス 東証プライム 2433
④イベント ぴあ 東証プライム 4337
④イベント 松竹 東証プライム 9601
④イベント 東急 東証プライム 9005
④イベント KNT-CTホールディングス 東証スタンダード 9726
④イベント エイチ・アイ・エス 東証プライム 9603
④イベント セレスポ 非上場(スポーツイベント運営)
④イベント アールビーズ 非上場(ランニング大会運営)
④イベント 東京マラソン財団 一般財団法人

同じく上場銘柄一覧で照合。プロクラブ運営は親会社を記載しており、球団の運営会社そのものは各社の連結子会社です。1社が複数分類に登場する場合があります。

プロ野球・Jリーグの運営会社は親会社の業種で狙いが読める

鉄道系(阪急阪神・西武・東急)は沿線の集客と不動産、IT系(DeNA・楽天・サイバーエージェント)はデータと配信が狙いです。提案を持ち込むときは、球団ではなく親会社の本業に接続する切り口のほうが通りやすくなります。

スポーツ観戦する人の割合は2年連続で減っている

注意が必要な事実があります。スポーツ庁の指標では、スポーツを「見る」人の割合が73.2%(2022年度)から68.5%(2024年度)へ2年連続で低下しています。施設整備は進む一方で観戦者の裾野は広がっておらず、集客と体験設計に事業機会が移っています。

Q. プロ野球やJリーグの球団はどの企業が運営していますか?

親会社の業種は多様です。鉄道系(阪急阪神ホールディングス・西武ホールディングス)、IT系(ディー・エヌ・エー・楽天グループ・サイバーエージェント)、食品系(日本ハム・ヤクルト本社)などが運営会社を傘下に持っています。球団そのものは各社の連結子会社です。

業界を横断する3分類|医療・競技団体・スポーツテック企業

競技にも興行にも横断して関わる分類です。ここが最も異業種に開かれており、参入余地も大きい領域になります。

分類 企業・団体 上場区分・注記
⑥医療 オムロン 東証プライム 6645
⑥医療 ニプロ 東証プライム 8086
⑥医療 大塚ホールディングス 東証プライム 4578
⑥医療 明治ホールディングス 東証プライム 2269
⑥医療 ロート製薬 東証プライム 4527
⑥医療 小林製薬 東証プライム 4967
⑥医療 ツムラ 東証プライム 4540
⑥医療 タニタ 非上場(体組成計)
⑥医療 日本シグマックス(ZAMST) 非上場(スポーツ用サポーター)
⑥医療 ファイテン 非上場(アスリート向け商品)
⑧行政・団体 スポーツ庁 国の行政機関
⑧行政・団体 日本スポーツ振興センター(JSC) 独立行政法人
⑧行政・団体 日本スポーツ協会(JSPO) 公益財団法人
⑧行政・団体 日本オリンピック委員会(JOC) 公益財団法人
⑧行政・団体 日本パラスポーツ協会(JPSA) 公益財団法人
⑧行政・団体 日本サッカー協会(JFA) 公益財団法人
⑧行政・団体 日本バスケットボール協会(JBA) 公益財団法人
⑧行政・団体 日本野球機構(NPB) リーグ運営団体
⑧行政・団体 Jリーグ リーグ運営団体
⑧行政・団体 Bリーグ リーグ運営団体
⑨テクノロジー 日本電気(NEC) 東証プライム 6701
⑨テクノロジー 富士通 東証プライム 6702
⑨テクノロジー ソニーグループ 東証プライム 6758
⑨テクノロジー NTT 東証プライム 9432
⑨テクノロジー KDDI 東証プライム 9433
⑨テクノロジー セガサミーホールディングス 東証プライム 6460
⑨テクノロジー LINEヤフー 東証プライム 4689
⑨テクノロジー 三井物産 東証プライム 8031
⑨テクノロジー 電通グループ 東証プライム 4324
⑨テクノロジー データスタジアム 非上場(スポーツデータ専業)
⑨テクノロジー ユーフォリア 非上場(同)
⑨テクノロジー SPLYZA 非上場(同)

行政・競技団体は公式サイトで法人格を確認しました。⑨の大手企業はスポーツが主力事業ではなく、通信基盤・映像技術・データ解析などを通じて関わっています。この点は提案先を選ぶ際に重要です。

大手企業のスポーツ事業は主力ではない|提案先を選ぶ注意点

ソニー、NTT、KDDI、三井物産のような企業がスポーツに関わっているのは事実ですが、いずれもスポーツが主力事業ではありません。意思決定の速さも予算の出どころも、スポーツ専業企業とはまったく違います。組む相手として見るときは、どの部署が窓口かまで確認してください。

スポーツデータ分析は非上場の専業企業が担っている

スポーツデータの解析はデータスタジアム、ユーフォリア、SPLYZAのような専業企業が担っています。規模は大きくありませんが、競技団体やクラブとの接点を持っているのはこうした企業です。大手と組むより現実的な選択肢になることがあります。

あわせて読みたい日本のスポーツアナリティクス市場|企業の参入判断と成長性

Q. 異業種からスポーツ業界に参入できますか?

できます。この地図で挙げた企業のうち、ゼネコン・通信・製薬・広告・商社はいずれも本業がスポーツではありません。国の支援策も「スポーツと他産業の連携」を中心に据えているため、自社の技術やデータ基盤を持ち込む形がむしろ想定されています。

スポーツ関連企業の一覧をどう使うか|3つの場面

使い方は立場によって3通りに分かれます。

スポーツ関連企業を発注先・連携先として探す

やりたいことが「スタジアムの改修」なのか「ファンデータの活用」なのかで、当たるべき分類がまったく違います。先に分類を決めてから企業を探すほうが、当たり先を絞り込めます。市場全体の規模感はスポーツ業界の市場規模2026年版で確認できます。

異業種からスポーツ業界に参入できる領域を見極める

既存事業との接続点を探すときは、「全体を支える3分類」から見るのが近道です。ここは異業種に開かれており、映像・データ・通信・素材など持ち込める強みの幅が広いためです。法人向けの需要から入る場合は、スポーツエールカンパニーの認定基準と申請方法のように企業側が使える制度を先に押さえておくと、提案の入口をつくりやすくなります。

スポーツ業界の就職・転職で候補企業を広げる

スポーツ業界を志望する人の多くはクラブとメーカーしか見ていません。実際にはゼネコン・通信・製薬にもスポーツに関わる仕事があります。職種ごとの進み方はスポーツ業界のキャリアパス事例にまとめています。

Q. スポーツ業界で最も企業数が多い分野はどこですか?

この地図では「⑨ビジネス支援・テクノロジー」が最も広く、通信・IT・商社まで含みます。ただし数の多さは参入しやすさを意味しません。これらの企業はスポーツが主力事業ではないため、意思決定の速さも予算の出どころもスポーツ専業とは異なります。

まとめ

スポーツ業界の全体像を9分類で整理しました。

  • スポーツ業界は「する」「みる」「支える」の3グループ×各3分類で整理できる
  • ゼネコン・通信・製薬・広告・商社など、本業がスポーツでない企業が主要プレイヤーとして関わっている
  • 施設整備は政策目標として進む一方、スポーツを「見る」人の割合は73.2%→68.5%と低下している
  • フィットネスは上場4社だけが業績を開示。知名度と情報の入手しやすさは一致しない
  • 参入を考えるなら「全体を支える3分類」から接続点を探すのが近道

この地図は毎年更新します。上場区分や社名は変わるため、引用される際は取得時点をあわせて記載してください。

引用について

本記事の分類・一覧表は、出典を明記いただければ自由に引用・転載いただけます(事前のご連絡は不要です)。ロゴを使わずテキストで構成しているため、表をそのままコピーしてご利用いただけます。

出典表記の例

出典:Human Soar「スポーツ業界カオスマップ2026」(About The New株式会社)
https://www.human-soar.com/method/sports/sports-industry-chaos-map-2026/

(参考)上場銘柄一覧 – 日本取引所グループ

(参考)第3期スポーツ基本計画 期間前半の進捗状況と課題(2025年7月) – スポーツ庁

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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