スポットワークの受け入れ手順|スポーツ大会のボランティア運営を応用

スポットワークの受け入れ手順|スポーツ大会のボランティア運営を応用 ソリューション
SOLUTION|人手不足 × 労務管理

スポットワークで人は集まった。でも当日に「聞いていた仕事と違う」「説明がない」と言われていませんか。1日だけ来る大勢の人を迎えてきたスポーツ大会のボランティア運営の手順をもとに、受け入れの流れを組み直します。

人手不足スポットワーク労務管理現場運営

このプログラムについて相談する

対象となるお客さま

  • 倉庫・物流、飲食、小売、イベントでスポットワークを使っている企業の経営者
  • 単発の人材の受け入れを任されている現場の責任者・店長
  • スポットワークの労務管理を見直したい人事・総務の担当者

よくあるお悩み

  • 来てくれる人は毎回違い、説明する時間が取れない
  • 当日になって、求人と違う作業を頼んでしまう
  • よく働いてくれた人に、もう一度来てもらえない
ISSUE

課題|スポットワーカーの46.8%が仕事上のトラブルを経験している

スポットワーク受け入れ設計プログラム|面接なしで当日を迎える流れと、スポットワークで起きているトラブルの割合

スポットワークは、アプリで求人を出し、面接をせずに当日を迎える働き方です。急に人手が足りなくなったときに頼れる一方で、来る人も、その人に説明する社員も毎回違います。

受け入れの準備が追いつかないまま当日を迎えると、トラブルになります。日本労働組合総連合会(連合)が2024年12月に、スポットワークで働いたことがある15歳以上の1,000人に聞いた調査では、仕事上のトラブルを経験した人は46.8%でした。多かったのは1位「仕事内容が求人情報と違った」、2位「業務に関して十分な指示や教育がなかった」です。

「働く上での怪我や事故防止」の説明を受けたことがない人も34.4%いました。トラブルは働く人だけの問題ではありません。けがは労働災害になり、評判が下がれば次の募集にも人が集まりにくくなります。

(参考)スポットワークに関する調査2025 – 日本労働組合総連合会

CAUSE

原因|正社員と同じ受け入れ方を、1日で済ませようとしている

スポットワーク受け入れ設計プログラム|受け入れがうまくいかない3つの原因と、労働条件通知書の交付状況

現場の社員がいい加減なわけではありません。正社員やパートなら数日かけて覚えてもらう前提の受け入れ方を、そのまま数時間に詰め込もうとしていることが原因です。具体的には次の3つです。

  • 任せる作業が決まっていない:当日の忙しさで頼む作業が変わり、求人に書いた内容とずれます。
  • 説明する人と内容が決まっていない:手の空いた社員がその場で説明するので、安全や休憩の説明が抜けます。
  • 雇用であることが現場に伝わっていない:スポットワークも労働契約です。労働条件の明示、着替えの時間も含めた労働時間、事業主の都合で早上がりさせたときの休業手当など、守る決まりがあります。

連合の調査では、1回の勤務の労働時間は平均3.5時間でした。どの就業先でも労働条件通知書を受け取っている人は30.9%にとどまります。厚生労働省は2025年7月にリーフレットを出し、面接なしの先着順の求人では、特段の合意がなければ応募した時点で労働契約が成立すると一般的に考えられることや、労働条件の明示と安全衛生教育は事業主の義務であることを示しています。

(参考)スポットワークに関する調査2025 – 日本労働組合総連合会

(参考)いわゆる「スポットワーク」における留意事項等をとりまとめたリーフレットを作成し、関係団体にその周知等を要請しました – 厚生労働省

SPORTS INSIGHT

スポーツ知見|スポーツ大会は、1日だけの大勢の人を当日の流れで迎える

スポットワーク受け入れ設計プログラム|スポーツ大会のボランティア運営の流れと、職場の受け入れへの置き換え

マラソン大会などのスポーツイベントは、その日だけ来る大勢のボランティアに支えられています。東京マラソン2015では、ボランティアが11,611人いました。文部科学省の委託で笹川スポーツ財団が2015年3月にまとめた「スポーツボランティア・運営ガイドブック」は、こうした人たちの迎え方を、募集の前から終了後まで順番に整理しています。

中身は具体的です。募集の前に、活動場所・活動内容・配置を決めて必要な人数を割り出す。募集では活動内容・時間・服装・持ち物を明記し、告知と違う活動は頼まない。警備や金銭の管理のように危険や大きな責任を伴う活動は原則として避ける。当日は受付のあとにミーティングで活動の内容と注意点、休憩のタイミングを伝え、リーダーと一緒に持ち場へ移る。初めての人は参加者と接する機会の多い持ち場に置き、解散の前に感想を聞いて感謝を伝える。ガイドブックは、続けて参加してもらうには初回の経験が最も大事だとしています。

(参考)スポーツボランティア・運営ガイドブック ~スポーツイベントのボランティアを知る~ – 文部科学省・公益財団法人笹川スポーツ財団

ただし、試合と仕事は同じではありません。ボランティアは金銭の契約をした人ではありませんが、スポットワーカーは労働契約を結んだ労働者です。そのため、運営の流れはそのまま借りつつ、労働条件の明示、着替えを含む労働時間の設定、雇入れ時の安全衛生教育を手順の中に組み込みます。

SOLUTION

解決策|受け入れを4つの手順に分けて、毎回同じように回す

スポットワーク受け入れ設計プログラム|作業の切り出しから終了時の振り返りまで、受け入れの4つの手順

誰が受け入れても同じ流れになるように、手順を4つに分けて決めておきます。

  • 作業を切り出す:1回の勤務で完結する作業と人数を先に決める。お金の管理や機械の操作など、危険や大きな責任を伴う作業は任せる作業から外す
  • 求人と当日の作業をそろえる:作業内容・服装・持ち物を求人に書き、着替えの時間も含めて始業時刻を決める。当日に求人と違う作業は頼まない
  • 受け入れ担当が最初の10分で説明する:担当者を日ごとに1人決め、作業・安全・休憩・困ったときの連絡先を説明シートで伝える
  • 終わる前に5分で振り返る:感想と困ったことを聞き、お礼を伝える。もう一度来てほしい人と、直すべき手順を記録する

いちばん効くのは2つ目です。連合の調査で最も多かったトラブルは「仕事内容が求人情報と違った」でした。求人に書いた作業と当日の作業がそろっていれば、説明も短く済み、トラブルの多くを手前で防げます。

APPROACH

進め方|1つの拠点で試してから、ほかの拠点に広げる

スポットワーク受け入れ設計プログラム|診断・設計と試行・定着の3つのフェーズで、やること・役割分担・期間の目安

拠点ごとに作業も忙しい時間帯も違うため、最初から全拠点の手順をそろえようとすると形だけになります。まず1つの拠点で手順を作って試し、使えるものにしてから広げます。

診断では、直近の求人と当日に実際に頼んだ作業を突き合わせ、ずれと説明の抜けを洗い出します。設計・試行では1拠点で作業の切り出しと説明シートを作り、受け入れ担当を決めて数回の受け入れで試します。定着ではほかの拠点に合わせて手直しし、月に1回、振り返りの記録をもとに手順を見直します。

期間は目安です。診断だけ、1拠点だけといった始め方もご提案します。Human Soarは様式の用意・現場での聞き取り・手順の文書化・月次レビューの進行を担い、御社には求人の一覧と勤務の記録の共有、試す拠点と受け入れ担当の決定をお願いします。

OUTPUT

成果物|受け入れ担当が替わっても回せる4つの道具

スポットワーク受け入れ設計プログラム|プロジェクトの4つの成果物と活用場面

成果物は、御社の現場の作業をもとに一緒に作ります。ひな形を渡して終わりにはしません。

最初に作るのが「作業の切り出し表」です。スポットワーカーに任せる作業と任せない作業、時間帯ごとの必要人数を一覧にしたもので、店長や現場の責任者が求人を出すときに使います。次に、切り出し表をもとに「求人の記載ひな形」を作ります。作業内容・服装・持ち物・着替えを含む始業時刻が毎回もれなく入るので、求人と当日のずれを防げます。

当日は、受け入れ担当が「説明シート」に沿って最初の10分で作業・安全・休憩・連絡先を伝えます。終わる前には「振り返りシート」に感想と困ったことを書いてもらい、もう一度来てほしい人と直すべき手順を記録します。月次レビューの進め方まで整えるので、支援が終わった後も社内だけで手順を直し続けられます。

VALUE

期待できる効果|経営・受け入れ担当・働く人の3つが変わる

スポットワーク受け入れ設計プログラム|経営・受け入れ担当・働く人の3つの効果と、受け入れ手順を見直す時期かを確かめるセルフチェック

経営にとっては、スポットワークを使うときの労務の決まりが手順に入るので、休業手当や安全衛生教育の漏れといった後からのトラブルを減らせます。受け入れ担当は、何をどの順で説明するかが決まっているので、その場で考える時間が減ります。働く人は、求人どおりの作業を、説明を受けてから始められます。

見る数字は2つです。1つは「求人と違う作業を頼んだ件数」で、振り返りシートで毎回数えます。もう1つは「もう一度来てくれた人の割合」です。初回の経験がよければ、次の募集で一から説明する人が減っていきます。スライド下のセルフチェックで2つ以上当てはまれば、受け入れ手順を見直す時期です。

COMMENT

Human Soarからのコメント

大きなスポーツ大会は、初めて会う大勢の人と、その日のうちに一つの運営をやりきります。それができるのは、一人ひとりの頑張りより先に、任せる仕事と説明の順番が決まっているからです。スポットワークも同じで、来る人が替わっても回る受け入れ方を、御社の現場に合わせて一緒に作ります。

FAQ

よくあるご質問

Q. スポットワーカーにも安全衛生教育は必要ですか?

必要です。スポットワークも労働契約なので、雇入れ時の安全衛生教育は事業主の義務です。1日だけの勤務でも省けないため、本プログラムでは当日の説明シートに、その作業で必要な安全の説明を組み込みます。

Q. 説明に時間をかけると、作業時間が減りませんか?

最初の10分は作業時間から減りますが、全体では短くなることを目指します。作業を切り出して求人と当日をそろえておけば、説明は作業・安全・休憩・連絡先に絞れるためです。指示して受けてもらう説明の時間は労働時間にあたるので、始業時刻に含めて求人に書きます。

Q. 1つの店舗や小さな会社でも依頼できますか?

できます。最初は1拠点から始める設計です。受け入れの回数が少ない会社では、作業の切り出し表と説明シートだけを作り、振り返りは受け入れのたびに担当者が記録する形もご提案できます。

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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