これまで対面が中心だったスポーツ心理コーチングが、オンラインでも広く提供されるようになってきました。地方在住のアスリートだけでなく、企業の人事・健康経営担当者からの関心も高まっています。
この記事では、オンラインコーチングが普及した背景と提供サービスの特徴、企業が導入する際の留意点を解説します。
オンラインコーチングの普及背景
オンライン会議ツールの普及により、専門家との対話を必ずしも対面で行う必要がなくなりました。特にスポーツ心理コーチングは、継続的な対話を通じて思考の癖や行動パターンを整理していく性質のプログラムであるため、場所を選ばず定期的に実施できるオンライン形式との相性が良いとされています。
企業のメンタルヘルス対策の文脈でも、ストレスチェック制度をきっかけに、専門家によるフォローアップの重要性が改めて認識されるようになりました。オンライン化によって、地方拠点の従業員や、多忙で対面時間を確保しにくい管理職層にも支援を届けやすくなっています。
(参考)労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル – 厚生労働省
提供サービスの特徴
スポーツの現場で培われたメンタルトレーニングの手法は、目標設定の具体性やプレッシャー下での思考整理など、ビジネスの意思決定にも直接応用できる要素を多く含んでいます。オンライン化はその知見を、より多くのビジネスパーソンに届けるきっかけになっています。
オンラインのスポーツ心理コーチングは、対象や目的に応じていくつかの形態に分かれます。
個人向けの継続セッション型
定期的な1対1のセッションを通じて、目標設定やプレッシャーとの向き合い方を対話形式で整理していくスタイルです。アスリート個人だけでなく、ビジネスパーソンの目標達成支援としても応用が広がっています。
組織向けのグループワーク型
チーム単位でオンライン参加できるグループワーク形式のプログラムも増えています。移動時間がかからないため、複数拠点にまたがる組織でも同じ内容を一斉に届けやすいのが利点です。
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企業導入時の留意点
オンラインコーチングを企業として導入する際は、対面とは異なる工夫が必要です。
| 留意点 | 具体的な工夫 | 期待できる効果 |
|---|---|---|
| 通信環境の整備 | 静かに話せる個室やヘッドセットを用意する | セッションの質の担保 |
| 継続しやすい頻度設定 | 月1回など無理のない頻度から始める | 形骸化の防止 |
| 守秘性への配慮 | 人事評価とは切り離した運用であることを明示する | 本音で話せる安心感の確保 |
表1:オンラインコーチング導入時の留意点
心理的な安心感を担保する運用設計
コーチング内容が人事評価に影響するのではという不安があると、本音での対話が難しくなります。運用の独立性を明文化し、事前に対象者へ丁寧に説明することが、効果を左右する重要なポイントです。
効果を可視化する仕組みづくり
効果が見えにくいコーチングだからこそ、簡単な満足度アンケートや、本人が感じる変化を定期的に振り返る機会を設けることで、継続の意義を社内に説明しやすくなります。
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すぐ使えるアクションプラン:健康経営担当者向け3ステップ
オンラインコーチングの導入を検討している健康経営・人事担当者は、以下のステップで進めるとスムーズです。
導入前に確認しておきたいこと
オンラインコーチングは手軽に始められる一方、事前準備を怠ると継続率が下がりやすい施策でもあります。
コーチの専門性・実績の確認
オンラインで提供されるサービスが増えた分、コーチの専門性にはばらつきがあります。スポーツ現場での指導実績や心理支援の資格の有無を確認し、自社の目的に合った専門家を選ぶことが重要です。
効果が出るまでの期間を社内で共有しておく
コーチングは1〜2回のセッションですぐに変化が出るものではありません。3か月〜半年程度の継続を前提とした施策であることを、導入前に経営層や対象者と共有しておくと、途中で「効果がない」と判断されて打ち切られるリスクを防げます。
まとめ
- オンライン化により、場所や時間の制約なくスポーツ心理コーチングを受けられるようになった
- 個人向けの継続セッション型と組織向けのグループワーク型など、提供形態は多様化している
- 企業導入では通信環境の整備や継続しやすい頻度設定などの工夫が必要になる
- 人事評価との切り離しを明示し、心理的な安心感を担保することが効果を左右する
- まずは対象と目的を明確にし、小規模なパイロット導入から始めるのが現実的
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