「健康経営優良法人は取ったが、社員の顔色は変わらない」。人事担当者の間で、そんな声が増えています。結論として、健康経営コンサルの選定で最も重視すべきは「認定取得の実績」ではなく「取得後に運動習慣まで踏み込む設計があるか」です。本記事では、健康経営コンサル・法人ウェルネスを手がける企業10社を比較し、選び方のポイントを解説します。
- 健康経営コンサルとは|認定法人が2.7万社を超えた背景
- 健康経営コンサル10社を比較|認定支援型からデータ分析型まで
- 東京海上ディーアール株式会社|経営層から現場まで一貫支援
- 株式会社PHONE APPLI|認定取得より文化醸成を重視
- アポプラスキャリア株式会社|産業医・産業保健師の知見を活用
- 株式会社イーウェル|産業医科大学と共同研究する老舗
- パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社|自社のホワイト500取得経験を活用
- 株式会社カサマ|関西の中小企業に特化し落選まで保証
- 株式会社エムステージ|産業保健と健康経営をトータル提供
- 株式会社日立コンサルティング|健康経営銘柄選定を見据えたPDCA支援
- 株式会社パソナ「Wellness Cloud」|健康データとプレゼンティーズムを可視化
- ZERO GYM|ストレッチと瞑想を組み合わせた出張研修
- 健康経営コンサルを選ぶ2つの視点|認定取得だけで終わらせないために
- 導入時に注意すべきポイント|形骸化を防ぐ運用体制
- まとめ|自社に合う健康経営コンサルの選び方
健康経営コンサルとは|認定法人が2.7万社を超えた背景
健康経営コンサルとは、企業が従業員の健康管理を経営的な視点で戦略的に実践する「健康経営」を推進するために、現状分析から施策立案、認定申請までを支援するサービスです。経済産業省と日本健康会議が運営する「健康経営優良法人」制度の認定取得を目的に利用されるケースが多くを占めます。
経済産業省の発表によると、「健康経営優良法人2026」では大規模法人部門3,765法人、中小規模法人部門23,085法人が認定され、合計は約2.7万社に達しました。中小規模法人部門の中でも特に優れた上位500法人には「ブライト500」、次点の501〜1,500法人には「ネクストブライト1000」の冠が付与されます。
認定数の拡大は、健康経営が一部の大企業だけの取り組みではなく、中小企業にも広がっていることを示しています。一方で、認定を「取って終わり」にしてしまい、運動習慣やメンタルケアの定着まで踏み込めていない企業も少なくありません。
Q. 健康経営優良法人の認定を取るとどんなメリットがありますか?
求職者からの応募数増加や企業イメージの向上といった採用ブランディング効果に加え、金融機関から融資面での優遇を受けられる場合があります。一方で、認定取得だけを目的にすると施策が形骸化しやすい点に注意が必要です。
(参考)「健康経営優良法人2026」認定法人が決定しました – 経済産業省
健康経営コンサル10社を比較|認定支援型からデータ分析型まで
健康経営コンサルは「認定取得代行型」「データ分析型」「運動・ウェルネス実践型」の3つに大別できます。まずは代表的な10社の特徴を一覧で比較します。
| 企業名 | 分類 | 特徴 |
|---|---|---|
| 東京海上ディーアール株式会社 | データ分析型 | 経営層〜現場まで一貫した戦略策定 |
| 株式会社PHONE APPLI | 運動・ウェルネス実践型 | 認定取得よりも文化醸成を重視 |
| アポプラスキャリア株式会社 | 認定取得代行型 | 産業医・産業保健師の知見を活用 |
| 株式会社イーウェル | 認定取得代行型 | 産業医科大学と共同研究の老舗 |
| パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社 | データ分析型 | 自社のホワイト500取得経験を活用 |
| 株式会社カサマ | 認定取得代行型 | 関西の中小企業に特化・落選まで保証 |
| 株式会社エムステージ | データ分析型 | 産業保健と健康経営をトータル提供 |
| 株式会社日立コンサルティング | データ分析型 | 健康経営銘柄選定を見据えたPDCA支援 |
| 株式会社パソナ「Wellness Cloud」 | データ分析型 | 健康データとプレゼンティーズムを可視化 |
| ZERO GYM | 運動・ウェルネス実践型 | ストレッチと瞑想を組み合わせた出張研修 |
Human Soarが各社公式サイトの公開情報をもとに集計・分類(2026年9月時点)。
東京海上ディーアール株式会社|経営層から現場まで一貫支援
東京海上ディーアールは、経営層目線での健康経営戦略の策定から、現場担当者目線での施策実施、データを用いた効果検証までを包括的に支援するコンサルティングを提供しています。健康経営優良法人認定事務局が推奨する「健康経営コンサルティング自己宣言ガイドライン」に賛同している点も特徴です。
(参考)健康経営支援コンサルティング – 東京海上ディーアール株式会社
株式会社PHONE APPLI|認定取得より文化醸成を重視
株式会社PHONE APPLIは、健康経営優良法人認定の取得だけを目的とせず、社員の幸せや理念・行動指針に基づいた文化醸成を重視するコンサルティングを提供しています。健康経営アドバイザーの資格を持つ専任コンサルタントが、マネージャー会議や役員面談にまで参加して伴走する点が特徴です。
(参考)ウェルビーイング経営コンサルティングサービス – 株式会社PHONE APPLI
アポプラスキャリア株式会社|産業医・産業保健師の知見を活用
アポプラスキャリア株式会社は、産業医・産業保健師が実践してきた成功事例情報を多数保有し、業種・業界別に最適な提案を行う健康経営コンサルティングを展開しています。健康経営優良法人の認定を土台づくりから支援するだけでなく、既に認定を取得した企業向けに加点ポイント獲得のコンサルティングも行っています。
(参考)健康経営コンサルティングサービス – アポプラスキャリア株式会社
株式会社イーウェル|産業医科大学と共同研究する老舗
株式会社イーウェルは、産業医科大学の森晃爾教授の協力のもと2014年から「コラボヘルス研究会」を運営し、健康経営に関する知見と成功事例を蓄積してきた老舗企業です。福利厚生アウトソーシングで培った運営力を活かし、健康経営のPDCAサイクル全体を伴走支援しています。
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パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社|自社のホワイト500取得経験を活用
パーソルビジネスプロセスデザインは、前身のパーソルワークスデザイン時代に「健康経営優良法人2024(大規模法人部門)ホワイト500」を自社で取得した経験をもとにコンサルティングを提供しています。認定取得をゴールにせず、組織課題の改善や企業価値向上につなげる設計を重視している点が特徴です。
(参考)健康経営コンサルティング – パーソルビジネスプロセスデザイン株式会社
株式会社カサマ|関西の中小企業に特化し落選まで保証
株式会社カサマは、関西トップクラスの中小企業導入実績を持つ健康経営コンサルティング会社です。初期費用18万円、月額5万円という料金体系を明示し、万が一認定に落選しても追加費用なしで取得までサポートし続ける保証を打ち出している点が特徴です。
株式会社エムステージ|産業保健と健康経営をトータル提供
株式会社エムステージは、産業医・産業保健師の紹介から健康診断、ストレスチェック、復職支援までを一気通貫で提供する「健康経営トータルサポート」を展開し、2,450社超(2026年4月時点)に導入されています。「起きるを防ぐ」という発想で、問題が発生してから対応するのではなく、発生自体を抑制する仕組みづくりを重視しています。
(参考)エムステージの健康経営トータルサポート – 株式会社エムステージ
株式会社日立コンサルティング|健康経営銘柄選定を見据えたPDCA支援
株式会社日立コンサルティングは、上場企業から選ばれる「健康経営銘柄」の選定や「健康経営優良法人」の認定を見据え、現在の取り組みを評価してPDCAサイクルを確立するコンサルティングを提供しています。大手企業グループとしての知見を活かした支援体制が特徴です。
(参考)健康経営推進支援コンサルティング – 株式会社日立コンサルティング
株式会社パソナ「Wellness Cloud」|健康データとプレゼンティーズムを可視化
株式会社パソナは、デジタルヘルス企業のドクターズ株式会社と連携し、社員の健康関連データを一元管理・可視化する法人向けプラットフォーム「Wellness Cloud」を2026年3月に提供開始しました。プレゼンティーズム(出勤しているが生産性が低下している状態)による経済損失額を可視化できる点が特徴で、月額16万5,000円から利用できます。
(参考)パソナ 企業の健康経営を支援するプラットフォーム『Wellness Cloud』3月23日提供開始 – 株式会社パソナグループ
ZERO GYM|ストレッチと瞑想を組み合わせた出張研修
疲労回復専用ジムを運営するZERO GYMは、健康経営に取り組む企業向けに「法人ウェルネスセミナー」を提供しています。ストレッチや自重トレーニングで血流を改善する身体面のプログラムと、瞑想・マインドフルネスで脳の疲労を取り除くプログラムを組み合わせ、参加人数や環境に応じてカスタマイズできる点が特徴です。
(参考)オフィスでも疲労回復プログラムを!ZEROGYM法人出張研修のご案内 – ZERO GYM
Q. 健康経営コンサルの費用相場はどれくらいですか?
中小企業向けの認定取得代行型では、初期費用10万円台後半、月額数万円台の料金体系が一つの目安です。データ分析プラットフォームを併用する場合は月額十数万円規模になることもあり、支援範囲によって幅があります。
健康経営コンサルを選ぶ2つの視点|認定取得だけで終わらせないために
10社を横断して見えてきたのは、「認定取得代行型」に偏るとその後の定着で行き詰まりやすいという傾向です。ここでは選定時に確認したい2つの視点を紹介します。
視点①運動・身体活動まで踏み込む設計があるか
健康経営度調査票では、運動機会の提供や身体活動の促進が評価項目に含まれています。ZERO GYMのように運動そのものを提供する会社や、PHONE APPLIのように各種運動セミナーを研修メニューに組み込む会社は、調査票対応と実際の行動変容の両方を狙える設計になっています。
視点②データに基づく優先順位づけができているか
パソナのWellness Cloudや日立コンサルティングのように、健康診断・ストレスチェック・サーベイのデータを組み合わせて経済損失や優先課題を可視化できる会社は、限られた予算の中で施策を絞り込む際に有効です。データ分析の有無は、施策が「なんとなく」から「根拠に基づく」に変わる分岐点になります。
Q. 健康経営とウェルビーイング経営の違いは何ですか?
健康経営は従業員の心身の健康管理を経営的視点で実践する取り組みで、ウェルビーイング経営はそこに働きがいや職場への愛着、ワークライフバランスなどの要素を加えた、より広い概念とされています。
導入時に注意すべきポイント|形骸化を防ぐ運用体制
健康経営コンサルを導入しても、社内推進体制が整っていなければ施策は形骸化しやすくなります。ここでは導入前に確認すべき体制面の注意点を解説します。
社員参画型の推進体制を最初から設計する
パーソルビジネスプロセスデザインの事例では、トップダウンの施策が形骸化し社内認知度が39%にとどまっていた企業が、社員参画型の推進体制に切り替えたことでグループ内初のホワイト500取得につながりました。コンサル任せにせず、社内に推進の当事者を置くことが定着の鍵になります。
複数拠点・グループ会社を含めた対応範囲を確認する
全国に拠点を持つ企業や複数のグループ会社を抱える企業は、オンライン対応の可否や、グループ会社への展開支援まで含まれているかを契約前に確認する必要があります。対応範囲を曖昧にしたまま契約すると、本社だけの取り組みで終わってしまうリスクがあります。
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まとめ|自社に合う健康経営コンサルの選び方
健康経営コンサルは、認定取得代行型・データ分析型・運動実践型の3つに大別され、認定数が2.7万社を超えた今、認定取得そのものよりも定着・行動変容までを見据えた選定が重要になっています。
- 健康経営優良法人2026の認定数は大規模3,765法人・中小規模23,085法人で合計約2.7万社
- 健康経営コンサルは「認定取得代行型」「データ分析型」「運動・ウェルネス実践型」の3分類
- 認定取得だけを目的にすると施策が形骸化しやすく、運動習慣づくりまで踏み込む設計が重要
- データ分析型を活用すると、限られた予算での優先順位づけがしやすくなる
- 社員参画型の推進体制と、複数拠点・グループ会社への対応範囲の確認が定着の鍵
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