アイススケートリンク運営10社比較|施設担当者の選び方

アイススケートリンク運営会社10社比較のアイキャッチ スポーツビジネス

結論から言うと、アイススケートリンクの運営は「リンク運営・イベント企画」「施設管理・指定管理受託」「整氷・建設インフラ供給」という3つの層に支えられており、施設の新設や運営委託を検討する担当者は、自社が探しているのがどの層の会社かを先に見極める必要があります。

本記事では施設担当者・事業担当者に向けて、実績のある関連企業10社を比較し、業界構造と確認すべきポイントを解説します。

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  1. なぜアイススケートリンクの運営に多様な企業が関わっているのか
  2. アイスリンク業界を支える3つの層
    1. リンク運営・イベント企画|利用者との接点を担う
    2. 施設管理・指定管理受託|自治体施設の運営実務を担う
    3. 整氷・建設インフラ供給|氷上競技を支える基盤
  3. アイススケートリンク関連企業10社の特徴
    1. パティネレジャー|新設工事から運営まで一貫対応する専門企業
    2. ワック|氷不要のリンクも含めたイベント企画に強み
    3. LUTZ(Xtraice Japan)|水・電気不要の合成リンクを国内展開
    4. 加藤商会|指定管理から整氷管理まで手がける総合企業
    5. 共栄美装|全国対応のノンアイススケートリンク設営業者
    6. 三井不動産アイスパーク船橋|不動産大手グループが運営する常設リンク
    7. セントラルスポーツ(明治スポーツプラザ)|自治体施設の指定管理者として運営
    8. 西武レクリエーション|東伏見の大型アイスアリーナを運営
    9. アシックススポーツファシリティーズ|自治体施設管理に参画するスポーツ用品メーカー系企業
    10. スポーティングカナダ(SCC Tokyo)|整氷車オリンピアの日本正規代理店
  4. 施設担当者が確認すべき4つのポイント
    1. 担う役割の範囲|新設・整氷・運営のどこまで頼めるかを確認する
    2. 氷の方式|天然氷か合成リンクかで設置条件が変わる
    3. 競技利用への対応|国際大会規格の整氷経験を確認する
    4. 指定管理の実績|自治体施設での運営経験を確認する
  5. 導入・提携までの4ステップ
    1. ①目的と用途の整理|競技利用か一般開放かを最初に決める
    2. ②事業者への相談|担える範囲と氷の方式を確認する
    3. ③現地調査・設計|電力・給排水の条件を確認する
    4. ④契約・運営開始|整氷体制と緊急対応の窓口を書面で確認する
  6. まとめ

なぜアイススケートリンクの運営に多様な企業が関わっているのか

アイススケートリンクは、氷というコンディション管理が難しい素材を扱う施設であるため、運営には専門的な整氷技術と大がかりな設備投資が必要です。そのため、1社がすべてを担うのではなく、リンクの新設・整氷管理・日常運営・イベント企画といった工程ごとに専門会社が分業する構造が一般的です。

公益財団法人日本スケート連盟は全国のスケートリンク一覧を公開しており、各リンクの設置者と管理運営企業が別法人であるケースが多いことが確認できます。自治体が所有する施設を民間企業が指定管理者として運営するパターンが広く見られ、公共施設としての性格を持つ点もこの業界の特徴です。

Q. アイススケートリンクは誰が所有し、誰が運営しているのですか?

多くの場合、自治体などの施設所有者と、実際に日常運営を担う民間企業(指定管理者)が別法人です。整氷やイベント企画も専門会社に委託されることが多く、複数の企業が役割を分担して1つの施設を成り立たせています。

(参考)全国スケートリンク一覧 – 公益財団法人 日本スケート連盟

アイスリンク業界を支える3つの層

関連企業を役割で整理すると、顧客と直接接点を持つ「リンク運営・イベント企画」、自治体などから施設管理を受託する「施設管理・指定管理受託」、整氷車や建設技術を提供する「整氷・建設インフラ供給」の3つの層に分けられます。

アイスリンク業界の3層構造を示す図解

リンク運営・イベント企画|利用者との接点を担う

顧客と直接接点を持つ層です。利用者が直接触れる窓口であり、スケート教室の企画・運営やイベントの集客力が問われます。

施設管理・指定管理受託|自治体施設の運営実務を担う

自治体などから施設管理を受託する層です。指定管理者制度のもとで運営実務を担い、複数の運動施設をまとめて管理するノウハウが強みになります。

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整氷・建設インフラ供給|氷上競技を支える基盤

整氷車や建設技術を提供する層です。リンクの新設工事や整氷車の供給を担っており、この層が無ければそもそも氷上でのプレーが成立しません。

アイススケートリンク関連企業10社の特徴

ここでは公式サイトで事業内容を確認できた国内企業のうち、アイススケートリンクの運営・施設管理・整氷インフラのいずれかに関わる10社を紹介します。前述の3つの層とあわせて確認してください。ボウリング場運営10社比較|社内イベント担当者の選び方で紹介したボウリング場と同様、屋内型のスポーツ・レジャー施設は複数企業の分業で成り立っている点が共通しています。

会社名 業界内の層 主な特徴
パティネレジャー 運営・施設管理・整氷(一貫対応) 全国・海外のリンクで新設工事から運営まで一貫対応
ワック リンク運営・イベント企画 本物の氷リンクから氷不要リンクまでイベント企画
LUTZ(Xtraice Japan) 整氷・建設インフラ供給 水・電気不要の合成樹脂リンクを国内で展開
加藤商会 施設管理・整氷インフラ 指定管理・建設・整氷管理まで手がける
共栄美装 整氷・建設インフラ供給 ノンアイススケートリンクの設営を全国対応
三井不動産アイスパーク船橋 リンク運営・イベント企画 三井不動産グループが運営する常設リンク
セントラルスポーツ(明治スポーツプラザ) 施設管理・指定管理受託 大阪市の浪速アイススケート場を指定管理者として運営
西武レクリエーション リンク運営・イベント企画 東伏見ダイドードリンコアイスアリーナを運営
アシックススポーツファシリティーズ 施設管理・指定管理受託 2014年より自治体スポーツ施設の管理事業に参画
スポーティングカナダ(SCC Tokyo) 整氷・建設インフラ供給 整氷車オリンピアの日本正規代理店として販売・レンタル

各社公式サイトで確認できる事業内容をもとにHuman Soarが整理(2026年9月時点)。

パティネレジャー|新設工事から運営まで一貫対応する専門企業

パティネレジャーは、平成24年に株式会社レジャーインダストリーと株式会社パティネ商会の合併により誕生した会社で、全国各地をはじめ海外のスケートリンクにも携わっています。新規リンクの工事から国際大会の特設リンク設営・製氷管理・運営・用品メンテナンスまで、アイススケートに関する業務を幅広く手がけているのが特徴です。

(参考)株式会社パティネレジャー 公式サイト

ワック|氷不要のリンクも含めたイベント企画に強み

ワックは本物の氷のスケートリンクに加え、氷を使わないアイススケートリンクやローラースケートリンクなど、さまざまなスケートイベントを企画運営しています。屋外での仮設イベントなど、通年設置が難しい会場でもスケート体験を提供できる点が強みです。

(参考)株式会社ワック 公式サイト

LUTZ(Xtraice Japan)|水・電気不要の合成リンクを国内展開

LUTZ株式会社が展開するXtraice Japanは、水や電気を使わない合成樹脂製のスケートリンクを提供しています。氷を張るための冷却設備が不要なため、電力コストや設置場所の制約を抑えたい施設にとって、通常の天然氷リンクとは異なる選択肢になります。

(参考)Xtraice Japan(LUTZ株式会社) 公式サイト

加藤商会|指定管理から整氷管理まで手がける総合企業

加藤商会は、スケートリンクの指定管理・運営に加え、リンクの建設やイベントリンクの設営まで手がける会社です。全日本・国際レベルの競技会での整氷管理経験を持つ専門スタッフが在籍しており、競技性の高い大会利用にも対応できる体制です。

(参考)株式会社加藤商会 公式サイト

共栄美装|全国対応のノンアイススケートリンク設営業者

共栄美装は、東京・大阪・名古屋をはじめ全国対応でノンアイススケートリンクの設営を手がける会社です。イベント会場や商業施設で期間限定のスケート体験を企画したい場合、天然氷を使わない選択肢として検討できます。

(参考)共栄美装 公式サイト

三井不動産アイスパーク船橋|不動産大手グループが運営する常設リンク

三井不動産アイスパーク船橋は、三井不動産グループが運営する常設のアイススケートリンクです。運営会社の情報を公式サイトで公開しており、商業施設と一体でリンクを運営するモデルの一例になっています。

(参考)三井不動産アイスパーク船橋 公式サイト

セントラルスポーツ(明治スポーツプラザ)|自治体施設の指定管理者として運営

明治スポーツプラザはセントラルスポーツグループの企業で、大阪市立の浪速アイススケート場を含む複合スポーツ施設の指定管理者として運営を担っています。フィットネスクラブ運営で培った施設管理ノウハウを、アイスリンクを含む複合施設に応用している点が特徴です。

(参考)明治スポーツプラザ 浪速アイススケート場 公式サイト

西武レクリエーション|東伏見の大型アイスアリーナを運営

西武レクリエーション株式会社は、東京都西東京市の東伏見駅近くにある「ダイドードリンコアイスアリーナ」を運営しています。アイスホッケーの実業団チームの練習拠点にもなっており、競技団体との連携実績を持つ運営会社です。

(参考)ダイドードリンコアイスアリーナ(西武レクリエーション) 公式サイト

アシックススポーツファシリティーズ|自治体施設管理に参画するスポーツ用品メーカー系企業

アシックススポーツファシリティーズは、2014年4月から自治体のスポーツ施設等の管理事業に参画している会社で、イベント企画やスポーツ教室の開催を通じてスポーツ振興を推進しています。用品メーカーのアシックスが施設運営の領域にも事業を広げている点が特徴です。

(参考)アシックススポーツファシリティーズ株式会社 公式サイト

スポーティングカナダ(SCC Tokyo)|整氷車オリンピアの日本正規代理店

スポーティングカナダ(SCC Tokyo)は、世界中のスケート場やオリンピック会場で使われる整氷車「オリンピア」の日本正規代理店として、新車販売とレンタルを行っています。運営会社そのものではありませんが、整氷の質を左右する設備を供給する重要な役割を担っています。

(参考)スポーティングカナダ(SCC Tokyo) 公式サイト

Q. 氷を使わないスケートリンクと天然氷のリンクはどちらを選ぶべきですか?

設置場所の電力事情や利用期間によって選び方が変わります。期間限定のイベントや電力コストを抑えたい場合はLUTZのような合成リンクが、本格的な競技利用や長期運営には天然氷のリンクが向いています。

施設担当者が確認すべき4つのポイント

新設や運営委託を検討する際は、次の4つのポイントを確認しておくと、事業者選定で失敗しにくくなります。

確認項目 内容
担う役割の範囲 新設工事・整氷管理・日常運営のどこまで対応するか
氷の方式 天然氷か、水・電気不要の合成リンクか
競技利用への対応 国際大会規格の整氷管理経験があるか
指定管理の実績 自治体施設の指定管理者としての運営実績があるか

施設担当者が事業者選定前に確認したい4項目(Human Soar作成)。

担う役割の範囲|新設・整氷・運営のどこまで頼めるかを確認する

パティネレジャーや加藤商会のように新設工事から運営まで一貫対応する会社もあれば、整氷インフラの供給に特化する会社もあります。自社が求めているのがどの範囲かを整理してから相談すると、提案の精度が上がります。

氷の方式|天然氷か合成リンクかで設置条件が変わる

LUTZのような合成リンクは水・電気が不要な分、設置場所の制約が少ない一方、天然氷のリンクは本格的な滑走感を提供できます。利用目的と設置環境に応じて、氷の方式から検討することをおすすめします。

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競技利用への対応|国際大会規格の整氷経験を確認する

フィギュアスケートやアイスホッケーの大会・強化練習に使う場合は、国際大会規格での整氷管理経験がある会社かどうかを確認してください。荻原大翔が誰よりも自分の滑りを研究し続けてきた理由と平日習慣で紹介しているように、競技者は日々の練習で氷のコンディションに敏感であるため、練習拠点として使う施設ではこの点が特に重要になります。

指定管理の実績|自治体施設での運営経験を確認する

公共施設としてリンクを運営する場合、セントラルスポーツやアシックススポーツファシリティーズのように、自治体施設の指定管理者としての実績を持つ会社は、行政手続きや住民対応のノウハウを持っている点で安心材料になります。

Q. 指定管理者制度でアイスリンクを運営する場合、どんな企業が候補になりますか?

セントラルスポーツやアシックススポーツファシリティーズのように、複数の自治体スポーツ施設を管理してきた実績を持つ企業が候補になります。フィットネスクラブなど他のスポーツ施設運営で培ったノウハウを応用できる点が強みです。

導入・提携までの4ステップ

新設や運営委託を進める際は、次の4つのステップで進めると事業者との認識合わせがスムーズになります。

ステップ 内容
①目的と用途の整理 競技利用か一般開放か、常設か期間限定かを決める
②事業者への相談 担う役割の範囲と氷の方式を確認し提案を受ける
③現地調査・設計 設置場所の電力・給排水条件を確認する
④契約・運営開始 整氷体制と緊急時の対応窓口を書面で確認して運営を始める

アイスリンクの新設・運営委託を進める際の4ステップ(Human Soar作成)。

①目的と用途の整理|競技利用か一般開放かを最初に決める

本格的な競技利用を想定するのか、地域住民向けの一般開放を主目的にするのかによって、必要な整氷レベルや設備投資の規模が変わります。常設か期間限定かもあわせて決めておくと、氷の方式(天然氷か合成リンクか)の判断がしやすくなります。グラウンド整備・スポーツターフ管理10社比較|施設担当者が知るべき選び方で紹介した屋外施設と同様、用途を先に固めることが事業者選定の精度を左右します。

②事業者への相談|担える範囲と氷の方式を確認する

候補となる事業者には、新設工事から運営までどこまで対応できるか、天然氷と合成リンクのどちらを扱っているかをまとめて確認します。複数の層にまたがる会社もあれば、特定の役割に特化した会社もあるため、必要に応じて複数社と連携する前提で相談してください。

③現地調査・設計|電力・給排水の条件を確認する

天然氷のリンクは冷却設備のための電力・給排水条件が重要になります。合成リンクを検討する場合でも、設置場所の床の耐荷重などを事前に確認しておく必要があります。

④契約・運営開始|整氷体制と緊急対応の窓口を書面で確認する

契約時には、日常の整氷スケジュールや、氷の状態が悪化した際の緊急対応窓口を書面で確認しておくと、運営開始後のトラブルを防げます。指定管理の場合は、自治体との役割分担もあわせて整理しておくと安心です。

Q. アイスリンクの新設にはどのくらいの期間がかかりますか?

規模や氷の方式によって大きく異なりますが、天然氷の常設リンクの場合、現地調査・設計から着工、整氷体制の構築まで含めると数か月から1年以上を見込む必要があります。合成リンクは相対的に短期間で設置できる場合があります。

まとめ

アイススケートリンク運営に関わる企業を理解するうえで、次のポイントを押さえておくと判断を誤りにくくなります。

  • 業界は「リンク運営・イベント企画」「施設管理・指定管理受託」「整氷・建設インフラ供給」の3層構造で成り立っている
  • 1社がすべてを担うのではなく、工程ごとに専門会社が分業するのが一般的な構造
  • 事業者選定では「担う役割の範囲」「氷の方式」「競技利用への対応」「指定管理の実績」の4点を確認する
  • 導入は目的と用途の整理→事業者への相談→現地調査・設計→契約・運営開始の4ステップで進める
  • 天然氷と合成リンクにはそれぞれ向き不向きがあり、利用目的と設置環境から選ぶ必要がある

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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