富山グラウジーズのパートナーは6つの階層に分かれ、公式サイトに183社が掲載されています。最上位のトップパートナーは2社だけで、下位の階層には地域の中小企業や医院まで並びます。クラブの2024年度のスポンサー収入は3億7,801万円で、B2の平均を下回ります。階層の構成とクラブ側の数字を公式情報で整理しました。
パートナーは6階層183社

富山グラウジーズの協賛は階層制です。公式サイトのパートナー紹介ページには、トップ、ダイヤモンド、プラチナ、ゴールド、シルバー、ブロンズという6つの区分で企業名が並びます。
掲載企業は183社
2026年9月9日時点で掲載されているロゴを数えると、延べ197件から重複14件を除いて183社でした。6階層でこの社数を抱えています。
なお階層ごとの社数は、ページ下部に全パートナーをまとめて表示する領域があるため、掲載位置からの機械的な集計では正確に切り分けられません。本記事では総数と、階層が明確に分かる上位の顔ぶれのみを扱います。
トップパートナーは2社だけ
最上位のトップパートナーはアイザックとYKK APの2社です。ダイヤモンドパートナーには北陸銀行、日本空調北陸、トヨタモビリティ富山、北日本新聞社、北陸コカ・コーラボトリング、北陸建工グループ、サニーライブグループ、富山新聞、昔亭、富山ダイハツ販売、IKGホールディングス、JA全農とやま、環境技研、トナミ運輸の14社が並びます。
銀行、新聞社、運輸、自動車販売、農協と、富山県内の経済基盤を担う企業が揃っています。県外の全国企業より地元企業が中心という構成です。
プラチナにも県内の主要企業が並ぶ
プラチナパートナーは日東メディック、みずほ証券、前田建設工業、立山科学グループ、ホクタテ、北陸電力、東亜薬品、クラシエ、藤井組、ハセ川自動車、朝日印刷です。
その下の階層には北酸、岡部といった企業に加え、ドアメンテナンスや呉羽自動車学校、歯科医院といった事業者も含まれます。階層が下がるほど事業規模の小さい地域企業が増える構造です。
階層制をとるクラブでも構成は一様ではありません。FC東京は5階層で89社ですから、富山グラウジーズは階層が1つ多く、社数は倍以上ということになります。
Q. 富山グラウジーズのスポンサーは何社ですか?
公式サイトのパートナー紹介ページに掲載されているロゴを数えると183社です(2026年9月9日時点)。延べ197件から重複14件を除いた数で、トップ、ダイヤモンド、プラチナ、ゴールド、シルバー、ブロンズの6階層に分かれています。
(参考)2026-27シーズン パートナー紹介 – 富山グラウジーズ
クラブの決算から見た協賛の重み

相手の収益構造を知っておくと、協賛の位置づけが変わります。B.LEAGUEは全クラブの決算概要を公表しています。
スポンサー収入は3億7,801万円
2024-25シーズン(2024年度)の営業収入は8億8,636万円でした。内訳はスポンサー収入3億7,801万円、入場料収入1億4,915万円、物販収入8,331万円、ユース・スクール関連収入4,101万円、配分金3,638万円、その他1億9,851万円です。
営業費用は8億8,153万円で、営業利益は483万円でした。わずかながら黒字を確保しています。
協賛への依存度はB2平均より低い
同じシーズンのB2の14クラブと比べると、営業収入は8番目、スポンサー収入は9番目、入場料収入は5番目です。B2平均はそれぞれ8億9,925万円、5億1,814万円、1億3,224万円でした。
営業収入に占めるスポンサー収入の割合は42.6%で、B2平均の57.6%を大きく下回ります。183社という社数に対して、協賛収入の金額はリーグ平均以下です。1社あたりの金額が小さい構造であることを示しています。
前年との比較はできない
ここは注意が必要です。富山グラウジーズは2023年度の決算ではB1クラブとして開示されており、2024年度はB2クラブとして開示されています。カテゴリーが変わると配分金や試合の前提が変わるため、単純な前年比較は適切ではありません。
本記事では2024年度の実数と、同じB2内での位置づけのみを扱います。クラブ経営の数字の読み方はJリーグとBリーグの決算を並べた資料で扱っています。
Q. 富山グラウジーズの経営状況はどうですか?
2024年度の営業収入は8億8,636万円、営業利益は483万円の黒字でした。スポンサー収入は3億7,801万円で、営業収入に占める割合は42.6%です。B2の14クラブ中、営業収入は8番目、スポンサー収入は9番目にあたります。
(参考)B.LEAGUE 2024-25シーズン(2024年度)クラブ決算概要 – B.LEAGUE
費用の配分に特徴がある
収入だけでなく、何にお金が出ているかも公開されています。ここに富山グラウジーズの方針が表れています。
| 費目 | 富山グラウジーズ | B2平均 |
|---|---|---|
| トップチーム人件費 | 3億5,764万円 | 3億2,775万円 |
| トップチーム運営経費 | 7,635万円 | 6,436万円 |
| グッズ販売原価 | 5,539万円 | 3,563万円 |
| 試合関連経費 | 1億2,604万円 | 1億6,670万円 |
| 販売費および一般管理費 | 2億1,816万円 | 2億7,073万円 |
出典:B.LEAGUE「2024-25シーズン(2024年度)クラブ決算概要」(2026年9月21日時点)
スポンサー収入がB2平均を下回るクラブでありながら、トップチーム人件費はB2平均を上回っています。一方で試合関連経費と販管費は平均より低く抑えられています。
つまり運営コストを絞って選手に配分する構造です。グッズ販売原価がB2平均の1.6倍あるのは、物販収入8,331万円を生む前提の仕入れであり、ここも収益源として機能しています。
Q. クラブは何にお金を使っていますか?
2024年度のトップチーム人件費は3億5,764万円で、B2平均の3億2,775万円を上回ります。一方で試合関連経費1億2,604万円と販売費および一般管理費2億1,816万円はいずれもB2平均を下回り、運営費を抑えて選手に配分する構造です。
(参考)B.LEAGUEとは|経営情報 – B.LEAGUE
B2というリーグの規模を押さえておく
1クラブの数字だけでなく、リーグ全体の水準も見ておくと判断しやすくなります。
2024-25シーズンのB2は14クラブで、営業収入の合計は125億8,944万円、1クラブあたりの平均は8億9,925万円でした。スポンサー収入の合計は72億5,393万円で平均5億1,814万円、入場料収入の合計は18億5,135万円で平均1億3,224万円です。
B2全体ではスポンサー収入が営業収入の57.6%を占めており、入場料収入の約4倍の規模があります。B2クラブの収入は協賛に大きく依存しているということです。
その中で富山グラウジーズは協賛依存度が42.6%と低く、入場料がB2で5番目に多いという点で、やや異なる収支の形をしています。
Q. B2のクラブはどのくらいの規模ですか?
2024-25シーズンのB2は14クラブで、営業収入の合計は125億8,944万円、1クラブあたり平均8億9,925万円でした。スポンサー収入の合計は72億5,393万円で、リーグ全体では営業収入の57.6%を協賛が占めています。
社数が多く金額が小さい構造をどう読むか
183社でスポンサー収入3億7,801万円という組み合わせは、協賛を検討する企業にとって具体的な意味を持ちます。
単純に割ると1社あたり約207万円ですが、トップパートナー2社とダイヤモンドパートナー14社が大きな割合を占めていると考えれば、下位階層の実際の金額はこれよりかなり低いと見るのが自然です。裾野の広い階層があるということは、小さな金額から参加できる枠が用意されているということです。
また協賛への依存度が42.6%とB2平均を下回る点は、クラブが入場料や物販など他の収入でも支えられていることを意味します。入場料収入がB2で5番目と上位にあるのは、会場に足を運ぶ人が相対的に多いということで、会場での露出を考える企業には有利な材料です。
なお公式サイトのパートナークラブ募集ページは、本記事の執筆時点では準備中の表示になっています。申し込みを検討する場合はクラブへ直接問い合わせることになります。
従業員の運動機会づくりに取り組む企業を国が認定するスポーツエールカンパニーという制度もあり、社内向けの取り組みとして並行して検討できます。
他のクラブと並べると、1社あたりの水準の幅がわかります。
| クラブ | リーグ | スポンサー収入 | 掲載社数 | 1社あたり(単純平均) |
|---|---|---|---|---|
| FC東京 | J1 | 32億2,300万円 | 89社 | 約3,621万円 |
| 清水エスパルス | J1 | 26億7,200万円 | 303社 | 約882万円 |
| ヴァンフォーレ甲府 | J2 | 8億3,200万円 | 301社 | 約276万円 |
| 富山グラウジーズ | B2 | 3億7,801万円 | 183社 | 約207万円 |
出典:Jリーグ「2025年度 クラブ経営情報開示資料」、B.LEAGUE「2024-25シーズン(2024年度)クラブ決算概要」と各クラブ公式サイトの掲載社数から算出。富山のみ集計期が異なる
最も高いFC東京と最も低い富山グラウジーズでは17.5倍の開きがあります。クラブごとの収入規模そのものは、Jリーグ53クラブのスポンサー収入ランキングで比べられます。
Q. 少額から協賛できますか?
公式サイトに金額表は掲載されていませんが、下位の階層には地域の中小企業や医院、自動車学校まで含まれており、裾野の広い枠が用意されています。具体的な金額はクラブへの問い合わせが必要です。
県と9項目の包括連携協定を結んでいる
富山グラウジーズは、令和5年10月3日に富山県と包括連携協定を締結しています。県が公開している協定概要によれば、連携事項は9項目にわたります。
①スポーツ振興、②子どもの健全育成、③結婚・子育て支援、④地域の安全・安心、⑤観光振興と移住促進、⑥健康増進、⑦障がい者への支援、⑧SDGsの普及促進、⑨新事業展開・官民交流です。スポーツ振興だけでなく、結婚支援や移住促進まで入っているのが特徴です。
この協定を所管しているのは県の経営管理部財産管理室民間活力導入・財産活用課で、サイボウズや関西電力、マイナビといった民間企業との連携協定と同じ枠組みで扱われています。県から見れば、グラウジーズは連携相手の企業の一社という位置づけです。
県はこれとは別に、プロスポーツチームの地域貢献活動を支援する事業も行っています。対象はカターレ富山、富山グラウジーズ、富山GRNサンダーバーズの3チームです。グラウジーズの取組みとして挙げられているのは、ホームゲームでの富山県民デーの開催、ダンスチームG.O.Wのメンバーによる県内保育園等の訪問ダンス教室、ホームゲーム会場での防災の啓発・普及イベントです。
クラブから県への働きかけもあります。2026年5月には富山県岩瀬スポーツ公園へバスケットボールゴール1基とボール10球を寄贈し、県から感謝状が贈られました。
協賛を検討する企業にとって、この構図には実務的な意味があります。協賛はスタジアムでの看板掲出にとどまらず、県の施策と接続した活動に自社を乗せられる可能性があるということです。健康増進や子育て支援、SDGsといったテーマで社内の取り組みを持っている企業であれば、協定の9項目のどれと重なるかを起点に話を組み立てられます。
Q. 富山グラウジーズは富山県とどんな関係にありますか?
令和5年10月3日に富山県と包括連携協定を締結しており、スポーツ振興・子どもの健全育成・結婚・子育て支援・地域の安全安心・観光振興と移住促進・健康増進・障がい者支援・SDGs・新事業展開の9項目で連携しています。県はこの協定を民間企業との連携協定と同じ枠組みで扱っています。
(参考)株式会社富山グラウジーズ(令和5年10月3日締結) – 富山県
(参考)プロスポーツチームによる地域貢献活動への支援 – 富山県
(参考)株式会社富山グラウジーズからの寄附に対する感謝状の贈呈について – 富山県
まとめ
- パートナーは183社・6階層:延べ197件から重複14件を除いた実数
- トップパートナーは2社:アイザックとYKK AP
- 上位は県内の主要企業:北陸銀行、北陸電力、トナミ運輸、JA全農とやまなど
- スポンサー収入は3億7,801万円:B2の14クラブ中9番目で、平均5億1,814万円を下回る
- 協賛依存度は42.6%:B2平均57.6%より低く、入場料収入はB2で5番目
- 前年比較はできない:2023年度はB1、2024年度はB2として開示されているため
スポーツビジネス全体の見取り図はスポーツビジネスの基礎にまとめています。
ご質問・ご相談はお気軽にどうぞ
お問い合わせはこちら →


コメント