新入社員の研修期間|相場・給料・有給とスポーツ研修の入れ方

新入社員の研修期間の相場と給料・有給の扱い、スポーツ研修の入れ方の解説 スポーツ研修

新入社員研修の期間に、全国の平均を示す公的な統計は確認できません。公式に公表している企業の例では、集合研修は約10日から約1.5か月で、その後に職場での実習やOJTが続きます。

研修期間中も、会社の指示で受ける研修は労働時間なので賃金が発生し、有給休暇は入社6か月後に10日付与されるのが基本です。この記事では、期間の相場、給料と有給の扱い、1週間・1か月・3か月の設計例、スポーツ研修の入れ方を、人事・研修担当者の目線でまとめます。

新入社員研修の期間に公的な平均統計はない|公表データで読む相場

新入社員研修の期間を知るには、企業が自社の採用サイトで公表している数字を見るのが確実です。ここでは、公式サイトで期間を確認できた4社・5区分を整理しました。集合研修の期間は、約10日から約1.5か月に収まっています。

企業・区分 集合・共通研修の期間 その後の研修 日数換算(目安)
NTTデータ およそ1.5か月間(ビジネス研修とテクニカル研修) 記載なし 約45日
KDDI 約1か月(共通研修) 技術部門研修が約2か月(2022年の実施例) 約30日
ソフトバンク 約3週間 エンジニアコースは最大約4週間の技術研修 約21日
JR東日本(総合職) 約3週間 各職場での実習が約6か月 約21日
JR東日本(ジョブ型) 約10日間 OJT 約10日

出典:各社の新卒採用サイトの公表内容をもとに、Human Soarが整理しました。日数換算は、約1か月を30日として換算した目安です。公表の時点や年度は各社で異なります。

5区分の集合研修を日数に換算して並べると、10日、21日、21日、30日、45日で、中央値は約21日(3週間)です。ただし、これは公表している大手企業の例にすぎず、業界や規模を代表する数字ではありません。

「平均」の意味にも注意が必要です。集合研修だけを数えるのか、配属後の実習やOJTまで含めるのかで、期間は数週間にも数か月にもなります。民間の調査では、入社1〜3年目の若手社会人300人の回答で、研修期間の平均は2.9か月でした。3か月以内と答えた割合は一般職種で75.7%、技術系で77.8%、1か月以内は一般職種59.0%、技術系48.6%です。ただし、2017年の調査で規模も小さいため、現在の相場の目安としては参考程度にとどめてください。

(参考)NTT DATAの新入社員研修 – NTTデータ

(参考)新入社員が2か月間の研修をレポート!【技術部門編】 – KDDI

(参考)キャリア開発・能力開発 – ソフトバンク

(参考)人材育成 – JR東日本

(参考)新入社員の研修期間の平均日数は? – マイナビニュース

Q. 新入社員研修の期間は平均どれくらいですか

全国の平均を示す公的な統計は確認できません。公式に公表している企業の例では、集合研修は約10日から約1.5か月で、その後に職場実習やOJTが続きます。民間の調査(2017年・若手社会人300人)では、平均は2.9か月でした。

研修期間中の給料は労働時間に当たれば通常どおり支払う

研修期間中の給料は、その研修が労働時間に当たるかどうかで決まります。厚生労働省は、労働時間を「使用者の指揮命令下に置かれている時間」と整理しており、会社が日時と場所を決めて受けさせる新入社員研修は、通常は労働時間に当たります。

研修の場面 労働時間か 賃金の扱い
入社後の集合研修(会社が参加者・日時・場所を決める) 該当する 通常の賃金を支払う
所定の勤務時間外や休日に行う必修の研修 該当する 時間外・休日の割増賃金の対象になりうる
業務上義務づけず、受けなくても不利益がない勉強会 該当しない 賃金は発生しない
形式は自由参加でも、事実上参加が求められる研修 該当する 通常の賃金を支払う

出典:厚生労働省「『研修・教育訓練』に関する労働時間の考え方」をもとに、Human Soarが新入社員研修の場面に当てはめて整理しました。個別の判断は、社会保険労務士や労働局に確認してください。

とくに見落としやすいのが、形式上は自由参加の研修です。厚生労働省の資料では、参加者・日時・場所を使用者が決めてレポートを提出させる場合や、遅刻・欠席を指導する場合は、自由参加としていても労働時間に該当する例として挙げられています。新入社員向けのeラーニングや課題を、業務時間外にこなす前提で設計していないかを確認してください。

研修だからといって、賃金を下げられるわけではありません。最低賃金の減額特例は「試の使用期間中の者」を対象にした許可制で、期間は最長6か月、減額できる率は20%が上限です。また、本採用の労働者の賃金が最低賃金と同程度であることなどの条件があり、研修期間であることを理由に自動で認められる制度ではありません。

(参考)「研修・教育訓練」に関する労働時間の考え方 – 厚生労働省

(参考)最低賃金の減額の特例許可申請について – 福岡労働局(厚生労働省)

研修期間中の有給休暇は入社6か月後の10日が基本

法定の年次有給休暇は、雇入れの日から6か月継続して勤務し、その期間の全労働日の8割以上出勤した労働者に、10労働日が付与されます。入社直後の研修期間は、この要件を満たす前の期間なので、制度上は有給がまだ付与されていないのが基本です。

週の所定労働日数が少ない場合は、勤続6か月時点の付与日数が変わります。週4日なら7日、週3日なら5日、週2日なら3日、週1日なら1日です。また、10日以上の年休が付与される労働者には、付与日から1年以内に5日を取得させる義務が使用者にあります。

実務では、入社時に一部の日数を前倒しで付与する会社もあります。法定を上回る運用は会社の判断で設計できるので、研修期間中の休みの扱いは、就業規則や入社時の説明資料に明記しておくと、新入社員の不安を減らせます。

(参考)年次有給休暇はどのような場合に、何日与えなければならないのでしょうか – 厚生労働省

Q. 新入社員の研修期間中に有給休暇は取れますか

法定の年次有給休暇は、入社から6か月継続して勤務し、全労働日の8割以上出勤した時点で10日が付与されるのが基本です。入社直後の研修期間は、この日数にまだ達していない場合があります。入社時に前倒しで付与する会社もあるため、就業規則を確認してください。

期間別の研修設計例|1週間・1か月・3か月に何を入れるか

新入社員研修の期間別設計例(約10日から1週間、約1か月、約3か月)を示した段階図

期間は、研修で目指す到達点から逆算して決めます。ここでは、公表企業の期間帯にならって、約10日から1週間、約1か月、約3か月の3つの設計例を示します。いずれもHuman Soarの設計案であり、どれが正解というものではありません。

約10日から1週間|導入に絞って配属後のOJTに任せる

短期型は、社内ルール、ビジネスマナー、配属先の業務の概要に内容を絞ります。JR東日本のジョブ型のように、集合研修を約10日で終え、その後はOJTで業務を覚える設計が参考になります。配属先の受け入れ体制が整っている企業向けの形です。

約1か月|基礎固めと同期の関係づくりを両立する

中期型は、基礎的な業務知識に加えて、同期同士の関係づくりに時間を割きます。KDDIの共通研修やソフトバンクの集合研修が、この期間帯にあたります。座学ばかりだと集中力が続かないため、午後にグループワークや体を動かすプログラムを入れる設計が考えられます。

約3か月|職場実習と振り返りまで一続きで設計する

長期型は、集合研修に職場での実習を組み合わせ、振り返りの場まで用意します。NTTデータの約1.5か月の研修や、KDDIの技術部門の約2か月の研修のように、専門知識が必要な職種ほど長くなる傾向があります。期間が長いぶん中だるみしやすいので、節目ごとに成果を確認する機会を入れてください。

スポーツを使った研修をどこかで入れたい場合は、同期の関係づくりを目的にした半日のプログラムが入れやすい形です。具体的な進め方はスポーツ体験で新入社員研修を変える|主体性・協働力の早期育成で詳しく紹介しています。

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自社の研修期間を決める判断軸|配属後の業務から逆算する

自社の研修期間は、配属後に必要になる知識の量を出発点に、受け入れ側の事情と同期の関係づくりを足して決めます。次の表の4つの観点を、上から順に確認してください。

判断軸 確認すること 期間への影響
配属後に必要な知識量 配属後すぐに使う知識・資格・ツールは何か 必要量が多いほど、集合研修を長めに取る
受け入れ部署の事情 繁忙期、OJT担当者の人数、受け入れ開始の希望時期 受け入れ体制が弱いほど、集合研修で補う
同期の関係づくり 同期の人数、配属先の分散度合い 配属先が分散するほど、研修中に交流の場を取る
労務・費用 研修期間中の人件費、時間外の発生有無 期間が長いほど人件費が増える。時間外に出ない設計にする

出典:Human Soarによる整理です。表の内容は設計上の考え方であり、調査データではありません。

期間を決めたあとは、効果を確かめる指標も同時に決めておきます。研修の費用対効果の考え方はスポーツ研修の効果測定とROIの算出方法、人材への投資という視点は人的資本投資とは?スポーツを活かした事例と効果を出す戦略で詳しく解説しています。

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Q. 新入社員研修の期間は何を基準に決めればよいですか

配属後に必要になる知識の量を基準にします。必要な知識の量が多い職種ほど期間を長めに取り、少ない職種は短くして、残りを職場でのOJTに回します。あわせて、受け入れ部署の繁忙期と、同期の関係づくりに必要な時間も考慮してください。

まとめ|新入社員研修の期間は配属後の業務と労務のルールから決める

ここまでの内容を、5つのポイントに絞って振り返ります。

  • 新入社員研修の期間に、全国の平均を示す公的な統計は確認できません。公表企業5区分の集合研修は約10日から約1.5か月で、中央値は約3週間です。
  • 研修期間中の給料は、会社が日時と場所を決める研修であれば、労働時間として通常の賃金を支払います。形式上の自由参加でも、事実上の強制なら労働時間です。
  • 最低賃金の減額特例は、試の使用期間中の者に限った許可制で、研修期間であることを理由に自動で認められるものではありません。
  • 有給休暇は入社6か月後に10日が付与されるのが基本で、入社時に前倒しで付与する会社もあります。
  • 期間は、配属後に必要な知識量、受け入れ部署の事情、同期の関係づくり、労務・費用の4つの観点から逆算して決めます。

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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