社内運動会でチームビルディング|人事担当者向け企画のコツ

社内運動会でチームビルディングに取り組む従業員たち スポーツ研修

社内運動会は「懐かしいイベント」ではなく、離職防止と部門間連携を同時に狙える施策として再評価されています。本記事では人事担当者向けに、効果の裏付けとなるデータ、予算・人数別の企画パターン、5ステップの進め方を解説します。

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社内運動会がチームビルディングに効く理由|心理的効果

社内運動会がチームビルディングに寄与するのは、業務上の上下関係が一時的にフラットになり、部署をまたいだ「共通の成功体験」を短時間で共有できるためです。会議室での対話と異なり、体を動かしながらの協力は、言葉にしにくい相互理解や心理的安全性の醸成につながりやすいという特徴があります。

特に、日常業務では接点の少ない部署間の従業員が同じチームで動く場面を意図的に作ることで、社内運動会の後に業務連携がスムーズになったという声が現場からよく聞かれます。単なる福利厚生イベントではなく、組織開発の一施策として設計することが重要です。

Q. 社内運動会はどんな企業に向いていますか?

部署間の連携不足やリモートワークによる関係の希薄化を課題に感じている企業に向いています。対面で共通の成功体験を作れる点が、オンライン施策との違いです。

社内運動会の実施率と効果|データで見る実態

社内運動会・社内イベントの実施状況と効果は、複数の民間調査で数値として確認できます。感覚的な「効果がありそう」ではなく、実際にどの程度の企業が実施し、参加者がどう評価しているかを押さえておくと、社内稟議での説得材料になります。

指標 数値
社内イベントを実施している企業の割合 約8割
企業運動会に「参加してよかった」と回答した割合 83.8%

表:社内イベント・企業運動会の実施状況と参加後の評価(民間調査)

実施率8割の内実|運動会単体の実施率とは異なる点に注意

「社内イベント実施率8割」は運動会に限らず懇親会・研修旅行なども含む数値です。運動会という体を動かす形式に絞り込むと実施企業はさらに限られるため、他社と横並びの施策ではなく、差別化できる採用ブランディング材料としても使える余地があります。

参加後評価83.8%の内訳|チームワークとモチベーションの両方に効果

「参加してよかった」と答えた83.8%の内訳には、チームワークの向上だけでなく、仕事のモチベーション向上や会議の生産性向上といった、業務に直結する副次効果も含まれています。単発のレクリエーションではなく、業務効率にも波及する投資として説明できるデータです。

(参考)1,200名の従業員に聞いた!社内イベントの傾向と実態 – 株式会社エイチ・アイ・エス

(参考)社内運動会の目的とは?開催する方法や事例、成功のポイント – 株式会社グローバルプロデュース

予算規模・人数規模で選ぶ社内運動会の企画パターン

社内運動会の失敗の多くは、自社の予算・人数規模に合わない企画を選んでしまうことに起因します。ここでは「予算(大/小)」と「参加人数(多/少)」の2軸で4パターンに整理し、それぞれに適した企画の方向性を示します。

予算規模と人数規模で見る社内運動会の4つの企画パターンの図解

大規模フェス型|予算大×人数多の企業に向く企画

全社員が対象で予算も確保できる場合は、外部の運動会運営代行サービスや貸し切り会場を活用し、当日の運営負担を人事部門から切り離す設計が有効です。種目もチーム対抗の大人数競技を中心に据え、部署をシャッフルしたチーム編成にすることで、部署横断の交流という本来の目的を最大化できます。

少数精鋭型|予算大×人数少の企業に向く企画

拠点が少なく人数が限られる企業では、1人あたりの予算を厚くし、質の高い会場・ケータリングを用意した密度の高い企画が向いています。人数が少ない分、全員参加型の種目を組みやすく、経営層も含めた全員参加を実現しやすい規模です。

近隣公園型|予算小×人数多の企業に向く企画

予算が限られていても人数が多い場合は、自治体の公共運動施設を借りるなど会場費を抑えつつ、進行は社内の有志運営委員会に任せる形が現実的です。種目は準備物が少ないリレーや玉入れなど、運営負担の軽い定番種目を中心に組みます。

オフィス内完結型|予算小×人数少の企業に向く企画

拠点も予算も限られるスタートアップ等では、オフィスの会議室やフリースペースで完結する簡易種目(椅子取りゲームの体力測定版など)を昼休みや終業後に実施する形が現実的です。規模は小さくても、定期開催によって心理的効果を積み重ねることができます。

企画から運営までの5ステップ|社内運動会の進め方

企画パターンを決めたら、実際の準備を5つのステップで進めます。抜け漏れが起きやすいのは「怪我対応」と「不参加者への配慮」の2点であるため、ステップの中に明示的に組み込んでいます。

社内運動会の企画から運営までの5ステップの図解

①目的の言語化|何のための運動会かを人事内で合意する

離職防止なのか、部署間連携なのか、新入社員の早期定着なのかによって、種目もチーム編成も変わります。目的を最初に文書化しておくことで、当日の判断がぶれず、実施後の効果測定の基準にもなります。

②チーム編成の設計|部署をまたいだグルーピングを行う

同じ部署だけでチームを組むと、既存の人間関係の延長線上で終わってしまい、部署横断の交流という目的を果たせません。あえて異なる部署・年次のメンバーを混在させたチーム編成にすることが、社内運動会ならではの価値を引き出します。

③種目の選定|運動負荷に差をつけた複数種目を用意する

運動が得意でない従業員への配慮として、体力を要する種目だけでなく、頭脳系・チームワーク重視の種目もあわせて用意します。種目を選べる仕組みにすることで、運動会への苦手意識から参加自体を避ける従業員を減らせます。

④安全対策の準備|救護体制と保険加入を確認する

屋外での実施は熱中症や怪我のリスクを伴います。当日の救護担当者の配置、休憩・給水ポイントの設置、傷害保険の加入状況を事前に確認し、緊急時の連絡フローを運営メンバー全員に共有しておく必要があります。

⑤振り返りの実施|当日の効果をアンケートで数値化する

実施して終わりにせず、参加者へのアンケートで「チームワークが向上したと感じるか」「業務連携に変化があったか」を数値化して記録します。この振り返りデータが、次回開催の予算確保や経営層への説明材料になります。

Q. 社内運動会の企画で最も見落とされやすいステップはどれですか?

安全対策の準備と実施後の振り返りです。楽しさを優先して救護体制の確認が後回しになったり、実施後の効果測定をせずに終わらせてしまうケースが多く見られます。

社内運動会の効果を最大化する運営時の注意点

ステップ通りに準備しても、当日の運営次第で参加率や満足度は大きく変わります。ここでは企画段階では見落とされがちな、運営当日の具体的な注意点を扱います。

不参加希望者への対応|強制参加にしない仕組みづくり

運動が苦手、あるいは体調面の理由で参加を望まない従業員に対して、運営サポート役や記録係といった「参加しつつ体を激しく動かさない役割」を用意しておくことが有効です。全員参加を強制するのではなく、関わり方を選べる設計が心理的安全性を保ちます。

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写真・SNS投稿のルール整備|プライバシーへの配慮

社内運動会の様子を社外広報や採用サイトに活用したい場合は、事前に従業員へ写真・動画の使用範囲を説明し、同意を得ておく必要があります。同意なく写真を社外発信すると、参加者の心理的安全性を損ない、翌年以降の参加率低下につながります。

あわせて読みたい社内部活動制度の導入方法|従業員エンゲージメントと採用に効く

体育会系人材を積極採用する企業では、アスリート採用の観点から運動会を採用ブランディングに活用する例も見られます。

Q. 社内運動会の様子を採用サイトに使ってもよいですか?

従業員から事前に写真・動画の使用範囲について同意を得ていれば可能です。同意のない社外発信は心理的安全性を損ない、翌年の参加率低下につながるため注意が必要です。

まとめ|社内運動会をチームビルディング施策として設計する

  • 社内運動会は部署間の心理的安全性を高める組織開発施策として設計できる
  • 参加者の83.8%が「参加してよかった」と回答しており、業務面の副次効果も報告されている
  • 予算規模×人数規模の2軸で自社に合う企画パターンを選ぶことが失敗を防ぐ
  • 企画は目的の言語化から振り返りまでの5ステップで設計し、安全対策と効果測定を省略しない
  • 不参加希望者への配慮とSNS投稿ルールの整備が、翌年以降の参加率を左右する

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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