「あの外国人スタッフ、面談では不満はないと言っていたのに、半年で辞めてしまった」。そんな場面に心当たりはないでしょうか。指示は伝えたつもりで、評価の基準も説明したつもりなのに、本人には「何をどこまでやれば認められるのか」が最後まで見えていなかった、ということは珍しくありません。
定着の分かれ目になりやすいのは、日本語力や賃金だけではなく、職場の暗黙のルールが言葉になっているかどうかです。多国籍の選手が短期間で一つのチームになるスポーツの現場には、その言語化の型があります。この記事では、その運営の考え方を企業に移し、外国人材の定着を高めるプランを提案します。
採用の入り口は広がり続けています。厚生労働省の届出状況によると、2025年(令和7年)10月末時点の外国人労働者数は2,571,037人で、前年から268,450人(11.7%)増え、届出が義務化された2007年以降の最多を更新しました。外国人を雇用する事業所も371,215所(前年比8.5%増)に達しています。入ってきた人が続けられる職場かどうかは、採用とは別の設計の問題です。
(参考)「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和7年10月末時点) – 厚生労働省
- プランの概要|多国籍チームの運営に学び暗黙のルールを言葉にして外国人材の定着を高める
- 課題解決の流れ|増え続ける外国人材と言葉になっていない職場のルールのずれを埋める
- 多国籍チーム式の共通ルールが定着を支える3つの理由|言葉・役割・合意を先に決めておく
- プランの具体的な内容|言語・役割・合意の3層で職場の共通ルールを設計する
- 導入ロードマップ|0〜3ヶ月で1職場に絞って試し12か月で全職場の標準運用にする
- 効果・KPI・リスク|ルールが使われているかを先行指標で確かめる
- 料金モデルという選択肢|設計費は固定で運用費は在籍率に連動するハイブリッド型
- 対象となる組織・読者|外国人材の定着で次の一手に迷っている3つの組織像
- 期待できる効果|立ち上がりの短縮・現場責任者の負担減・採用での信頼の3つに現れる
- まとめ|暗黙のルールを言葉にして外国人材が続けられる職場をつくる
プランの概要|多国籍チームの運営に学び暗黙のルールを言葉にして外国人材の定着を高める
本プランは、スポーツの多国籍チームが当たり前に行っている「共通ルールの設計」を、企業の職場に移植するものです。言葉の使い方、役割と判断の範囲、衝突したときの決め方の3層を、当事者と一緒に文章にして運用します。
- 対象:外国人材を複数名受け入れている、または今後増やす予定の中小・中堅企業の現場責任者・人事・経営者
- 課題:採用はできても、入社後半年から1年のあいだに外国人材が職場に馴染めず離職してしまう
- 導入期間:12か月(1職場で試して、全職場の標準運用にするまでの目安)
日本語教育や生活支援を否定するものではありません。それらが効く土台として、「この職場では何がどう決まるのか」を誰にでも読める形にするのが、本プランの役割です。
課題解決の流れ|増え続ける外国人材と言葉になっていない職場のルールのずれを埋める
外国人材の受け入れは「人数を増やす段階」から「一緒に働いて成果を出す段階」へ移りつつあります。まず国の届出データで、いまの受け入れの姿を確認します。
| 在留資格の区分 | 労働者数 | 構成比 | 前年からの増加 |
|---|---|---|---|
| 専門的・技術的分野 | 865,588人 | 33.7% | +146,776人(+20.4%) |
| 身分に基づく在留資格 | 645,590人 | 25.1% | +16,473人(+2.6%) |
| 技能実習 | 499,394人 | 19.4% | +28,669人(+6.1%) |
出典:厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)。3区分のみ抜粋。構成比・増加数は同資料の公表値。
この表を筆者の計算で組み替えると、2つのことが見えてきます。1つ目は、専門的・技術的分野の増加数146,776人が、全体の増加数268,450人の約55%を占めていること。2つ目は、1事業所あたりの外国人労働者数が約6.7人(2024年10月末)から約6.9人(2025年10月末)へ増えていることです。担当する仕事が専門的になり、同じ職場に複数の外国人材が働く。つまり「教えれば足りる」状態から「一緒に判断する」状態へ、職場の前提が変わっています。
現状の課題|採用は進むのに入社後の半年で「何が正解か分からない」状態が生まれる
- 【基準が見えない】「見て覚える」「空気を読む」を前提にした指示は、背景の異なる人には伝わりにくく、本人も聞き返しにくい
- 【転籍の自由度が上がる】2027年4月1日に始まる育成就労制度では、分野ごとに1〜2年の転籍制限期間を経たのち、一定の技能と日本語能力などを条件に、本人の意向による転籍が可能になる
- 【現場責任者の負担】外国人材が増えるほど、一人の責任者が口頭で個別に補う運用が限界を迎える
問題の要因|ルールが個人の頭の中にあり本人に確認できる形で残っていない
- 【言葉の意味がずれる】「なるべく早く」「ちゃんと」「適当に」など、日本人同士でも解釈が割れる言葉が指示の中心になっている
- 【判断の範囲が不明】どこまで自分で決めてよく、どこから相談すべきかが決まっておらず、動けなくなるか、勝手に動いて叱られるかの二択になる
- 【衝突の決め方がない】意見がぶつかったとき、誰がどう決めるかが決まっておらず、声の大きい人の判断になる
解決策|言語・役割・合意の3層で職場の共通ルールを当事者と一緒に文章にする
- 【言語層】指示に使う言葉の意味と、聞き返すときの型をそろえる
- 【役割層】担当・判断できる範囲・評価の見方を、1枚の表で見えるようにする
- 【合意層】例外が起きたとき、衝突したときの決め方を先に合意しておく
この3層を、外国人材と日本人社員が一緒に作り、半年ごとに見直す。これが本プランの骨格です。
Q. 外国人材が定着しない原因は何ですか
原因は一つに絞れず、賃金や労働条件、キャリアの見通し、職場でのコミュニケーション、生活面の支援不足などが重なって起きます。本プランが扱うのはそのうち、職場のルールが言葉になっていないことで生まれる「何が正解か分からない」状態で、賃金などの条件面の見直しと並行して進めるものです。
多国籍チーム式の共通ルールが定着を支える3つの理由|言葉・役割・合意を先に決めておく
スポーツでは、国籍や言語の違う選手が、試合という期限のなかで一つのチームになる必要があります。そのために「何を共通にして、何を個人に任せるか」が、先に決められています。ここでは、その仕組みが定着に効く理由を3つに分けて説明します。
理由1|ルールが言葉になると「聞かなくても分かる」場面が増える
共通ルールの最大の効果は、質問のハードルを下げることです。ルールが文章になっていれば、新しく入った人は「聞いていいのか」を迷う前に、まず読んで確認できます。聞くとしても「このルールのここが分からない」と具体的に聞けるため、上司の側も答えやすくなります。
これは外国人材だけの話ではありません。異動してきた日本人社員や若手にも同じ効果があり、職場全体の立ち上がりが速くなります。
理由2|ルールの中身が職場ごとの設計になるため横並びの施策にならない
日本語研修や生活ガイドは、どの会社でも似た内容になります。一方、共通ルールの中身は、その職場の作業手順や判断の流れから作るため、他社がそのまま真似することができません。「うちの職場の言葉辞典」は、作った過程そのものが職場の資産になります。
すでに他の職場で運用が回り始めていれば、新しい職場にも展開しやすくなります。この「職場ごとの設計」が、値下げ競争に巻き込まれにくい理由です。
理由3|提供主体の強み|スポーツ現場の一次情報と企業の組織課題の両方を見ている
多国籍チームの運営を企業に移すには、現場のやり方を知っているだけでは足りません。企業の評価制度や人事の制約を知らないまま持ち込めば、絵に描いた餅になります。本プランの提供主体は、スポーツ現場の一次情報と、企業の組織・人材の課題の両方に日常的に接している立場から、両者の翻訳を担います。
たとえば2019年のラグビーワールドカップの日本代表は、31人のメンバーのうち15人が外国出身または帰化した選手で、前回大会の11人から増えていました。主将のリーチ マイケル選手は日本語で周囲への心配りを伝え、チームは「ONE TEAM」の考え方を共有していたと、PRESIDENT Onlineは伝えています。国籍の違いを「助っ人」の線引きにせず、同じチームの一員として扱う設計が、企業の職場にも応用できる点です。
(参考)なぜラグビーの外国人代表は「助っ人」と呼ばれないのか(2020年1月30日) – PRESIDENT Online
プランの具体的な内容|言語・役割・合意の3層で職場の共通ルールを設計する

共通ルールは、一度に全部を作ろうとすると誰も使わないものになります。そこで、3層を順番に、1職場で最小限の量から作り始めます。厚生労働省の「外国人雇用管理指針」は、事業主に職場適応の支援や公正な待遇の確保などを求めており、自主点検表も用意されています。本プランは、その実務を職場の言葉にまで落とし込む一つの形です。
言語層|指示の言葉と「確認の型」を30語から決める
最初に作るのは、その職場でよく使う指示の言葉の辞典です。「早めに」は何時までか、「確認して」は何を誰に見せることか、といった言葉を30語程度に絞り、期限・数量・見せる相手を入れて書き直します。あわせて、聞き返すときの型(「〇〇と理解しましたが合っていますか」)を決め、聞き返すことを歓迎する場として朝礼や引き継ぎで使います。
役割層|担当・判断の範囲・評価の見方を1枚の表にする
次に、各ポジションの担当業務と、自分で決めてよい範囲、相談が必要な範囲を1枚の表に整理します。スポーツのポジション表と同じで、「自分はどこまで動いてよいか」が見えるだけで、動けない不安と勝手に動く失敗の両方が減ります。評価の見方も同じ表に書き、半年後にどう見られるのかを本人が知っている状態にします。
合意層|例外と衝突の決め方を起きる前に合意する
最後に、例外が起きたときと意見が割れたときの決め方を決めます。誰が最終判断をし、どの順で相談し、決まったことをどう共有するか。スポーツの審判のルールと同じで、結果への納得は、決め方への納得から生まれます。この層は、文化の異なる人が入ったときの衝突を「人の問題」にしないための土台です。
部門をまたぐ衝突の決め方はスポーツ審判のルール設計に学ぶ部門間対立の解消でも整理しています。
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(参考)外国人の雇用(外国人雇用管理指針・自主点検表) – 厚生労働省
Q. 外国人材向けの日本語教育だけでは足りませんか
日本語教育は大切ですが、それだけでは足りないことが多いです。語学力が上がっても、職場の判断基準や役割の範囲が言葉になっていなければ、「何が正解か分からない」状態は残ります。語学の支援と、職場側のルールの言語化を両輪で進めるのが現実的です。
導入ロードマップ|0〜3ヶ月で1職場に絞って試し12か月で全職場の標準運用にする
最初から全社に広げると、ルールが「上から降ってきたもの」になり、使われなくなります。1職場で効果を確かめてから広げる順番で、各フェーズの目的を決めます。
0〜3ヶ月|1職場で言語層を作って検証する
対象は、外国人材が2名以上いて、責任者が協力的な職場1つに絞ります。外国人材と日本人社員の双方を入れて、指示の言葉の辞典(30語)と確認の型を作り、毎朝の引き継ぎで使います。このフェーズで検証するのは「ルールが読まれ、使われるか」の一点です。
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3〜6ヶ月|役割層を足して標準化の雛形にする
言語層が回り始めてから、役割と判断範囲の表、評価の見方を加えます。この順番にするのは、言葉がそろっていないと役割の表も読み違えられるからです。入社後3か月以内の面談もこの時期に型を決め、役割表を使って「半年後にどう見られるか」を本人に伝えます。
6〜12ヶ月|合意層を整えて他の職場へ展開する
最後に、例外と衝突の決め方を文章にし、1職場の3層が揃った段階で他の職場へ広げます。展開時は、最初の職場のメンバーが新しい職場の作成会議に入ると、ルール集の作り方そのものが伝わります。12か月の終わりには、3層を全職場の入社時オリエンテーションに組み込み、標準運用にします。
効果・KPI・リスク|ルールが使われているかを先行指標で確かめる
定着の成果は、入社して半年から1年が経たないと数字になって現れません。そこで、結果の指標(在籍率)だけでなく、ルールが使われているかを示す先行指標を並べて見ます。自社のベースライン(過去の入社者がどれだけ続いたか)の把握が前提です。
| フェーズ | 見る指標 | 見方の目安(仮説) |
|---|---|---|
| 0〜3か月 | 指示言葉の辞典の整備率 | 主要業務で使う言葉の過半数が書き直されているか |
| 3〜6か月 | 入社後3か月以内の面談実施率 | 新規入社者全員が所定の面談を終えているか |
| 3〜6か月 | 聞き返しやすさのアンケート | 外国人材・日本人社員の双方で前回より改善しているか |
| 6〜12か月 | 6か月・12か月時点の在籍率 | 自社の過去の入社者の在籍率より高いか |
出典:筆者作成。指標と見方の目安はいずれも仮説で、実際の数値は自社のベースラインを測ってから設定する。
この中で特に重視したいのが、入社後3か月以内の面談実施率です。ルールが文章になっていても、本人が理解しているかは面談でしか確かめられません。実施率が低ければ、現場が忙しくて面談に手が回っていないというサインで、在籍率が下がる前に手を打てます。
| 想定されるリスク | 起きやすい場面 | 対応策 |
|---|---|---|
| ルールが日本人側の都合で作られる | 作成会議に外国人材がいない | 作成時に当事者を最低1人入れ、半年ごとに見直す |
| 面談が評価の場になり本音が出ない | 直属の上司だけが面談する | 上司以外の面談者も置き、記録の使い道を先に伝える |
| ルール集が掲示されたまま使われない | 現場責任者の負担が増える | 1ページに絞り、朝礼や引き継ぎの流れに組み込む |
出典:筆者作成。リスクと対応策は設計時の想定であり、職場の実態に合わせて調整する。
リスクが表面化する順番|入社3か月は面談と半年はルールの形骸化と1年は処遇への不満
リスクは同じ重さで同時に起きるわけではありません。入社3か月ごろは「聞けない」状態が、半年ごろはルール集が使われなくなる形骸化が、1年に近づくと「ルールは分かったが処遇が見合わない」という不満が表に出やすくなります。この順番を知っておけば、見張るべき指標をフェーズごとに絞れます。
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続行・撤退の判断基準|6か月で面談実施率が8割に届かなければ運用を見直す
判断基準は、始める前に決めておきます。たとえば、導入から6か月が経っても入社後3か月以内の面談実施率が8割に届かない場合は、ルール集の内容ではなく運用の負担を見直します。12か月が経っても、在籍率が自社の過去の入社者と同程度のままなら、離職の主因が賃金や労働条件などルール以外にある可能性が高いため、本プランの投資を止めて条件面の点検に切り替えます。撤退基準を先に置くのは、効かない施策に費用を流し続けないための設計です。
料金モデルという選択肢|設計費は固定で運用費は在籍率に連動するハイブリッド型

定着という成果は、半年から1年が経たないと見えません。この時間差があるため、料金も固定一本か、成果連動一本かのどちらかに寄せると、導入側か提供側のどちらかに無理が出ます。そこで、固定と成果連動を組み合わせる形を提案します。
買い切り型の限界|ルール集を納めた時点が価値のピークになる
設計費だけを払う買い切り型では、ルール集を納品した時点で提供側の仕事が終わります。ところが定着の効果は、ルールが現場で使われ続けて初めて出るため、納品後の運用が成果を分けます。買い切りでは、この最も大事な期間に提供側が関与し続ける理由がありません。
新モデルの仕組み|初期の設計費と12か月の在籍率に連動する運用費
最初に共通ルールの設計と現場責任者向けの説明にかかる設計費を固定で受け取り、その後の運用支援費は、導入職場の12か月在籍率や面談実施率に応じて変わる形にします。導入側は成果が見えるまで費用を抑えられ、提供側は運用の質を高めるほど報酬が増える関係になります。
導入時の注意点|在籍率だけに連動させず先行指標も混ぜて測る
在籍率は賃金や景気など、ルール以外の要因でも動きます。在籍率だけに連動させると、提供側の努力と無関係な変動で報酬が決まってしまいます。そこで、面談実施率などの先行指標も指標に混ぜ、導入初年度は試算の幅を広めに取るのが現実的です。評価の見方を役割表に載せる部分は、スポーツ審判式人事評価で整理した考え方とも組み合わせられます。
Q. 在籍率に連動する料金は、定着が進まなかった場合どうなりますか
運用費のうち変動部分が減る設計です。ただし在籍率は賃金や景気にも左右されるため、面談実施率などの先行指標も混ぜて、提供側の努力が反映される形にします。契約前に、どの指標をどの割合で連動させるかを合意しておくのが基本です。
対象となる組織・読者|外国人材の定着で次の一手に迷っている3つの組織像

本プランの出発点は、外国人材を受け入れている職場の状況によって少しずつ違います。次の3つの組織像に当てはまる場合は、最初に取り組む層も変わります。
複数国籍が混在しはじめた中小企業の現場責任者
国籍もバックグラウンドもばらばらのメンバーに対して、口頭で一人ずつ補っている現場責任者です。指示が伝わらず手戻りが続いているなら、まず言語層の辞典づくりが効きます。責任者の頭の中にあるルールを外に出すだけで、毎日の説明の負担が軽くなります。
専門的・技術的分野の採用を増やしている人事担当者
採用は順調でも、入社後の立ち上がりと定着に不安がある人事担当者です。専門人材は仕事の裁量が大きいぶん、役割と判断範囲があいまいだと不満が早く顔を出します。役割層の表と、評価の見方の言語化が最初の一手になります。
育成就労・特定技能の受け入れを控えた経営者・事業責任者
転籍の自由度が上がる制度を前に、「選ばれる職場」への備えを考えている経営者や事業責任者です。賃金などの条件に加えて、働き方のルールが見える職場かどうかも、続ける理由になります。受け入れ前に3層を整えておけば、制度の変更期にも落ち着いて対応できます。複業人材や出向者の受け入れにも通じる考え方は、レンタル移籍式エンゲージメント設計で紹介しています。
期待できる効果|立ち上がりの短縮・現場責任者の負担減・採用での信頼の3つに現れる
期待する効果は、離職率の数字だけではありません。ルールが言葉になることで、職場の別の面にも変化が出てきます。ここでは仮説として3つの観点に整理します。
立ち上がりの短縮|聞ける状態が早く生まれる
共通ルールがあると、新しく入った人が自分で確認できる範囲が広がり、「何を聞けばよいか分からない」期間が短くなります。立ち上がりが早まれば、本人の自信と職場の評価の両方が早く育ちます。
現場責任者の負担減|個別の説明が文章に置き換わる
同じ説明を人ごとに繰り返す手間が、文書に置き換わります。責任者が「教える人」から「判断を支える人」へ役割を移せれば、外国人材が増えても現場が回り続けます。
採用での信頼|入社前に「この職場の決め方」を示せる
共通ルールは、採用の場面でも「入社したらこう働ける」という具体的な情報になります。仕事の決め方と評価の見方が先に見える職場は、応募者にとっても入社後を想像しやすく、ミスマッチの予防にもなります。
Q. 共通ルールは日本人社員にも効果がありますか
効果があります。ルールが文章になると、異動してきた社員や若手も、迷ったときに確認できる拠り所を持てます。外国人材のために作ったルールが、職場全体の立ち上がりを速める結果につながります。
まとめ|暗黙のルールを言葉にして外国人材が続けられる職場をつくる
- 2025年10月末の外国人労働者数は2,571,037人で、事業所数も371,215所と過去最多。採用の次の課題は、入社後に続けられる職場づくりです。
- 定着の分かれ目になりやすい「何が正解か分からない」状態は、言語・役割・合意の3層の共通ルールで減らせます。
- 導入は1職場で言語層から始め、役割層、合意層の順に足して12か月で標準運用にします。
- 先行指標(面談実施率など)と在籍率を併せて見て、6か月・12か月で続行・撤退を判断します。
- 料金は設計費を固定、運用費を在籍率と先行指標に連動させるハイブリッド型が、成果の時間差と相性が合います。
外国人材が増えたのに職場が回らない、辞めた理由が見えない。そう感じた時点が、共通ルールを一緒に設計するタイミングです。まずは1つの職場で、指示の言葉30語から書き出すところから相談してみてください。
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