「社員に運動習慣を促したいが、なかなか継続してもらえない」という悩みを持つ健康経営担当者は多いのではないでしょうか。
この記事では、運動とメンタルウェルビーイングの関係を整理したうえで、継続を後押しする動機づけの仕組み、そして企業施策への具体的な応用方法までを紹介します。
運動とメンタルウェルビーイングの関係
適度な運動は、気分の落ち込みや不安感の軽減、ストレス耐性の向上に役立つとされています。身体を動かすこと自体が気分転換になるだけでなく、達成感や自己効力感を得られることが、メンタルウェルビーイングの向上につながると考えられています。
特に在宅勤務やデスクワークが中心の職場では、座位時間が長くなりがちで、意識的に身体を動かす機会を作らないと運動不足に陥りやすい傾向があります。企業が運動機会を提供すること自体が、社員の心身の健康を支える土台になり得ます。
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、個人差を踏まえたうえで、可能な範囲から日常的に身体を動かすことの重要性が示されています。特別なトレーニングでなくても、少しでも身体を動かす習慣が推奨されている点は、運動が苦手な人にとっても取り組みやすいポイントです。
また、同ガイドでは「座位行動」という概念が新たに整理されており、座りっぱなしの時間を減らすこと自体が健康づくりに寄与するという考え方が示されています。これは、激しい運動が難しい人にとっても取り組みやすいメッセージといえます。
(参考)健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023(概要) – 厚生労働省
継続を後押しする動機づけの仕組み
運動の効果を理解していても、継続できずに挫折してしまう人は少なくありません。継続を後押しするには、心理学でいう「内発的動機づけ」と「外発的動機づけ」の両方をうまく組み合わせる設計が重要です。
行動科学の分野では、新しい習慣を定着させるには「小さく始めて成功体験を積み重ねる」ことが有効とされています。運動施策を設計する際も、いきなり高い目標を掲げるのではなく、無理なく続けられる水準から始めることが継続率を高める鍵になります。
①内発的動機づけ:楽しさ・達成感を感じられる設計
運動そのものを楽しいと感じられるかどうかは、継続率を大きく左右します。個人の記録更新やチームでの目標達成など、小さな達成感を積み重ねられる仕組みを用意することで、義務感ではなく前向きな気持ちで取り組みやすくなります。
②外発的動機づけ:周囲との関わりやインセンティブ
同僚と一緒に取り組む、ウォーキングイベントに参加するといった社会的なつながりも、継続を後押しする要因になります。ポイント制度や表彰など、外発的なインセンティブを適度に組み合わせることも有効です。
③具体例:歩数記録アプリを活用した社内キャンペーン
ある企業では、健康経営施策の一環として、歩数記録アプリを使った部署対抗キャンペーンを実施しました。個人の頑張りだけでなく、チーム全体の合計歩数を競う仕組みにしたことで、運動が苦手な社員も「チームのために」という動機で参加しやすくなり、参加率が向上したといいます。
このように、個人の目標達成と集団への貢献感の両方を刺激する設計は、幅広い社員層を巻き込みやすい工夫といえます。
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企業施策への具体的な応用
ここまでの内容を踏まえ、企業が運動習慣を後押しする施策を設計する際の具体的な応用例を紹介します。
①小さく始められる施策から導入する
いきなり本格的な運動プログラムを導入するのではなく、始業前の軽いストレッチやオンラインの短時間エクササイズなど、ハードルの低い施策から始めることで、参加率を確保しやすくなります。
導入初期は参加を強制せず、任意参加の形にしておくことも大切です。まずは興味を持った社員が気軽に試せる環境を作り、口コミで広げていく方が、長期的な定着につながりやすい傾向があります。
②睡眠など他の健康施策との連動
運動習慣は睡眠の質にも影響するため、既存の睡眠改善施策と組み合わせて案内することで、社員にとって「なぜ運動が必要か」の納得感が高まりやすくなります。健康経営施策を単発で終わらせず、相互に関連づけて設計する視点が重要です。
加えて、運動施策の効果を社員に実感してもらうには、簡易的な体調アンケートやウェアラブル端末のデータを活用し、変化を見える化する工夫も有効です。数値として実感できることが、次の継続意欲につながります。
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すぐ使えるアクションプラン:運動習慣化キャンペーンの3ステップ
社内で運動習慣化キャンペーンを企画する際に使える3ステップを紹介します。
まとめ
- 適度な運動は気分の改善やストレス耐性の向上を通じてメンタルウェルビーイングに寄与する
- 継続には内発的動機づけと外発的動機づけを組み合わせた設計が有効
- チーム貢献の仕組みを取り入れると幅広い社員層を巻き込みやすい
- 睡眠など他の健康施策と連動させることで納得感が高まる
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