バドミントンの分析ツールは、「自分でスコアを入力するアプリ」か「センサーが自動で計測するデバイス」かで最初に選ぶタイプが変わります。本記事では代表的な10製品を比較し、目的別の選び方までまとめました。
- 練習後の「なんとなく」をなくす|バドミントン分析ツールが広がる背景
- 記録方法と目的で見る2つの軸|自分に合うタイプの見分け方
- バドミントンのプレー分析アプリ・デバイス10選
- SHUTTLYZER|日本バドミントン協会と共同開発したスコア分析アプリ
- バドシート|公式書式のスコアシート印刷とAIコーチ機能を両立
- ShuttleScope|ストローク単位でラリー構造を統計解析
- SHUTTLEstory|対戦成績とチーム名簿をまとめて管理
- Smashspeed|動画からスマッシュの速度と角度をAIで算出
- Feather Score Badminton|落下点ヒートマップで戦術を可視化
- Koospur 3.0|ラケットに装着する軽量センサー
- OLIVER RDS(PLASMA TX5)|ラケット内蔵チップでスマッシュを計測
- Usense|3Dモーション再現とストリングテンション提案
- STA 3.0|ショット数と消費カロリーを記録するトレーニング用センサー
- 電子機器の持ち込みルールと数値の見方|使うときの注意点
- 予算と使う場面で選ぶ|個人練習・部活動・スクール運営での基準
- まとめ|バドミントン分析はまず1つのタイプを試すことから
練習後の「なんとなく」をなくす|バドミントン分析ツールが広がる背景
バドミントンの分析ツールが増えているのは、感覚に頼っていた振り返りを数値に置き換えられるからです。スコアの推移やスマッシュの速度を記録すれば、次の練習で直すべき点がはっきりします。
スポーツ庁は第3期スポーツ基本計画の「スポーツ界におけるDXの推進」のなかで、スポーツを「する」「みる」「ささえる」場面でテクノロジーを活用する事業を進めています。分析アプリやセンサーの広がりも、この流れの一部と言えます。スポーツ界全体のDX動向はスポーツDXとは|3階層構造・事例・課題を解説でも整理しています。
実際、日本バドミントン協会・ジュニア強化部と共同開発されたSHUTTLYZERのように、競技団体自身がアプリ開発に関わる事例も出てきています。国内発のアプリと海外製のセンサーデバイスの両方が実用段階にあるのが、いまのバドミントン分析ツールの特徴です。
(参考)スポーツ界におけるDXの推進(第3期スポーツ基本計画) – スポーツ庁
Q. バドミントンの分析アプリはなぜ必要ですか?
感覚だけに頼った振り返りでは、同じミスを繰り返しやすいからです。スコアやスマッシュ速度を記録すると、良かった試合と悪かった試合の違いを数字で比較でき、次の練習で直す点を具体的に決められます。
記録方法と目的で見る2つの軸|自分に合うタイプの見分け方
バドミントンの分析ツールは、「誰が記録するか」と「何のために使うか」という2つの軸で整理すると選びやすくなります。手元でスコアを入力するアプリと、ラケットに装着して自動で計測するセンサーでは、向いている場面が異なります。

試合分析を目的にコーチ視点で振り返るなら、SHUTTLYZERやバドシートのようなスコア入力アプリが向いています。一方、スイング速度や球種の分布といったフィジカル面を客観的な数値で追いたい場合は、Koospur 3.0やOLIVER RDSのようなセンサーデバイスのほうが手間なく記録できます。動画からの解析全般についてはスポーツ映像・動作分析アプリを使うの記事でも整理しています。
Q. バドミントン分析アプリと専用センサーはどちらを選べばいいですか?
試合の展開やショットの傾向を振り返りたいなら記録アプリ、スイング速度や練習量を客観的な数値で追いたいならセンサーが向いています。アプリで戦術面を、センサーでフィジカル面を振り返るという併用も可能です。
バドミントンのプレー分析アプリ・デバイス10選
今回は、公式サイトまたは公式ストアページで機能を確認できた、国内発のスコア入力アプリと海外製のセンサーデバイスを合わせて10製品を掲載しています。上位の製品は機能やユーザーの声まで踏み込んで紹介し、残りは要点を簡潔にまとめました。
| 製品名 | タイプ | 提供元 | 主な機能 |
|---|---|---|---|
| SHUTTLYZER | スコア入力アプリ | PIVOT Inc. | 落下点タップ入力・得点/失点分析 |
| バドシート | スコア入力アプリ | TakeoriLab(吉本竹識) | 公式風スコアシート印刷・AIコーチ講評 |
| ShuttleScope | 試合分析プラットフォーム | ShuttleScope運営元 | ストローク単位の記録・統計モデル解析 |
| SHUTTLEstory | スコア記録アプリ | Jigoo | 対戦成績・ロースター管理 |
| Smashspeed | スマッシュ速度計測アプリ | Mayi Tian | 動画AIでスマッシュ速度・角度を算出 |
| Feather Score Badminton | スコア入力アプリ | Krzesimir Rabajczyk | 落下点ヒートマップ・対戦相手管理 |
| Koospur 3.0 | センサーデバイス | UnatechSports取扱 | ラケット装着型・6種のショット判定 |
| OLIVER RDS(PLASMA TX5) | センサー内蔵ラケット | OLIVER | スマッシュ速度・ショット角度をリアルタイム送信 |
| Usense | センサーデバイス | Usense | 3Dモーション再現・推奨ストリングテンション提案 |
| STA 3.0 | センサーデバイス | STA | ショット数・最大速度・消費カロリー記録 |
公式サイト・公式ストアページで機能を確認できた製品10件(2026年9月時点)
SHUTTLYZER|日本バドミントン協会と共同開発したスコア分析アプリ
SHUTTLYZERは、公益財団法人日本バドミントン協会・ジュニア強化部と共同開発されたiPadアプリです。コートの落下点をタップするだけでスコアを記録でき、シャトルの落下地点とショットの種類も同時に記録されます。
記録したデータは得点・失点それぞれのモードで数値化され、グラフで表示されます。1試合だけでなく複数試合を通じた通算の分析結果も確認できるため、選手個人の得意・苦手なコースを継続的に把握しやすいのが特徴です。
あわせて読みたいテニスのプレーを分析するアプリ・デバイス10選›
(参考)SHUTTLYZER 公式サイト – PIVOT Inc.
バドシート|公式書式のスコアシート印刷とAIコーチ機能を両立
バドシートは、タップで得点を記録しながら公式様式のスコアシートを自動作成できるアプリです。シングルス・ダブルス両方に対応し、サーブ・レシーブの表示や試合ごとのスコアも見やすく整理されます。
記録した試合データはAIコーチが講評する機能でも活用でき、選手の通算成績やダブルスのペア分析まで確認できます。2026年から日本で先行導入される新ルール「15点制」にも対応しており、更新頻度の高さも特徴です。
ShuttleScope|ストローク単位でラリー構造を統計解析
ShuttleScopeは、ラリーをストローク単位で記録し、配球や得点期待値、戦術傾向を統計モデルで数値化するバドミントン分析ワークベンチです。コーチ・アナリスト・選手それぞれの立場に応じて見られる情報の粒度が変わる設計になっています。
Markovモデルや期待得点値(EPV)、コートヒートマップ、疲労指標を使って試合構造を多角的に可視化できるのが特徴で、記録が増えるほど分析の解像度が上がります。2026年中は無償で利用できるベータ版として提供されています。
SHUTTLEstory|対戦成績とチーム名簿をまとめて管理
SHUTTLEstoryは、試合のスコアと勝敗を記録しながら、チームやクラブの名簿・役割も一元管理できるアプリです。個人モードとチームモードを切り替えて使えるため、サークルや部活動など複数人での運用にも向いています。
勝率や対戦成績、ベストパートナーの傾向を統計として確認できるほか、Firebaseを使ったデータ同期にも対応しており、複数端末からログインして記録を引き継げます。
(参考)SHUTTLEstory 公式ストアページ – Jigoo
Smashspeed|動画からスマッシュの速度と角度をAIで算出
Smashspeedは、撮影したスマッシュの動画をAIが解析し、シャトルの最高速度と打球角度をフレーム単位で算出するアプリです。速度・角度の計算は端末内で完結するため、オフライン環境でも利用できます。
記録した練習セッションは自動で保存され、ピーク速度や平均速度、安定性の推移を確認できます。世界中のユーザーと記録を競うリーダーボード機能もあり、モチベーション維持に使われています。
(参考)Smashspeed 公式ストアページ – Mayi Tian
Feather Score Badminton|落下点ヒートマップで戦術を可視化
Feather Score Badmintonは、標準モードとプロモードの2段階でスコアを記録できるアプリです。プロモードではコートをタップして落下地点を記録し、ヒートマップを自動生成します。
勝率や球種別の分布(スマッシュ・ドロップ・クリア・ドライブ)、コートカバレッジといった統計に加え、対戦相手のプロフィール管理やリーグ戦・トーナメントの大会運営機能まで備えています。
(参考)Feather Score Badminton 公式ストアページ – Krzesimir Rabajczyk
Koospur 3.0|ラケットに装着する軽量センサー
Koospur 3.0は、重さ5g・厚さ8.7mmの小型センサーで、ジャイロスコープと加速度センサーによりラケットの動きを計測します。データはBluetooth 4.0でスマートフォンに転送されます。
スマッシュ・リフト・クリア・ブロック・スライス・ドライブという6種類のショットを判別し、速度・力・消費カロリーなどを記録します。専用の「Intelligent Badminton」アプリと組み合わせて使用します。
(参考)Koospur 3.0 取扱ページ – UnatechSports
OLIVER RDS(PLASMA TX5)|ラケット内蔵チップでスマッシュを計測
OLIVER RDS(Racket Data System)は、ラケットのグリップ内にセンサーを内蔵し、Bluetoothでスマートフォンと接続する仕組みです。搭載モデルのPLASMA TX5は、主要な6種類のショットを動きから認識します。
速度・必要エネルギー・打球角度をリアルタイムで送信でき、通信が途切れていてもセンサー側で記録を続け、再接続時にまとめてアプリへ転送されます。個人の設定データやトレーニング目標も保存できます。
(参考)OLIVER RDS Technology 公式サイト – OLIVER
Usense|3Dモーション再現とストリングテンション提案
Usenseは、ラケットに取り付けるワイヤレスセンサーで、Bluetoothで接続したアプリ上にスイングの3Dモーションを再現できます。取り付け方法はフレックスマウントとプロマウントの2種類から選べます。
スイングデータをもとに、プレースタイルに適したストリングテンションを提案する機能も備えており、最大3,000スイング分のデータをフラッシュメモリに保存できます。
(参考)Usense Badminton Performance Sensor 取扱ページ
STA 3.0|ショット数と消費カロリーを記録するトレーニング用センサー
STA 3.0は、ラケットにシリコンマウントで取り付けるトレーニング用センサーです。Bluetoothでスマートフォンと接続し、ショット数・最大スイング速度・プレー時間・消費カロリーをリアルタイムで記録します。
Android・iOSの両方に対応しており、日々の練習量を客観的な数値として蓄積できます。専用アプリでは日ごと・回ごとのデータを比較でき、練習量の可視化に向いています。
(参考)STA 3.0 Smart Badminton Training Swing Analyzer 取扱ページ
Q. バドミントンの分析アプリは無料で使えますか?
多くのアプリは基本機能を無料で使え、AIコーチや大会運営などの追加機能を有料プランで提供しています。センサーデバイスは本体の購入が必要ですが、専用アプリ自体は無料で配布されているケースがほとんどです。
電子機器の持ち込みルールと数値の見方|使うときの注意点
公式戦でスマートフォンやセンサーをコートサイドに置く場合は、事前に大会規則を確認する必要があります。SHUTTLYZERの公式サイトも、大会の規則によっては電子機器の持ち込みが違反行為になる場合があると注意を促しています。
また、センサーデバイスはメーカーごとに計測方式が異なり、表示される速度や回数がわずかに異なる場合があります。同じ製品・同じ設定で継続的に記録し、絶対値よりも自分自身の推移として比較することが重要です。この種の注意点はサッカーのプレーを分析するアプリ・サービスを使うの記事でも共通して触れています。
Q. 試合中にスマートフォンやセンサーをコートサイドに置いても良いですか?
公式戦では大会規則で電子機器の使用が制限されている場合があるため、事前に主催者や審判に確認する必要があります。練習や紅白戦など非公式な場では、多くのアプリ・センサーが問題なく利用できます。
予算と使う場面で選ぶ|個人練習・部活動・スクール運営での基準
導入基準は「個人で使うか、チーム・スクール単位で使うか」で大きく変わります。個人利用なら無料アプリから始めやすく、チーム運営では大会管理機能やロースター管理まで見て選ぶと失敗しにくくなります。

どの製品を選んでも、記録して終わりにせず、この4段階を回すことが上達につながります。次のH3では、個人練習向けとチーム・スクール運営向けそれぞれの選び方の基準を具体的に見ていきます。
個人練習で使う場合|無料のスコア入力アプリから試す
個人で使う場合は、まず無料で始められるスコア入力アプリから試すのがおすすめです。SHUTTLYZERやSmashspeedのように基本機能を無料で使える製品なら、自分の記録習慣に合うかどうかを費用をかけずに確認できます。
センサーデバイスは数千円から1万円台の初期費用がかかるため、アプリでの記録に物足りなさを感じた段階で検討すると無駄がありません。バレーボールの分析ツール選びでも同様の考え方が使えます。詳しくはバレーボールのプレーを分析するアプリ・サービスを使うでも解説しています。
部活動・スクール運営で使う場合|大会管理と複数名分析ができるか
部活動やスクールでチーム単位で導入する場合は、大会・リーグ戦の組み合わせを自動作成できるか、複数選手のデータをまとめて比較できるかを優先して見てください。SHUTTLEstoryやFeather Score Badmintonのように、個人記録とチーム名簿管理を両立できる製品が候補になります。
指導者が複数の選手を並行して見る必要がある現場では、成長グラフや通算成績を一覧できる機能があるかどうかが運用のしやすさを大きく左右します。
あわせて読みたいバスケットボールのプレーを分析するアプリ・デバイス10選›
Q. 部活動やチーム単位で導入する場合、何を優先すべきですか?
大会やリーグ戦の組み合わせを自動作成できるか、複数選手のデータをまとめて比較できるかを優先してください。Feather Score BadmintonやSHUTTLEstoryのようにチーム機能を備えた製品は、個人だけでなくチーム全体の傾向も把握しやすくなります。
まとめ|バドミントン分析はまず1つのタイプを試すことから
- バドミントンの分析ツールは「スコア入力アプリ」と「センサー計測デバイス」の2タイプに大きく分かれる
- 試合の展開や戦術を振り返りたいならSHUTTLYZERやバドシートなどのアプリ、スイングやフィジカルを数値化したいならKoospur 3.0やOLIVER RDSなどのセンサーが向いている
- 公式戦で使う場合は大会規則を必ず確認する
- 個人利用は無料アプリから、チーム・スクール運営は大会管理機能を軸に選ぶ
- まずは1つのタイプを試し、記録→分析→改善のサイクルを回すことが上達への近道になる
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