バッティングセンター運営10社比較|経営者が見る収益策

バッティングセンター運営10社比較|経営者が見る収益策 スポーツビジネス

「野球人口が減っているのに、バッティングセンターは今からでも成り立つのか」。施設運営やフランチャイズ開業を検討する事業者からよく聞かれる悩みです。結論として、単純な打撃練習だけの旧来型は苦戦する一方、データ解析・複合アミューズメント化・低コストFC化という3つの生存戦略を取る事業者は今も収益を伸ばしています。本記事では主要10社を比較し、開業前に経営者が見るべき収益構造を整理します。

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  1. 野球人口が減少するなかでの施設需要|市場の実態
  2. バッティングセンター・野球練習施設運営10社の一覧
    1. ラウンドワン|複合アミューズメント内で運営する最大手
    2. BBパートナー(ゴルフパートナー)|ゴルフ練習場運営会社の多角化事例
    3. ジュニアバッティングスクール(JBS)|個人指導特化のFCスクール
    4. バッティングららら|施設運営とマシン整備を兼業
    5. BASEBALL FUTURE|投打守を個別指導する専門ジム
    6. Do Baseball|データ解析型トレーニングに特化
    7. Rebase|対面とオンラインを組み合わせた指導
    8. 新潟ドーム スラッガーズパーク|屋内ドーム型の安定運営
    9. フィールドフォース ボールパーク|野球用品メーカーの自社運営施設
    10. 中島バッティングセンター|地域密着で複数難度のマシンを揃える老舗
  3. 3つの生存戦略で見る差別化のポイント
    1. 複合アミューズメント化|野球未経験者を呼び込む設計
    2. 専門特化型|データ解析と個別指導で単価を上げる
    3. 地域密着型|大規模投資をせず固定客との関係で運営する
  4. 開業判断に使う3つの数字|初期費用・回転率・客単価
    1. 初期費用|ピッチングマシンとネット設備が大きな比重を占める
    2. 回転率|打席あたりの回転数が収益を左右する
    3. 客単価|指導サービスを加えられるかが差を生む
  5. 企業のチームビルディング・健康経営への活用
  6. まとめ|生存戦略と収益指標の両輪で判断する

野球人口が減少するなかでの施設需要|市場の実態

バッティングセンター・野球練習施設を取り巻く環境で無視できないのが、若年層の野球離れです。笹川スポーツ財団が2025年6月から7月に実施した調査によれば、10代(10〜19歳)の年1回以上の野球実施人口は133万人と推計され、調査を開始した2001年の282万人から149万人減少しています。男子の実施率は2001年の37.7%から2025年は20.6%まで下がり、調査開始以来最も低い水準になりました。

この数字だけを見ると縮小市場に思えますが、実際には生き残りに成功している施設もあります。ダイエット・脳トレ・デート利用など「野球経験者以外」の需要を掘り起こす施設や、ダンススタジオ格闘技ジムと同様にフランチャイズ化で出店効率を上げる事業者が、縮小する競技人口を補っています。全体はスポーツビジネスのサービス・施設分野の一角です。

(参考)10代の野球人口 – 笹川スポーツ財団

Q. 野球人口が減っているのにバッティングセンターは儲かりますか?

単純な打撃練習だけの旧来型施設は厳しい状況にありますが、データ解析型の野球専門ジムや、アミューズメント施設に併設する複合型は需要を取り込めています。競技人口の減少をどう補うかという戦略次第で明暗が分かれます。

バッティングセンター・野球練習施設運営10社の一覧

バッティングセンター単体で全国チェーン展開する企業は少なく、複合アミューズメント施設の一部門として運営される形態と、地域密着の独立系施設が併存しています。公式サイトで事業内容を確認できた国内企業のうち、直近1年に情報発信の更新があるものを10社選びました。バッティングセンター単体の全国チェーンは希少なため、野球専門トレーニングジム・室内練習場運営会社も含めて掲載しています。

社名 運営形態 主な対象 特徴
ラウンドワン 直営(複合施設内) 幅広い年齢層 国内99店舗、スポッチャ内でバッティングを提供
BBパートナー(ゴルフパートナー) FC 初心者〜競技志向 ゴルフ練習場運営会社がバッティング事業も展開
ジュニアバッティングスクール(JBS) FC ジュニア(子ども) 個人指導型野球スクールとして全国展開
バッティングららら 直営 初心者〜競技志向 施設運営とピッチングマシンの修理・販売を兼業
BASEBALL FUTURE 直営 競技志向の選手 投球・打撃・守備を個別指導する野球専門ジム
Do Baseball 直営 競技志向のピッチャー 神奈川拠点、データ解析型トレーニングに特化
Rebase 直営(オンライン併用) 競技志向の選手 対面とオンラインを組み合わせた指導
新潟ドーム スラッガーズパーク 直営 初心者〜競技志向 屋内型ドームで天候に左右されない運営
フィールドフォース ボールパーク 直営 個人〜チーム利用 野球用品メーカーが自社運営する室内練習場
中島バッティングセンター(水島兼営) 直営 地域住民 岡山県倉敷市で複数難度のマシンを備えた老舗

バッティングセンター単体の全国チェーンは希少なため、野球専門トレーニングジム・室内練習場運営会社を含めて公式サイトで確認できた10社を掲載(2026年9月時点)。

ラウンドワン|複合アミューズメント内で運営する最大手

ボウリング・カラオケ・アミューズメントと一体化した「スポッチャ」内でバッティングを提供し、国内99店舗という規模で運営しています。単独の打撃練習施設としてではなく、複合レジャー施設の1メニューとして組み込むことで、野球に関心のない客層も取り込める設計になっている点が最大の強みです。

(参考)スポッチャ バッティング – ラウンドワン

BBパートナー(ゴルフパートナー)|ゴルフ練習場運営会社の多角化事例

中古ゴルフ用品販売とゴルフ練習場運営を手がけるゴルフパートナーが展開するバッティングセンター事業です。全天候型室内練習場を備えた施設運営型と、既存店舗の一部を使うインショップ型の2形態を用意し、異業種からバッティング事業へ多角化する際のモデルケースになっています。

(参考)BBパートナー フランチャイズ加盟募集 – ゴルフパートナー

ジュニアバッティングスクール(JBS)|個人指導特化のFCスクール

チーム練習を補う個人指導型の野球スクールとして全国展開しています。バッティングセンターのような「打席の時間貸し」ではなく、指導者がつくレッスン形式を取ることで、月謝制の安定収益を確保しやすいビジネスモデルになっています。

(参考)JBSとは – ジュニアバッティングスクール

バッティングららら|施設運営とマシン整備を兼業

バッティングセンターの運営に加えて、ピッチングマシンの修理・販売事業を兼業している点が特徴です。自社施設の設備を自社で保守できるノウハウを、同業他社への販売・修理サービスという別収益源に転換しています。

(参考)会社案内 – バッティングららら

BASEBALL FUTURE|投打守を個別指導する専門ジム

投球・打撃・守備を個別に指導する野球専門ジムです。打席を貸すだけの旧来型とは異なり、専門コーチによる技術指導を主軸に据えることで、月謝単価を上げやすいビジネスモデルを取っています。

(参考)野球トレーニングジム – BASEBALL FUTURE

Do Baseball|データ解析型トレーニングに特化

神奈川県を拠点に、投球フォームなどをデータで解析するトレーニングに特化した野球専門ジムです。感覚的な指導ではなく数値に基づく改善提案を打ち出すことで、競技志向の高い選手層からの支持を得ています。

(参考)Do Baseball 公式サイト

Rebase|対面とオンラインを組み合わせた指導

対面レッスンとオンライン指導を組み合わせて提供する野球指導サービスです。物理的な店舗の稼働率に依存しすぎない収益構造を作れる点が、施設型ビジネスとの大きな違いになっています。

(参考)Rebase 公式サイト

新潟ドーム スラッガーズパーク|屋内ドーム型の安定運営

屋内ドーム型の施設として、天候に左右されずに年間を通じた安定稼働を実現しています。屋外型の旧来のバッティングセンターが天候不順で稼働率を落としやすいのに対し、初期投資は大きくなるものの安定運営を優先した設計です。

(参考)新潟ドーム スラッガーズパーク 公式サイト

フィールドフォース ボールパーク|野球用品メーカーの自社運営施設

野球用品の企画・販売を手がけるフィールドフォースが、自社ブランドの練習場として運営する室内練習場です。用品販売と練習場運営を一体化させることで、自社製品の実演・販売の場としても機能させている点が特徴です。

(参考)ボールパーク足立1 – フィールドフォース

中島バッティングセンター|地域密着で複数難度のマシンを揃える老舗

岡山県倉敷市で、水島バッティングセンターと合わせて運営される地域密着型の施設です。超速球(約120km/h)から子ども用(約60km/h)まで複数難度のマシンを揃え、地域住民の幅広い年齢層のニーズに応えている点が、長く営業を続けられている理由の一つです。

(参考)中島バッティングセンター – バッセンナビ

Q. 野球専門ジムと従来のバッティングセンターは何が違いますか?

従来型は打席の時間貸しが中心の収益モデルですが、BASEBALL FUTUREやDo Baseballのような野球専門ジムは、コーチによる個別指導やデータ解析を主軸にしています。指導料で単価を上げられる分、時間貸しよりも収益性を確保しやすい設計です。

3つの生存戦略で見る差別化のポイント

10社を分類すると、野球人口が減少するなかで生き残る戦略は大きく3つに整理できます。複合アミューズメント化・専門特化型・地域密着型では、必要な投資規模とターゲット層が根本的に異なります。どの戦略を取るかで、競技人口の減少という逆風への耐性が変わってきます。

複合アミューズメント化ボウリング等と一体運営し、野球未経験者も呼び込む。ラウンドワンが代表例
専門特化型データ解析・個別指導で単価を上げる。競技志向の少数精鋭を狙う
地域密着型大規模投資をせず、地域の固定客との関係で長期運営する

複合アミューズメント化|野球未経験者を呼び込む設計

ラウンドワンのように、ボウリング・カラオケ・アミューズメントと一体化してバッティングを1メニューとして提供する方式です。野球そのものへの関心がない客層でも「ついでに」利用する動線を作れるため、競技人口の減少という逆風の影響を受けにくい設計になっています。ただし複合施設として運営するための初期投資は大きくなります。

専門特化型|データ解析と個別指導で単価を上げる

Do BaseballやBASEBALL FUTUREのように、競技志向の選手を対象にデータ解析・個別指導を軸にする方式です。母数となる利用者は減っても、1人あたりの指導料単価を上げることで収益を確保します。指導者の専門性が競争力の源泉になるため、優れたコーチの確保・育成が経営上の最重要課題になります。

地域密着型|大規模投資をせず固定客との関係で運営する

中島バッティングセンターのように、地域住民との長年の関係性を軸に、大規模な設備投資をせず運営を続ける方式です。全国展開や高単価化を狙わない分、成長スピードは緩やかですが、地域の固定客がいる限り安定的に運営を続けられるという特徴があります。

Q. これから新規でバッティングセンターを開業するのはリスクが高いですか?

打席の時間貸しだけに依存する旧来型は競技人口減少の影響を直接受けやすく、リスクは高めです。複合アミューズメント化・専門特化・地域密着のいずれかの方向で差別化できるかを、開業前に明確にしておく必要があります。

開業判断に使う3つの数字|初期費用・回転率・客単価

出店戦略を決めた後、実際に採算が合うかどうかを判断するには、初期費用・回転率・客単価という3つの数字を押さえておく必要があります。バッティングセンターはマシン・ネット等の設備投資が重く、他の運動系施設よりも減価償却の負担が大きい点が特徴です

初期費用|ピッチングマシンとネット設備が大きな比重を占める

バッティングセンターの初期費用は、土地・建物の取得費に加えて、ピッチングマシン・防球ネット・照明設備など専用設備の比重が大きくなります。屋内ドーム型は天候に左右されない安定稼働と引き換えに、屋外型よりも建築コストが上乗せされます。

回転率|打席あたりの回転数が収益を左右する

打席の時間貸しモデルでは、1打席あたりの回転数がそのまま収益に直結します。ピーク時間帯(夕方・休日)に回転率を最大化できるかどうかが、旧来型施設の採算ラインを決める最重要指標です。

客単価|指導サービスを加えられるかが差を生む

打席の時間貸しだけでは客単価の上限が低くなりがちです。BASEBALL FUTUREやDo Baseballのように、コーチによる個別指導やデータ解析サービスを付加できれば、同じ利用時間でも客単価を大きく引き上げられます。開業判断の全体像はグラウンド整備会社の比較記事で扱った施設系ビジネスの収益構造とも通じる部分があります。

Q. バッティングセンターの客単価を上げるにはどうすればよいですか?

打席の時間貸しだけに頼らず、コーチによる個別指導やフォーム分析といった付加サービスを組み合わせることが有効です。指導料という形で単価を積み増せるため、時間貸しのみの施設より収益性を高めやすくなります。

企業のチームビルディング・健康経営への活用

バッティングセンターは個人利用だけでなく、企業側から見ても活用の余地があります。短時間で汗をかけるバッティングは、社内イベントや懇親会の一環として、運動が苦手な社員でも参加しやすいコンテンツになります

球を打つという単純な動作は、事前の練習や特別な運動能力を必要としないため、部署をまたいだ懇親イベントに向いています。複合アミューズメント型の施設であれば、ボウリングやカラオケと組み合わせて、企業の懇親会・チームビルディング研修の会場としても利用しやすく、施設運営会社にとっては法人団体利用という収益源になります。

Q. 企業がバッティングセンターをチームビルディングに使うメリットは何ですか?

運動経験の差が出にくく、部署をまたいだ社員同士でも気軽に参加できる点がメリットです。複合アミューズメント施設であれば他のレジャーと組み合わせられるため、懇親会の企画としても活用しやすくなります。

まとめ|生存戦略と収益指標の両輪で判断する

バッティングセンター・野球練習施設の運営市場は、野球人口の減少という逆風のなかで、複合アミューズメント化・専門特化型・地域密着型という3つの生存戦略が併存しています。要点を振り返ります。

  • 10代の野球実施人口は2001年の282万人から2025年は133万人まで減少している
  • 主要10社はデータ解析・複合施設化・地域密着など、対象層で明確にポジションが分かれている
  • 生存戦略は複合アミューズメント化・専門特化型・地域密着型の3つに整理でき、必要な投資規模が異なる
  • 開業判断には初期費用・回転率・客単価の3指標をセットで見る必要がある
  • 企業側にとってもバッティングはチームビルディング・健康経営としての活用余地がある

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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