FC東京のスポンサー89社|5階層の協賛メニューと権利

FC東京のスポンサー89社|5階層の協賛メニューと権利 スポーツビジネス

FC東京のパートナーは5つの階層に分かれ、公式サイトに89社が掲載されています。クラブの2025年度の売上高は72億1,000万円で、うちスポンサー収入が32億2,300万円と44.7%を占めます。協賛で得られる権利は広告媒体だけでなく、観戦チケット、プロモーション、競合排除権まで公開されています。金額の目安と権利の中身を公式情報で整理しました。

パートナーは5階層に分かれている

FC東京のパートナーは5階層89社

FC東京の協賛は階層制です。公式サイトのパートナーページには、上からプレミアム、ゴールド、シルバー、ブロンズ、そしてオフィシャルサプライヤーという区分で企業が並びます。

最も多いのはシルバーの32社

掲載社数を数えると、シルバーパートナーが32社、ブロンズパートナーが31社で、この2階層だけで63社と全体の7割を占めます。ゴールドパートナーは10社、プレミアムパートナーは9社、オフィシャルサプライヤーは7社です。合計89社で、重複はありません。

公式発表の85社との差

クラブは2026年7月1日に、2026/27シーズンのオフィシャルパートナーとして85社が決定したと発表しています。本記事の89社との差は、オフィシャルサプライヤー7社の扱いによるものと考えられます。

年次の推移も公表されており、2025シーズンは80社、百年構想リーグのオフィシャルパートナーは78社でした。1年で5社増えている計算になります。

プレミアムに並ぶのは大企業

プレミアムパートナーにはTOKYO GAS、MIXI、三菱商事、MITSUI & CO.、KEIO、New Balance、パティーズフード、きらぼし銀行、JAPAN AIRLINESといった企業名が掲載されています。ガス、IT、商社、鉄道、スポーツ用品、金融、航空と業種が分かれており、同業が重ならないように構成されています。

Q. FC東京のスポンサーは何社ですか?

公式サイトのパートナーページに掲載されている企業を数えると89社です(2026年9月21日時点)。内訳はプレミアム9社、ゴールド10社、シルバー32社、ブロンズ31社、オフィシャルサプライヤー7社です。クラブは2026年7月1日に、2026/27シーズンのオフィシャルパートナー85社が決定したと発表しています。

(参考)パートナー – FC東京

協賛で得られる権利は4つの区分にまとまっている

金額表は公開されていませんが、権利の一覧は公式サイトに掲載されています。協賛金額に応じて提供できる権利が異なる、と明記されたうえで4つの区分が示されています。

区分 権利の内容
広告媒体 大型映像機でのCM放映、ヒーローインタビューボードへのロゴ掲出、ポスター、上層スタンドビジョン、監督会見ボード、公式サイト・制作物へのロゴ掲出
観戦チケット 来賓席の利用、パートナー席の利用、観戦チケットの割引購入権
プロモーション 選手集団肖像使用権、エンブレム等チームマーク・キャラクター画像使用権、イベントへの選手・マスコット派遣、キャンペーン実施権(優勝SALE)、会員プロモーション実施権
その他 競合排除権、パーティ参加権、グッズ割引権

出典:FC東京「パートナーページ」(2026年9月21日時点)

注目したいのが「その他」に含まれる競合排除権です。同じ業種の他社がパートナーに入らないよう制限できる権利で、プレミアムパートナーの顔ぶれが業種ごとに分かれている理由もここにあると読めます。

もう1つは「優勝SALE」を名指しでキャンペーン実施権として挙げている点です。クラブの成績を自社の販促に連動させることを、あらかじめ権利として定義しています。

Q. 協賛すると競合他社を排除できますか?

公式サイトの権利一覧には「競合排除権」が掲載されています。ただし協賛金額に応じて提供できる権利は異なると明記されているため、どの階層から適用されるかはクラブへの確認が必要です。

(参考)パートナーページ – FC東京

パートナーメニューは14種類が公開されている

権利の区分とは別に、具体的なメニューも一覧で示されています。公式サイトには「パートナーメニューの一部」として14の項目が並びます。

スタジアムで露出するメニュー

ユニフォーム(公式戦全試合で着用)、公式試合前練習着、スタジアムのフィールド内(ベンチや選手入場ゲート)、上層スタンドビジョン(ロゴ掲載やアニメーション映像の放映)、入場ゲート・コンコース(のぼりや来場者サンプリング)が挙げられています。

スタジアム演出という項目もあり、試合開始前やハーフタイムのピッチ上にムービングライトで企業名やロゴを掲出する形です。

企画そのものを持てるメニュー

冠マッチは、ホームゲームで企業名や商品名を冠したマッチデーを開催できるものです。ブース出展は、試合開始前に多くの来場者が足を運ぶ「青赤パーク」内でブース出展やイベントを実施できます。

ロゴを置くだけでなく、試合という機会そのものを自社の企画に使う形が用意されているということです。

デジタルと育成年代のメニュー

WEB・SNSは公式SNSで発信されるクリエイティブへのロゴ掲出、発行物はマッチデープログラムやFC東京アプリへのバナー掲出、会員向けPRはSNSキャンペーンや会員向けメールマガジンでのPRです。

その他として京王線のトレインチャンネルでのCM放映があり、さらにU-18・U-15のユニフォームへのロゴ掲出、スクールや大会への協賛というメニューもあります。トップチームだけでなく育成年代への協賛が独立したメニューになっているのが特徴です。

Q. スタジアム以外での露出もできますか?

できます。公式SNSのクリエイティブへのロゴ掲出、マッチデープログラムやFC東京アプリへのバナー掲出、会員向けメールマガジンでのPR、京王線のトレインチャンネルでのCM放映といったメニューが公開されています。

(参考)パートナーページ|パートナーメニュー – FC東京

クラブの決算から見た協賛の重み

スポンサー収入はJ1で5番目

相手の収益構造を知っておくと、協賛の位置づけが変わります。Jリーグは全クラブの経営情報を公表しています。

スポンサー収入は32億2,300万円

2025年度の売上高は72億1,000万円で、うちスポンサー収入が32億2,300万円、入場料収入が14億3,900万円でした。売上高に占めるスポンサー収入の割合は44.7%です。

J1の18クラブと比べると、売上高は8番目、スポンサー収入は5番目、入場料収入は8番目にあたります。クラブ全体の規模より、協賛を集める力のほうが順位が高い構造です。J1平均はそれぞれ65億1,400万円、26億4,600万円、12億1,200万円です。

3年間で協賛は3億8,700万円増えた

推移を見ると伸びが分かります。売上高は2023年度59億2,900万円、2024年度69億8,900万円、2025年度72億1,000万円。スポンサー収入は28億3,600万円、29億8,900万円、32億2,300万円と増え続けています。

直近1年でも2億3,400万円の増加です。3年間では3億8,700万円増えました。

入場料だけは前年を下回った

一方で入場料収入は2023年度12億800万円、2024年度14億5,000万円、2025年度14億3,900万円で、直近は1,100万円の減少です。

観客収入が頭打ちになるなかで協賛が伸びている、というのがFC東京の現状です。これは協賛の価値がクラブ内で相対的に上がっていることを意味します。クラブ経営の数字の読み方はJリーグとBリーグの決算を並べた資料で扱っています。

Q. FC東京の経営状況はどうですか?

2025年度の売上高は72億1,000万円で、J1の18クラブ中8番目です。スポンサー収入は32億2,300万円で5番目、売上に占める割合は44.7%です。スポンサー収入は3年間で3億8,700万円増えており、入場料収入が前年比1,100万円減となるなかで伸びています。

(参考)2025年度 クラブ経営情報開示資料 – Jリーグ

1社あたりの協賛額はいくらか

FC東京の公式サイトには、パートナーメニューは公開されていますが金額表はありません。協賛料を知りたい場合、公表されている数字から逆算するのが現実的な手がかりになります。

2025年度のスポンサー収入32億2,300万円を、パートナーページに掲載されている89社で割ると、1社あたり約3,621万円です。クラブが公式に発表している85社で割った場合は約3,792万円になります。

ただしこれは単純平均で、実際の金額は階層によって大きく違います。プレミアムパートナーに大企業が並び、シルバーに32社が入るという構成である以上、上位の数社が総額の大きな部分を占めていると考えるのが自然です。下位階層の実際の金額は、この平均よりかなり低いとみるべきです。

他のクラブと並べると、1社あたりの水準はクラブによって大きく異なります。

クラブ リーグ スポンサー収入 掲載社数 1社あたり(単純平均)
FC東京 J1 32億2,300万円 89社 約3,621万円
清水エスパルス J1 26億7,200万円 303社 約882万円
ヴァンフォーレ甲府 J2 8億3,200万円 301社 約276万円
富山グラウジーズ B2 3億7,801万円 183社 約207万円

出典:Jリーグ「2025年度 クラブ経営情報開示資料」、B.LEAGUE「2024-25シーズン(2024年度)クラブ決算概要」と各クラブ公式サイトの掲載社数から算出。富山のみ集計期が異なる

同じ計算をすると、最も高いFC東京と最も低い富山グラウジーズでは17.5倍の開きがあります。FC東京は社数を絞って1社あたりを大きくする設計、甲府や清水は社数を広げて1社あたりを小さくする設計です。どちらが良いということではなく、企業側が求めるものによって向き不向きが変わります。

自社が数百万円の予算で検討しているなら、1社あたりが数千万円のクラブでは最下層の枠になります。逆に1社あたりが200万円台のクラブであれば、同じ予算でも中位以上の階層に入れる可能性があります。予算の絶対額ではなく、そのクラブの中でどの位置になるかで考えるのが実務的です。

クラブごとの収入規模そのものは、Jリーグ53クラブのスポンサー収入ランキングで比べられます。

Q. FC東京の協賛料はいくらですか?

公式サイトに金額表は掲載されていません。2025年度のスポンサー収入32億2,300万円を掲載89社で割ると1社あたり約3,621万円ですが、これは単純平均です。プレミアムなど上位階層が総額の大きな部分を占めるため、下位階層の実際の金額はこれより低いと考えられます。

(参考)2025年度 クラブ経営情報開示資料 – Jリーグ

(参考)パートナー – FC東京

活用事例は5社が公開されている

実際にどう使われているかも公式サイトに掲載されています。目的別に5社の事例が紹介されています。

販促とブランド認知に使う

ファーストパートナーズはプロモーションへの選手起用、アムタス(めちゃコミック)は自社サービスのファンマーケティング貢献、ポケットカードはPRブースの出展と来場者サンプリングという形で、いずれもブランドイメージ認知の向上や販売促進を目的としています。

企業間の交流に使う

ビジネスネットワーク構築の事例として、企業同士の交流場創出が挙げられています。協賛企業が集まる場そのものを価値として使う形です。

社内向けに使う

注目したいのが残る2社です。京王電鉄は選手肖像権を活用した社内マナーの啓発運動、DYMは社内交流としての試合観戦の活用と紹介されています。クラブはこれらをインナーブランディングと位置づけています。

つまり社外に向けた広告ではなく、自社の社員に向けた施策として協賛を使う事例が、クラブ自身の資料に載っているということです。スポーツを社内施策に使う考え方はスポーツを福利厚生に取り入れる効果で整理しています。

Q. 協賛は社内向けにも使えますか?

使えます。公式サイトの活用事例には、京王電鉄が選手肖像権を活用した社内マナーの啓発運動、DYMが社内交流としての試合観戦を行った例が掲載され、クラブはこれをインナーブランディングと位置づけています。

(参考)パートナーページ|メリット活用事例 – FC東京

検討中の企業にはスタジアムツアーがある

問い合わせの前段階として、クラブは月1回程度、検討中の企業向けにスタジアムツアーを開催しています。パートナーシップ資料のダウンロードも公式サイトから行えます。

クラブは「パートナーシップを締結することがゴールではなく、パートナー企業が持つ課題や目的に応じてパートナーシップを活用いただくことが重要」という考え方を示しており、各企業の課題や目的に応じたソリューションとして提案するとしています。

窓口はFC東京事業部で、電話は042-444-2630(受付時間は火曜から金曜の10時〜17時)、メールはsales@fctokyo.co.jpです。受付が平日の火〜金に限られている点は、問い合わせのタイミングを考えるうえで押さえておく必要があります。

Q. 協賛を検討する前に見学はできますか?

できます。クラブは月1回程度、検討中の企業向けにスタジアムツアーを開催しています。パートナーシップ資料も公式サイトからダウンロードできます。窓口はFC東京事業部(042-444-2630、受付は火〜金の10時〜17時)です。

(参考)パートナーページ|お問い合わせ – FC東京

目的別に、どのメニューを選ぶか

目的 向いているメニュー
テレビ中継で社名を出したい ユニフォーム、ヒーローインタビューボード、監督会見ボード
商品を実際に試してほしい ブース出展(青赤パーク)、入場ゲートでの来場者サンプリング
自社の企画を立てたい 冠マッチ、キャンペーン実施権(優勝SALE)
同業他社を入れたくない 競合排除権
社員の一体感をつくりたい 観戦チケット、パートナー席、選手肖像権の社内活用
地域の子どもに関わりたい U-18・U-15ユニフォーム、スクールや大会への協賛

社員向けの施策として研修や組織開発にスポーツを使う方法は、協賛以外にもあります。

あわせて読みたいスポーツ研修で組織開発に取り組む企業一覧›

従業員の運動機会づくりに取り組む企業を国が認定するスポーツエールカンパニーという制度もあり、社内向けの取り組みとして並行して検討できます。

Q. どのメニューから検討すればよいですか?

目的を1つに絞るのが早道です。露出ならユニフォームや会場内の掲出、接触の質を上げたいならブース出展やサンプリング、自社の企画を立てたいなら冠マッチ、社内向けなら観戦チケットと選手肖像権の活用が対応します。

(参考)スポーツエールカンパニー – スポーツ庁

まとめ

  • パートナーは89社・5階層:プレミアム9、ゴールド10、シルバー32、ブロンズ31、サプライヤー7
  • 1年で5社増えた:2025シーズン80社から2026/27シーズン85社へ(オフィシャルパートナーの公式発表ベース)
  • 権利は4区分:広告媒体、観戦チケット、プロモーション、その他。競合排除権が含まれる
  • メニューは14種類:ユニフォームから冠マッチ、育成年代のユニフォームまで
  • スポンサー収入はJ1で5番目:32億2,300万円。売上高の順位(8番目)より高い
  • 社内向けの活用事例も公開されている:クラブ自身がインナーブランディングと位置づけている

スポーツビジネス全体の見取り図はスポーツビジネスの基礎にまとめています。

(参考)パートナー – FC東京

(参考)2025年度 J1クラブ決算一覧 – Jリーグ

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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