ガンバ大阪のパートナー一覧を開くと、階層がダイヤモンドからオフィシャルサイト運営まで9つに分かれています。そして最上位のダイヤモンド6枠のうち2枠が、同じグループの会社でした。
協賛そのものの金額は公開されていません。ただしこのクラブには、法人向けホスピタリティの料金表が1円単位で出ているという別の入口があります。そこから「1試合1人あたりいくらか」まで計算できました。順に見ていきます。
ガンバ大阪のスポンサーは131社、9階層に分かれている

クラブ公式サイトの「パートナー一覧」を2026年9月23日にブラウザで開き、階層ごとに掲載を数えました。結果は延べ139枠です。
階層は9つ。ダイヤモンド6枠、プラチナ6枠、ゴールド37枠、シルバー22枠、ブロンズ40枠、ブルー15枠、SDGsmile9枠、フレンドシップ3枠、オフィシャルサイト運営1枠。上位3階層はロゴ、シルバー以下は社名のテキストで掲載されています。
同じ企業が複数の階層に出ている枠が8件ありました。ダイセル、ロート製薬、パナソニック、昭和化工、セブン‐イレブン・ジャパン、追手門学院大学、豊泉家の7社が上位階層とSDGsmileパートナーの両方に、デジタルトラストがブルーパートナーとオフィシャルサイト運営パートナーの両方に載っています。これを除いて実数は131社です。
SDGsmileとフレンドシップは金額の階層ではなく、取り組みの種類で括られた枠だと読めます。フレンドシップパートナーには大阪大学、国立循環器病研究センター、日本センチュリー交響楽団が並んでいて、企業というより地域の機関です。
Q. 自治体は入っていますか。
プラチナパートナーに吹田市が入っています。上から2番目の階層です。ほかに都市再生機構がSDGsmileパートナーに名前を連ねています。吹田市とはこれとは別に協定も結ばれていて、この点は最後の章で扱います。
パナソニックグループだけで、10枠を占めている
一覧を眺めていて目についたのが、パナソニックという文字の多さでした。名義を拾うと10枠あります。
| 階層 | 名義 |
|---|---|
| ダイヤモンドパートナー | パナソニック株式会社/パナソニック株式会社テクニクス |
| プラチナパートナー | パナソニック エナジー株式会社 |
| ゴールドパートナー | パナソニックHVAC&CC/パナソニック オートモーティブシステムズ株式会社/パナソニック ホームズ株式会社/パナソニックインダストリー |
| ブロンズパートナー | パナソニック システムデザイン株式会社 |
| SDGsmileパートナー | パナソニックホールディングス株式会社/パナソニック株式会社(ダイヤモンドと重複) |
出典:ガンバ大阪「パートナー一覧」(2026年9月23日取得)を筆者集計
ダイヤモンド6枠のうち2枠、プラチナ6枠のうち1枠、ゴールド37枠のうち4枠がパナソニック名義です。131社のうち9社(6.9%)がパナソニックの事業会社ということになります。
ガンバ大阪はもともとパナソニック(旧松下電器産業)のサッカー部を母体に、1991年に発足したクラブです。持株会社化と事業会社の分社が進んだ結果、かつて1社だった協賛が、いまは9つの名義に分かれて並んでいる形になります。
Q. グループ内で階層が分かれているのはなぜですか。
クラブから説明はありません。事実として言えるのは、名義ごとに階層が違うということです。パナソニック株式会社とテクニクスがダイヤモンド、エナジーがプラチナ、HVAC&CC・オートモーティブシステムズ・ホームズ・インダストリーがゴールド、システムデザインがブロンズ。事業会社ごとに予算と目的が分かれていると読むのが自然でしょう。
協賛の金額は非公開。ただしホスピタリティの料金は全部出ている
「ガンバ大阪 スポンサー 金額」で調べる人のために書くと、階層ごとの協賛金は公開されていません。パートナーシップのページにあるのはメニューの種類(ブランディング/社内活動・福利厚生/CSR・SDGs)と事例だけです。
そのかわり、法人専用のホスピタリティプログラムだけは料金が明記されています。
| プラン | 申込単位 | 料金(税込・19試合) |
|---|---|---|
| G-VIPルーム(メインスタンド) | 19名または20名/室 | 1149万5000円〜1210万円 |
| G-VIPルーム(バックスタンド) | 19名または20名/室 | 952万6000円〜1002万1000円 |
| G-VIPラウンジ | 1名/席 | 46万2000円 |
| パートナーラウンジ | 1名/席 | 23万1000円 |
出典:ガンバ大阪「ホスピタリティプログラム(法人専用)」より筆者作成。1試合ごとのマッチデー利用も別途用意されている
G-VIPルームとG-VIPラウンジにはフードBOX、スープ、フリードリンクが付き、パートナーラウンジはフリードリンクのみ。いずれもバルコニーシートで観戦します。前年度に契約した法人が優先予約と明記されていて、空きが出ないと入れない仕組みです。
服装の規定もあります。G-VIPルームとG-VIPラウンジは男性はジャケット着用(5月から10月は襟付きシャツで可)、襟のないシャツ・短パン・サンダルは不可。他クラブを想像させる服装は不可という条件も書かれています。
Q. パートナーでなくても申し込めますか。
ページには「法人専用」とあるだけで、パートナー契約が前提とは書かれていません。ただしプラン名が「パートナーラウンジ」であること、前年度契約法人が優先予約であることから、既存のパートナー企業が中心の枠だと読めます。確実なところは問い合わせて確認してください。
(参考)ホスピタリティプログラム(法人専用) – ガンバ大阪オフィシャルサイト
1試合1人あたりに直すと1万2157円から3万1842円
19試合ぶんの料金が出ているので、1試合あたりに割り戻せます。
パートナーラウンジは23万1000円÷19試合で、1試合1人あたり1万2157円。G-VIPラウンジは46万2000円÷19試合で2万4315円。G-VIPルーム(メインスタンド)は上限の1210万円を19試合・20名で割ると3万1842円になります。
この連載で、協賛の対価を1人1試合に割り戻せたのは2例目です。鹿児島ユナイテッドFCは全階層の招待券が1枚1万1000円でそろっていました。ガンバ大阪のパートナーラウンジ1万2157円は、その鹿児島の招待券とほぼ同じ水準です。J1で観客動員4位のクラブのラウンジ席と、J3クラブの招待券が同じ価格帯というのは、意外な一致でした。
もっとも中身は違います。鹿児島の1万1000円は額面3000円から4000円の一般席で、差額が掲載の対価でした。ガンバ大阪の1万2157円はフリードリンク付きのラウンジとバルコニー指定席です。価格が同じでも、何を買っているかは別物だということです。
Q. この費用はどう処理しますか。
国税庁は、不特定多数への宣伝的効果を意図した費用は広告宣伝費、特定の取引先などを接待・供応する費用は交際費等にあたるという区分を示しています。ホスピタリティは飲食を伴い、取引先を招く使い方が想定される枠なので、後者に近づきます。社員の福利厚生として使う場合はまた扱いが変わりえます。実際の処理は顧問税理士に確認してください。
(参考)No.5260 交際費等と広告宣伝費との区分 – 国税庁
決算では、スポンサー収入がJ1平均を下回っている

Jリーグが開示した2025年度の決算を見ると、意外な形が出てきます。ガンバ大阪の売上高88億1700万円はJ1平均64億9200万円の1.36倍。リーグでも上位の規模です。
ところがスポンサー収入22億9200万円は、J1平均26億7900万円を下回っています。平均の86%です。売上に占める割合も26.0%で、J1平均の41.3%と比べるとかなり低い水準になります。
この形は、この連載で扱ったアルビレックス新潟と同じでした。新潟はスポンサー収入がJ1平均の53%でしたから、ガンバ大阪のほうが差は小さいものの、売上の大きさとスポンサー収入が比例していないという点は共通しています。
あわせて読みたい日本スポーツ業界の8つの課題|15兆円市場とDX動向›
Q. 観客はどれくらい入っていますか。
クラブのパートナーシップページによれば、2025シーズンのJ1リーグ平均観客動員数は30,007人で、J1の20クラブ中4位でした。入場料収入14億5100万円もJ1平均12億900万円の1.20倍です。集客は上位、スポンサー収入は平均以下、という組み合わせになっています。
(参考)2025年度 J1 クラブ決算一覧(PDF) – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ
売上88億円のうち26億円が「その他収入」
決算全体を並べると、差がどこにあるのかがはっきりします。
| 項目 | ガンバ大阪 | J1平均 |
|---|---|---|
| 売上高 | 88億1700万円 | 64億9200万円 |
| スポンサー収入 | 22億9200万円 | 26億7900万円 |
| その他収入 | 26億3700万円 | 8億2800万円 |
| 入場料収入 | 14億5100万円 | 12億900万円 |
| 物販収入 | 9億3700万円 | 6億5000万円 |
| 移籍補償金等収入 | 7億3200万円 | 4億4300万円 |
| Jリーグ配分金 | 5億1200万円 | 4億2600万円 |
| トップチーム人件費 | 29億7000万円 | 23億500万円 |
| 営業利益 | 2億400万円 | 1億1200万円 |
| 当期純利益 | 1億4000万円 | 1500万円 |
出典:公益社団法人日本プロサッカーリーグ「2025年度 J1 クラブ決算一覧」より筆者作成
いちばん差が大きいのはその他収入26億3700万円で、J1平均8億2800万円の3.2倍。売上の29.9%を占めていて、スポンサー収入(26.0%)より大きい項目になっています。
Jリーグの開示は「その他収入」の内訳を示していないので、中身は分かりません。ただしガンバ大阪の運営会社はパナソニックスタジアム吹田の指定管理者でもあります。スタジアムの運営受託が含まれるなら、この大きさは説明がつきます。推測なので断定はしませんが、協賛を検討する企業にとっては「このクラブの収入の3割は協賛でも入場料でもない」という事実は押さえておく価値があります。
利益は営業利益2億400万円、当期純利益1億4000万円で、どちらもJ1平均を上回りました。トップチーム人件費29億7000万円はJ1平均の1.29倍です。
Q. 「収入」「費用」で調べるとこの決算にたどり着きますか。
Jリーグは毎年、全クラブの決算を同じ様式で開示しています。ガンバ大阪の単独のIR資料ではなく、リーグの一覧表のなかに1列として載る形です。この記事の数字はすべてそこから取っています。クラブ自身が決算を発表するリリースもありますが、他クラブと同じ基準で比べたいならリーグの開示のほうが扱いやすいです。
(参考)2025年度 J1 クラブ決算一覧(PDF) – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ
スポンサー1社あたりは約1750万円で、この連載の2位

スポンサー収入22億9200万円を131社で割ると、単純平均で1社あたり約1750万円です。この連載で同じ計算をしてきたクラブのなかでは、FC東京の約3621万円に次ぐ2番目になります。
スポンサー収入自体はJ1平均以下なのに1社あたりが高いのは、社数が131社と絞られているからです。131社という数は、この連載で調べたJ1・B1クラブのなかでは少ないほうに入ります。FC岐阜は336社、アルビレックス新潟は252社でした。
数を集めるのではなく、1社あたりを大きくする。9階層に整理されたパートナー制度と、19試合で1000万円を超えるホスピタリティが並ぶ設計は、その方針と整合しています。
Q. 小口で入る方法はありますか。
支援自動販売機があります。設置場所を提供すると、売上の10%がオーナー、10%がガンバ大阪の支援金になる仕組みです。設置に伴う電気工事費はクラブ負担、設置後の電気代はオーナー負担。必要なスペースは横幅1800ミリ・奥行750ミリで、15A(100V)の専用コンセントが要ります。管理はコカ・コーラ ボトラーズジャパンへの業務委託です。
(参考)ガンバ大阪支援自販機 – ガンバ大阪オフィシャルサイト
ホームスタジアムは、寄付で建てて市に寄贈された
ガンバ大阪の協賛を考えるうえで、パナソニックスタジアム吹田(市立吹田サッカースタジアム)の成り立ちは外せません。
2015年10月竣工。民間の募金で建設し、完成した施設を吹田市に寄贈するという方式で作られました。クラブは「日本初の寄付・募金による日本最大級のサッカー専用スタジアム」と紹介しています。市が所有し、ガンバ大阪の運営会社が指定管理者として運営する形です。
設備も公表されています。ピッチと観客席スタンドの最短距離は7メートルで、4万人以上を収容するスタジアムでは日本一短いとされています。南面以外の全屋根に500キロワットの太陽光パネル、雨水の再利用、日本初のナイター照明全面LED化で消費電力を30%削減、年間271トンの二酸化炭素を削減。VIPエリアは日本最大級の2000席です。
スポーツ庁は「スタジアム・アリーナ改革ガイドブック」で、収益性の向上と多様な財源の確保を掲げています。寄付で建て、市に寄贈し、クラブが指定管理者として運営するこのスタジアムは、その一つの形です。協賛企業から見れば、掲出先の箱が公共施設でありながらクラブが運営しているという、比較的珍しい構造になります。
Q. VIPエリアが2000席あるのは協賛に関係しますか。
関係します。前述のホスピタリティプログラムが成り立つのは、この規模のVIPエリアがあるからです。1室19名から20名のG-VIPルームが複数あり、ラウンジも席単位で売られています。宇都宮ブレックスの記事で書いたとおり、Bリーグはリーグ基準としてスイートとラウンジを義務づけました。Jリーグのスタジアムでも、法人向けの席は協賛の価値を左右する設備になっています。
(参考)スタジアム・アリーナ改革ガイドブック(第3版) – スポーツ庁
吹田市はプラチナパートナーで、協定も結んでいる
最後に、自治体との関係を整理します。ガンバ大阪と自治体は、協賛と協定の二重になっています。
| 市 | 人口 | 市 | 人口 |
|---|---|---|---|
| 豊中市 | 39万8164人 | 茨木市 | 28万6029人 |
| 吹田市 | 38万4102人 | 箕面市 | 13万6195人 |
| 高槻市 | 34万5718人 | 池田市 | 10万2646人 |
| 摂津市 | 8万6418人 | 7市合計 | 173万9272人 |
出典:ガンバ大阪「パートナーシップ」ページ掲載の数値(2025年1月現在)より筆者作成
吹田市はプラチナパートナー
パートナー一覧の上から2番目、プラチナパートナー6枠のなかに吹田市が入っています。同じ階層にはTOYO TIRE、昭和化工、パナソニック エナジー、Sky、セブン‐イレブン・ジャパンが並びます。自治体が企業と同じ階層で、しかも上位に置かれているのはこの連載でも珍しい形でした。
7市と包括連携協定を結んでいる
クラブの公表資料によれば、吹田市とはパートナーシップ協定を、吹田市・豊中市・高槻市・茨木市・箕面市・摂津市・池田市の7市とは包括連携協定を結んでいます。協賛と協定が別立てになっている点は、ヴィアティン三重やFC岐阜とも違う形です。
ホームタウンは14市3町・約174万人
ホームタウンは北摂・北河内地域の14市3町です。重点7市の人口は上の表のとおりで、合計173万9272人(2025年1月現在)。
重点7市だけで174万人弱。スタジアムを中心にした半径で見れば、協賛の露出が届く母数としてはかなり大きい部類です。平均観客動員30,007人という数字も、この人口規模が背景にあります。
Q. いま協賛を検討するなら、何から見ればよいですか。
階層の金額が非公開である以上、まず問い合わせになります。そのうえで押さえておきたいのは3つです。1社あたりの平均が約1750万円と高い水準であること、公開されている料金はホスピタリティだけで19試合23万1000円から1210万円まで幅があること、そしてダイヤモンドからオフィシャルサイト運営まで9階層あるので入口の選択肢は広いこと。予算と目的を決めてから聞いたほうが話が早く進みます。
FREE DOCUMENT
関連する資料を無料でダウンロード
ご質問・ご相談はお気軽にどうぞ
お問い合わせはこちら →




コメント