テゲバジャーロ宮崎のスポンサー一覧を数えていて、途中で数字を二度見しました。ダイヤモンドパートナー33枠のうち、6枠が自治体だったからです。
しかも新富町、宮崎市、西都市、綾町というホームタウン4市町がすべて入っています。さらに都城市と国富町も。連載で22クラブを見てきて、こういう並びは初めてでした。
テゲバジャーロ宮崎のスポンサーは、17区分・延べ170枠・実数151社

クラブ公式サイトのスポンサー一覧を2026年9月23日に取得して集計しました。区分は17、合計で延べ170枠です。
通年の区分が12でトップパートナー10、オフィシャルパートナー8、クラブビジョン推進パートナー1、ダイヤモンドパートナー33、ゴールドパートナー32、オフィシャルフードパートナー1、スタジアムセキュリティパートナー1、ひなたパス応援パートナー15、子ども食堂プロジェクト11、サポーティングカンパニー16、アシストカンパニー9、オフィシャルサプライヤー4。合わせて141枠になります。
これとは別に「都城シリーズ」という区分が5つあり、29枠。あとで詳しく見ます。
法人格の表記ゆれを揃えて重ねると、重複は19枠ぶん。除くと実数151社です。近い名前で迷ったのは新富町と国富町、ライオンズクラブ4Zと5Zの組み合わせだけで、どちらも別の団体として分けました。
Q. J3のクラブとしては多いほうですか。
少ないほうです。この連載で調べたJ3のクラブでは、ヴァンラーレ八戸が289社、ロアッソ熊本が延べ455枠、鹿児島ユナイテッドFCが446社でした。151社はその3分の1から半分ほどです。ただし後で見るとおり、スポンサー収入の金額はJ3平均を上回っています。社数と金額は別の話だということが、このクラブではっきり出ています。
(参考)スポンサー一覧 – テゲバジャーロ宮崎オフィシャルサイト
ホームタウン4市町が、すべてダイヤモンドパートナーだった
自治体の入り方が、この連載でいちばん徹底しています。
| 自治体 | 区分 | ホームタウンか |
|---|---|---|
| 新富町 | ダイヤモンドパートナー | ホームタウン(スタジアム所在地) |
| 宮崎市 | ダイヤモンドパートナー | ホームタウン(クラブ所在地) |
| 西都市 | ダイヤモンドパートナー+都城シリーズのシルバー | ホームタウン |
| 綾町 | ダイヤモンドパートナー | ホームタウン |
| 都城市 | ダイヤモンドパートナー | ホームタウン外 |
| 国富町 | ダイヤモンドパートナー | ホームタウン外 |
出典:テゲバジャーロ宮崎「スポンサー一覧」およびクラブプロフィールより筆者作成
クラブプロフィールによれば、テゲバジャーロ宮崎のホームタウンは新富町、宮崎市、西都市、綾町の4市町。その4つが全部ダイヤモンドパートナーに入っています。加えてホームタウン外の都城市と国富町も同じ区分です。
連載ではFC岐阜が岐阜県と42市町村すべてをパートナーに入れていましたが、あちらは県ぐるみの枠組みでした。テゲバジャーロ宮崎は市町ごとに個別の協賛区分として並んでいる点が違います。逆にファジアーノ岡山は一覧に自治体が見当たらず、徳島ヴォルティスは板野町が1つだけでした。
公的な団体まで広げると、さらに増えます。都城シリーズには都城商工会議所、山之口町商工会、都城観光協会、都城市スポーツコミッション、ライオンズクラブ4団体が並びます。オフィシャルサプライヤーには宮崎県歯科医師会も入っています。
Q. 自治体が協賛するとどうなりますか。
金額の多寡より、クラブが地域の事業に組み込まれていることの表れだと読めます。ただし自治体の支出は予算として議会の議決を経るもので、企業の広告費とは性格が違います。テゲバジャーロ宮崎の場合、6自治体がいずれもダイヤモンドパートナーという同じ区分に置かれていますが、その区分の金額は公開されていないため、実際にいくら支出しているかは一覧からは分かりません。
(参考)クラブプロフィール – テゲバジャーロ宮崎オフィシャルサイト
「都城シリーズ」という、試合単位の協賛枠がある
もうひとつ珍しいのが、都城市での開催試合に紐づいた協賛区分です。
| 区分 | 枠数 | 主な顔ぶれ |
|---|---|---|
| トップパートナー | 2 | いちご/霧島酒造 |
| ゴールドパートナー | 9 | 都北産業/まつちく/桝元ホールディングス/九南/グリーン商事ほか |
| シルバーパートナー | 2 | 上沖産業/西都市役所 |
| ブロンズパートナー | 4 | MSGソニャトーレFC/山之口町商工会/都城市スポーツコミッション/徳満建設 |
| 特別協賛・特別後援 | 12 | 都城商工会議所/都城観光協会/ルートインジャパン/ライオンズクラブ4団体ほか |
出典:テゲバジャーロ宮崎「スポンサー一覧」より筆者作成
都城市はホームタウンではありません。それでも29枠ぶんの協賛区分が別建てで用意されている。都城市自身もダイヤモンドパートナーとして通年の側に入っています。
この形は、連載では初めて見ました。シーズン通しの協賛とは別に、特定地域での開催に紐づいた枠を売るという設計です。企業から見れば、自社の商圏で試合があるときだけ協賛するという選択ができます。
顔ぶれもはっきり分かれています。霧島酒造、都北産業、九南といった都城の企業が上位に入り、通年のトップパートナー10社とはほとんど重なりません。重なるのはいちごとまつちく、桝元ホールディングスだけです。
Q. これを社数に数えてよいのですか。
この記事では数えています。都城シリーズの区分もクラブが「スポンサー一覧」のページに掲載しているもので、協賛の枠だからです。ただし通年の枠とは対価も期間も違うはずなので、延べ170枠のうち29枠は都城シリーズだと明示しました。ホームタウン活動や包括連携協定のような、協賛ではないものは含めていません。
(参考)スポンサー一覧 – テゲバジャーロ宮崎オフィシャルサイト
いちごが4枠で最多。ZOZOは2つの区分に名前がある
複数の区分にまたがっている企業を並べます。
| 保有枠数 | 企業数 | 該当する企業と区分 |
|---|---|---|
| 4枠 | 1社 | いちご(トップ/ひなたパス/子ども食堂/都城トップ) |
| 3枠 | 1社 | まつちく(ダイヤモンド/ひなたパス/都城ゴールド) |
| 2枠 | 14社 | ZOZO(トップ/クラブビジョン推進)、霧島酒造、MRT宮崎放送、UMKテレビ宮崎、メモリード宮崎ほか |
| 1枠 | 135社 | — |
出典:テゲバジャーロ宮崎「スポンサー一覧」を筆者集計。法人格の表記ゆれを揃えたうえで同一企業とみなした
最多はいちご株式会社の4枠。トップパートナー、ひなたパス応援パートナー、子ども食堂プロジェクト、そして都城シリーズのトップパートナーです。このクラブとの関わりがいちばん深い企業だということになります。
ZOZOは2枠で、トップパートナーと「クラブビジョン推進パートナー」。クラブビジョン推進パートナーはZOZOだけの区分で、ほかに企業がいません。名称のとおり、広告というよりクラブの方向性そのものに関わる枠だと読めますが、契約内容は公開されていないため詳細は分かりません。
135社、つまり全体の89.4%は1枠だけです。上位に厚みがあるというより、いちごとZOZOという2社が別格の位置にいる構成になっています。
Q. 協賛の金額は公開されていますか。
されていません。17区分のいずれについても、クラブのサイトに料金表や協賛案内のページは見つかりませんでした。連載ではファジアーノ岡山が年5万円から、徳島ヴォルティスが年5万5000円(税込)から、長崎ヴェルカが年10万円(税別)の1メニューだけを公開していました。テゲバジャーロ宮崎はヴァンラーレ八戸や高知ユナイテッドSCと同じく、金額を出さないタイプです。問い合わせから始めることになります。
(参考)スポンサー一覧 – テゲバジャーロ宮崎オフィシャルサイト
決算はスポンサー収入5億4100万円。J3平均を上回っている
決算の主な項目をJ3平均と並べます。
| 項目 | テゲバジャーロ宮崎 | J3平均 |
|---|---|---|
| 売上高 | 7億6100万円 | 8億8200万円 |
| スポンサー収入 | 5億4100万円 | 4億9800万円 |
| 入場料収入 | 6500万円 | 9100万円 |
| 物販収入 | 6400万円 | 7800万円 |
| Jリーグ配分金 | 6500万円 | 2800万円 |
| アカデミー関連収入 | 1100万円 | 5000万円 |
| その他収入 | 1000万円 | 9900万円 |
| トップチーム人件費 | 2億5600万円 | 2億7600万円 |
| 販売費および一般管理費 | 2億2500万円 | 2億3200万円 |
| 営業利益 | ▲4400万円 | ▲3300万円 |
| 当期純利益 | ▲1700万円 | ▲2800万円 |
出典:公益社団法人日本プロサッカーリーグ「2025年度 J3 クラブ決算一覧」より筆者作成。対象期間は2025年2月から2026年1月。J3平均は数値を開示した16クラブの平均
売上高7億6100万円はJ3平均の86.3%。ところがスポンサー収入5億4100万円はJ3平均4億9800万円を上回り、108.6%です。151社という社数はJ3で少ないほうなのに、金額では平均を超えています。
もうひとつ目立つのがJリーグ配分金6500万円。J3平均2800万円の2.3倍です。一方でその他収入は1000万円しかなく、J3平均9900万円の10.1%。前回取り上げたヴァンラーレ八戸がその他収入で1億5200万円を計上していたのとは正反対の姿です。
費用はトップチーム人件費2億5600万円、販管費2億2500万円で、いずれもJ3平均をやや下回ります。営業損失は▲4400万円、当期純損失は▲1700万円でした。純資産は3000万円で、債務超過ではありません。
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Q. 利益剰余金がマイナスとありますが。
2026年1月末の利益剰余金は▲2億1300万円です。過去の赤字の累積で、これを資本金1億円と資本剰余金等1億4300万円が上回っているため、純資産は3000万円のプラスになっています。債務超過ではありませんが、余裕が大きいわけでもありません。協賛を検討する立場では、単年の損益だけでなくこの水準も見ておく価値があります。
(参考)2025年度 J3 クラブ決算一覧(PDF) – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ
売上に占めるスポンサー収入は71.1%。J3で3番目に高い

スポンサー収入5億4100万円を売上高7億6100万円で割ると71.1%になります。
2025年度に数値を開示したJ3の16クラブで比べると、3番目に高い数字です。1位がSC相模原の83.5%、2位がFC大阪の73.3%。下位はAC長野パルセイロの38.4%、FC琉球の42.3%で、45ポイント近い開きがあります。
依存度が高いということは、入場料や物販、その他の収入が小さいということでもあります。テゲバジャーロ宮崎の入場料6500万円は売上の8.5%、物販6400万円は8.4%。この2つを足しても17%に届きません。
ホームスタジアムの入場可能数が5,375人であることを考えると、入場料で大きく伸ばすのは構造的に難しい面があります。協賛で支えるという選択が、そのまま数字に出ていると読めます。
Q. 依存度が高いのは危ないことですか。
相手が分散していれば、必ずしも危険ではありません。テゲバジャーロ宮崎は151社のうち135社が1枠だけという分布で、特定の1社に極端に寄ってはいません。ただし自治体が6つ入っているぶん、予算の判断が収入に影響しうるという別の性格は持っています。連載では徳島ヴォルティスがJ2で61.0%と最も高く、あちらは大塚グループという母体企業の存在が理由でした。宮崎の71.1%はそれとは成り立ちが違います。
(参考)2025年度 J3 クラブ決算一覧(PDF) – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ
スポンサー1社あたりは約358万円。J3では際立って高い

スポンサー収入5億4100万円を実数151社で割ると、単純平均で1社あたり約358万円です。
この連載で調べた22クラブのなかでは9番目。J3のクラブとしては突出しています。同じJ3のヴァンラーレ八戸が約104万円、鹿児島ユナイテッドFCが約106万円、ロアッソ熊本が約110万円でしたから、3倍以上の水準です。
理由は単純で、社数が少なく金額が大きいからです。151社でJ3平均を超える5億4100万円を集めている。八戸は289社で3億円、熊本は延べ455枠で集めていました。同じJ3でも、集め方がまったく違います。
もっとも、17区分の価格差は相当あるはずです。トップパートナー10社と、都城シリーズのブロンズパートナーが同じ金額ということはありません。358万円は全体の重心を示す数字として読んでください。
Q. 少数から多く集める形にはどんな意味がありますか。
管理の手間は軽くなります。151社なら担当者が全社を把握できる規模です。一方で、1社が抜けたときの影響は大きくなります。ヴァンラーレ八戸のように289社へ細かく分散させる形とは、リスクの取り方が逆です。どちらが良いという話ではなく、クラブの人員体制と地域の企業構成によって選ばれるものだと考えられます。
(参考)2025年度 J3 クラブ決算一覧(PDF) – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ
スタジアムの名前も、4枠を持つ「いちご」だった
ホームスタジアムの正式名称はいちご宮崎新富サッカー場。クラブは通称を「いちご」としています。所在地は新富町三納代、入場可能数は5,375人です。
この「いちご」は、トップパートナーで4枠を持ついちご株式会社のネーミングライツによるものです。クラブに協賛しつつ、スタジアムの名前も持っている。連載ではファジアーノ岡山のJFEスチール、宇都宮ブレックスの栃木銀行、高知ユナイテッドSCの技研製作所、ヴァンラーレ八戸のプライフーズが同じ構図でした。
ただしテゲバジャーロ宮崎の場合、命名権料は確認できませんでした。新富町の公表資料にも、クラブのサイトにも金額の記載がありません。連載では八戸市が5施設の年額を一覧で出し、高知県も2施設の契約金額を公表していましたが、ここでは同じ確認ができませんでした。
いちご株式会社との関わりは名前だけではありません。スポンサー連動グッズとしてレプリカユニフォームが販売されており、子ども食堂プロジェクトにも名前があります。協賛、施設名、グッズ、地域活動の4方向で関わっている形です。
Q. 協賛金は経費としてどう扱われますか。
国税庁は、不特定多数への宣伝的効果を意図した費用は広告宣伝費、特定の取引先などを接待・供応する費用は交際費等にあたるという区分を示しています。テゲバジャーロ宮崎の区分は掲出型が中心なので前者に寄りますが、料金も特典一覧も公開されていないため、契約書で内容を確定させておく必要があります。子ども食堂プロジェクトのような社会貢献色の強い枠は、扱いがさらに変わりうるので個別に確認してください。実際の処理は顧問税理士に相談を。
(参考)いちご宮崎新富サッカー場について – テゲバジャーロ宮崎オフィシャルサイト
(参考)No.5260 交際費等と広告宣伝費との区分 – 国税庁
顔ぶれを見ると、県内経済の主要プレーヤーが並んでいた
最後に、151社の顔ぶれから見えることを3つ書きます。
金融機関は「ひなたパス応援パートナー」に集まっている
ひなたパス応援パートナー15社には、宮崎銀行、宮崎太陽銀行、コープみやざき、宮交シティ、宮交ホールディングス、宮崎空港ビル、宮崎ガス、ドコモ宮崎支店、UMKテレビ宮崎、MRT宮崎放送などが並びます。県内の主要企業がこの区分に集中しているのが特徴です。ゴールドパートナーには宮崎第一信用金庫も入っています。
クラブの本社はトップパートナーのビルにある
クラブプロフィールによれば、株式会社テゲバジャーロ宮崎の所在地は宮崎市大淀の宮交シティ3階。その宮交シティはトップパートナーで、ひなたパス応援パートナーにも入っています。宮崎交通グループとの結びつきが深いことが、住所から読み取れます。
子ども食堂プロジェクトに11社が別枠で参加
「子ども食堂 愛・ごはんプロジェクト」には、いちご、メイハン、NPK、梅田学園、児湯養鶏農業協同組合、宮崎県農協果汁、JAみやざき、ヤマエ食品工業、メモリード宮崎など11社が名を連ねます。食品・農業系の企業が多いのが、この枠の特徴です。広告枠としてではなく、活動への参加として掲載されている形になります。
Q. 結局、テゲバジャーロ宮崎の協賛構造はどう見ればよいですか。
少数精鋭型です。151社という数はJ3で少ないほうですが、スポンサー収入はJ3平均を超えています。上にいちごとZOZOがいて、ホームタウン4市町を含む6自治体がダイヤモンドパートナーに並び、県内の主要企業がひなたパス応援パートナーに集まる。そこに都城シリーズという地域別の枠と、子ども食堂のような活動別の枠が重なります。金額は一切公開されていないので、検討するなら問い合わせから始めることになります。
(参考)スポンサー一覧 – テゲバジャーロ宮崎オフィシャルサイト
(参考)クラブプロフィール – テゲバジャーロ宮崎オフィシャルサイト
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