浦和レッズのスポンサー517社|年500万円からと24万円から、料金を公表している

浦和レッズのスポンサー517社と公表されている協賛料金 スポーツビジネス

この連載で24クラブを調べてきて、協賛料金を自分から書いているJ1クラブは浦和レッズが初めてでした。

「パートナーシップ料金 年間500万円〜」。問い合わせページに、こう明記されています。さらにその下に「年間24万円からご参加いただける『レッズビジネスクラブ』」。そのビジネスクラブの会員企業を数えると416社ありました。

浦和レッズのスポンサー・パートナーは、2つのプログラムで延べ528枠

浦和レッズの区分別の掲載数

クラブ公式サイトを2026年9月24日に取得して集計しました。なお浦和レッズは協賛企業を「パートナー」と呼んでいます。以下、区分名はクラブの表記に合わせます。掲載は2系統に分かれています。

ひとつが「パートナー」。TOP PARTNER 9、OFFICIAL PARTNER 30、PREMIUM PARTNER 28、FAMILY PARTNER 45で延べ112枠です。FAMILY PARTNERの掲載は55枠ありましたが、そのうち10枠は「新規パートナーシップのお問い合わせはこちら」「未来への赤い架け橋プロジェクト」などクラブ自身の告知バナーだったため除きました。

もうひとつがレッズビジネスクラブの会員企業416社(2026年8月19日現在)。50音順に並んだテキストの一覧で公開されています。

合計すると延べ528枠。名寄せすると、パートナー側で6件、パートナーとビジネスクラブの間で5件が重複していました。除くと実数517社です。

この連載でいちばん多かったのは徳島ヴォルティスの797社でした。517社はそれに次ぐ2番目になります。

Q. ビジネスクラブの416社もスポンサーに数えてよいのですか。

この記事では数えています。年会費を払い、埼玉スタジアム2002の社名看板やオーロラビジョン、公式サイトに社名が出るからです。クラブ自身も「ビジネス」のメニュー配下にパートナーと並べて置いています。ただし性格は違うので、延べ528枠のうち416社はビジネスクラブだと明示しました。ホームタウン活動や告知バナーのような対価のない枠は含めていません。

(参考)パートナー – 浦和レッドダイヤモンズ公式サイト

(参考)レッズビジネスクラブ – 浦和レッドダイヤモンズ公式サイト

TOP PARTNER 9社にテイケイ。三菱グループは8社が入っている

最上位区分と、目立つグループの顔ぶれです。

TOP PARTNER 9社と、区分をまたぐ三菱グループ
区分 企業
TOP PARTNER(9枠) POLUS(ポラス)/NIKE/三菱重工/三菱自動車/EneCle(エネクル)/テイケイ/DHL/ぴあ/Juice
三菱グループ(4区分に計8社) 三菱重工・三菱自動車(TOP)/三菱食品・三菱電機・三菱UFJ銀行・三菱UFJ信託銀行・三菱UFJニコス(OFFICIAL)/三菱地所(PREMIUM)
埼玉の企業(例) 埼玉縣信用金庫/JAグループさいたま/埼玉りそな銀行/藤島建設/デンキチ/セキチュー/浦和PARCO/イオンモール浦和美園/サイボー/与野フード

出典:浦和レッズ「パートナー」より筆者作成

「浦和レッズ スポンサー テイケイ」で調べる人がいるのは、テイケイがTOP PARTNERに入っているからです。警備・人材サービスのテイケイグループが、POLUSやNIKE、三菱重工と同じ最上位区分に並んでいます。

そして三菱グループが4つの区分に計8社。TOP PARTNERに三菱重工と三菱自動車、OFFICIAL PARTNERに三菱食品、三菱電機、三菱UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJニコス、PREMIUM PARTNERに三菱地所です。浦和レッズの前身が三菱重工業サッカー部であることを踏まえると、その関係が現在も一覧に残っていることになります。

連載ではファジアーノ岡山にJFEグループ7社、徳島ヴォルティスに大塚グループ26枠という例がありました。三菱の8社はそれに次ぐ規模です。

Q. ユニフォームの広告はどの区分に付くのですか。

クラブが公開している権益表では、ユニフォーム広告はTOP PARTNERだけが対象で、それ以外の3区分は「対象外」と明記されています。つまりユニフォームに社名を載せられるのは9枠の枠内だけです。トレーニングウェア広告はOFFICIAL PARTNER以上が対象になります。

(参考)パートナー – 浦和レッドダイヤモンズ公式サイト

4区分の違いは、権益の表で公開されている

どの区分で何ができるのかが、表になって出ています。

区分ごとの主な権益(「ー」は対象外)
権益 ファミリー プレミアム オフィシャル トップ
ユニフォーム広告 ー ー ー 提供
トレーニングウェア広告 ー ー 提供 提供
地域・社会貢献活動 ー 提供 提供 提供
スタジアム広告 提供 提供 提供 提供
エンブレム・ロゴの販促活用 提供 提供 提供 提供
飲食付き特別観戦 提供 提供 提供 提供
ブース出展・サンプリング 提供 提供 提供 提供
観戦チケット・駐車券 提供 提供 提供 提供

出典:浦和レッズ「新規パートナーシップに関するお問い合わせ」の権益表より筆者作成。クラブの凡例は「標準で提供」「契約内容により提供範囲が異なります」「対象外」の3段階だが、本表では対象外(ー)とそれ以外を区別して示した

区分の差はユニフォーム広告、トレーニングウェア広告、地域・社会貢献活動の3項目だけです。スタジアム広告、ロゴの販促活用、飲食付き特別観戦、ブース出展、観戦チケットは4区分すべてに付きます。

この連載では、下位区分になると掲出がロゴから企業名テキストに変わるクラブが多数派でした。ファジアーノ岡山は417社が企業名のみ、長崎ヴェルカは155枠がテキストでした。浦和レッズは4区分すべてでスタジアム広告が付く設計です。

Q. 企業側の使い道はどう整理されていますか。

クラブは「企業課題に応じた8つの活用メニュー」として整理しています。企業知名度・認知度の向上、売上・販売促進、企業信用度・好感度の向上、顧客接待・関係強化、雇用対策・採用強化、社員の福利厚生、社会貢献、地域とのつながり。接待向けには最大120名収容の「ビューレストラン」やプライベート空間の「ビューボックス」が挙げられています。

(参考)新規パートナーシップに関するお問い合わせ – 浦和レッドダイヤモンズ公式サイト

料金は「年間500万円〜」と「年間24万円〜」の2本立て

ここがこの連載で初めて見た形です。

浦和レッズが公開している協賛料金
プログラム 料金 主な内容 社数
パートナーシップ(4区分) 年間500万円〜 スタジアム広告、ロゴの販促活用、飲食付き特別観戦、ブース出展など。トップはユニフォーム広告も 112枠
レッズビジネスクラブ 年間24万円〜(5コース) ホームゲーム観戦チケット中心。埼玉スタジアム2002の社名看板、オーロラビジョン、公式サイト掲出、一部コースはロゴ使用権、特設ラウンジ、ビジネスネットワーキング 416社

出典:浦和レッズ「新規パートナーシップに関するお問い合わせ」「レッズビジネスクラブ」より筆者作成。社数は2026年9月24日時点の掲載(ビジネスクラブは2026年8月19日現在)

パートナーシップは年間500万円から。これは連載で見てきた金額のなかで最も高い下限です。ファジアーノ岡山が年5万円、徳島ヴォルティスが年5万5000円(税込)、長崎ヴェルカが年10万円(税別)、鹿島アントラーズのアカデミー枠が年33万円でした。

一方でレッズビジネスクラブは年間24万円から。コースは5つあり、そのうち1コースは「限定45社」とされています。上のコースになると特別シートでの観戦と、飲食付きの専用ラウンジが付きます。

500万円と24万円。この2つの間に20倍の差があり、その間の刻みは公開されていません。500万円からのパートナーシップは「カスタムプランをご提案」という流れで、問い合わせフォームに「ご予算感」を記入するところから始まります。

Q. 協賛金は経費としてどう扱われますか。

国税庁は、不特定多数への宣伝的効果を意図した費用は広告宣伝費、特定の取引先などを接待・供応する費用は交際費等にあたるという区分を示しています。浦和レッズの場合、スタジアム広告やユニフォーム広告は前者に寄り、ビューボックスやビューレストランでの接待、レッズビジネスクラブの観戦チケットは後者に寄ります。クラブが権益を項目別に公開しているので、どこまでが広告でどこからが接遇なのかを契約前に切り分けやすいのは利点です。実際の処理は顧問税理士に確認してください。

(参考)新規パートナーシップに関するお問い合わせ – 浦和レッドダイヤモンズ公式サイト

(参考)No.5260 交際費等と広告宣伝費との区分 – 国税庁

決算は売上113億1000万円。それでも当期純損失▲1億円

決算の主な項目をJ1平均と並べます。

浦和レッズの2025年度決算とJ1平均
項目 浦和レッズ J1平均
売上高 113億1000万円 64億9200万円
スポンサー収入 41億9500万円 26億7900万円
入場料収入 22億1400万円 12億900万円
物販収入 16億8200万円 6億5000万円
Jリーグ配分金 5億3900万円 4億2600万円
女子チーム関連収入 1億6800万円 7300万円
その他収入 19億6600万円 8億2800万円
トップチーム人件費 32億7200万円 23億500万円
販売費および一般管理費 32億7700万円 15億1600万円
営業利益 ▲2億2200万円 1億1200万円
当期純利益 ▲1億円 1500万円

出典:公益社団法人日本プロサッカーリーグ「2025年度 J1 クラブ決算一覧」より筆者作成。対象期間は2025年2月から2026年1月。J1平均は同資料の平均欄。金額は万円未満を四捨五入

売上高113億1000万円はJ1平均の174.2%。物販収入16億8200万円はJ1平均6億5000万円の258.8%で、入場料収入22億1400万円も183.1%です。収入面はどの項目も平均を大きく上回ります。

ところが費用がそれ以上でした。トップチーム人件費32億7200万円はJ1平均の141.9%、販管費32億7700万円は216.2%。結果として営業損益は▲2億2200万円、当期純損益は▲1億円です。

ただし累積では黒字です。利益剰余金は14億3500万円のプラス、純資産は18億2100万円。前回取り上げた鹿島アントラーズが利益剰余金▲16億7200万円だったのとは対照的です。

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Q. 販管費が平均の2倍を超えているのはなぜですか。

Jリーグの資料は内訳を示していないので断定できません。ただクラブが公表している数字を見ると、2025シーズンの年間総ホーム入場者数は709,655人、1試合平均37,350人でリーグ1位。この規模の運営と、517社という協賛先を抱える営業体制が費用に反映されている可能性はあります。あくまで推測です。

(参考)2025年度 J1 クラブ決算一覧(PDF) – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ

収入の内訳を見ると、協賛依存度は37.1%でJ1平均より低い

浦和レッズとJ1平均の収入内訳の比較

スポンサー収入41億9500万円を売上高113億1000万円で割ると37.1%。J1平均の41.3%より低い数字です。

売上の構成は、協賛37.1%、入場料19.6%、物販14.9%、その他17.4%、配分金4.8%。協賛以外で6割を稼いでいることになります。

この連載では、テゲバジャーロ宮崎が71.1%、徳島ヴォルティスが61.0%と協賛に大きく傾いたクラブを見てきました。浦和レッズは逆で、入場料と物販が協賛の負担を軽くしている構造です。スポンサー収入の額そのものはJ1平均の156.6%ですから、金額が小さいわけではありません。

企業の側から見ると、これは安心材料になります。協賛が売上の4割に届かないクラブは、1社が抜けたときの影響が相対的に小さい。クラブの継続性という観点では、依存度の低さはプラスに働きます。

Q. レッズビジネスクラブの会費はスポンサー収入に入っているのですか。

分かりません。Jリーグの決算一覧は項目の定義を細かく示しておらず、クラブも内訳を公表していないためです。レッズビジネスクラブは観戦チケットが中心のプログラムなので、入場料収入やその他収入に計上されている可能性もあります。仮に416社が全社とも最安の年24万円だとすると合計9984万円で、スポンサー収入41億9500万円の23.8%に相当します。どこに入っているかで、後述する1社あたりの読み方も変わります。

(参考)2025年度 J1 クラブ決算一覧(PDF) – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ

スポンサー1社あたりは約811万円。パートナーだけなら約3958万円

本連載で調べたクラブのスポンサー1社あたり単純平均

スポンサー収入41億9500万円を実数517社で割ると、単純平均で1社あたり約811万円です。

この連載で調べた25クラブのなかでは5番目。FC東京の約3621万円、ガンバ大阪の約1750万円、鹿島アントラーズの約1705万円、ヴィッセル神戸の約1559万円に次ぐ水準になります。

一方で、レッズビジネスクラブ416社を除いてパートナー106社だけで割ると約3958万円。FC東京を上回って連載で最高の数字になります。前回の鹿島アントラーズでも同じ現象が起きましたが、浦和レッズの場合は4.9倍の開きです。

ここで手がかりになるのが公表されている料金です。パートナーシップは年間500万円から。106社が最低ラインの500万円でも合計5億3000万円で、スポンサー収入41億9500万円の12.6%にすぎません。上位区分の実際の契約額は500万円をかなり上回ると読むのが自然です。

Q. 協賛を検討するなら、どこから入るのが現実的ですか。

金額が分かっている2つの入口から選べます。年間24万円からのレッズビジネスクラブか、年間500万円からのパートナーシップ。前者は観戦チケットと社名看板が中心で、416社が入っています。後者はスタジアム広告とロゴの販促活用が付き、カスタムプランの提案を受ける形です。予算が500万円に届かないなら前者しかないという整理になります。

(参考)レッズビジネスクラブ – 浦和レッドダイヤモンズ公式サイト

埼玉スタジアム2002に、命名権はまだ入っていない

この連載では毎回、ホームスタジアムの命名権を確認してきました。浦和レッズは例外でした。

ホームスタジアムは埼玉スタジアム2002。埼玉県の施設で、企業名を冠した愛称は付いていません。連載で見てきたメルカリスタジアム(年1.5億円)、デンカビッグスワンスタジアム(年4730万円)、JFE晴れの国スタジアム(年3000万円)、プライフーズスタジアム(年440万円)、ソユースタジアム(年385万円)のような例が、ここにはありません。

ただし動きはあります。埼玉県は2026年5月14日に「埼玉スタジアム2002公園、熊谷スポーツ文化公園ネーミングライツ公募事務委託」の簡易公募型プロポーザルを掲載しました。公募の事務を外部に委託する段階で、パートナーはまだ決まっていません。

つまりJ1で最大級の売上を持つクラブのホームスタジアムに、まだ企業名が付いていないという状態です。協賛を検討する企業にとっては、今後の公募が選択肢のひとつになる可能性があります。ただし公募の条件も金額も、現時点では公表されていません。

Q. クラブはスタジアム広告を売っているのですよね。

売っています。4区分すべてにスタジアム広告が付き、レッズビジネスクラブにも社名看板とオーロラビジョンが含まれます。命名権と看板・映像の広告枠は別のもので、前者は施設の所有者である埼玉県が売り、後者はクラブが売ります。クラブ側の広告枠は充実しているが、施設名そのものはまだ空いているという状況です。

(参考)埼玉スタジアム2002公園、熊谷スポーツ文化公園ネーミングライツ公募事務委託 簡易公募型プロポーザルの実施について – 埼玉県

顔ぶれとクラブが出している数字

最後に、517社の顔ぶれとクラブが公表している実績値を整理します。

埼玉の企業が中位から下位に厚く入っている

OFFICIAL PARTNERに埼玉縣信用金庫、JAグループさいたま、藤島建設、デンキチ、東京天竜。PREMIUM PARTNERにイオンモール浦和美園、埼玉シミズ、極楽湯。FAMILY PARTNERに浦和PARCO、埼玉りそな銀行、セキチュー、サイボー、与野フード、ROYAL PINES HOTEL。上位は全国企業、中位から下位に埼玉勢という並びです。

クラブは入場者数を数字で押し出している

パートナーシップの案内ページに載っている数字はこうです。2025シーズンの1試合平均入場者数37,350人でリーグ1位、年間総ホーム入場者数709,655人、年間ホーム入場者数1位は5年連続、過去20年(2007〜2026年)のうち18回1位。地域貢献では「ハートフルクラブ」が年間約4万人の子どもたちと交流しているとしています。

レッズビジネスクラブは50音順で全社を公開している

416社の一覧は、あ行からわ行まで50音順に並んだテキストで公開されています。ロゴではなく社名テキストなので、機械的に数えることも検索することもできます。この連載では社名がalt属性に入っていないクラブが多く、鹿島アントラーズは名寄せをリンク先ドメインに頼るしかありませんでした。浦和レッズの一覧は検証しやすさという点では最も親切な作りです。

Q. 結局、浦和レッズの協賛構造はどう見ればよいですか。

2階建てで、両方の入口に値段が付いています。上が年間500万円からのパートナーシップ4区分112枠で、ユニフォーム広告はトップ9枠のみ。下が年間24万円からのレッズビジネスクラブ416社。合わせて517社で、連載では徳島ヴォルティスに次ぐ2番目の規模です。決算は売上113億1000万円でJ1平均の174.2%ながら費用が上回り当期純損失▲1億円、ただし累積では黒字。スタジアム名だけがまだ空いていて、埼玉県が公募の準備を進めている段階です。

(参考)パートナー – 浦和レッドダイヤモンズ公式サイト

(参考)新規パートナーシップに関するお問い合わせ – 浦和レッドダイヤモンズ公式サイト

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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