ブラウブリッツ秋田のスポンサー191社|ブロンズに123枠、プラチナにJERA

ブラウブリッツ秋田のスポンサー191社と17区分211枠 スポーツビジネス

ブラウブリッツ秋田のスポンサー一覧で、目を疑ったのは区分の偏りでした。ブロンズスポンサーだけで123枠。企業・団体の枠が全部で204ですから、その6割がここに入っています。

いちばん上はTDKの1社だけ。そしてプラチナスポンサーにはJERAが入っています。東京電力と中部電力の合弁で、秋田で洋上風力を手がけている会社です。

ブラウブリッツ秋田のスポンサーは、17区分・延べ211枠

ブラウブリッツ秋田の区分別の掲載枠数

クラブ公式サイトのスポンサーページを2026年9月24日に取得して集計しました。区分は17、合計で延べ211枠です。

内訳はスペシャルスポンサー1、ユニフォームスポンサー7、ユニフォームパンツスポンサー3、サプライヤー1、プラチナスポンサー4、ゴールドスポンサー14、シルバースポンサー17、ブロンズスポンサー123、みんなの健活スポンサー1、SDGsアクションパートナー2、スペシャルメディアパートナー1、メディアパートナー6、サポートカンパニー22、地域連携パートナー1、環境衛生パートナー1。これに自治体の区分が2つ、計7枠あります。

自治体の7枠を除いた企業・団体の枠は204。ここからリンク先のドメインと社名で照合すると、重複は13件。実数は191社になります。

この連載で調べたJ2のクラブでは、徳島ヴォルティスが797社、FC岐阜が336社でした。191社はJ2としては少ないほうです。ただし後で見るとおり、1社あたりの金額は大きくなっています。

Q. ブロンズ123枠はロゴで載るのですか。

載ります。ブラウブリッツ秋田のスポンサーページは全区分がバナー画像(ロゴ)で表示されていて、企業名だけのテキスト一覧という区分がありません。この連載では、下位区分を社名テキストだけにするクラブが多数派でした。長崎ヴェルカは155枠、徳島ヴォルティスは678口がテキスト表示でした。秋田は下位までロゴを出す設計です。

(参考)スポンサー – ブラウブリッツ秋田

自治体は「ホームタウン自治体」と「支援自治体」に分けて載っている

数えるときに分けたのがここです。

スポンサーページに載っている自治体
区分 枠数 自治体
ホームタウン自治体 6 秋田県/秋田市/にかほ市/由利本荘市/男鹿市/潟上市
支援自治体 1 大館市

出典:ブラウブリッツ秋田「スポンサー」より筆者作成

クラブは自治体を「ホームタウン自治体」と「支援自治体」という2つの見出しに分けています。前者は活動地域の表示、後者は支援している自治体という意味だと読めます。どちらも協賛の階層ではないので、191社にも204枠にも含めていません。

この扱いは前回のテゲバジャーロ宮崎と対照的です。宮崎はホームタウン4市町を含む6自治体をダイヤモンドパートナーという協賛区分そのものに置いていました。秋田は協賛区分と自治体を分けて表示しています。同じ「自治体が載っている」でも、位置づけが違います。

連載では以前、包括連携協定の相手先を協賛に混ぜて数えてしまったことがあります。クラブが同じページに並べていても、見出しが違えば性質も違うと考えて分けています。

Q. 秋田県がいちばん上ではないのですか。

協賛区分の順序では、秋田県はホームタウン自治体のひとつとして下のほうに置かれています。いちばん上のスペシャルスポンサーはTDKの1社だけです。高知ユナイテッドSCがTop Partnerの筆頭に「高知家」つまり高知県を置いていたのとは、見せ方がまったく違います。

(参考)スポンサー – ブラウブリッツ秋田

上位はTDK1社。プラチナ4社にJERAが入っている

上位区分の顔ぶれを並べます。

ブラウブリッツ秋田の上位区分(2026年9月24日時点)
区分 枠数 企業
スペシャルスポンサー 1 TDK
ユニフォームスポンサー 7 トラフィックレンタリース/A2Care/JA全農/秋田魁新報社/TSAグループ(2枠)/秋田トヨペット
ユニフォームパンツスポンサー 3 秋田電機建設/ADK富士システムほか
サプライヤー 1 ATHLETA
プラチナスポンサー 4 東電化工業/東商事/JERA/ソユー
ゴールドスポンサー 14 秋田銀行/秋田県信用組合/明治安田/秋田プライウッド/秋田ダイハツ販売/住建トレーディング/イオンモール秋田ほか

出典:ブラウブリッツ秋田「スポンサー」より筆者作成。ロゴ画像に社名の記載がないものはリンク先ドメインから企業を特定した

いちばん上のスペシャルスポンサーはTDKの1社だけです。TDKは秋田県にかほ市に主要拠点を持つ電子部品メーカーで、にかほ市はホームタウン自治体にも入っています。

そしてプラチナスポンサー4社のうち1社がJERA。東京電力フュエル&パワーと中部電力の火力発電事業を統合した会社で、近年は秋田県沖の洋上風力発電に関わっています。「ブラウブリッツ秋田 スポンサー JERA」で検索する人が多いのは、この組み合わせが目を引くからでしょう。

残るプラチナ3社は東電化工業、東商事、ソユー。いずれも秋田の企業です。東電化工業と東商事はSDGsアクションパートナーにも入っていて、2枠ずつ持っています。

Q. JERAはどの立場で協賛しているのですか。

クラブもJERAも、協賛の目的や金額を公表していません。したがって外からは分かりません。事実として言えるのは、JERAがプラチナスポンサーという上から2番目の区分に入っていること、そしてブラウブリッツ秋田のホームタウン自治体に秋田県・秋田市・にかほ市・由利本荘市・男鹿市・潟上市が並び、このうち複数が洋上風力の関連地域だということまでです。それ以上は推測になります。

(参考)スポンサー – ブラウブリッツ秋田

協賛の料金は公開されていない

「ブラウブリッツ秋田 スポンサー 料金」で調べる人が多いので、確認できたことを書きます。

17区分のいずれについても、金額は公開されていません。スポンサーページは一覧だけで、料金表も特典表も、協賛の案内ページもありません。クラブのサイト内を探しても、協賛メニューを説明した資料は見つかりませんでした。

この連載では、金額を出すクラブと出さないクラブがはっきり分かれています。ファジアーノ岡山は年5万円から、徳島ヴォルティスは年5万5000円(税込)から、鹿児島ユナイテッドFCは年6万6000円(税込)から、長崎ヴェルカは年10万円(税別)の1メニューを公開していました。一方でヴァンラーレ八戸、高知ユナイテッドSC、テゲバジャーロ宮崎は非公開。ブラウブリッツ秋田は後者です。

ただし手がかりはあります。ブロンズスポンサーに123社が入っているという事実です。これだけの数が集まる価格帯の区分が用意されているということで、小規模な事業者でも入れる金額だと推測できます。具体的な数字は問い合わせが必要です。

もうひとつ、クラブは試合単位の協賛も持っています。過去には「夢シート協賛企業」として1試合ごとに企業名を発表しており、1試合だけ協賛するという形も存在します。

Q. 協賛金は経費としてどう扱われますか。

国税庁は、不特定多数への宣伝的効果を意図した費用は広告宣伝費、特定の取引先などを接待・供応する費用は交際費等にあたるという区分を示しています。ブラウブリッツ秋田は全区分がロゴ掲出型なので前者に寄りますが、料金も特典一覧も公開されていないため、契約書で「何がいくらか」を確定させておく必要があります。実際の処理は顧問税理士に確認してください。

(参考)9.22 夢シート協賛企業は「株式会社最上屋」様です – ブラウブリッツ秋田

(参考)No.5260 交際費等と広告宣伝費との区分 – 国税庁

決算はスポンサー収入6億6000万円。当期純利益は1100万円の黒字

決算の主な項目をJ2平均と並べます。

ブラウブリッツ秋田の2025年度決算とJ2平均
項目 ブラウブリッツ秋田 J2平均
売上高 12億4600万円 23億3400万円
スポンサー収入 6億6000万円 11億9300万円
入場料収入 7000万円 3億3100万円
物販収入 6900万円 1億9400万円
Jリーグ配分金 1億800万円 1億1600万円
アカデミー関連収入 7800万円 6500万円
その他収入 1億8800万円 2億2600万円
トップチーム人件費 3億4500万円 7億8000万円
販売費および一般管理費 3億2600万円 5億4700万円
営業利益 ▲1800万円 ▲3000万円
当期純利益 1100万円 5700万円

出典:公益社団法人日本プロサッカーリーグ「2025年度 J2 クラブ決算一覧」より筆者作成。対象期間は2025年2月から2026年1月。J2平均は同資料の平均欄。金額は万円未満を四捨五入

売上高12億4600万円はJ2平均の53.4%、スポンサー収入6億6000万円は同55.3%。入場料収入7000万円はJ2平均3億3100万円の21.1%しかありません。

費用も小さいです。トップチーム人件費3億4500万円はJ2平均の44.2%、販管費3億2600万円は同59.6%。収入も費用も平均の半分前後という規模で、営業損益は▲1800万円にとどまりました。

そこに営業外収益2600万円が乗って経常利益は600万円。法人税等がマイナス、つまり還付があったため、当期純利益は1100万円の黒字です。J2平均が当期純利益5700万円なので額では小さいものの、赤字クラブが多いJ2で黒字を確保した形になります。

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Q. アカデミー関連収入が平均を超えているのはなぜですか。

7800万円はJ2平均6500万円の120.0%です。Jリーグの資料は内訳を示していないので理由は分かりませんが、スクール事業の規模が売上に対して相対的に大きいことは読み取れます。売上高がJ2平均の53.4%であるのに対し、この項目だけは平均を超えています。なお純資産は2400万円で、利益剰余金は▲8600万円。資本金5800万円と資本剰余金等5200万円がそれを上回っているため、債務超過ではありません。

(参考)2025年度 J2 クラブ決算一覧(PDF) – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ

売上に占めるスポンサー収入は53.0%。J2では真ん中

J2クラブの売上高に占めるスポンサー収入の割合

スポンサー収入6億6000万円を売上高12億4600万円で割ると53.0%になります。

2025年度に数値を開示したJ2の19クラブで比べると、8番目。真ん中あたりです。最も高いのが徳島ヴォルティスの61.0%、次いで大宮アルディージャの60.9%、ジュビロ磐田の60.6%。低いのはサガン鳥栖の37.5%、いわきFCの37.6%です。

興味深いのは、依存度が平均的である一方で入場料が極端に小さいことです。入場料収入7000万円は売上の5.6%。J2平均は14.2%ですから、その4割ほどしかありません。

その差を埋めているのが配分金とその他収入です。Jリーグ配分金1億800万円は売上の8.7%でJ2平均(5.0%)を上回り、その他収入1億8800万円も売上の15.1%でJ2平均(9.7%)を超えています。

Q. 入場料が小さいのはスタジアムの問題ですか。

Jリーグの資料からは分かりません。ホームスタジアムは次の見出しで触れるソユースタジアム(八橋運動公園陸上競技場)で、秋田市の施設です。クラブは新スタジアムの整備を掲げていますが、その進捗は本記事の対象ではありません。分かるのは、入場料が売上の5.6%にとどまり、協賛と配分金、その他収入で全体を組み立てているということです。

(参考)2025年度 J2 クラブ決算一覧(PDF) – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ

スポンサー1社あたりは約346万円

本連載で調べたクラブのスポンサー1社あたり単純平均

スポンサー収入6億6000万円を実数191社で割ると、単純平均で1社あたり約346万円です。

この連載で調べた23クラブのなかでは10番目。同じJ2の徳島ヴォルティスが約168万円、FC岐阜が約147万円でしたから、その2倍以上になります。社数が191社と少ないぶん、1社あたりが大きく出ます。

ただしブロンズスポンサーに123社が入っていることを踏まえると、実勢はこの平均よりかなり下に偏っているはずです。上位のスペシャル1枠・プラチナ4枠・ユニフォーム7枠が金額の大部分を占め、ブロンズ123社が数を支えている、という形だと読むのが自然です。

金額が公開されていないので、各区分の実際の水準は分かりません。346万円は全体の重心を示す数字として読んでください。

Q. J2のクラブとしてはどう見ればよいですか。

売上規模はJ2平均の半分ですが、1社あたりは徳島やFC岐阜より大きい。つまり少ない社数で、相対的に大きな単価を取っていることになります。上位にTDKとJERAという全国規模の企業が入っていることが効いていると考えられますが、契約額は公開されていないため確認はできません。

(参考)2025年度 J2 クラブ決算一覧(PDF) – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ

秋田市は11施設に命名権を導入し、金額を全部公開している

ホームスタジアムはソユースタジアム、正式名称は八橋運動公園陸上競技場です。秋田市の施設で、命名権の金額まで公開されています。

秋田市のネーミングライツ・パートナー(年額・税込)
愛称(施設) パートナー 年額
ソユースタジアム(八橋運動公園陸上競技場) ソユー 385万円
CNAアリーナ★あきた(市立体育館) 秋田ケーブルテレビ 305万8000円
さきがけ八橋球場(硬式野球場) 秋田魁新報社 187万円
秋田スポーツPLUS・ASPスタジアム(球技場) 秋田スポーツPLUS(NPO法人) 110万円
スペースプロジェクト・ドリームフィールド(第2球技場) スペースプロジェクト 78万1000円
スミケンアリーナ(茨島体育館) 住建トレーディング 75万円
足利工務店河辺アリーナ(河辺体育館) 足利工務店 45万円
秋田製錬アリーナ(光沼近隣公園屋内多目的運動場) 秋田製錬 40万円
伊藤工業ボールパーク(雄和花の森野球場) 伊藤工業 35万円
工藤興業アリーナ(雄和南体育館) 工藤興業 30万円
伊藤工業アリーナ(雄和体育館) 伊藤工業 令和8年度16万7000円(令和9・10年度は各50万円)

出典:秋田市「ネーミングライツ・パートナー」(令和8年4月1日更新)より筆者作成

11施設です。この連載で確認してきた自治体のなかで最も多く、しかも全施設の年額が一覧で公開されています。八戸市が5施設、高知県が2施設、徳島県は金額非公表でしたから、開示の姿勢がかなり違います。

ソユースタジアムの年385万円は、連載で見た自治体の命名権のなかでは低いほうです。新潟県のデンカビッグスワンスタジアムが年4730万円、岡山県のJFE晴れの国スタジアムが年3000万円、八戸市のプライフーズスタジアムが年440万円でした。

そして注目したいのは重なりです。ソユー(プラチナスポンサー)、秋田魁新報社(ユニフォームスポンサー兼スペシャルメディアパートナー)、住建トレーディング(ゴールドスポンサー)の3社が、クラブのスポンサーでありながら秋田市の命名権も持っています。連載でも命名権とクラブ協賛が重なる例は何度も見てきましたが、1都市で3社が重なるのは初めてです。

Q. 30万円台から始まる命名権もあるのですか。

あります。雄和南体育館の工藤興業アリーナが年30万円、雄和花の森野球場の伊藤工業ボールパークが年35万円です。秋田市は体育館や野球場といった小規模施設まで命名権の対象にしていて、そのぶん価格帯が広がっています。クラブへの協賛とは別枠ですが、地域に名前を出す手段として比較検討する価値はあるはずです。

(参考)ネーミングライツ・パートナー – 秋田市

(参考)スタジアム・アリーナ改革ガイドブック(第3版) – スポーツ庁

顔ぶれを見ると、県内の産業と全国企業が上下で分かれていた

最後に、191社の顔ぶれから見えることを3つ書きます。

上位は全国企業、中位は県内企業

スペシャルのTDK、プラチナのJERA、サプライヤーのATHLETAは全国規模の企業です。一方でゴールド14社には秋田銀行、秋田県信用組合、秋田プライウッド、秋田ダイハツ販売、イオンモール秋田などが並びます。上に全国企業、その下に県内の主要企業という並びです。

自動車販売系が5社以上入っている

TSAグループ、秋田トヨペット、ネッツトヨタ秋田、秋田ダイハツ販売、たざわモータース。自動車販売の会社が複数の区分にまたがって入っています。TSAグループは同一ドメインで3社が別々の枠を持っており、ユニフォームスポンサーとサポートカンパニーの両方に名前があります。

メディアは県内4媒体がそろっている

スペシャルメディアパートナーが秋田魁新報社、メディアパートナー6社にAKT秋田テレビ、ABS秋田放送、AAB秋田朝日放送、エフエム秋田が入っています。県内の新聞・テレビ・ラジオがほぼ全部そろっている形です。

Q. 結局、ブラウブリッツ秋田の協賛構造はどう見ればよいですか。

ピラミッドがはっきりしたクラブです。頂点にTDKが1社、その下にプラチナ4社(うち1社がJERA)、ゴールド14社、シルバー17社、そしてブロンズ123社という広い底辺。全区分がロゴ掲出なので、下位でも名前は画像で出ます。自治体は協賛区分とは分けて表示され、金額は一切非公開。検討するなら問い合わせから始めることになります。

(参考)スポンサー – ブラウブリッツ秋田

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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