柔道着は、どのメーカーの製品でも公式戦で使えるわけではありません。全日本柔道連盟の認証を受けた製造業者は、2025年6月11日時点で全国15社。この一覧に載っている会社の製品に付く認証番号が、試合で着られるかどうかの分かれ目になります。
ただ、15社の顔ぶれを見ても「どこがどう違うのか」はすぐにはわかりません。総合スポーツメーカーもあれば、剣道や空手まで扱う武道具屋、柔道着だけを作る専門ブランド、社名が店頭に出ない受託縫製の会社まで混ざっているからです。
この記事では、全柔連が公表している認証製造業者一覧の全15社について、各社の公式サイトで事業内容を確認したうえで一社ずつ紹介します。あわせて、学校の部活動や町道場がまとめて発注するときに何を確かめればいいのかを、サイズ表記や認証ラベルの位置まで含めて整理しました。
- 公式戦で使える柔道着は全柔連が認証した15社の製品だけ
- 全柔連が認証している柔道着メーカー15社
- ミズノ|全柔連のオフィシャルスポンサーでもある総合メーカー
- 九櫻|生地から自社で手がける武道具100年のメーカー
- ミツボシ|物流センターを核にした武道具グループの一角
- 東洋マーシャルアーツ・ディストリビューション|軽さで差をつける3ブランド
- タナベクラフト|一覧には載るが公式サイトに到達できない1社
- 松勘工業|剣道具と学校用品を束ねて供給できる明治創業の会社
- 豊岡縫製|他社ブランドの柔道衣を縫っている会社
- 東京柔道衣工業|授業用の価格帯を厚く持つ創業明治40年の専業
- デフィール|北海道から全柔連新規格のモデルを出す
- APS mori|柔道衣から畳・除菌剤まで道場まわりを一式そろえる
- 高柳喜一商店|品番の幅で競技レベルを切り分ける
- 森下武道衣|名古屋に拠点を置く武道衣の専業
- 結工房|一覧で唯一「OEM生産メーカー」と書かれた会社
- 柔JAPAN|手縫いの受注生産で4万円台に振り切る
- デジタル・スポーツ・ジャパン|世界王者が設計する海外向けブランド
- ブランドを持つ会社と実際に縫う会社は分かれている
- 学校や道場がまとめて発注する前に確認したい5つのこと
- まとめ|柔道着は認証番号から入ると迷わない
公式戦で使える柔道着は全柔連が認証した15社の製品だけ
全日本柔道連盟(全柔連)は、柔道衣と帯について独自の認証制度を設けています。制度に基づいて審査を通った製品には認証番号が与えられ、白の柔道衣には「JU」、青の柔道衣には「JUB」で始まる番号が割り当てられます。全柔連が主催する大会に出るには、この番号が付いた柔道衣であることが前提になります。
そして、その認証を受けられるのは、全柔連に製造業者として登録している会社だけです。全柔連は「認証柔道衣等 製造業者一覧」というPDFでその会社名・公式サイトURL・連絡先を公開しており、2025年6月11日時点の掲載数が15社でした。つまり「柔道着のメーカー一覧」を探すとき、最も確実な出発点はこのPDFになります。市販の比較記事やショッピングサイトのメーカー別ページよりも、範囲がはっきりしているからです。
もうひとつ押さえておきたいのが、認証は「会社」ではなく「製品ごと」に出るという点です。同じメーカーの柔道衣でも、大会用に認証を取ったモデルと、練習用・授業用として認証を取っていないモデルが併存します。メーカー名だけで判断すると、練習用を買って試合当日に使えないという事故が起きます。
ラベルの位置や氏名の刺しゅうについても、全柔連が別途「国内における柔道衣の認証ラベルの仕様および柔道衣への氏名等の表示に関する規則」で細かく定めています。メーカーのロゴマークをどこに、どの大きさで入れてよいかもこの規則の範囲内です。市販の柔道着でロゴの位置や数がメーカーごとに揃って見えるのは、各社が自由にデザインしているからではなく、共通の規則に沿っているためです。
Q. 柔道着はどのメーカーのものでも試合で使えますか?
いいえ。全柔連が主催する大会では、認証を受けた柔道衣に限られます。認証は製造業者ごとではなく製品ごとに与えられ、白はJU、青はJUBで始まる番号が付きます。同じメーカーの製品でも、練習用・授業用として認証を取っていないモデルがあるため、購入前に番号の有無を確認してください。
全柔連が認証している柔道着メーカー15社
15社の内訳を一覧にすると、柔道衣だけを作っている会社は意外に少なく、剣道や空手まで含めた武道具全般を扱う会社が中心だとわかります。下の表は、全柔連の製造業者一覧に載っている15社を、各社の公式サイトで確認できた事業内容とあわせて並べたものです。
| 社名 | タイプ | 特徴・主なブランド |
|---|---|---|
| ミズノ | 総合スポーツメーカー | 全柔連・IJF規格の基準モデルを展開。全柔連のオフィシャルスポンサー |
| 九櫻 | 武道具の総合メーカー | 大阪府柏原市。繊維事業部を自社に持ち、柔道から相撲まで11分野 |
| ミツボシ | 武道具の総合メーカー | 1953年創業・滋賀県大津市。柔道ブランド「レイギア」 |
| 東洋マーシャルアーツ・ディストリビューション | 柔道衣の専門ブランド | AILE・PRIDE・TRAXの3ブランド。軽量化を前面に出す |
| タナベクラフト | 柔道衣の専門ブランド | 全柔連の一覧に掲載。掲載URLは調査時点で表示できず |
| 松勘工業 | 武道具の総合メーカー | 創業明治40年・埼玉県加須市。学販(体操着・シューズ)も扱う |
| 豊岡縫製 | 受託製造 | 他社ブランドの柔道衣・空手衣を縫製。自社サイトで他社製品を案内 |
| 東京柔道衣工業 | 武道具の総合メーカー | 創業明治40年・東京都渋谷区。正課用の普及価格帯が厚い |
| デフィール | 柔道衣の専門ブランド | 北海道。「ナイスガイ」ブランドを豊岡縫製が製造 |
| APS mori | 柔道衣の専門ブランド | 静岡市。柔道衣「レジェンド」に加え畳・マット・除菌剤まで |
| 高柳喜一商店 | 武道具の総合メーカー | 静岡県。全柔連規格から正課用まで品番の幅が広い |
| 森下武道衣 | 武道具の総合メーカー | 愛知県名古屋市。全柔連の一覧に掲載 |
| 結工房 | 受託製造 | 全柔連の一覧で唯一「OEM生産メーカー」と記載された会社 |
| 柔JAPAN | 柔道衣の専門ブランド | 東京都。手縫いの受注生産「禅(ZEN)」を展開 |
| デジタル・スポーツ・ジャパン | 受託製造・海外向け | ブランド「KIMONO」。柔術衣も含め海外向けに受注生産 |
全日本柔道連盟「認証柔道衣等 製造業者一覧」(2025年6月11日現在)の15社を、各社公式サイトの記載をもとに整理
ミズノ|全柔連のオフィシャルスポンサーでもある総合メーカー
15社のなかで唯一、柔道以外の競技を幅広く手がける総合スポーツメーカーです。公式オンラインには「全柔連・IJF規格基準モデル」という区分が設けられており、国内大会向けと国際大会向けの両方に対応した柔道衣を型番単位で選べるようになっています。
全柔連の公式サイトでは、ミズノはオフィシャルスポンサーとして掲載されています。用具を供給するだけでなく、競技団体の運営そのものを支える立場にある点が、他の14社との大きな違いです。学校が体育用品をまとめて調達する場合、柔道衣以外の種目と同じ販路に乗せられる利点もあります。
九櫻|生地から自社で手がける武道具100年のメーカー
大阪府柏原市に本社を置く武道具メーカーで、公式サイトでは「武道衣・武道具に情熱を注ぎ100年」と自社の歴史を説明しています。柔道のほか空手道・日本拳法・剣道・居合道・薙刀・合気道・銃剣道・弓道・相撲・逮捕術まで、製品分野は11に及びます。
注目したいのは、本社と同じ柏原市内に繊維事業部を独立した拠点として構えている点です。柔道衣の善し悪しは織り方と晒し加工で決まる部分が大きく、そこを自社の工程として持っている会社は15社のなかでも限られます。東京・九州にも支店があり、全柔連の公認スポンサーにも名を連ねています。
ミツボシ|物流センターを核にした武道具グループの一角
1953年創業、滋賀県大津市の武道具メーカーです。公式サイトによると剣道・空手・柔道を軸に、合気道・居合・弓道・薙刀・銃剣道まで扱い、柔道では「レイギア」というブランドを展開しています。2023年に創業70周年を迎えました。
この会社の特徴は、製造よりも供給網の作り込みにあります。岩手工場と海外の提携工場を使い分けて生産し、2017年11月に竣工した比叡山物流センター(延床面積5,000平方メートル超)で東山堂グループ全体の在庫と出荷を一括管理しています。滋賀という立地から全国のほぼ全域が翌日配達圏に入ると同社は説明しており、大会前の追加発注など納期が読みにくい場面で効いてくる体制です。
東洋マーシャルアーツ・ディストリビューション|軽さで差をつける3ブランド
柔道衣に特化した専門メーカーで、AILE・PRIDE・TRAXという3つのブランドを持ちます。同社は最上位のAILEについて「世界一に挑む選手たちの完璧なサポートをするために設計」した自社史上最軽量の柔道衣だと説明しており、競技志向の強さが製品構成に表れています。
ブランドを用途で分ける売り方は、15社のなかでもこの会社と後述のAPS moriに顕著です。指導者が同じメーカー内で「試合用」「練習用」を切り替えられるため、道場単位でまとめて揃えたいときに扱いやすい構成になっています。
(参考)東洋マーシャルアーツディストリビューション 公式サイト
タナベクラフト|一覧には載るが公式サイトに到達できない1社
全柔連の製造業者一覧に掲載されている静岡県の会社です。ただし一覧に記載されている公式サイトURLは、2026年9月時点でアクセスしてもレンタルサーバーの初期ページが表示され、製品情報を確認できませんでした。
この場合、ウェブで探し続けるより全柔連の一覧に併記されている連絡先へ直接問い合わせるのが早道です。製造業者一覧には各社の担当者名・メールアドレス・電話番号が載っているため、取扱店が近くにない地域から発注するときの窓口として使えます。取扱いの有無や現行品番は、そこで直接確認してください。
松勘工業|剣道具と学校用品を束ねて供給できる明治創業の会社
創業は明治40年(1907年)、埼玉県加須市の武道具メーカーです。公式サイトでは剣道具を主力に挙げつつ、武道具・硬式野球ボール・学販(体操着やシューズ)まで事業範囲として掲げています。
学校にとって意味があるのは、この「学販」を持っている点です。柔道衣だけを単品で買う相手ではなく、体操着や他競技の用具と同じ取引のなかに柔道衣を載せられます。発注先の数を減らしたい学校事務にとっては、価格そのものより効いてくる条件になります。
豊岡縫製|他社ブランドの柔道衣を縫っている会社
兵庫県の縫製会社で、柔道衣・空手衣を手がけています。この会社の位置づけがはっきりわかるのは自社サイトの構成で、「豊岡縫製でご案内している柔道衣」として並んでいるのは自社ブランドではなく、ADIDAS COMBAT SPORTS(ACS株式会社)とデフィールの製品です。
つまり、店頭で目にするブランド名と、実際に縫っている会社は必ずしも一致しません。柔道衣を「どこのメーカーか」で語るときに見落とされやすい層であり、次の章で触れる業界構造を理解するうえでの手がかりになります。
東京柔道衣工業|授業用の価格帯を厚く持つ創業明治40年の専業
東京都渋谷区本町に本社工場を構える柔道衣専業メーカーで、創業は松勘工業と同じ明治40年です。同社は公式サイトで、1964年東京オリンピック無差別級金メダリストのヘーシンク氏も自社の柔道衣を着用していたと説明しています。
実務面で目を引くのは価格表の構成です。中上級者向けの晒二重背継柔道衣(J-850)が一組20,130円前後である一方、中学・高校の正課授業用として、一組7,000円前後から10,000円前後の区分を複数用意しています。学校が授業で人数ぶん揃える場面を想定した品揃えで、柔道衣・剣道衣・空手衣・合気道衣に加えて作務衣まで扱います。
デフィール|北海道から全柔連新規格のモデルを出す
北海道の会社で、全柔連の製造業者一覧に掲載されています。公式サイトは調査時点で表示できませんでしたが、前述の豊岡縫製のサイトに「デフィール ナイスガイ [全日本柔道連盟新規格] NICE GUY BLACK LINK」として同社ブランドの柔道衣が掲載されており、製造を豊岡縫製が担っていることが確認できます。
自社サイトが見つからないからといって、認証を受けていないわけではありません。判断の基準は常に全柔連の一覧と製品の認証番号であり、ウェブ上の情報量とは別物です。取扱いのある武道具店に品番で問い合わせるのが確実です。
APS mori|柔道衣から畳・除菌剤まで道場まわりを一式そろえる
静岡市駿河区の会社で、柔道衣ブランド「レジェンド」を展開しています。最上位のNEWレジェンドは上衣がJU0178、ズボンがJU0179という認証番号を公表しており、どの品番がどの認証番号に対応するかを価格表と並べて開示している数少ない一社です。
扱う範囲も広く、入門者向けの「アスリート」(上下セット9,350円・税込)や幼児用(5,500円・税込)といった価格帯から、投げ込みマット・柔道畳・畳用すべり止め、さらにトンズランス感染症対策の除菌クリーナーまで並びます。柔道衣単体ではなく道場の運営に必要なものを一括で引ける点が、個人向けというより施設向けの構成です。
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高柳喜一商店|品番の幅で競技レベルを切り分ける
静岡県の武道具メーカーで、柔道・剣道・その他武道を扱います。柔道衣は全柔連規格のJ-1700(高級晒二重背継)・J-950から、クラブ練習用のJ-400、正課授業用のJ-100・J-250まで、用途ごとに品番が細かく分かれています。
柔道衣以外では、サポートアンダーウェア「守」や柔道衣袋、「精神善用」「自他共栄」「力必達」といった文字を入れた柔道手拭なども扱っています。道場の記念品や卒業生への贈り物を含めて相談できる相手です。
森下武道衣|名古屋に拠点を置く武道衣の専業
愛知県名古屋市の会社で、社名のとおり武道衣を専門としています。全柔連の製造業者一覧に掲載されており、一覧に記載されている窓口から直接問い合わせができます。
全柔連の一覧に併記された連絡先の市外局番を数えると、静岡市・浜松市の局番が3社(タナベクラフト・APS mori・高柳喜一商店)、名古屋市の局番が2社(東洋マーシャルアーツ・森下武道衣)を占めます。15社のうち5社が東海地方の局番で、繊維・縫製の産地と重なる分布です。
結工房|一覧で唯一「OEM生産メーカー」と書かれた会社
群馬県の会社です。全柔連の製造業者一覧では15社すべてに公式サイトのURL欄がありますが、この会社だけはURLの代わりに「OEM生産メーカー」と記載されています。自社ブランドで売らず、他社ブランドの製品を受託して作る立場であることを、全柔連の一覧そのものが示している形です。
消費者が店頭でこの社名を目にすることはほぼありません。ただ、認証を受けた柔道衣を実際に作っている会社として一覧に載っている以上、供給網の一部として確かに機能しています。
柔JAPAN|手縫いの受注生産で4万円台に振り切る
東京都の会社で、株式会社YAWARAJAPANとして柔道衣を展開しています。公式サイトでは「手間を惜しまずに職人が時間をかけて製造し」、縫製はすべて手縫いであると説明しています。
主力の「禅(ZEN)」は、白が44,000円、青が45,000円(いずれも税別・帯は別売)。縮み率1%、注文から納品まで1か月以上という条件を明示しています。15社のなかで価格帯が最も高く、在庫販売ではなく受注生産に振り切った一社です。まとめ買いには向かず、個人が長く使う一着として選ぶ製品といえます。
デジタル・スポーツ・ジャパン|世界王者が設計する海外向けブランド
「KIMONO」というブランドで柔道衣とブラジリアン柔術衣を展開する会社です。全柔連の一覧では担当者として、世界選手権優勝の実績を持つ秋本啓之氏の名前が記載されています。同社サイトでも、世界王者であるAkimoto氏の指揮のもとで製品をつくると説明しています。
売り方も他の14社と異なり、英語を既定言語としたオンラインストアで、受注生産(made to order)の限定ロットを海外へ直接販売しています。国内の武道具店を経由せずに海外の競技者へ届ける構造で、柔道衣という製品が国内の学校・道場向け市場だけで完結しないことを示す例です。
(参考)KIMONO – デジタル・スポーツ・ジャパン株式会社
(参考)認証柔道衣等 製造業者一覧(2025年6月11日現在) – 公益財団法人全日本柔道連盟
Q. 柔道着のメーカーは全部で何社ありますか?
全日本柔道連盟が認証している製造業者は、2025年6月11日現在で15社です。この15社以外にも柔道着を販売している事業者はありますが、全柔連主催大会で使える認証製品を作れるのはこの一覧に載っている会社に限られます。一覧は全柔連の「柔道衣の規格」ページからPDFで公開されています。
ブランドを持つ会社と実際に縫う会社は分かれている
認証された15社は、扱う範囲と売り方で4つのタイプに分かれます。

15社を並べて見えてくるのは、「柔道着メーカー」と一括りにされている会社が、実際には4つの違う役割を担っていることです。どのタイプの会社に声をかけるかで、相談できる範囲も、価格の落としどころも変わります。
ブランド名と製造者が一致しない例が現に存在する以上、「メーカーで選ぶ」という発想だけでは足りません。ここでは4タイプそれぞれの性格を整理します。
総合スポーツメーカー|他競技と同じ販路に載せられる
ミズノ1社が該当します。柔道衣は同社の膨大な製品群の一部にすぎませんが、だからこそ学校や自治体にとっては、既存の取引関係をそのまま使える相手になります。ユニフォームやシューズと同じ発注ルートで柔道衣を手当てできるのは、このタイプだけの利点です。
武道具の総合メーカー|剣道・空手とまとめて相談できる
九櫻・ミツボシ・松勘工業・東京柔道衣工業・高柳喜一商店・森下武道衣の6社がここに入り、15社のなかで最も多いタイプです。柔道だけでなく剣道・空手・合気道などを横断して扱うため、複数の武道部を抱える学校や、複数の教室を運営する団体と相性がよくなります。
このタイプが多数派になるのは、武道具の市場構造から見ると自然です。柔道衣だけでは需要の山が大会シーズンに偏りますが、複数の武道を扱えば年間を通じて工場と営業を回せます。日本のスポーツ産業の市場規模全体から見れば武道具は小さな区画で、その中で専業として立つには一定の規模が要るという事情もあります。
柔道衣の専門ブランド|競技志向の製品設計に寄せられる
東洋マーシャルアーツ・APS mori・柔JAPAN・デフィール・タナベクラフトの5社です。軽量化、手縫い、認証番号の開示など、柔道衣そのものの仕様で差をつける方向に資源を振り向けています。
ただし「専門=高価格」とは限りません。APS moriのように入門者向け9,350円と最上位33,000円を同じブランド内に並べる会社もあれば、柔JAPANのように4万円台の受注生産1本に絞る会社もあります。専門ブランドを選ぶときは、社名ではなく品番と価格帯を見る必要があります。
受託製造・海外向け|店頭に社名が出ない層
結工房・豊岡縫製・デジタル・スポーツ・ジャパンの3社です。結工房はOEM専業、豊岡縫製は他社ブランドの縫製、デジタル・スポーツ・ジャパンは海外向けの受注生産と、いずれも国内の店頭で社名を見かけにくい立場にあります。
この層があることは、購入者にとっても実用的な意味を持ちます。ブランドが違っても製造元が同じという組み合わせがありうるため、複数ブランドを比較するときは「どこが縫っているか」まで確認すると納得のいく判断ができます。豊岡縫製のように、どのブランドの製品を手がけているかを自社サイトで公開している会社もあります。
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Q. ブランド名と、柔道着を作っている会社は同じですか?
必ずしも同じではありません。全柔連の認証製造業者一覧には、結工房のようにOEM生産専業と明記された会社や、豊岡縫製のように他社ブランドの柔道衣を縫製している会社が含まれます。ブランドの比較検討をするときは、製品ページに記載された認証番号と、製造を担う会社まで確認すると実態がつかめます。
学校や道場がまとめて発注する前に確認したい5つのこと
柔道衣の発注でつまずくのは、メーカー選びよりも仕様の確認漏れです。サイズ表記や認証ラベルの位置は全柔連の規則で決まっているため、事前に押さえておけば大会当日のトラブルはほぼ防げます。ここでは発注前に確認したい5点を順に挙げます。
①その品番に認証番号が付いているかを品番単位で確認する
認証は製品ごとに与えられるため、メーカー名だけで判断できません。APS moriのように品番と認証番号を価格表に並べて公開している会社もあれば、製品ページに記載がない会社もあります。記載が見つからない場合は、発注前に販売店かメーカーへ品番を伝えて確認してください。
白柔道衣はJU、青柔道衣はJUBで始まる番号です。全柔連はそれぞれの認証製品一覧もPDFで公開しており、番号から製品を逆引きできます。
②サイズは号数だけでなく収縮率まで見る
柔道衣のサイズ表記は「2号」「3.5号」のような号数で、各社が適合身長を併記しています。東京柔道衣工業の例では3号が165〜168センチ、4号が172〜178センチといった対応です。号数の刻みはメーカー共通ではないため、他社の号数をそのまま置き換えないでください。
もうひとつ見落とされやすいのが収縮率です。APS moriの製品仕様では、最上位モデルが3〜5%、入門者向けが10%と明記されています。成長期の生徒にまとめて配る場合、縮む前提で号数を上げるのか、縮みの少ないモデルを選ぶのかで、買い替えの周期が変わります。
③正課授業用と試合用は別物として予算を分ける
そもそも中学校で武道が必修になったのは、文部科学省が平成20年3月28日に告示した中学校学習指導要領の改訂によるものです。保健体育で武道・ダンスを含むすべての領域が必修とされ、平成24年度から全面実施されました。授業用の柔道衣をまとまった数そろえる必要が生まれたのは、この制度変更が出発点です。
中学・高校の武道必修で使う柔道衣と、部活動の試合で着る柔道衣は、価格が2〜3倍違います。東京柔道衣工業の価格表では正課授業用が一組7,000円台からある一方、同社の中上級者向けは一組20,000円台です。
授業用に試合用の仕様は要りませんし、逆に部活動の公式戦に授業用の柔道衣は使えません。同じ「柔道着」という言葉でひとつの予算にまとめると、どちらかが足りなくなります。人数と用途を分けて積算してください。
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④受注生産のモデルは納期を先に聞く
柔JAPANの「禅」は注文から納品まで1か月以上、デジタル・スポーツ・ジャパンのKIMONOも受注生産です。大会直前に発注して間に合わない、という事態は珍しくありません。
逆に在庫供給の体制が整っている会社もあります。ミツボシは比叡山物流センターから全国のほぼ全域を翌日配達圏として案内しており、急な補充が効きます。納期は仕様と同じくらい早い段階で確認する項目だと考えてください。
⑤共用する柔道衣の衛生管理をあわせて決める
学校の授業用柔道衣は複数の生徒で使い回すことが多く、皮膚感染症の対策が欠かせません。全柔連自身も「トンズランス感染症の予防」という独立したページを設けて注意を呼びかけています。
用具側でできることもあります。APS moriは柔道衣や畳に使える除菌クリーナーを柔道衣と同じカタログで扱っており、発注のときに一緒に相談できます。部活動の地域移行で学校と地域クラブが用具を共用する場面が増えるほど、誰が洗濯と保管を担うかを決めておく必要が出てきます。
(参考)トンズランス感染症の予防 – 公益財団法人全日本柔道連盟
Q. 学校の授業で使う柔道着にも認証は必要ですか?
必要ありません。認証が求められるのは全柔連主催大会に出場する場合で、体育の授業や道場の練習は対象外です。各メーカーは授業用として一組7,000円前後からの普及価格帯を用意しているため、用途を分けて選べば費用を抑えられます。ただし部活動の公式戦に出る生徒の柔道衣は認証製品が必要です。
まとめ|柔道着は認証番号から入ると迷わない
柔道衣選びは、メーカーの知名度から入ると情報が発散します。全柔連の認証という軸を先に置けば、候補は15社に絞られ、そこから用途で選び分けるだけになります。
- 全柔連の認証を受けた製造業者は2025年6月11日現在で15社。一覧は全柔連がPDFで公開している
- 認証は会社ではなく製品ごとに出る。白はJU、青はJUBで始まる番号を品番単位で確認する
- 15社は総合スポーツメーカー1社・武道具総合6社・柔道専門ブランド5社・受託製造3社に分かれる
- ブランド名と製造元は一致しないことがある。OEM専業や他社ブランドを縫う会社が実在する
- 正課授業用と試合用は価格が2〜3倍違う。人数と用途を分けて積算する
より広くスポーツ用具の産業構造を押さえたい場合は、日本スポーツ業界の8つの課題を読むと、武道具の市場がどの位置にあるかが見えてきます。
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