スポーツサングラスは、レンズの色の濃さではなく、紫外線透過率と可視光線透過率の表示値で選びます。神奈川県が市販のサングラス類22検体を調べた商品テストでは、紫外線透過率はレンズの濃淡に関係なく全検体が表示値を満たしていました。
屋外の現場作業や、社内の運動会・部活動の引率。強い照り返しのなかで半日目を細め続けた社員が、夕方になって「目の奥が重い」とこぼす場面は珍しくありません。ここでは公式サイトで製品ラインを確認できた12ブランドを比較し、支給するときの判断基準を整理します。
- レンズの濃さで紫外線は防げない|神奈川県の商品テストが示した結果
- 支給前に押さえる3つの規格|サングラスと作業用保護具は目的が違う
- スポーツサングラス12ブランド比較|公式サイトで確認できた製品ライン
- オークリー|競技ごとにレンズを設計し紫外線は400nmまで遮る
- SWANS|屋外業務者向けの法人ラインを持つ国内メーカー
- ルディプロジェクト|度付き対応モデルが多く視力補正が必要な社員に向く
- OGK KABUTO|ヘルメット併用を前提に設計された自転車向けライン
- JINS SPORTS|ハイコントラストレンズと撥水コートを標準にした実用ライン
- Zoff SPORTS|4タイプから用途に合わせて選べる価格重視の選択肢
- TALEX|偏光レンズ専門で度付きはプロショップ経由になる
- Zeque by ZEAL OPTICS|水面の照り返しが強い現場に向く偏光ライン
- AXE|眼鏡の上から掛けられるオーバーグラスを持つ老舗
- 720armour|アジアンフィットで鼻の低い顔型にも隙間ができにくい
- アンダーアーマー|野球向けが中心で既製レンズを一括で揃えやすい
- OZNIS|TALEXの偏光レンズをシーン別のフレームで使える
- 使用頻度と度付きの要否で分ける|支給する枠の決め方
- 支給までの5ステップ|リスクの洗い出しから試着まで
- 鉄道・バスに広がる運行業務者向けの採用|スポーツの技術が屋外業務へ
- まとめ|スポーツサングラスは表示値と使用場面で選ぶ
レンズの濃さで紫外線は防げない|神奈川県の商品テストが示した結果
紫外線をどれだけ遮れるかは、レンズの色の濃さとは関係ありません。神奈川県くらし安全防災局消費生活課が令和元年10月から11月に実施した商品テストでは、市販のサングラス類22検体すべてで紫外線透過率の測定値が0.0%となり、可視光線透過率が9%の濃いレンズも96%のほぼ素通しのレンズも、同じように紫外線を遮っていました。
差が出たのはむしろ、光をどれだけ通すかを示す可視光線透過率のほうです。公表された測定値をHuman Soarで数え直すと、表示値との差が家庭用品品質表示法の許容範囲(±7%)を超えていた検体が5つありました。22検体のうち22.7%にあたります。
| 調べた項目 | 22検体の結果 | 支給する側への影響 |
|---|---|---|
| 紫外線透過率 | 測定値は全22検体が0.0%。表示値を満たさない検体はゼロ | 色の濃さを基準に選ぶ必要はない |
| 可視光線透過率 | 表示値との差が許容範囲(±7%)を超えた検体が5つ(22.7%) | 実際に掛けて明るさを確かめてから配る |
| 濃さと紫外線カットの関係 | レンズの濃淡と紫外線透過率に関連は認められず | 「濃い=安全」という説明を社内でしない |
出典:神奈川県「サングラスの紫外線透過率等の商品テスト」(令和元年調査・2026年6月更新)の公表値をもとにHuman Soarが集計。許容範囲外の検体数は公表表の測定値から算出
紫外線透過率は22検体すべてが表示値を満たした
テストは一般財団法人日本眼鏡普及光学器検査協会が実施し、日本産業規格(JIS)にもとづいて可視光線透過率と紫外線透過率を測定しています。紫外線透過率の測定値は、表示が「1.0%以下」の検体も「0.1%以下」の検体も、左右のレンズともすべて0.0%でした。
つまり市販品として流通しているものであれば、紫外線のカット性能そのものでブランド間に大きな差はつきにくい、ということになります。支給する側が比較すべきなのは、この先にあるフィット感や耐久性、視界の質のほうです。
可視光線透過率は22検体中5検体で表示との差が許容範囲を超えた
一方、可視光線透過率は表示と測定値がずれていました。表示50%に対して測定41%、表示54%に対して測定66%といった具合で、明るさの感じ方が説明と違う製品が混じっていたわけです。神奈川県はこの差について、価格による偏りは見られなかったと報告しています。
まとめ買いで社員に配る場合、この数%のずれは「思ったより暗くて足元が見えない」「思ったより眩しい」という不満に直結します。カタログの数値だけで発注せず、サンプルを1本取り寄せて現場で掛けてもらう工程を挟むほうが安全です。
濃いレンズを選ぶときほど紫外線カットの表示を確かめる
環境省の紫外線環境保健マニュアル2020は、色の濃いサングラスをかけると眼に入る光の量が減って瞳孔が普段より大きく開くため、紫外線カットが不十分なレンズではかえって多くの紫外線が眼の中へ入り込むと注意しています。濃いレンズは、紫外線対策の表示とセットで確認してはじめて意味を持ちます。
同マニュアルは、紫外線防止効果のあるサングラスや眼鏡を適切に使えば眼の紫外線ばく露を最大で90%カットできる一方、帽子の着用だけでは20%程度の減少にとどまるとも示しています。屋外の作業手順書に「帽子着用」としか書いていない職場は、目の対策が事実上抜け落ちていることになります。
あわせて読みたい紫外線対策アプリ・デバイス10選|健康経営担当者向け›
(参考)サングラスの紫外線透過率等の商品テスト – 神奈川県 くらし安全防災局消費生活課
(参考)紫外線環境保健マニュアル2020(2020年3月改訂版) – 環境省 環境保健部環境安全課
Q. サングラスは色が濃いほど紫外線を防げますか?
いいえ、濃さと紫外線カット性能は別物です。神奈川県の商品テストでは22検体すべてが紫外線透過率0.0%で、レンズの濃淡との関連は認められませんでした。むしろ濃いレンズは瞳孔が開くため、紫外線カットの表示が無い製品では逆効果になります。
支給前に押さえる3つの規格|サングラスと作業用保護具は目的が違う
市販のサングラスと、現場で使う保護めがねは、そもそも守ろうとしている対象が違います。

購買担当が「スポーツサングラス」として発注したものが、実際には飛来物への強度をまったく想定していない製品だった、という取り違えはよく起きます。どの規格の土俵で買っているのかを先に決めておくと、現場との認識のずれが減ります。
家庭用品品質表示法|サングラスは3区分で表示が義務づけられている
消費者庁の製品別品質表示の手引きでは、サングラスは「サングラス」「偏光サングラス」「ファッション用グラス」の3区分に分けられ、品名・レンズの材質・枠の材質・可視光線透過率・紫外線透過率・使用上の注意・表示者名の表示が義務づけられています。偏光サングラスを名乗れるのは、偏光度90%以上かつ偏光軸のずれが15度以下のものだけです。
ここで押さえておきたいのは、紫外線透過率の測定には波長313nmと365nmの試験があり、消費者に分かりやすいよう365nmの値を表示することが望ましいとされている点です。タグに書かれた数値の意味を知っていれば、社員への説明も具体的になります。健康経営の枠組みで目の対策を位置づけたい場合は、ウェルビーイング施策の設計の考え方とあわせて整理すると社内で通しやすくなります。
JIS T 8141(遮光保護具)|溶接など強い光源を扱う作業のための規格
JIS T 8141は遮光保護具の規格で、溶接・溶断のように太陽光より強い紫外線が発生する作業を想定しています。環境省のマニュアルによれば、溶接熱源から放射される紫外線量は太陽光より低い場合から数十倍になる場合まで幅があり、数メートルの距離から3分から10分ほど見ているだけで電気性眼炎を起こすことがあります。
この領域はスポーツサングラスの守備範囲ではありません。遮光度番号で選ぶ専用の保護具が必要で、屋外用のサングラスを流用すると重大な事故につながります。
JIS T 8147(保護めがね)|飛来物と粉じんから眼を守る規格
JIS T 8147は保護めがねの規格で、飛来物や粉じんによる衝撃・異物の侵入を防ぐことを目的としています。紫外線対策が主眼ではないため、紫外線カットの表示が無い製品も存在します。
建設現場やグラウンド整備のように、日差しと飛来物の両方にさらされる場面では、どちらの機能が主でどちらが従なのかを職場ごとに決めてから製品を選びます。厚生労働省の行政指導にもとづく健康診断では、紫外線・赤外線にさらされる業務における眼の障害の有所見率が平成28年から30年にかけて2.3%から2.5%で推移し、休業4日以上の労働災害も毎年10名弱が報告されています。
(参考)製品別品質表示の手引き サングラス – 消費者庁 表示対策課
Q. スポーツサングラスと作業用の保護めがねは同じものですか?
別の規格の製品です。市販のサングラスは家庭用品品質表示法で可視光線透過率と紫外線透過率の表示が義務づけられた製品で、飛来物への強度は想定していません。衝撃や粉じんから眼を守るならJIS T 8147の保護めがね、溶接などの強い光源にはJIS T 8141の遮光保護具を使います。
スポーツサングラス12ブランド比較|公式サイトで確認できた製品ライン
ここで取り上げるのは、2026年9月時点で公式サイトにスポーツ・屋外用の現行ラインを掲載していて、日本国内で購入経路を確認できた12ブランドです。個別の型番ではなくブランドのラインナップ単位で見ているため、モデルの入れ替わりがあっても比較の軸は変わりません。
| ブランド | 提供元・発祥 | 公式サイトで確認できた特徴 | 度付きへの対応 |
|---|---|---|---|
| オークリー | 米国 | 競技・環境ごとに調整したPrizmレンズ。400nmまでの紫外線を100%カット | 対応モデルあり |
| SWANS | 山本光学(日本) | 日本製のスポーツアイウェア。屋外業務者向けの法人ラインを別に持つ | 度付き/眼鏡対応の専用カテゴリーあり |
| ルディプロジェクト | イタリア(1985年創設) | 自転車・トライアスロン・マラソン・ゴルフ・野球向け | 度付き対応モデルが豊富 |
| OGK KABUTO | 日本 | 自転車ヘルメットとの併用を前提。Hiro/FA2/FA1/ICU/122/101の6シリーズ | 度付持込対応店リストを公開 |
| JINS SPORTS | ジンズ(日本) | ハイコントラストレンズと撥水コート。ランニング・ゴルフ・サイクリング向け | 店舗で度付き対応 |
| Zoff SPORTS | インターメスティック(日本) | ACTIVE/MADE IN JAPAN/NEO SPORTY/SUNGLASSESの4タイプ | 度付き対応可 |
| TALEX | 日本 | 偏光レンズの専門メーカー。フレームメーカーと組んで供給 | 度付きは全国のプロショップ限定 |
| Zeque by ZEAL OPTICS | 日本 | 釣り・アウトドア向けの偏光。日本人の頭部形状に合わせた設計 | 度付き対応あり |
| AXE | 日本(1936年創業) | ゴーグル・サングラス専門。メガネの上から掛けるオーバーグラスを展開 | オーバーグラスで眼鏡併用 |
| 720armour | 台湾・豪州発 | アジアンフィット設計。Grilamid TR90素材で軽量 | モデルにより対応 |
| アンダーアーマー | 米国 | Armour Sightレンズと100%のUVカットを掲げる。野球向けモデルが中心 | 既製レンズ中心 |
| OZNIS | 日本 | TALEXの偏光レンズを採用し、フィッシング・ゴルフなどシーン別に展開 | 度付き対応あり |
出典:各ブランドの公式サイト(2026年9月時点)の掲載内容をもとにHuman Soarが作成。価格・仕様は公式サイト記載時点のもので変動します
オークリー|競技ごとにレンズを設計し紫外線は400nmまで遮る
オークリーの公式ストアは、スポーツサングラスのカテゴリーを独立して持っています。特徴はPrizmレンズで、ロード・トレイル・ゴルフ・ディープウォーターのように競技と環境ごとに強調する波長を変え、路面の凹凸や芝の起伏を見分けやすくする設計です。
公式サイトは400nmまでの紫外線を100%カットすると明示しており、偏光レンズも選べます。社内のゴルフコンペや対外試合のように「見え方の質」が成果に直結する場面で選ばれやすいブランドです。価格帯は上位に位置するため、全社一括支給より、屋外業務の担当者に限定して配るほうが現実的です。
SWANS|屋外業務者向けの法人ラインを持つ国内メーカー
SWANSは山本光学が展開する日本製のスポーツアイウェアブランドです。サングラスのほかにアイガード、スイミングゴーグル、スノーゴーグルなどを揃え、度付き/眼鏡対応製品のカテゴリーを独立して設けています。
企業にとって重要なのは、公式サイトに「屋外業務者用製品(法人様)」という法人向けの入口があることです。アスリート向けに磨いた技術を屋外で働く人の安全に転用する、という立て付けで、現場に潜む眼のリスクの説明と導入事例がまとめられています。まず法人窓口に相談したいという担当者には、選択肢に入れやすいブランドです。
(参考)屋外業務者用製品(法人様) – SWANS(山本光学株式会社)
ルディプロジェクト|度付き対応モデルが多く視力補正が必要な社員に向く
1985年にイタリアで創設されたブランドで、自転車競技・トライアスロン・マラソン・ゴルフ・野球の愛好者に支持されてきました。日本法人が公式サイトとオンラインストアを運営しており、NO CODE SLIM、SPINSHIELD PRO、SYDUSなどのモデルを展開しています。
公式サイトが強調しているのは、度付きレンズに対応できるモデルが豊富である点です。視力補正が必要な社員が一定数いる職場では、既製レンズしか選べないブランドだと結局コンタクトレンズとの併用を強いることになるため、この対応範囲の広さは実務上の差になります。
OGK KABUTO|ヘルメット併用を前提に設計された自転車向けライン
自転車用ヘルメットの国内メーカーが手がけるアイウェアで、公式サイトの製品一覧にはHiro、FA2、FA1、ICU、122、101の6シリーズが並びます。ヘルメットとの干渉を抑える形状が特徴で、配達・巡回など自転車を使う業務との相性が良いブランドです。
度付きレンズについては、持ち込みに対応する販売店のリストを公式サイトで公開しています。購買側が個別に店舗を探す手間が減るため、複数拠点に分かれた社員へ配るときに扱いやすい仕組みです。
JINS SPORTS|ハイコントラストレンズと撥水コートを標準にした実用ライン
JINSのスポーツ専用ラインで、公式サイトは激しい動きでもずれにくい設計と、ハイコントラストレンズ・撥水コートの搭載を掲げています。ランニングやトレイルランニング、ゴルフ、サイクリングを想定したモデル構成です。全国の店舗で度数合わせができるため、支給後のフォローがしやすいのも利点です。
Zoff SPORTS|4タイプから用途に合わせて選べる価格重視の選択肢
ZoffのスポーツラインはACTIVE TYPE、MADE IN JAPAN、NEO SPORTY、SUNGLASSES TYPEの4タイプで構成されています。テンプルのラバー、調整可能なノーズパッド、偏光レンズといった実用的な仕様を備えつつ、価格を抑えている点が特徴です。人数分をまとめて用意したい社内イベント向けに検討しやすいブランドです。
(参考)Zoff SPORTS – メガネのZoffオンラインストア
TALEX|偏光レンズ専門で度付きはプロショップ経由になる
TALEXは偏光レンズを専門に手がけるメーカーで、レンズ単体をフレームメーカーへ供給する立ち位置です。公式サイトはレンズのラインナップを用途別に公開しています。度付きレンズの注文は全国のプロショップ限定で、正確な視力測定が必要なためオンラインでは完結しません。支給の段取りに店舗訪問の時間を織り込む必要があります。
Zeque by ZEAL OPTICS|水面の照り返しが強い現場に向く偏光ライン
釣りとアウトドアに特化した偏光サングラスのブランドで、日本人の頭部形状に合わせたフィットを掲げています。水面の反射光を抑える設計のため、港湾・河川・養殖などの水辺の業務や、水面に近いマリンスポーツの引率に向きます。度付き対応もあります。
AXE|眼鏡の上から掛けられるオーバーグラスを持つ老舗
1936年創業のゴーグル・サングラス専門メーカーで、スキー・スノーボードからゴルフ、フィッシング、ドライビングまでを想定した製品を展開しています。特徴はメガネの上から掛けられるオーバーグラスで、度付きを作らずに視力補正と日差し対策を両立できます。度数の合わない予備品を抱えたくない職場に向く選択肢です。
720armour|アジアンフィットで鼻の低い顔型にも隙間ができにくい
アジアンフィット設計を掲げるスポーツアイウェアブランドで、Grilamid TR90素材による軽量性と、顔とレンズの間に隙間ができにくい形状が特徴です。海外ブランドを試着して「頬に当たる」「ずり落ちる」と言われた経験のある職場では、候補に入れる価値があります。
アンダーアーマー|野球向けが中心で既製レンズを一括で揃えやすい
公式通販のアイウェアカテゴリーでは、Armour Sightレンズによる歪みの少ない広い視界と、UVA・UVB・UVCを100%カットする性能を掲げています。野球・ソフトボール向けのモデルが中心で、価格帯の幅が広いため、社内の野球部やソフトボール大会にまとめて用意しやすいブランドです。
OZNIS|TALEXの偏光レンズをシーン別のフレームで使える
TALEXの偏光レンズを採用した日本のブランドで、公式サイトはフィッシング、キャンプ、ゴルフ、ドライビング、ランニング、バイク、サーフィンといったシーン別に製品を選べる構成になっています。レンズの性能は同じで、フレームの形状だけを用途に合わせたい場合に使いやすい選び方です。レディースサイズを含むシリーズもあるため、顔幅の小さい社員にも合わせやすくなっています。
Q. 度付きのスポーツサングラスは会社で用意できますか?
用意できますが、ブランドによって手続きが変わります。JINS SPORTSやZoff SPORTSは店舗で度数を合わせられ、OGK KABUTOは度付き持込に対応する販売店リストを公開しています。TALEXの度付きレンズは全国のプロショップ限定のため、支給の段取りに店舗訪問の時間を見込んでください。
使用頻度と度付きの要否で分ける|支給する枠の決め方
12ブランドを横に並べても、どれを何人分買うかは決まりません。分ける軸は使用頻度と度付き対応の要否の2つです。

同じ職場でも、毎日屋外に出る社員と年に数回のイベントに参加する社員では、必要な耐久性も予算も違います。一律に同じ製品を配ると、片方には過剰で、もう片方には足りない状態になります。
屋外業務で毎日使うなら偏光と耐久性に予算を寄せる
路面や水面の照り返しを毎日浴びる業務では、偏光レンズの有無が疲労の出方を変えます。TALEX、Zeque、OZNISのような偏光専門のラインか、SWANSやオークリーのように業務用途を想定した耐久性のあるモデルが候補になります。人数を絞ってでも単価を上げたほうが、買い替え頻度を含めた総額では収まることが多くなります。
夏場の屋外作業は、目の対策と暑さ対策を同じ計画のなかで扱うほうが現場に定着します。
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イベントの一時使用なら一括で揃えやすい価格帯にする
運動会や社内の部活動のように使用が年数回にとどまる場合は、Zoff SPORTS、アンダーアーマー、AXE、720armourのように価格を抑えて人数分を揃えられるブランドが向きます。ここで高価格帯を選ぶと、紛失や破損のたびに補充の稟議が発生して運用が止まります。
視力補正が必要な社員には度付きかオーバーグラスで受ける
度付きが必要な社員には、ルディプロジェクトやZoff SPORTSのように度付きモデルを持つブランドを選ぶか、AXEのオーバーグラスで眼鏡の上から掛けてもらう方法があります。オーバーグラスなら度数の管理が不要になるため、異動の多い職場では在庫の扱いが楽になります。
支給までの5ステップ|リスクの洗い出しから試着まで
製品を決める前に、現場のどの場面で目が晒されているかを言葉にしておきます。

この順番を飛ばして先に製品を決めると、規格の選び直しが起きて発注をやり直すことになります。とくに②と③は、現場から不満が出てからでは変更しづらい部分です。
①眼のリスクを場面ごとに洗い出す
屋外作業、運転、グラウンド整備、水辺の巡回、社内イベントの引率と、場面ごとに何が目を脅かしているかを書き出します。日差しなのか、路面の反射なのか、飛来物なのか。ここで区別しておくと、次の規格の選定が機械的に進みます。
②規格と区分を決める
洗い出した内容が紫外線と眩しさなら家庭用品品質表示法のサングラスまたは偏光サングラス、飛来物や粉じんが主ならJIS T 8147の保護めがね、溶接など強い光源があるならJIS T 8141の遮光保護具に振り分けます。ここで決まった区分を発注書に明記しておくと、現場と購買の認識がずれません。
③可視光線透過率を用途に合わせる
可視光線透過率は低いほど光を通さず暗くなります。薄暮や曇天でも使うなら明るめ、真夏の炎天下での作業が中心なら濃いめといった具合に、使用時間帯から逆算します。神奈川県のテストが示したとおり表示値と実測にはずれがあるため、カタログの数値だけで決めず現物を確認します。
④度付き対応の要否を確認する
対象者に眼鏡・コンタクトレンズの使用状況を確認し、度付きモデル、オーバーグラス、既製レンズのどれで受けるかを決めます。度付きは納期が長くなるため、この工程だけは早めに着手します。デスクワークの姿勢対策と同じで、支給して終わりではなく使い続けられる形にすることが重要です。詳しくは姿勢矯正ベルトの製品比較でも触れた定着の考え方が参考になります。
⑤試着させてから支給する
最後に現物を掛けてもらいます。顔幅に合わずずり落ちる、ヘルメットと干渉する、暗すぎて足元が見えないといった問題は、この段階でしか見つかりません。レディースサイズやジュニアサイズを持つブランドもあるため、顔の小さい社員には別のサイズを用意します。運動を伴う施策全体の設計はスポーツウェルビーイングの実践設計の考え方と揃えておくと、単発の備品購入で終わりません。
社内スポーツの場面で目の保護を検討するなら、けがの補償とあわせて制度を組むほうが現実的です。
あわせて読みたい企業向けスポーツ保険10社比較|研修・部活動のリスク管理›
Q. 野球やゴルフなど競技ごとにブランドを変える必要はありますか?
必須ではありませんが、レンズの色味は競技で変えると効果が出ます。オークリーのPrizmのようにロード・トレイル・ゴルフ・水辺で強調する波長を変えるレンズがあり、芝の起伏や路面の凹凸の見え方が変わります。年数回のイベント用途であれば、汎用の1モデルで揃えて問題ありません。
鉄道・バスに広がる運行業務者向けの採用|スポーツの技術が屋外業務へ
目の保護を福利厚生ではなく安全対策として導入する動きは、すでに国内で始まっています。
阪急電鉄・南海電鉄から地方の鉄道・バスへ広がった
SWANSの公式サイトは、運行業務者用防護めがね(偏光レンズ)の採用をニュースリリースとして公開しています。2025年6月に阪急電鉄、同年9月に南海電鉄で正式採用され、2026年に入って多摩都市モノレール、近鉄バス、四日市あすなろう鉄道と続いています。大手から地方の事業者へ広がっている流れが読み取れます。
運転士は、前方の信号や標識を1日中見続けます。路面や線路の照り返しは、屋外作業とは違う形で目に負荷をかけます。5社の採用は、この負荷が個人の我慢ではなく会社が手当てする対象だと整理された結果です。
アスリート向けの技術を屋外で働く人へ転用している
SWANSはこの取り組みを、過酷な環境で戦うアスリートの要望に応えて進化させた技術を、働く人の安全に転用したものと説明しています。スポーツ由来の技術が業務用途へ降りてくる流れは、暑さ対策や姿勢サポートでもすでに起きていることです。
自社で同じ導線をたどるなら、まず1部署で試して効果を確かめる進め方が現実的です。組織への広げ方はウェルビーイング経営の取り組み事例のパターンが参考になります。
(参考)屋外業務者用製品(法人様)ニュースリリース – SWANS(山本光学株式会社)
まとめ|スポーツサングラスは表示値と使用場面で選ぶ
スポーツサングラスの選定でつまずくのは、性能をレンズの見た目で判断してしまうときです。押さえるべき点を整理します。
- 紫外線カットはレンズの濃さと無関係。神奈川県の商品テストでは22検体すべてが紫外線透過率0.0%だった
- 差が出るのは可視光線透過率で、表示と実測のずれが許容範囲を超えた検体が22検体中5つあった
- 市販のサングラス、JIS T 8147の保護めがね、JIS T 8141の遮光保護具は目的が違う。発注書に区分を明記する
- 公式サイトで現行ラインを確認できた12ブランドは、度付き対応の受け方がそれぞれ違う
- 使用頻度と度付きの要否で枠を分け、試着まで通してから支給する
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