MLBの売上は約125億ドル|30球団の推移と放映権・分配

MLBの売上は約125億ドル|30球団の推移と放映権・分配 スポーツビジネス

MLBの売上は、Forbesが推計した30球団の2025年シーズンの売上を合計すると約125億ドル(1ドル=150円で約1兆8,800億円)です。30球団の合計は2016年の約90億ドルから約1.4倍に増え、球団別の首位はドジャースの8億5,000万ドルです。MLB自身は全体の売上を公表しておらず、放映権料も非公表です。売上の規模と推移、球団別のランキングに加えて、売上を支える放映権と、球団の間でお金を配り直す収益分配の仕組みを見ていきます。

ドジャースの試合を日本で見る機会が増えるなか、その球団やリーグはどれほどのお金を動かしているのか。協賛や広告で関わる前に、相手の稼ぎ方を数字で押さえておくと、提案の読み方が変わります。

MLBの売上はいくら|30球団の合計は約125億ドル(Forbes推計)

MLBの売上は、30球団の2025年シーズンの売上を合計すると約125億ドルで、1球団あたりの平均は約4.2億ドルです。この数字は米経済誌Forbesが2026年3月に公表した球団価値の調査で、各球団の売上として示した推計を足し上げたものです。MLBは機構全体の売上を公式には示しておらず、球団の売上が公式に分かるのは、親会社が上場しているブレーブスのような例に限られます。

Forbesの売上は、他球団との収益分配と球場の借入金の返済に充てた分を差し引いた数字だと注記されています。そのため、球団が自ら開示する数字とは一致しません。たとえば、親会社が米国で上場しているブレーブスは、2025年の野球事業の収入を約6億3,506万ドルと年次報告書で開示していますが、Forbesの推計は5億2,400万ドルです。差は約1億1,106万ドルです。Forbesは収益分配などを差し引いているため、こうした差が出ます。ブレーブスはこの年、収益分配として約4,860万ドルを費用に計上しています。推計は「規模の目安」として読み、球団どうしの比較に使うのが向いています。

日本と比べると規模の差がはっきりします。ドジャース1球団の売上は、1ドル=150円で計算すると約1,275億円です。阪神タイガースや甲子園球場を含む阪急阪神ホールディングスのスポーツ事業の売上(2025年度)は571億円なので、ドジャースはその約2.2倍にあたります。スポーツ庁の資料では、Jリーグの全クラブの営業収益の合計は2022年に約1,376億円で、MLBの30球団の合計はその10倍を超えます。

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(参考)Los Angeles Dodgers – Forbes MLB Team Valuations(2026年3月算出)

(参考)Atlanta Braves Holdings, Inc. Form 10-K(2025年12月期) – 米国証券取引委員会(SEC)

(参考)2025年度(2026年3月期)決算補足説明資料 – 阪急阪神ホールディングス株式会社

(参考)2030年代を見据えたスポーツ産業のあり方等の検討に向けて(議論用資料) – スポーツ庁

Q. MLBの売上はいくらですか?

Forbesが推計した30球団の2025年シーズンの売上を合計すると、約125億ドルです。1ドル=150円で計算すると約1兆8,800億円になります。MLB自身は全体の売上を公表していないため、球団ごとの推計を足し上げた数字で規模をつかみます。

MLBの売上の推移|2016年の約90億ドルから2025年は約125億ドルへ

MLBの売上は、30球団の合計で2016年の約90億ドルから2025年の約125億ドルへ増えました。新型コロナウイルスの影響を受けた2020年は約37億ドルまで落ち込みましたが、2023年には2019年の水準(約104億ドル)を上回りました。下の表は、Forbesの各球団のページに載っている年ごとの売上の推計を、シーズンごとに合計したものです。

シーズン 30球団の売上の合計 円換算(1ドル=150円) 1球団の平均 前年比
2025年 125.3億ドル 約1.88兆円 4.18億ドル +2.6%
2024年 122.2億ドル 約1.83兆円 4.07億ドル +7.7%
2023年 113.4億ドル 約1.70兆円 3.78億ドル +9.9%
2022年 103.2億ドル 約1.55兆円 3.44億ドル +8.0%
2021年 95.6億ドル 約1.43兆円 3.19億ドル +160.9%
2020年 36.6億ドル 約0.55兆円 1.22億ドル -64.7%
2019年 103.7億ドル 約1.56兆円 3.46億ドル +4.8%
2018年 99.0億ドル 約1.48兆円 3.30億ドル +4.6%
2017年 94.6億ドル 約1.42兆円 3.15億ドル +4.8%
2016年 90.3億ドル 約1.35兆円 3.01億ドル ―

出典:Forbes「MLB Team Valuations」の各球団ページに掲載された売上の推計(2026年3月算出)をもとに Human Soar 作成。各球団のページの年別のグラフに掲載された値を合計。2025年の値は、収益分配と球場の借入金の返済に充てた分を差し引いた値と注記されている

直近の伸びは落ち着いています。2025年は前年比で約2.6%増でした。一方で、球団ごとに見ると差が大きく、ドジャースは1年で約13%、メッツは約25%伸びた一方、ホワイトソックスは約14%減りました。リーグ全体の数字だけでなく、組む相手の球団の推移を見ることが大切です。

(参考)Chicago White Sox – Forbes MLB Team Valuations(2026年3月算出)

MLBの球団別の売上ランキング|1位ドジャースと最下位の差は約3.6倍

MLBの球団別の売上は、2025年シーズンでドジャースの8億5,000万ドルが最も多く、最も少ないホワイトソックスの2億3,900万ドルの約3.6倍です。上位5球団の売上を合わせると、30球団の合計の約26%を占めます。中央値は約3.59億ドルで、30球団のうち21球団が3億〜4億ドル台に集まっています。

順位 球団 売上 2025年(百万ドル) 売上 2024年(百万ドル) 選手の費用 2025年(百万ドル) 売上に占める選手の費用
1 ドジャース 850 752 402 47%
2 ヤンキース 710 728 332 47%
3 カブス 599 584 240 40%
4 レッドソックス 567 574 238 42%
5 メッツ 553 444 409 74%
6 フィリーズ 539 519 317 59%
7 ブレーブス 524 510 245 47%
8 ジャイアンツ 477 448 209 44%
9 アストロズ 464 494 262 56%
10 パドレス 452 432 244 54%
11 ブルージェイズ 445 387 299 67%
12 レンジャーズ 398 406 260 65%
13 マリナーズ 390 379 202 52%
14 エンゼルス 377 410 239 63%
15 タイガース 363 320 187 52%
16 オリオールズ 355 366 205 58%
17 ブルワーズ 354 335 165 47%
18 カージナルス 350 373 162 46%
19 ガーディアンズ 337 336 127 38%
20 レッズ 336 325 144 43%
21 ロイヤルズ 330 324 172 52%
22 パイレーツ 330 326 113 34%
23 ダイヤモンドバックス 324 328 213 66%
24 アスレチックス 320 257 122 38%
25 マーリンズ 320 317 99 31%
26 ロッキーズ 319 318 159 50%
27 ツインズ 315 324 159 50%
28 ナショナルズ 300 325 158 53%
29 レイズ 290 297 111 38%
30 ホワイトソックス 239 277 110 46%

出典:Forbes「MLB Team Valuations」の各球団ページ(2026年3月算出)の推計をもとに Human Soar 作成。選手の費用は手当・ボーナスを含む。売上に占める割合は計算した値

売上の大きさと利益は一致しません。メッツは売上5億5,300万ドルで5位ですが、選手の費用が4億900万ドルと30球団で最も多く、売上の約74%にあたります。Forbesの推計では営業利益(利払い・税・償却の前)が2億1,300万ドルの赤字でした。ヤンキースは球団価値が85億ドルで1位ですが、売上ではドジャースに次ぐ2位です。

(参考)New York Yankees – Forbes MLB Team Valuations(2026年3月算出)

Q. MLBで売上が一番高い球団はどこですか?

Forbesの推計では、2025年シーズンの売上が最も多いのはドジャースの8億5,000万ドルです。2位はヤンキースの7億1,000万ドル、3位はカブスの5億9,900万ドルでした。

MLBの放映権の仕組み|全国はMLBが一括で売り地域は球団が売る

MLBの放映権の2025年までと2026年からの違い(日曜夜の試合、MLB.TVの販売、ブレーブスの地域中継)を比べた図

MLBの放映権は、全米に流す試合の権利をMLBが30球団を代表してまとめて売り、地元の放送エリアの中継の権利を各球団が売る二本立てです。ブレーブスの年次報告書によると、2025年の放映権の収入は約1億8,859万ドルで、野球事業の収入の約29.7%を占めます。ブレーブスは、地元の中継の契約に加えて、MLBが30球団を代表して結んだ全国放送の契約からも収入の分配を受けています。

放映権が売上の柱になっているのは、米国のプロスポーツに共通する形です。ジェトロが米国勢調査局の2012年の経済センサスをもとにまとめた資料では、米国のスポーツチーム・クラブの収入のうち、入場料が35.7%、放映権などのメディアの権利が31.2%、広告が11.8%でした。

(参考)Atlanta Braves Holdings, Inc. Form 10-K(2025年12月期) – 米国証券取引委員会(SEC)

(参考)米国スポーツ市場・産業動向調査(2018年3月) – 日本貿易振興機構(ジェトロ)

全国放送の放映権は2026年から3年の新しい契約

MLBは2025年11月19日、ESPN、NBCユニバーサル、Netflixと、2026〜2028年シーズンの3年の放映権契約を結んだと発表しました。日曜夜の試合はESPNからNBCへ移ります。ESPNは、地元の球団以外の試合を見られるMLBの配信サービス「MLB.TV」を2026年から自社で販売し、年30試合の全国中継も受け持ちます。Netflixは開幕日の夜の1試合やホームランダービーを配信します。ワールドシリーズを中継するFOXや、ポストシーズンの一部を受け持つTBSとの既存の契約は続いています。発表に契約金額は書かれていません。

放映権が地上波だけでなく配信へ広がっていることは、日本の放映権市場にも共通する流れです。日本市場の動きはスポーツ放映権の仕組みと日本市場で解説しています。

(参考)MLB forms new three-year media rights agreements with ESPN, NBCUniversal and Netflix(2025年11月19日) – MLB

地域の放映権は球団が売りMLBが中継を作る球団も増えた

各球団は、MLBが定めた本拠地の放送エリアの中で、自分の試合を中継する権利を持ちます。ブレーブスは地域のスポーツ局と長期契約を結んでいましたが、相手が2026年シーズン分の支払いをしなかったため2026年1月に契約を解除し、2月に球団が自ら運営する放送の場「BravesVision」を立ち上げました。年次報告書では、新しい形の収入がこれまでの契約を下回る可能性があるとしています。

地域局が担っていた中継を、リーグが引き受ける動きも広がっています。MLBは2026年シーズン、ブルワーズやカージナルス、パドレス、マリナーズなど14球団の地元の試合を自ら制作して配信すると発表しました。ファンは球団ごとの配信サービスか、ケーブルテレビなどで見られます。

(参考)Atlanta Braves Holdings, Inc. Form 10-K(2025年12月期) – 米国証券取引委員会(SEC)

(参考)MLB announces broadcast information for 14 Clubs it’s producing and distributing games locally(2026年3月) – MLB

日本での放映は日本の放送局や配信事業者が別に契約する

日本で見られるMLBの中継は、米国の全国放送や地域中継とは別の契約で流れています。MLBの発表では、2026年のワールド・ベースボール・クラシックの全47試合を、Netflixが日本で独占配信するとしています。日本の放送局や配信事業者がMLBに払う金額は、公式の発表では示されていません。日本向けの広告や協賛を考えるときは、どの中継に、どの契約で社名が映るのかを相手に確かめます。

(参考)MLB forms new three-year media rights agreements with ESPN, NBCUniversal and Netflix(2025年11月19日) – MLB

Q. MLBの放映権料はいくらですか?

MLBの全国放送の放映権料は公表されていません。2025年11月に発表されたESPN・NBCユニバーサル・Netflixとの3年契約でも、金額は示されていません。球団単位では、上場するブレーブスの2025年の放映権の収入が約1億8,859万ドルと開示されています。

MLBの収益分配の仕組み|地元の収入の48%を出し合って均等に配る

MLBの収益分配の仕組み(球団の地元の収入、全国の放映権、年俸総額の超過分が、どう集められ、どこへ行くか)を示した図

MLBには、球団の間の売上の差を縮めるための仕組みが2つあります。地元の収入を出し合って配り直す収益分配と、選手の年俸総額が基準を超えた球団に課す「ぜいたく税」です。どちらも、MLBと選手会が結ぶ労使協定で決まっています。

収益分配は前年までの地元の純収入の48%が基準

ブレーブスの年次報告書によると、収益分配の基金は、各球団が前年までの地元の純収入の48%を出し合った場合の額と同じ大きさです。各球団の負担は過去3年の地元の純収入をもとに決まり、基金は球団に均等に配られます。ただし、市場の大きい一部の球団は受け取りの対象から外れます。ブレーブスはこの収益分配として、2025年に約4,860万ドル、2024年に約4,230万ドルを費用に計上しました。地元の収入が大きい球団ほど出す額が増え、基金は均等に配られるため、球団の間の差が縮まる方向に働きます。

(参考)Atlanta Braves Holdings, Inc. Form 10-K(2025年12月期) – 米国証券取引委員会(SEC)

ぜいたく税の基準額は2026年に2億4,400万ドル

ぜいたく税(Competitive Balance Tax)は、選手の年俸総額が基準額を超えた球団が、超えた分に応じて払う税です。基準額は2022年の2億3,000万ドルから毎年上がり、2026年は2億4,400万ドルです。税率は1年目が20%、2年連続で30%、3年以上連続で50%で、超えた幅が大きいとさらに上乗せされます。上限を超えると制裁を受けるBリーグのサラリーキャップとの違いはサラリーキャップの記事で比べています。

今の労使協定は2022〜2026年シーズンが対象です。前回の協定が切れた2021年12月にはMLBがロックアウト(球団側による選手の締め出し)を始め、2022年の開幕が遅れました。2027年以降の取り決めは、収益分配やぜいたく税の数字が変わる可能性があります。

(参考)Competitive Balance Tax – MLB Glossary

Q. MLBの収益分配制度とは何ですか?

各球団が地元で得た収入の一部を出し合い、球団に均等に配り直す仕組みです。労使協定では、各球団が前年までの地元の純収入の48%を出し合った額を基金とし、市場の大きい一部の球団は受け取りの対象から外れます。

MLBの売上と放映権から日本企業と日本のリーグが確かめる3つの点

MLBの売上の大きさは、そのまま日本での協賛や広告の価値を示すわけではありません。お金の流れを押さえたうえで、日本企業が組むときと、日本のリーグが参考にするときに確かめたい点を3つ挙げます。

協賛の相手がリーグか球団かで届く範囲が変わる

全国放送の権利はMLBが持ち、球団が売れる中継の権利は本拠地の放送エリアに限られます。日本国内でロゴを使った販促をしたいのか、米国の地元で存在感を出したいのかで、組む相手が変わります。見積もりを受け取ったら、権利が使える地域と、日本で流れる中継に社名が映るかを分けて確かめます。

あわせて読みたいMLBスポンサーの日本企業|ドジャース球場の看板10社と契約内容›

契約期間と労使協定の期限が重なっていないか

今の労使協定は2026年シーズンまでで、前回は協定が切れたあとにロックアウトで開幕が遅れました。2027年をまたぐ協賛や広告の契約では、試合が減ったり開幕が遅れたりした場合に、露出の回数や金額をどう扱うかを契約書で決めておきます。球団の地域中継の相手が変わることもあるので、中継での露出を約束に入れるなら、どの放送局や配信で流れるかも確かめます。

日本のリーグは地域中継と収益分配の考え方を参考にできる

MLBは、14球団の地元の中継をリーグが自ら制作して配信し、収益分配で市場の小さい球団にお金を回しています。日本でも、リーグが一括で得た収入をクラブに配る形はJリーグにあり、金額の決まり方はJリーグの分配金の記事で解説しています。スポーツ業界全体の課題は日本スポーツ業界の課題にまとめています。

MLBの売上のまとめ

出典は本文の各セクションに記載しています。

  • Forbesの推計で30球団の2025年シーズンの売上を合計すると約125億ドル(1ドル=150円で約1兆8,800億円)
  • 2016年の約90億ドルから約1.4倍。球団別では1位ドジャースの8億5,000万ドルが最下位の約3.6倍
  • 放映権は全国をMLBが一括、地域を球団が売る。2026〜2028年はESPN・NBC・Netflixと新契約
  • 地元の純収入の48%を基準にした収益分配と、2026年に基準額2億4,400万ドルのぜいたく税で差を縮める
  • 協賛では届く範囲と、2026年シーズンで切れる労使協定の期限を確かめる

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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