「午後になると急に集中力が切れる」——こうしたエネルギー切れの感覚に心当たりはないでしょうか。
この記事では、アスリートが実践する「代謝柔軟性」を高めるエネルギー戦略の考え方と、ビジネスパーソンの日々のパフォーマンス管理への応用を紹介します。
代謝柔軟性とエネルギー戦略とは
代謝柔軟性とは、体が糖質(グリコーゲン)と脂質という2つの主要なエネルギー源を、運動強度や状況に応じて効率よく切り替えて使える能力のことです。トップアスリートのトレーニングでは、練習の負荷やシーズンの時期に合わせて糖質・脂質の摂取バランスを調整する「期分け(ピリオダイゼーション)」という考え方が取り入れられています。持久系種目の選手は特に、糖質を使い切った状態でトレーニングすることで脂質代謝を高める手法を取り入れることもあります。オフシーズンとシーズン中で摂取戦略を切り替えるのが一般的です。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」でも、活動量に応じた適切なエネルギー摂取バランスの重要性が示されています。
常に同じ食事パターンを続けるのではなく、体の状態や活動レベルに合わせてエネルギー源を調整することが、パフォーマンスを安定させる鍵になります。画一的な食習慣が、かえって不調の原因になることもあります。
代謝柔軟性が高い体は、エネルギー切れを起こしにくく、安定したパフォーマンスを発揮しやすいとされています。逆に代謝柔軟性が低いと、糖質が枯渇した瞬間に急激なパフォーマンス低下を招きやすいという特徴もあります。長時間の集中力を要する仕事にも通じる考え方だといえます。
(参考)日本人の食事摂取基準(2020年版) – 厚生労働省
ビジネスパーソンが実践できる3つの工夫
代謝柔軟性の考え方は、忙しいビジネスパーソンの日々のエネルギー管理にも応用できます。
①血糖値の急上昇を避ける食事
精製された糖質を一度に大量に摂ると血糖値が急上昇・急降下し、かえって集中力の低下を招くことがあります。菓子パンや清涼飲料水など、手軽に摂れる食品ほどこの血糖値変動を起こしやすい傾向があります。ランチ後の強い眠気の一因も、この血糖値変動に関係していると考えられています。食物繊維やたんぱく質と組み合わせて摂ることで、血糖値の変動を緩やかにできます。
②活動量に応じたエネルギー配分
デスクワーク中心の日と体を動かす日とで、必要なエネルギー量や栄養バランスを調整する意識を持つことが有効です。出張や外回りが多い日は、普段より少し多めのエネルギー補給を意識すると良いでしょう。
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③良質な脂質を取り入れる
ナッツやオリーブオイルなどの良質な脂質は、持続的なエネルギー源として活用でき、糖質だけに偏らないエネルギー戦略の一部になります。間食を菓子類からナッツに置き換えるだけでも、血糖値の急変動を抑える工夫として手軽に始められます。
エネルギー戦略で陥りやすい誤解
「糖質を減らせば良い」「脂質は避けるべき」といった極端な二元論は、代謝柔軟性を高める上ではむしろ逆効果になることがあります。重要なのは、どちらか一方を排除することではなく、状況に応じて柔軟に使い分けるバランス感覚です。特定の栄養素を悪者扱いする単純化した情報には注意が必要です。
また、個人によって適したバランスは異なるため、一般論をそのまま当てはめるのではなく、自分の体調の変化を見ながら調整することが大切です。
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すぐ使えるアクションプラン:エネルギー管理の3ステップ
日々のエネルギー管理を見直す3ステップを紹介します。
極端な制限に頼らず、柔軟な使い分けを意識することが、安定したパフォーマンスにつながります。小さな習慣の積み重ねが、日々のコンディションを大きく左右します。
食事のタイミングも意識したいポイント
何を食べるかだけでなく、いつ食べるかも代謝柔軟性に影響を与える要素です。重要な会議やプレゼンの直前に糖質の多い食事を摂ると、血糖値の急上昇からその後の急降下を招き、かえってパフォーマンスを下げてしまうことがあります。
集中力が求められる時間帯の前は、消化に時間のかかる食事や糖質過多な食事を避け、軽めの食事で安定したエネルギー供給を意識することが有効です。
まとめ
- 代謝柔軟性とは糖質と脂質を状況に応じて効率よく使い分ける能力のこと
- アスリートは練習負荷やシーズンに合わせてエネルギー源のバランスを調整する期分けを実践している
- ビジネスパーソンには血糖値管理・活動量に応じた配分・良質な脂質の活用が応用のポイント
- 極端な二元論ではなく、状況に応じたバランス感覚が代謝柔軟性を高める鍵になる
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