朝の食後、会議中にふと集中力が切れて、頭がぼんやりする。運動後の練習日誌をつけながら「今日は途中で急に力が入らなくなった」とメモする選手もいます。血糖値は、そうした体感の裏側で静かに上下している数値です。これまでは病院で指先を刺して測るのが一般的でしたが、今はセンサーを腕に貼るだけで24時間の血糖トレンドをスマートフォンで確認できる製品や、記録を一括管理できるアプリが登場しています。
この記事では、血糖を測る製品・サービスとして「FreeStyleリブレ」「Dexcom G6/G7」「シンクヘルス」の3つを、公式サイトの情報にもとづいて紹介します。どんな仕組みで、誰がどう使っているものなのかを整理し、アスリートの栄養管理や企業の健康経営での活用の可能性まで掘り下げます。
血糖を測る3つの製品・サービス
血糖を測る方法は大きく分けて、センサーを装着して自動で測定し続ける「持続グルコースモニタリング(CGM)」と、血糖自己測定(SMBG)の結果や生活記録を手入力・機器連携で管理する「記録アプリ」の2種類があります。まずは代表的な3製品の特徴を一覧で比較します。
| 製品名 | 提供企業・提供元 | 主な機能・特徴 | 対応プラットフォーム |
|---|---|---|---|
| FreeStyleリブレ | アボット(Abbott) | 上腕にセンサーを装着し、グルコース値を持続的に測定。スマートフォンやReaderで血糖トレンドを確認できる | 専用アプリ(iOS/Android対応スマートフォン) |
| Dexcom G6/G7 | デクスコムジャパン(Dexcom, Inc.) | 指先穿刺なしで血糖値と変動傾向を取得。高値・低値アラートや最大10名へのデータ共有機能を搭載 | 専用アプリ(iOS/Android対応スマートデバイス) |
| シンクヘルス | シンクヘルス株式会社 | 血糖値・血圧・体重・食事・運動・服薬を一括記録。CGMや血糖自己測定器など多数の機器と連携できる | スマートフォンアプリ(App Store/Google Play) |
各社公式サイトの公開情報をもとにHuman Soarが作成(2026年8月時点)
FreeStyleリブレ|貼るだけで血糖トレンドを可視化するCGM
FreeStyleリブレは、上腕裏側に小さなセンサーを装着し、1分ごとにグルコース値を測定し続ける持続グルコース測定(CGM)システムです。指先穿刺による血糖自己測定と違い、今の数値だけでなく「どのように推移してきたか」「これからどの方向に向かうか」まで全体像として把握できる点が特徴です。
最新モデルのFreeStyleリブレ2は、家族や医療従事者とグルコースデータを共有できる機能も備えており、食事・運動・薬剤が血糖にどう影響しているかを振り返るツールとして使われています。
Dexcom G6/G7|指先穿刺なしでアラートを受け取れるCGM
Dexcom G6・G7は、指先穿刺や較正なしで血糖値と変動傾向を確認できる持続グルコースモニタリング(CGM)システムです。高血糖・低血糖になりそうなタイミングをアラートで知らせるカスタマイズ機能があり、20分以内に重症低血糖に至る可能性を事前に警告する「緊急低値リスクアラート」も搭載しています。
「Dexcom Share」機能を使えば、最大10名のフォロワーとリアルタイムでグルコースデータを共有できます。運動中や就寝中など、本人が気づきにくいタイミングの変化を家族が把握できる仕組みです。
シンクヘルス|血糖・食事・運動をまとめて管理するアプリ
シンクヘルスは、血糖値・血圧・体重といった測定値と、食事・運動・服薬情報を一つのアプリでまとめて記録・管理できる健康管理アプリです。血糖自己測定器や血圧計、体重計、CGMなど多数の測定機器と連携でき、手入力の手間を減らしながら記録を継続しやすくしている点が特徴です。
CGMと連携した場合は、血糖変動のグラフと食事・運動・服薬の記録を重ねて確認できるため、「何を食べたときに血糖値が上がったか」「どのタイミングで運動すると血糖値が上がりにくいか」を振り返る用途にも使われています。
3製品を分類する軸|医療連携型とセルフケア型
3製品はいずれも血糖を「見える化」する点は共通していますが、測定の方法(センサーが自動で測るCGM型か、記録を積み重ねるアプリ型か)と、主な使われ方(医療機関との連携が前提か、個人のセルフケアが中心か)という2つの軸で位置づけを整理すると、それぞれの向き不向きが見えてきます。

FreeStyleリブレやDexcomは、センサーが自動でデータを取得し、医療従事者と共有して治療方針の判断材料にする使い方が中心です。一方でシンクヘルスのような記録アプリは、測定機器と連携しつつ、日々の食事・運動と血糖値を照らし合わせて自分で振り返る、セルフケアの側面が強くなります。目的が「治療管理」なのか「日常のコンディション把握」なのかによって、選ぶべき軸が変わってくるということです。
血糖トレンド管理を始める3ステップ
血糖を測る製品を選ぶときは、いきなり製品名から探すのではなく、まず自分が何のために測りたいのかを整理しておくと迷いにくくなります。ここでは、始め方を3つのステップに分けて紹介します。

STEP1|目的を決める
糖尿病の治療管理が目的なのか、運動時のコンディション把握やパフォーマンス向上のための参考情報として使いたいのかで、選ぶべき製品の傾向が変わります。治療目的であれば主治医への相談が前提になる点も踏まえておく必要があります。
STEP2|製品を選ぶ
センサーを装着して自動測定するCGM型か、記録を積み重ねるアプリ型か、医療機関とのデータ共有が必要かどうかで比較します。前章の分類軸を参考に、自分の使い方に近いタイプから検討すると絞り込みやすくなります。
STEP3|記録を生活に組み込む
測定を始めたら、食事・運動・睡眠などの生活記録と重ねて血糖トレンドを振り返る習慣をつくることが重要です。数値だけを眺めるのではなく、「何をした後に上がりやすいか」というパターンを見つけることが、日々の行動を調整するヒントになります。
アスリート・健康経営における血糖データ活用の可能性
血糖を測るというと糖尿病の治療管理を思い浮かべる人が多いかもしれませんが、厚生労働省の「令和5年国民健康・栄養調査」では、「糖尿病が強く疑われる者」の割合が男性16.8%、女性8.9%にのぼると報告されています。年齢階級が上がるほどその割合は高くなる傾向があり、働く世代にとっても他人事ではないデータです。
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(参考)令和5年国民健康・栄養調査結果の概要 – 厚生労働省
アスリートにとっては、運動強度と血糖変動の関係を把握することが、エネルギー切れや低血糖によるパフォーマンス低下を避けるための材料になります。企業の健康経営の観点でも、血糖トレンドを含む複数のバイタルデータを従業員が自分で把握できる環境を整えることは、生活習慣病の予防施策の一つとして位置づけられます。心拍・自律神経や活動量など、他のバイタルデータとあわせて測ることで、より立体的にコンディションを把握できます。
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よくある質問
血糖を測る製品を検討する際によく聞かれる質問をまとめました。
健康な人でも血糖を測る意味はありますか
治療目的でなくても、食後の血糖変動のパターンを知ることは、食事や運動のタイミングを見直すきっかけになります。ただし製品によっては医療機器として扱われるため、使用にあたっては販売元の案内や医師への相談を確認することが前提です。
CGMと記録アプリはどちらか一方だけ使えばよいですか
目的次第です。センサーで血糖値そのものを自動測定したい場合はCGM型、食事・運動・服薬もあわせて一元管理したい場合は記録アプリ型が向いています。シンクヘルスのようにCGMと連携できるアプリを使えば、両方の良さを組み合わせることもできます。
運動中のパフォーマンス管理にも使えますか
Dexcomのように変動傾向をリアルタイムで確認できる製品であれば、練習中や試合前後のコンディション確認の参考情報として活用されています。ただし数値の解釈や活用方法は、栄養士やトレーナーなど専門家と相談しながら進めることが望ましいとされています。
まとめ
- FreeStyleリブレ・Dexcom G6/G7は、センサーを装着して血糖トレンドを自動測定するCGM型の製品
- シンクヘルスは、血糖値や食事・運動・服薬を一括管理できる記録アプリ型のサービス
- 製品は「医療連携型かセルフケア型か」「CGM型かアプリ型か」という2軸で整理すると選びやすい
- 厚生労働省の調査では「糖尿病が強く疑われる者」が男性16.8%・女性8.9%と、働く世代にも身近なテーマ
- アスリートのコンディション管理や企業の健康経営でも、血糖トレンドを活用する余地が広がっている
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