「姿勢が悪い」「フォームが崩れている」という指摘は現場でよく聞きますが、具体的にどこがどれくらいずれているのかを数値で示せる企業やチームは多くありません。近年は、専門機材を使わずスマートフォン1台で姿勢・動作を可視化できるアプリから、研究レベルの精度を持つ専用システムまで、選択肢が急速に広がっています。この記事では、姿勢・動作を測る代表的な4つのツールを、公式サイトで確認できる情報をもとに紹介します。
姿勢・動作分析が注目される背景
スポーツ現場に限らず、デスクワーク中心の企業でも「姿勢の崩れ」は慢性的な疲労や集中力の低下と結びつくテーマとして注目されています。トレーナーやセラピストが目視だけでフォームを評価すると、感覚のズレや説明のしにくさが課題になりがちです。
姿勢・動作を数値化できれば、改善前後の比較を会員や選手に見せられるだけでなく、指導者間で評価基準をそろえやすくなります。スマホ完結型のAIアプリから研究機関が使う光学式システムまで、目的や予算に応じた選択肢が生まれている背景には、こうした「感覚を数値に変えたい」という現場のニーズがあります。
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姿勢・動作を測る4つのツール比較
姿勢・動作を測るツールにもいくつかのタイプがあります。ここでは代表的な4製品を、公式サイトで確認できる情報をもとに比較します。
| 製品名 | 提供企業 | 主な機能・特徴 | 対応プラットフォーム |
|---|---|---|---|
| Sportip Pro | 株式会社Sportip | AIによる姿勢・フォーム分析、運動処方の自動提案 | iOS/Android(スマホ・タブレット) |
| SPLYZA Motion | 株式会社SPLYZA | マーカーレスで角度・速度・軌跡等を算出する3D動作解析 | iOS(iPhone/iPad) |
| Vicon | Vicon Motion Systems | 光学式・マーカーレス方式の高精度モーションキャプチャ | 専用カメラ+PCソフトウェア(Nexus等) |
| Kinovea | Kinovea(オープンソースプロジェクト) | 動画のスロー再生・比較・角度計測・トラッキング | Windows PC(無料) |
それぞれの特徴を詳しく見ていきます。
Sportip Pro|AIが姿勢とフォームを自動チェック
Sportip Proは、筑波大学発のスタートアップ「株式会社Sportip」が開発したAI姿勢分析・動作分析アプリです。スマートフォンやタブレットのカメラで撮影するだけで、姿勢のゆがみやトレーニングフォームの崩れをAIが自動で検出します。
問題点を発見した後は、AIが改善のための運動プログラムを自動で処方する機能も備えており、フィットネスジムやパーソナルトレーナーが会員の継続率向上や新規獲得のツールとして導入しています。
出典: https://lp.sportip.ai/
SPLYZA Motion|マーカーレスで動作を数値化
SPLYZA Motionは、iPhone・iPadと動画さえあれば使えるマーカーレスの3D動作解析アプリです。体の各部位の角度・角速度・速度・加速度、特定位置からの距離、脊椎の湾曲角、軌跡といった数値を、専用マーカーを体に装着せずに算出できます。
教育現場の探究学習、臨床現場でのリハビリ評価、スポーツ現場でのフォームチェックなど、200を超える組織で幅広く活用されています。
出典: https://motion.products.splyza.com/about/index.html
Vicon|研究レベルの精度を持つモーションキャプチャ
Vicon(バイコン)は、40年以上にわたってモーションキャプチャ市場をリードしてきた光学式・マーカーレス方式のシステムです。生体力学(バイオメカニクス)研究、臨床での歩行分析、スポーツ科学分野向けのソフトウェア「Nexus」を中心に、フォースプレートや筋電計(EMG)といった他の計測機器とも連携できます。
研究論文で使えるレベルの高精度なデータセットを生成できる点が、大学の研究室やプロスポーツチームの研究部門に選ばれている理由です。
出典: https://www.vicon.com/
Kinovea|無料で使えるビデオ分析ソフト
Kinoveaは、完全に無料で使えるオープンソースのビデオ分析ソフトです。動画のスロー再生・コマ送り再生、2つの動画の並列比較、矢印や図形での注釈、角度や距離の計測、ポイントの半自動トラッキングといった機能を備えています。
2004年から個人開発者によって継続的にアップデートされており、ライセンス費用やサブスクリプション費用は一切かかりません。学校の部活動から五輪選手のトレーニングまで対応できるシンプルさと機能性を両立しています。
出典: https://www.kinovea.org/
技術方式と活用シーンで見る全体像
4製品を技術方式で整理すると、大きく3つの系統に分かれます。

マーカーレスAIで完結するタイプはスマホ・タブレットのカメラだけで使える手軽さが強みで、光学式のVicon、無料のKinoveaはそれぞれ精度とコストの面で異なる立ち位置にあります。さらに「導入のしやすさ」と「活用シーン」という2つの軸で整理すると、次のように位置づけられます。

スマホで完結し個人利用に向くゾーンにはSportip Pro、教育・臨床・スポーツ現場を横断して使われるSPLYZA Motionが位置し、Kinoveaは無料でPCがあれば個人でもチームでも扱いやすいポジションです。Viconは専用機材と場所が必要な分、研究・臨床の精度要件に応えられます。
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導入前に確認したい選び方の判断フロー
実際にどのツールを選ぶかは、次のような順番で確認していくと絞り込みやすくなります。

スマホ撮影だけで完結させたいならSportip ProかSPLYZA Motion、個人利用よりも組織・研究目的で高精度なデータが必要ならVicon、まずはコストをかけずに動画分析を試したいならKinoveaが候補になります。導入前に無料トライアルやデモ動画で実際の解析画面を確認しておくと、現場での使い勝手のイメージがつかみやすくなります。
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よくある質問
導入を検討する際によく聞かれる質問をまとめました。
マーカーレスの動作解析アプリはどれくらいの精度がありますか
公式サイトでは具体的な誤差の数値は公開されていませんが、SPLYZA Motionはマーカーレスでも角度や軌跡を算出できることを特徴として明記しています。研究論文レベルの精度が必要な場合は、光学式のVicon等の専用システムが選択肢になります。
無料で使えるツールはありますか
Kinoveaは完全に無料のオープンソースソフトで、ライセンス費用やサブスクリプションは発生しません。スマホでのAI解析を試したい場合は、各社が提供する体験版やトライアルの有無を公式サイトで確認するとよいでしょう。
スポーツ現場以外でも活用できますか
SPLYZA Motionは教育現場の探究学習や医療・介護のリハビリ評価でも使われています。姿勢分析はデスクワークの多い企業の健康経営施策としても応用が広がっています。
まとめ
姿勢・動作分析は、スマホで手軽に始められるSportip Pro・SPLYZA Motionから、研究レベルの精度を持つVicon、無料で始められるKinoveaまで、目的と予算に応じた選択肢がそろっています。まずは自社の現場で「誰が」「何のために」数値化したいのかを整理したうえで、判断フローに沿って候補を絞り込んでみてください。
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