オフィスフィットネス導入|人事が押さえる費用と効果

オフィスフィットネス導入における費用と効果を示すアイキャッチ画像 スポーツウェルビーイング

「福利厚生でジムの利用補助を出しているのに、利用率が伸びない」。健康経営に取り組む人事担当者から、こうした相談をよく聞きます。制度としては用意したのに、実際に体を動かす社員は一部だけ。経営層からは費用対効果を問われ、現場からは「時間がない」と言われる板挟みの中で、次の一手に悩んでいるのではないでしょうか。

この記事では、オフィスフィットネスの主な形式と費用の目安を整理したうえで、参加率が伸びない企業に共通する設計ミスと、小規模企業でも始められる進め方を解説します。

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オフィスフィットネスの主な形式と費用の目安

経済産業省は「企業の『健康経営』ガイドブック」で、健康経営を進める企業向けに具体的な取り組みの型を整理しています。オフィスでの運動機会づくりは、大きく分けて次の3つの形式に整理できます。

形式 内容 費用感の目安
①外部ジム法人契約 提携ジムを社員が利用、企業が一部・全額補助 1人あたり月数千円〜1万円程度
②オンライン体操・ストレッチ配信 始業前・休憩時間に動画やオンライン講師で実施 月数万円〜(人数によらず定額のことが多い)
③社内イベント型(歩数チャレンジ等) アプリで歩数・活動量を可視化し部署対抗などで実施 アプリ利用料が中心、比較的低コスト

経済産業省「企業の『健康経営』ガイドブック」で紹介されている取り組み類型をもとに、Human Soarが費用感を整理して作成。

運動機会の提供が生産性・欠勤に与える効果

厚生労働省は職場の腰痛予防対策のなかで、出社はしているものの健康問題によって生産性が落ちている状態を指す「プレゼンティーズム」という概念を紹介し、欠勤(アブセンティーズム)よりも経営への負の影響が大きい場合があると説明しています。運動機会の提供は、この見えにくい生産性低下への対策として位置づけられます。

また厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、身体活動量の確保がメンタルヘルスや生活の質の改善に効果をもたらすことが整理されており、職場での運動機会づくりは単なる福利厚生ではなく、生産性に関わる投資として説明できます。

(参考)腰痛予防対策(プレゼンティーズムの解説を含む) – 厚生労働省

(参考)健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023(概要) – 厚生労働省

参加率が伸びない企業に共通する設計ミス

制度を用意しても参加率が伸びない企業には、共通するパターンがあります。

就業時間内に組み込まれていない

「就業後にジムへどうぞ」という設計では、繁忙期になるほど利用が後回しになります。始業前15分や昼休みの一部など、業務時間の枠内に明確に組み込むだけで参加のハードルは大きく下がります。

参加者が固定化し、周囲に広がらない

もともと運動習慣のある社員だけが参加し続け、それ以外の社員には「一部の人のイベント」という認識が定着してしまうパターンです。部署対抗などチーム単位の仕掛けを入れると、運動習慣のない社員も巻き込みやすくなります。

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小規模企業でも始められる進め方

予算やスペースが限られる中小企業でも、段階を踏めば無理なく始められます。以下は実際に取り入れやすい順に並べたステップです。

1歩数アプリなど低コスト施策から始める:初期費用をかけず、まず参加への抵抗感が少ない施策で様子を見る
2始業前の15分を「動く時間」として明示する:就業時間内に組み込み、参加のハードルを下げる
3部署対抗など「巻き込み型」の仕掛けを追加する:参加者の固定化を防ぐ
4効果が見えたら外部ジム契約などに投資を広げる:小さく始めた施策の反応を見てから予算配分を決める

①低コスト施策から始める

歩数アプリのような初期費用の小さい施策は、失敗しても損失が小さく、社内の反応を見るテストとして最適です。

②始業前の時間を明示する

「自由参加」ではなく「始業前15分は運動の時間」と就業規則やスケジュールに明記することで、参加者にとって心理的な後ろめたさがなくなります。

③巻き込み型の仕掛けを追加する

個人戦ではなく部署対抗にするだけで、運動習慣のない社員も「チームのために」参加しやすくなります。

④効果を見てから投資を広げる

低コスト施策で参加率や反応が見えてから、外部ジム契約のような費用のかかる施策に段階的に投資すると、費用対効果を経営層に説明しやすくなります。

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オフィスフィットネスは「時間の組み込み方」が成否を分ける

まとめると、オフィスフィットネスの成否を分けるのは制度の有無ではなく、就業時間への組み込み方と巻き込み方の設計です。

  • 形式は外部ジム契約・オンライン配信・社内イベント型の3種類から自社に合うものを選ぶ
  • プレゼンティーズム対策として生産性への投資と位置づける
  • 始業前など就業時間内に明確に組み込むことで参加率を上げる
  • 低コスト施策から始め、反応を見てから投資を広げる

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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