スポーツデータ分析とは|主要10社と活用段階

スポーツデータ分析業界の主要企業10社と活用の成熟度 スポーツDX

プロ野球のトラックマン、Jリーグの戦術分析、部活動のスマホ動画分析まで、スポーツの現場にデータ活用が急速に広がっています。結論から言うと、国内スポーツテック市場は2022年に777億円(前年比140.0%)まで拡大しており、企業がこの分野に関わる余地は競技団体向けだけでなく健康経営・研修分野にも広がっています。本記事では、主要10社の動向と、企業が関わる視点を解説します。

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スポーツテック市場はなぜ急拡大しているのか

矢野経済研究所の調査によると、2022年の国内スポーツテック市場規模(事業者売上高ベース)は777億円で、前年比140.0%という高い伸びを記録しました。AIを活用したリアルタイムパフォーマンス分析、傷害予防技術への需要増加、IoT対応スポーツ機器の統合などが成長要因として挙げられています。プロチームだけでなく、部活動や地域クラブレベルでもスマートフォン1台で使える分析サービスが普及し、データ活用の裾野が広がっていることが急拡大の背景です。

Q. 国内のスポーツテック市場規模はどれくらいですか?

矢野経済研究所の調査によると、2022年の国内スポーツテック市場規模は事業者売上高ベースで777億円、前年比140.0%と大きく拡大しました。AIを使ったパフォーマンス分析や傷害予防技術への需要が成長を牽引しています。

(参考)スポーツ用品市場に関する調査を実施(2025年) – 株式会社矢野経済研究所

データ活用の成熟度|3段階で見るチームの現在地

スポーツデータ分析の活用度合いは、チームによって大きな差があります。ここではHuman Soarが独自に、活用の成熟度を3段階に整理しました。

スポーツデータ活用の成熟度3段階を示す図解

多くのチームはまず「データ取得」の段階からスタートし、GPSトラッカーや映像、ウェアラブル端末で基礎データを集めます。次の段階では、集めたデータを比較・可視化して選手やコーチが状況を把握できるようにします。最も進んだ段階では、蓄積したデータから戦術判断や怪我予防の予測にまで活用します。ピラミッドの下ほど裾野が広く、上に行くほど取り組むチームが限られる構造です。

国内主要10社の一覧比較|スポーツデータ分析を支える企業

専業のスポーツデータ企業から大手IT企業まで、性格の異なる10社を一覧にしました。そのあとで各社の特徴をH3で個別に解説します。

企業 主な提供領域 特徴
データスタジアム 競技データ配信・分析 2001年設立、国内スポーツデータ化の先駆者
SPLYZA スマホ動画分析 「SPLYZA Teams」を高校サッカー中心に約900チームが導入
ネクストベース 野球データ解析 トラックマンデータを用いた解析システムを提供
ユーフォリア コンディション管理 「ONE TAP SPORTS」を71競技・1,700超チームが導入
Sportip AI動作解析 筑波大学発、カメラだけで姿勢分析する「Sportip Pro」
富士通 大手ITベンダー 競技団体向けデータ分析サービスを展開
NTTコムウェア 大手ITベンダー 通信インフラを活かしたスポーツIT基盤を提供
NEC 映像解析・顔認証 スタジアムの映像解析・入場管理技術を提供
楽天グループ 事業会社 保有するスポーツ事業でデータ活用を推進
電通 マーケティング活用 スポーツデータをマーケティング領域に応用

各社公式発表・報道情報をもとにHuman Soarが作成(2026年9月時点)。

データスタジアム|国内スポーツデータ化のパイオニア

データスタジアム株式会社は2001年設立で、各種競技の詳細データを記録・分析し、テレビ・新聞・雑誌・インターネットなどのメディアやプロチーム向けに情報提供するスポーツ・コンテンツ・プロバイダーです。日本におけるスポーツのデータ化・デジタル化を早くから牽引してきました。

SPLYZA|スマホ動画分析で部活動に浸透

株式会社SPLYZAが提供する「SPLYZA Teams」「SPLYZA Motion」は、スマートフォン1台で戦術や動作の分析を可能にするサービスです。「SPLYZA Teams」は高校サッカーチームを中心に約900チームで導入されており、プロだけでなく部活動レベルへデータ活用が広がっている代表例です。

ネクストベース|トラックマンデータで野球を解析

株式会社ネクストベースは、投球・打球のトラッキングデータを取得するトラックマンのデータを用いた野球のデータ解析システムを提供しています。数値化されたデータをもとに、選手個々のフォームや配球の改善に活かす分析を得意としています。

ユーフォリア|71競技1,700チーム超が使うコンディション管理

株式会社ユーフォリアが提供する「ONE TAP SPORTS」は、71競技・1,700以上のチームで利用されており、ラグビー日本代表をはじめとする10以上の日本代表チーム、8,000名以上のトップアスリートのコンディション管理・パフォーマンス向上を支えています。

Sportip|カメラだけで姿勢分析するAI技術

筑波大学発ベンチャーの株式会社Sportipは、カメラで撮影するだけで身体情報を可視化するAI姿勢分析アプリ「Sportip Pro」を提供しています。4種類の姿勢分析やROMテスト、歩行分析など200以上の測定機能を備え、約1秒で分析結果と2,000以上の運動メニューを自動提案する点が特徴です。

富士通・NTTコムウェア・NEC|大手ITベンダーの参入

富士通、NTTコムウェア、NECといった大手ITベンダーは、それぞれの通信・映像処理技術を活かし、競技団体向けのデータ分析サービスやスタジアムの映像解析・入場管理システムを提供しています。専業のスポーツテック企業とは異なり、大規模インフラの構築力が強みです。

楽天グループ・電通|事業会社としてのデータ活用

楽天グループは自社が保有するスポーツ事業でデータ活用を推進しており、電通はスポーツデータをマーケティング領域に応用する取り組みを進めています。データ分析を専業とする企業ではなく、自社事業や広告事業への応用という形で市場に関わっている点が特徴です。

Q. 部活動でもスポーツデータ分析は使えますか?

はい。SPLYZAの「SPLYZA Teams」のようにスマートフォン1台で使えるサービスが普及しており、高校サッカーを中心に約900チームで導入されています。専用の高額な計測機器がなくても分析を始められる環境が整っています。

(参考)株式会社ユーフォリア公式サイト – 株式会社ユーフォリア

企業がスポーツデータ分析市場と関わる2つの視点

Human Soarの読者である企業の経営者・人事担当者にとって、スポーツデータ分析はスポーツチーム向けのサービスであるだけでなく、自社の健康経営や研修プログラムに応用できる知見の宝庫でもあります。

健康経営におけるコンディション管理データの応用

ユーフォリアのようなコンディション管理サービスの考え方は、そのままアスリートに限らず従業員の健康管理にも応用できます。日々のコンディションを可視化し、異常を早期に察知する仕組みは、健康経営の実務にも転用しやすい発想です。

スポーツデータ分析人材の採用・研修活用

データスタジアムやSPLYZAのようなスポーツデータ企業で培われた分析スキルを持つ人材は、一般企業のデータ分析・マーケティング部門でも高い親和性を発揮します。スポーツ analytics 経験者の採用や、社内研修へのケーススタディ活用も検討に値します。

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Q. 企業がスポーツデータ分析の知見を自社に活かす方法はありますか?

コンディション管理の考え方を健康経営に応用したり、スポーツデータ分析の経験を持つ人材を採用・研修に活用したりする方法があります。データを「取得→可視化→予測」という段階で捉える発想は、業種を問わず参考になります。

まとめ|スポーツデータ分析は競技の枠を超えて広がる

スポーツデータ分析市場は、プロチーム向けの専門サービスから部活動レベルまで裾野を広げながら急拡大しています。ポイントを振り返ります。

  • 国内スポーツテック市場は2022年に777億円、前年比140.0%まで拡大した
  • データ活用は「取得→可視化→予測」という3段階の成熟度で捉えられる
  • SPLYZAのようなスマホ完結型サービスが部活動レベルまで裾野を広げている
  • 富士通・NECなど大手ITベンダーもインフラ提供者として参入している
  • 企業は健康経営への応用や、データ分析人材の採用・研修活用でこの市場と関われる

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About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

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