サッカーのユニフォームスポンサー|位置と金額を企業向けに解説

サッカーのユニフォームスポンサー|位置と金額を企業向けに解説 スポーツマーケティング

試合の中継を見ていると、選手の胸や背中、袖に企業の名前が並んでいる。自社の名前をあそこに入れるには、どこに、いくらで頼めばよいのだろう。クラブから提案を受けても、位置による違いがわからず、比べようがない。

結論から言うと、サッカーのユニフォームスポンサーは、Jリーグの決まりでシャツに8か所、ショーツの前と後ろに入れられ、1か所につき1社です。金額は位置とカテゴリーで大きく変わり、J1では数千万円から億単位、J3では年1,000万円台の例が公表されています。位置ごとの定価を公表しているJリーグのクラブは見つかりませんでした。この記事では、位置と大きさの決まり、金額の目安、J1の胸スポンサー、日本代表に入らない理由を、Jリーグや国際サッカー連盟(FIFA)の資料で整理します。内容は2026年10月9日に確認したものです。

サッカーのユニフォームスポンサーの位置はシャツ8か所とショーツ

Jリーグは「ユニフォーム要項」で、広告を入れられる場所と大きさを決めています。2026年7月1日に改定された要項では、シャツに8か所まで、ショーツは前と後ろに入れられます。

位置 か所数 大きさの上限
シャツの前面(胸) 1 300平方センチメートル
鎖骨の左右 2 各50平方センチメートル
前面の裾の左右 2 各40平方センチメートル
シャツの背面(背中) 1 200平方センチメートル
背面の裾 1 150平方センチメートル
左の袖 1 50平方センチメートル
ショーツの前面と後面 前面1、後面は左右 各80平方センチメートル

Jリーグのユニフォームに広告を入れられる位置と大きさ(出典:Jリーグ「ユニフォーム要項」2026年7月1日改定 第10条。位置の呼び名はHuman Soarが一般的な言い方に置き換えた)

最も大きいのは胸で、背中の1.5倍、袖の6倍の広さがあります。広告は1か所につき1社と決まっていて、入れる前にJリーグへ届け出て、承認を受ける必要があります。

袖の広告は左だけです。右の袖には、Jリーグのマークと、ホームタウンの名前が入ります。ホームとアウェイ、フィールドの選手とゴールキーパーで、別の企業の広告を入れることも認められています。

なお、Jリーグ以外のチームには、日本サッカー協会の「ユニフォーム規程」が使われます。こちらも胸は300平方センチメートル以下で、広告は承認制です。高校の例は高校サッカーのスポンサー一覧で紹介しています。

(参考)ユニフォーム要項(2026年7月1日改定) – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ

(参考)ユニフォーム規程 – 公益財団法人日本サッカー協会

Q. サッカーのユニフォームのスポンサーはどの位置に入りますか?

Jリーグのユニフォーム要項(2026年7月1日改定)では、シャツは胸、鎖骨の左右、前面の裾の左右、背中、背面の裾、左の袖の8か所まで、ショーツは前面と後面に広告を入れられます。大きさの上限は胸が300平方センチメートル、背中が200平方センチメートルで、1か所につき1社です。

ユニフォームの広告枠は1993年の3か所から8か所に増えた

サッカーのユニフォームスポンサーの広告枠が1993年から2026年にかけて増えた流れ図

広告を入れられる場所は、少しずつ増えてきました。Jリーグが公開している各年の規約・規程集を比べると、変化がわかります。

開幕した1993年の規程では、広告はシャツに3か所でした。胸、背中、左の袖です。その後、2002年版でショーツが加わり、2016年版で背中の裾、2018年版で鎖骨の左右、2022年版でショーツの後ろが加わりました。2026年の改定で、前面の裾の左右が新しく認められています。

ホームとアウェイで別の企業を入れられるようになったのは、2018年版からです。それまでは、親子の関係にある2社の名前や、同じ企業の商品名などに限られていました。

海外と比べると、Jリーグの枠は早くから多めです。イングランドのプレミアリーグが袖の広告を認めたのは2017/18シーズンで、左の袖だけでした。協賛する企業から見ると、枠が増えたことで、胸以外の小さな枠から入る道が広がったと言えます。

(参考)規約・規程集 – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ

(参考)Jリーグ規約・規程集 1993年版 – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ

(参考)Jリーグ規約・規程集 2018年版 – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ

(参考)What’s new this season: Sleeve sponsors(2017年8月9日) – Premier League

サッカーのユニフォームスポンサーの金額は位置とカテゴリーで変わる

位置ごとの定価を公表しているJリーグのクラブは、確認した範囲では見つかりませんでした。クラブが自分のサイトで金額に触れている例を、カテゴリーの違うものから並べます。

クラブ・団体 公表されている金額 補足
セレッソ大阪(J1) おおよそ数千万円から億単位 ユニフォーム広告についての公式の回答
FC岐阜(J3) 年1,760万円以上(税抜) ユニフォームに社名が入る最上位の区分
富山第一高校サッカー部の後援会 胸で年55万円(税込) リーグ戦用のユニフォーム

ユニフォームへの広告について公表されている金額の例(各クラブ・後援会の公式サイトより。2026年10月9日確認)

J1のセレッソ大阪は、ユニフォームへの広告について「おおよそ数千万-億単位での金額の契約が多くを占めています」と答えています。J3のFC岐阜は、ユニフォームに社名が入るトップパートナーを年1,760万円以上としています。同じユニフォームでも、カテゴリーで1けた違います。

ほかのクラブのサイトにも、目安に触れた記述があります。湘南ベルマーレは、J1の胸スポンサーは「年間3億円超と言われています」と紹介し、多くのクラブは具体的な金額を公表していないと書いています。FC町田ゼルビアは、J1の胸で年間1億円から4億円程度、J2やJ3では数百万円から数千万円の例もあると紹介しています。どちらも自分のクラブの料金ではなく、一般的な目安としての記述です。

高校や地域のクラブでは、けたがさらに下がります。富山第一高校サッカー部の後援会は、胸を年55万円、背中の上を年33万円と公表しています。予算に合わせて、カテゴリーと位置の組み合わせを考えることになります。看板などほかのメニューの金額は、スポーツスポンサー料の相場で整理しています。

(参考)パートナー・スポンサーページ – セレッソ大阪

(参考)2026 パートナーシップ(パートナー区分) – FC岐阜

(参考)Jリーグクラブのスポンサーとは? – 湘南ベルマーレ

(参考)パートナー向けブログ – FC町田ゼルビア

(参考)スポンサー募集 – 富山第一高等学校サッカー部後援会

Q. サッカーのユニフォームスポンサーの金額はいくらですか?

位置ごとの定価を公表しているJリーグのクラブは見つかりませんでした。セレッソ大阪はユニフォーム広告を「おおよそ数千万-億単位」と答えており、J3のFC岐阜はユニフォームに社名が入る区分を年1,760万円以上(税抜)としています。高校では、後援会が胸を年55万円と公表している例があります(2026年10月9日時点)。

ユニフォームにスポンサーが入るのは協賛がクラブの収入の4割から5割台を占めるから

J1・J2・J3の売上高に占めるスポンサー収入の割合を示した棒グラフ

なぜ、サッカーのユニフォームには企業の名前が入るのでしょうか。クラブの収入の中で、協賛が最も大きな柱だからです。

Jリーグが公表している2025年度のクラブ決算一覧から計算すると、売上高に占めるスポンサー収入の割合は、J1で41.3%、J2で51.1%、J3で56.5%でした。カテゴリーが下がるほど、協賛に頼る割合が大きくなります。スポンサー収入は、入場料収入と比べても、J1で約2.2倍あります。

この数字は、看板や冠試合なども含めたスポンサー収入の全体です。ユニフォームだけの金額ではありません。ただ、ユニフォームは試合中ずっと映り、写真やグッズにも残るので、協賛の中で最も目立つ場所です。クラブにとっても企業にとっても、中心になるメニューと言えます。

(参考)2025年度 J1・J2・J3 クラブ決算一覧 – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ

あわせて読みたいスポーツスポンサーとは|種類・金額・仕組みを企業向けに解説›

J1の胸スポンサーは確認できた19クラブすべてに入っている

2026/27シーズンのJ1の20クラブについて、各クラブの発表やユニフォームの画像から、胸のスポンサーを確かめました。確認できた19クラブのすべてで、胸に企業の名前が入っていました。シーズン前に発表されたホーム用のデザインで確かめたものです。

  • 鹿島:LIXIL/浦和:ポラス/柏:日立製作所/FC東京:東京ガス
  • 東京V:日本瓦斯(ニチガス)/町田:サイバーエージェント/川崎F:富士通/横浜FM:日産自動車
  • 千葉:富士電機/水戸:ケーズホールディングス/名古屋:トヨタ自動車(表示は車名の「GRカローラ」)
  • 京都:京セラ/G大阪:パナソニック/C大阪:ヤンマー/神戸:楽天グループ
  • 岡山:GROP/広島:エディオン/福岡:新日本製薬/長崎:ジャパネット

清水は、確認した日に公式サイトがメンテナンス中で、確かめられませんでした。

顔ぶれを見ると、製造業、エネルギー、小売り、ITと業種はさまざまです。名古屋のように、社名ではなく商品の名前を入れるクラブもあります。企業の名前を広めたいのか、特定の商品を売りたいのかで、入れる表示を選べるわけです。業種ごとの傾向はJリーグのスポンサー構造で、クラブごとの例はセレッソ大阪のスポンサー126社で扱っています。

(参考)2026/27シーズン「ユニフォームパートナー」決定のお知らせ – 東京ヴェルディ

(参考)「2026/27明治安田J1リーグ」ユニフォーム決定のお知らせ – ガンバ大阪

(参考)ユニフォームパートナー – ヴィッセル神戸

(参考)2026/27シーズン ユニフォームパートナー決定のお知らせ – 名古屋グランパス

日本代表のユニフォームにスポンサーが入らないのはFIFAの規則による

クラブのユニフォームには企業の名前が並ぶのに、日本代表のユニフォームには入っていません。これは、国際サッカー連盟(FIFA)の用具の規則が、代表チームのユニフォームへのスポンサー広告を認めていないからです。

2025年1月に施行されたFIFAの用具規則は、各国の協会を代表するチームの試合用の服や用具について、大会でも国際親善試合でも、スポンサーの広告は認められないと定めています。メーカーのマークと協会のエンブレムだけが入るのは、このためです。

クラブのチームについては、FIFAが承認した広告を入れられます。ただし、FIFAの大会では、たばこ、アルコール度数が15%を超える飲料、武器などの広告は認められていません。代表を支援したい企業は、ユニフォームではなく、協会のパートナーという形で関わることになります。

あわせて読みたいルール40とは|スポンサー企業が大会期間中にできること›

(参考)FIFA Equipment Regulations(2025年1月1日施行) – FIFA

Q. 日本代表のユニフォームにスポンサーが入っていないのはなぜですか?

国際サッカー連盟(FIFA)の用具規則が、各国の協会を代表するチームの試合用の服や用具へのスポンサー広告を認めていないためです。2025年1月に施行された規則の第12条に定めがあり、大会でも国際親善試合でも同じ扱いです。クラブのチームは、承認を受けた広告を入れられます。

ユニフォームスポンサーを検討する企業が確かめる3つのこと

クラブに相談する前に、決まりの面から確かめておける点を3つ挙げます。

入れたい位置が空いているか

広告は1か所につき1社です。胸や背中は、長く続けている企業が入っていることが多く、空きが出るとは限りません。2026年に加わった前面の裾のように、新しい枠から相談する方法もあります。入れる前にはJリーグの承認が要るので、早めに相談しておきます。

どのユニフォームに入るのか

ホーム用とアウェイ用、フィールドの選手用とゴールキーパー用で、別の広告を入れられます。提案された枠が、どのユニフォームのものかを確かめてください。シーズンの途中で広告を変えることも、Jリーグの承認を受ければできます。契約書で確かめる項目はスポーツスポンサー契約とはで整理しています。

販売用のユニフォームにも社名が残るか

ユニフォームの広告は、ファンが買うレプリカのユニフォームにも入ります。試合の日だけでなく、街や写真の中に社名が残り続けるのが、看板との違いです。ガンバ大阪の公式ストアは、洗濯機を使うとスポンサーのマークにしわが出ることがあるとして、手洗いを勧めています。長く着てもらえる場所だからこそ、ロゴの色や大きさは、契約の前に実物の見本で確かめておきましょう。

支払った広告料の経理は、国税庁が示す広告宣伝費の考え方にあてはめて整理します。国税庁は2020年に、Jリーグからの照会に対する文書回答事例も公表しています。クラブに支出した金銭のうち、広告宣伝費の性質を持つと認められる部分を損金に算入するという取扱いについての照会です。観戦の招待など接待にあたる特典が含まれる場合は扱いが変わるので、税理士に確認してください。協賛全体の考え方はスポーツマーケティングの基本でも扱っています。

(参考)ユニフォーム要項(2026年7月1日改定) – 公益社団法人日本プロサッカーリーグ

(参考)2026/27 レプリカユニフォーム – ガンバ大阪オフィシャルオンラインストア

(参考)タックスアンサー No.5260 交際費等と広告宣伝費との区分 – 国税庁

(参考)文書回答事例 Jリーグの会員クラブに対して支出した広告宣伝費等の税務上の取扱いについて – 国税庁

まとめ|サッカーのユニフォームスポンサーは位置と予算から選ぶ

ユニフォームの広告は、決まりで場所と大きさが決められた、数の限られた枠です。要点を振り返ります。

  • Jリーグではシャツに8か所とショーツに広告を入れられ、1か所につき1社
  • 枠は1993年の3か所から増え、2026年に前面の裾が加わった
  • 金額はJ1で数千万円から億単位、J3で年1,000万円台の例が公表されている
  • 協賛はクラブの売上高の4割から5割台を占め、J1の胸は確認できた19クラブすべてに入っている
  • 日本代表のユニフォームは、FIFAの規則でスポンサー広告が認められていない

まずは、応援したいクラブのユニフォームを見て、どの位置にどの企業が入っているかを書き出してみてください。空いている位置が、相談の入口になります。

ご質問・ご相談はお気軽にどうぞ

お問い合わせはこちら →
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂
執筆者
About The New株式会社 代表取締役 森永 昂

新卒で東証プライム上場の社会人教育・コンサルティング企業に入社し、人材育成・組織開発に従事。その後、別企業でメディア・プラットフォーム事業の責任者を務める。

2025年5月に About The New株式会社 を設立。スポーツの現場で培われた知見を組織開発・人材育成の文脈に翻訳し、研修・チームビルディング・イベントの企画運営を行っています。

「知識を得る」で終わらせず「行動が変わる」ところまでを設計することを大切にしています。ご相談は contact@aboutthenew.co.jp まで。

コメント

タイトルとURLをコピーしました