繁忙期になると残業が増え、ミスが重なり、同じ人に仕事が集中する。毎年同じことをくり返していませんか。スポーツ科学で使われている「直近1週の負荷を、それまでの数週間の平均と比べる」考え方で、業務量が急に増える週を先に見つけ、人の配置と納期の調整で波をならします。
対象となるお客さま
- 繁忙期と閑散期の差が大きい部署を持つ経営者・事業責任者
- 繁忙期の残業やミスの増加に悩む現場の管理職
- 応援体制や人員計画を見直したい人事・経営企画の担当者
よくあるお悩み
- 繁忙期のたびに、同じ人に仕事が集中する
- 応援を入れても、慣れていないためミスが増える
- 忙しくなってから手を打つので、毎年後手に回る
課題|人手不足のまま、繁閑の差が残業とミスになる
繁忙期に起きることは、どの職場でもよく似ています。仕事が増え、慣れた人が残業で受け止め、疲れてミスが出る。ミスの手直しでさらに仕事が増え、終わるころには担当者が消耗しています。
人を増やして受け止める余地も小さくなっています。厚生労働省の「労働経済動向調査」では、2026年8月1日現在の正社員等労働者過不足判断D.I.(人手が「不足」と答えた事業所の割合から「過剰」の割合を引いた値)が、調査産業計で+47ポイントの不足超過でした。パートタイム労働者でも+26ポイントです。
人が足りないなかで繁忙期を乗り切るには、量そのものより「増え方」を管理する必要があります。
原因|業務量を週で数えず、急な増え方に気づけていない
担当者の頑張りや管理職の采配の問題ではありません。原因は次の3つです。
- 業務量を週で数えていない:残業時間は月を締めてから分かります。分かったときには、繁忙期はもう終わっています。
- 応援がいきなり入る:普段その仕事をしていない人が、繁忙期に初めて入ります。その人にとっては、業務量が急に増えたのと同じです。
- 受注と現場の調整が分かれている:納期を決める部門と、仕事を受け止める部門が別々に動くと、同じ週に山が重なります。
繁閑の差は、残業の大きな理由として企業自身が挙げています。厚生労働省の平成28年版「過労死等防止対策白書」の企業調査(平成27年12月〜平成28年1月、回答1,743件)では、残業が発生する理由として「業務量が多いため」「人員が不足しているため」「業務の繁閑の差が大きいため」などが多く挙げられました。「仕事の繁閑の差が大きいため」は、運輸業・郵便業で46.8%、教育・学習支援業で42.4%、情報通信業で41.7%です。
スポーツ知見|けがの危険は練習量より「直近の増え方」で変わる
スポーツ科学では、選手の練習量を「直近1週の負荷(急性負荷)」と「直近3〜6週の平均(慢性負荷)」に分けて見ます。急性負荷を慢性負荷で割った値が「急性・慢性負荷比」です。2016年に英国スポーツ医学誌(British Journal of Sports Medicine)に掲載されたティム・ガベット氏の論文は、この比が0.8〜1.3の範囲をけがの起きにくい「スイートスポット」、1.5以上を「危険域」と整理しました。クリケット、オーストラリアンフットボール、ラグビーリーグの3競技のデータをもとにしています。
同じ論文は、普段から多くの練習をこなしている選手は、けがをしにくいことも示しています。つまり大事なのは練習を減らすことではなく、急に増やさないことです。職場でも、繁忙期の量そのものより、ふだんとの差が大きい週と、慣れていない人に仕事が急に回る場面が崩れる起点になります。
ただし、試合と仕事は同じではありません。練習量は指導者が決められますが、仕事の量はお客さまの都合で決まる部分が大きく、人の配置だけでなく納期や受注の調整もあわせて行います。また0.8〜1.3という数字は選手のけがのデータから出たもので、論文自身も競技ごとに関係が違うと注意しています。そのため職場では数字をそのまま使わず、御社の過去の残業とミスの記録から基準を決めます。
解決策|業務量を週で数え、急に増える週に先回りする
新しい管理の仕組みを大きく足すのではなく、すでにある記録を週単位で見直すところから始めます。
- 週の業務量を1つの単位で数える:受注件数・伝票数・工数など、部署ごとに1つ決めて毎週記録する
- 増え方の比率を見る:来週の見込みを、過去4週の平均で割る
- 基準を超えそうな週に先回りする:応援を入れる、納期をずらす、準備の仕事を前倒しする
- 応援メンバーを前もって慣らす:繁忙期の4週前から、少しずつ担当してもらう
いちばん効くのは、実績ではなく「来週の見込み」で比率を出すことです。実績だけを見ていると、気づいたときには山の中にいます。受注の予定や季節の行事から見込みを立てれば、残業が増える前に手を打てます。
進め方|過去1年の記録から、自社の基準を決める
基準の数字を外から持ち込むと、現場の実感と合わずに使われなくなります。まず御社の記録で、どこから崩れ始めるのかを確かめます。
診断では、過去12か月の業務量・残業・ミスの記録を週単位に並べ直し、業務量が急に増えた週と、残業やミスが増えた週が重なるかを確かめます。設計・試行では1部署で週次の記録と比率の確認を回し、基準と、超えそうなときの対応ルールを試します。定着では他の部署と年間の計画に広げ、毎月のレビューで運用します。
期間は目安です。診断だけ、1部署だけといった始め方もご提案します。Human Soarは様式の用意・記録の集計・基準の案づくり・ルールの文書化・月次レビューの進行を担い、御社には業務量と勤怠・ミスの記録の共有、試す部署の決定、営業と現場の調整役の指名をお願いします。
成果物|繁忙期の前に手を打てる4つの仕組み
成果物は、ひな形を渡して終わりにはしません。どれも御社の実際の記録をもとに、一緒に作ります。
最初にできるのが「週次の業務量記録シート」です。部署ごとに決めた単位で毎週の量を記録し、来週の見込みと過去4週の平均の比率が自動で出るようにします。次に、過去の記録と受注予定から「年間の繁閑カレンダー」を作ります。山がいつ来るかと、前倒しできる仕事、応援を入れる時期を1枚にまとめ、管理職が月初に見て予定を組めるようにします。
運用に入ったら、「応援と納期調整のルール」で、比率が基準を超えそうなときに誰が何をするかを決めておきます。それをもとに基準や応援の割り当てを見直す「月次レビューの運用手順」まで整えるので、支援が終わった後も社内だけで回し続けられます。
期待できる効果|経営・管理職・担当者の3つが変わる
経営にとっては、繁忙期に必要な人数と残業を前もって見積もれるようになり、採用や外注の判断を早められます。管理職は、山の時期と応援の予定が決まっているので、忙しくなってから人を探す場面が減ります。担当者は、来週どれくらい忙しくなるかが前もって分かり、同じ人に仕事が集中しにくくなります。
見る数字は、月の残業時間だけではなく「比率が基準を超えた週の数」です。この数が減っていれば、山が来ても増え方はならせています。もう1つ「繁忙期のミスの件数」を前年の同じ時期と比べると、応援の慣らしが効いているかが分かります。スライド下のセルフチェックで2つ以上当てはまれば、業務量の管理を見直す時期です。
Human Soarからのコメント
スポーツの現場では、大会の日程から逆算して練習量を上げ下げします。大事な時期にいきなり量を増やすことはしません。仕事の繁忙期も、たいていは来ることが分かっている山です。山の高さは変えられなくても、登り方は変えられます。御社の記録をもとに、その登り方を一緒に設計します。
よくあるご質問
Q. 業務量を週ごとに数えると、現場の手間が増えませんか?
新しい入力はできるだけ増やしません。受注件数・伝票数・勤怠の工数など、すでにある記録から部署ごとに1つを選んで使います。集計と比率の計算はシートで自動にし、管理職の作業は週1回の確認だけにします。
Q. 繁忙期の量そのものを減らせない業種でも効果はありますか?
あります。目的は量を減らすことではなく、増え方をならすことと、応援する人を前もって慣らすことだからです。準備や資料づくりなど前倒しできる仕事を閑散期に移し、応援メンバーには繁忙期の4週前から少しずつ担当してもらいます。
Q. スポーツの基準の数字をそのまま使うのですか?
使いません。0.8〜1.3という数字は選手のけがのデータから出たもので、職場にそのまま当てはまるとは限らないためです。御社の過去の記録から、残業やミスが増え始めた比率を確かめ、その値を基準にします。
FREE DOCUMENT
関連する資料を無料でダウンロード











コメント